バレンタインの悲劇 ベルモット百合夢
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「チョコレートは細かく刻んで、湯煎で溶かすの。分離しないように温度に気をつけてね」
「「「はーい」」」
キッチンにて。
女の子たちの楽しそうな声が聞こえてくる。
男の子たちは持ち込んだテレビゲームをして。
「……なんでオメー…いるんだよ…」
そんな中、ボウヤだけは私の隣に腰を落とす。
視線はテレビだけれど。
「あなたたちのおかげで、今日の食事を断られたの」
その腹いせよと告げれば、ボウヤはきょとんと私を見つめため息を漏らす。
「…オメー、組織の人間だって自覚ねぇだろ…」
「あら。それはアイリに言ってあげてちょうだい。アイリたちFBIが追っている組織の人間が頻繁に電話をするのに、通報も何にもしないんだから」
「通報しないとわかってるからこそ、電話をかけるんだろ?」
ボウヤの言葉に、タバコに火を点けてクスリと笑う。
本当、何かと鋭いボウヤだわ。
「…オメーもアイリさんも、何がしたいのかわからねぇよ…」
何がしたいのか、か。
私はアイリへと振り返って。
「そうかしら?案外、共感出来るかもしれないわよ?」
「え?」
不思議そうなボウヤに笑みを向けて。
それ以上語ることはなかった。
私が何をしたいのか。
それはただ一つ。
『どうかアイリを…守ってください…』
アイリに惜しみ無い愛情を注ぎ、最期の最期までアイリを想い続けたアイリの祖父との約束を果たすこと。
自ら危険に身を投じるアイリを。
その危険から守ること。
組織を裏切ることになっても、果たさなければならない“永遠の約束”
…違うわね。
今や“果たさなければならない”ではなく。
今は…。
いいえ。
「何笑ってんだよ、オメー」
「いいえ。なんでもないわ」
今はまだ。
今はまだ必要のない愚かな感情。
今はまだ。
約束のために、という理由だけで十分。
「?変な奴だな」
「そう?」
今はまだ…。
でも。
いつかきっと───…。
.
「チョコレートは細かく刻んで、湯煎で溶かすの。分離しないように温度に気をつけてね」
「「「はーい」」」
キッチンにて。
女の子たちの楽しそうな声が聞こえてくる。
男の子たちは持ち込んだテレビゲームをして。
「……なんでオメー…いるんだよ…」
そんな中、ボウヤだけは私の隣に腰を落とす。
視線はテレビだけれど。
「あなたたちのおかげで、今日の食事を断られたの」
その腹いせよと告げれば、ボウヤはきょとんと私を見つめため息を漏らす。
「…オメー、組織の人間だって自覚ねぇだろ…」
「あら。それはアイリに言ってあげてちょうだい。アイリたちFBIが追っている組織の人間が頻繁に電話をするのに、通報も何にもしないんだから」
「通報しないとわかってるからこそ、電話をかけるんだろ?」
ボウヤの言葉に、タバコに火を点けてクスリと笑う。
本当、何かと鋭いボウヤだわ。
「…オメーもアイリさんも、何がしたいのかわからねぇよ…」
何がしたいのか、か。
私はアイリへと振り返って。
「そうかしら?案外、共感出来るかもしれないわよ?」
「え?」
不思議そうなボウヤに笑みを向けて。
それ以上語ることはなかった。
私が何をしたいのか。
それはただ一つ。
『どうかアイリを…守ってください…』
アイリに惜しみ無い愛情を注ぎ、最期の最期までアイリを想い続けたアイリの祖父との約束を果たすこと。
自ら危険に身を投じるアイリを。
その危険から守ること。
組織を裏切ることになっても、果たさなければならない“永遠の約束”
…違うわね。
今や“果たさなければならない”ではなく。
今は…。
いいえ。
「何笑ってんだよ、オメー」
「いいえ。なんでもないわ」
今はまだ。
今はまだ必要のない愚かな感情。
今はまだ。
約束のために、という理由だけで十分。
「?変な奴だな」
「そう?」
今はまだ…。
でも。
いつかきっと───…。
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