バレンタインの悲劇 ベルモット百合夢
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「………」
「いらない?」
ベルモットは私が出したものを見つめたまま固まっている。
あげなかったら、しつこいくらい請求されるかと思って。
そうはさせるかと用意したんだけど。
「ベルモット?」
「…チョコレート?」
「えぇ。バレンタインの」
ベルモットは恐る恐る受け取る。
「いらなかった?」
再び聞くと、チョコレートを見つめたまま。
「…くれると思わなかったわ…」
予想外だったことを口にした。
「…私は逆に、あげないとずっと請求されるかと思ってた…」
私は苦笑いを漏らす。
「…」
カサカサと音を立て、丁寧に包みを開いて。
「…手作りなの?」
中身を見たまま、また固まった。
「そりゃそうよ。さっき蘭さんたちと作ってたんだもの」
チョコには“義理義理義理義理”と、ホワイトチョコのペンで縦に四つ描いてやった。
「超義理チョコってことで」
と、笑ってやれば。
「…バカね。敵である私にチョコを渡すなんて」
チョコを取り出して、呆れるような表情を浮かべた。
ああ、そうか。
敵だから。
私とあなたは敵だから。
だから“くれると思わなかった”なのね。
……どっちがバカなのよ…。
「美味しい?」
「市販の板チョコを溶かして型に入れただけなのに、味なんて変わるわけないでしょ」
「…んま。可愛くない…」
でも、どこか嬉しそうな表情に見えるのは目の錯覚よね。
「仕方ないから、私からもあげるわ」
「なに?敵である私にくれるの?」
ニヤニヤ、という表現が正しいだろう今の私の表情。
「あなたたち庶民が絶対に手を出さないだろう高級ブランドのチョコレートよ。」
「く…っ!そんな嫌味なチョコがこの世にあったとは…っ!」
私は渋々とチョコを受け取って、包みを開ける。
中には、綺麗な模様をしているチョコが数個入ってた。
「…こんなちょっとしか入ってないなんて…いくらしたの…?」
「さぁね」
ベルモットはチョコを一つ取り、私の唇へと運んで。
「でも、味は確かよ?」
食べてみてと。
「ん」
パクッと一口で食べる。
「美味しい…」
絶妙なビターな感じがすごく私好み。
「やっぱりね。あなたならこの美味しさに共感してもらえると思ってたわ」
嬉しそうに、クスクス笑うベルモット。
「食べる?」
「そうね、いただこうかしら」
と、ベルモットもパクッと一口で食べて。
「っん…っ」
そのままキスをされた…。
「ふぅ…っ」
肩を押され、ソファーに倒されて。
「ん…っぁ…っ」
粘着質な、厭らしい音を響かせて。
「ふぁ…っあ…っ」
離れた時には息が上がり、透明な糸が伝った。
「はぁ…はぁ…」
「本当、甘くて美味しいわ」
ベルモットは舌舐めずりをして、クスリと微笑む。
プチプチとブラウスのボタンを外される。
「…っ」
その様子を、コクリと息を飲んで見つめる私。
「期待してるの?」
「っ!」
ベルモットの妖艶な視線が私に向けられて。
「し、してないわよっ」
「その割に抵抗もないけれど」
ベルモットの手がお腹を這い、下着を捲り上げて。
来るだろう快感に目を閉じた時だった。
「あ、そうだ」
「……ぇ?」
…ベルモットが体を起こし、キッチンへ行って。
「板チョコ、余ってるわよね?」
「え、えぇ…余ってるけど…」
…どうしてこのタイミングで………。
MA SA KA
「ちょっと待ってて。チョコレート溶かすから」
使うつもりだわっ!!!
私に塗りたくるつもりだっ!!!
「絶対に嫌!!チョコ使うならしないっ!」
「大丈夫よ、少し熱いだけだから」
「少しどころじゃないわよっ!ってそれ以前の問題だからっ!!」
素早くブラウスのボタンを止めて、そそくさと寝室へ逃げるけど…。
「鍵、ないものね」
「ひぃいっ」
…鍵なんてない部屋だから、押さえても簡単に開けられるし…。
「イーヤー!!熱い熱いっ!」
「まだかけてないわよ」
「シーツが汚れるぅうっ!!」
「買い換えればいいでしょ?」
「洗濯を選択肢に入れてよっ!」
「この状況でダジャレなんて、ムードないわね」
「違うしっ!イヤーっ!!」
…服は破かれるし、手錠かけられるし…。
チョコだらけにされるし…目隠しされるし…。
最後には写メ撮られるし…。
もう羞恥心なんてズタズタのボロボロのケチョンケチョンにされたわよ…。
「ふふっ。素敵なチョコをありがとう」
「…もうあげないけどね…」
なんていうか…今日のベルモットについて悩んでた私がバカだったわ…。
END
「………」
「いらない?」
ベルモットは私が出したものを見つめたまま固まっている。
あげなかったら、しつこいくらい請求されるかと思って。
そうはさせるかと用意したんだけど。
「ベルモット?」
「…チョコレート?」
「えぇ。バレンタインの」
ベルモットは恐る恐る受け取る。
「いらなかった?」
再び聞くと、チョコレートを見つめたまま。
「…くれると思わなかったわ…」
予想外だったことを口にした。
「…私は逆に、あげないとずっと請求されるかと思ってた…」
私は苦笑いを漏らす。
「…」
カサカサと音を立て、丁寧に包みを開いて。
「…手作りなの?」
中身を見たまま、また固まった。
「そりゃそうよ。さっき蘭さんたちと作ってたんだもの」
チョコには“義理義理義理義理”と、ホワイトチョコのペンで縦に四つ描いてやった。
「超義理チョコってことで」
と、笑ってやれば。
「…バカね。敵である私にチョコを渡すなんて」
チョコを取り出して、呆れるような表情を浮かべた。
ああ、そうか。
敵だから。
私とあなたは敵だから。
だから“くれると思わなかった”なのね。
……どっちがバカなのよ…。
「美味しい?」
「市販の板チョコを溶かして型に入れただけなのに、味なんて変わるわけないでしょ」
「…んま。可愛くない…」
でも、どこか嬉しそうな表情に見えるのは目の錯覚よね。
「仕方ないから、私からもあげるわ」
「なに?敵である私にくれるの?」
ニヤニヤ、という表現が正しいだろう今の私の表情。
「あなたたち庶民が絶対に手を出さないだろう高級ブランドのチョコレートよ。」
「く…っ!そんな嫌味なチョコがこの世にあったとは…っ!」
私は渋々とチョコを受け取って、包みを開ける。
中には、綺麗な模様をしているチョコが数個入ってた。
「…こんなちょっとしか入ってないなんて…いくらしたの…?」
「さぁね」
ベルモットはチョコを一つ取り、私の唇へと運んで。
「でも、味は確かよ?」
食べてみてと。
「ん」
パクッと一口で食べる。
「美味しい…」
絶妙なビターな感じがすごく私好み。
「やっぱりね。あなたならこの美味しさに共感してもらえると思ってたわ」
嬉しそうに、クスクス笑うベルモット。
「食べる?」
「そうね、いただこうかしら」
と、ベルモットもパクッと一口で食べて。
「っん…っ」
そのままキスをされた…。
「ふぅ…っ」
肩を押され、ソファーに倒されて。
「ん…っぁ…っ」
粘着質な、厭らしい音を響かせて。
「ふぁ…っあ…っ」
離れた時には息が上がり、透明な糸が伝った。
「はぁ…はぁ…」
「本当、甘くて美味しいわ」
ベルモットは舌舐めずりをして、クスリと微笑む。
プチプチとブラウスのボタンを外される。
「…っ」
その様子を、コクリと息を飲んで見つめる私。
「期待してるの?」
「っ!」
ベルモットの妖艶な視線が私に向けられて。
「し、してないわよっ」
「その割に抵抗もないけれど」
ベルモットの手がお腹を這い、下着を捲り上げて。
来るだろう快感に目を閉じた時だった。
「あ、そうだ」
「……ぇ?」
…ベルモットが体を起こし、キッチンへ行って。
「板チョコ、余ってるわよね?」
「え、えぇ…余ってるけど…」
…どうしてこのタイミングで………。
MA SA KA
「ちょっと待ってて。チョコレート溶かすから」
使うつもりだわっ!!!
私に塗りたくるつもりだっ!!!
「絶対に嫌!!チョコ使うならしないっ!」
「大丈夫よ、少し熱いだけだから」
「少しどころじゃないわよっ!ってそれ以前の問題だからっ!!」
素早くブラウスのボタンを止めて、そそくさと寝室へ逃げるけど…。
「鍵、ないものね」
「ひぃいっ」
…鍵なんてない部屋だから、押さえても簡単に開けられるし…。
「イーヤー!!熱い熱いっ!」
「まだかけてないわよ」
「シーツが汚れるぅうっ!!」
「買い換えればいいでしょ?」
「洗濯を選択肢に入れてよっ!」
「この状況でダジャレなんて、ムードないわね」
「違うしっ!イヤーっ!!」
…服は破かれるし、手錠かけられるし…。
チョコだらけにされるし…目隠しされるし…。
最後には写メ撮られるし…。
もう羞恥心なんてズタズタのボロボロのケチョンケチョンにされたわよ…。
「ふふっ。素敵なチョコをありがとう」
「…もうあげないけどね…」
なんていうか…今日のベルモットについて悩んでた私がバカだったわ…。
END
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