白猫姫 オリヴィエ百合夢
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
'
「オリ…ヴィ…エ…?え?なに?どういうこと?」
アイリは眉間に皺を寄せて、混乱を隠せないでいる。
だがしかし。
「まだ、漠然とした不安があるのか?」
「え?」
私はアイリの頬に手を添える。
説明よりも優先すべきはアイリの不安を拭うこと。
「先ほど言っていただろう」
アイリは見る見るうちに顔が赤くなってきて。
「や…聞いてた……わよね…そりゃ…」
「どうなんだ。まだ不安か?」
「……今は…大丈夫…」
私から視線を逸らす。
「あのね…?」
「なんだ」
「…シリアスの中、申し訳ないんだけど…」
「あぁ」
チラッと私を見て。
「…オリヴィエ、全裸なのよね…」
衝撃の事実を口にした。
「「………」」
静寂。
寝室へ移動して服を着る。
私の服は常備されている。
アイリはベッドに腰をかけ、足を組んでいる。
「…でも、なんで猫に?」
「…私のデスクにだな」
事情を説明すれば、アイリは呆れるようにため息を零して。
「バカねぇ…私が一本だけを送るなんてことするわけないじゃない…」
「…うむ」
「栄養ドリンクを送るなら、一週間分を人数分箱ごと送るわ」
「…そうだな」
そうだ、アイリが一本だけを寄越すなど有り得ない。
こいつなら今言ったように箱ごと送りつけてくるだろう。
「「……」」
また静寂。
嫌な静寂ではなく、どこか気恥ずかしい静寂。
“好きな人のミドルネーム”について、聞いてみてもいいのだろうか。
「…アイリ「お願いオリヴィエ、聞かなかったことにして」
アイリ自身、そのことを聞かれたくないらしい。
お互いの弱点にならないように。
私たちは“その言葉”を避けてきた。
いや、口にせずとも想いは同じだから。
「…お願ーい…」
アイリははにかむように笑っている。
「…わかった」
「ん、ありがと」
そんなアイリの肩を押してベッドへ押し倒す。
「ただ、一つだけ言っておく」
「なぁに?」
アイリの顔に自分の顔を近づけて。
「お前が私の声が聞きたいと思っているように、私もお前の声が聞きたい」
そう伝えた。
「…うん」
アイリの腕が私の首に回る。
「だから、時間問わずに連絡しろ。必ず出る」
「……うん」
私たちは見つめ合って。
そうして。
「…ちょっと加減してね」
「無理だな」
溺れるように、熱を分かち合った。
猫になってみて思ったのは、アイリから無条件に愛されるということ。
他の人間?
どうでもいいわ。
些細な行動、仕草、鳴き声。
それだけで笑みを浮かべてくれる。
得な生き物だと思った。
しかし。
アイリに何あった場合、駆けつけられない。
傍には居ることは出来るが支えてやれない。
抱き締められない、不安を拭うことも出来ない。
“早く人に戻りたい”
強くそう思った。
「タンクトップとショーツだけの格好をやめろ」
「楽なのよ」
「また猫に舐められるぞ」
「っあれは…!ね、猫があんなことすると思わないでしょ…!」
「私だがな」
「…っっ!バカ…!!」
やはり人ではなきゃ駄目だ。
人ならばアイリを支えてやれる。
抱き締めて、大丈夫だと伝えられる。
後日。
「これはこれはアームストロング少将。今日も麗しいですね」
「誰に言ってるんだ阿保」
マスタングと二人きりの食事などさせてやるものかと思い、同行した。
“例の件”とやらも気になるしな。
「ロイ君、オリヴィエが居るってわかってたの?」
「もちろん。お電話した際、近くにいらっしゃる気配がありましたので」
「「……」」
「?どうされました?」
「…いや、まぁ間違ってはいないな」
「そ、そうね」
私たちは咳払いをして。
そして。
「じゃあロイ君、“例の件”についてわかったことを聞かせてもらえる?」
「私にもお聞かせ願おうか」
「はい。ではでは中へ」
店の中へと入った。
END
「オリ…ヴィ…エ…?え?なに?どういうこと?」
アイリは眉間に皺を寄せて、混乱を隠せないでいる。
だがしかし。
「まだ、漠然とした不安があるのか?」
「え?」
私はアイリの頬に手を添える。
説明よりも優先すべきはアイリの不安を拭うこと。
「先ほど言っていただろう」
アイリは見る見るうちに顔が赤くなってきて。
「や…聞いてた……わよね…そりゃ…」
「どうなんだ。まだ不安か?」
「……今は…大丈夫…」
私から視線を逸らす。
「あのね…?」
「なんだ」
「…シリアスの中、申し訳ないんだけど…」
「あぁ」
チラッと私を見て。
「…オリヴィエ、全裸なのよね…」
衝撃の事実を口にした。
「「………」」
静寂。
寝室へ移動して服を着る。
私の服は常備されている。
アイリはベッドに腰をかけ、足を組んでいる。
「…でも、なんで猫に?」
「…私のデスクにだな」
事情を説明すれば、アイリは呆れるようにため息を零して。
「バカねぇ…私が一本だけを送るなんてことするわけないじゃない…」
「…うむ」
「栄養ドリンクを送るなら、一週間分を人数分箱ごと送るわ」
「…そうだな」
そうだ、アイリが一本だけを寄越すなど有り得ない。
こいつなら今言ったように箱ごと送りつけてくるだろう。
「「……」」
また静寂。
嫌な静寂ではなく、どこか気恥ずかしい静寂。
“好きな人のミドルネーム”について、聞いてみてもいいのだろうか。
「…アイリ「お願いオリヴィエ、聞かなかったことにして」
アイリ自身、そのことを聞かれたくないらしい。
お互いの弱点にならないように。
私たちは“その言葉”を避けてきた。
いや、口にせずとも想いは同じだから。
「…お願ーい…」
アイリははにかむように笑っている。
「…わかった」
「ん、ありがと」
そんなアイリの肩を押してベッドへ押し倒す。
「ただ、一つだけ言っておく」
「なぁに?」
アイリの顔に自分の顔を近づけて。
「お前が私の声が聞きたいと思っているように、私もお前の声が聞きたい」
そう伝えた。
「…うん」
アイリの腕が私の首に回る。
「だから、時間問わずに連絡しろ。必ず出る」
「……うん」
私たちは見つめ合って。
そうして。
「…ちょっと加減してね」
「無理だな」
溺れるように、熱を分かち合った。
猫になってみて思ったのは、アイリから無条件に愛されるということ。
他の人間?
どうでもいいわ。
些細な行動、仕草、鳴き声。
それだけで笑みを浮かべてくれる。
得な生き物だと思った。
しかし。
アイリに何あった場合、駆けつけられない。
傍には居ることは出来るが支えてやれない。
抱き締められない、不安を拭うことも出来ない。
“早く人に戻りたい”
強くそう思った。
「タンクトップとショーツだけの格好をやめろ」
「楽なのよ」
「また猫に舐められるぞ」
「っあれは…!ね、猫があんなことすると思わないでしょ…!」
「私だがな」
「…っっ!バカ…!!」
やはり人ではなきゃ駄目だ。
人ならばアイリを支えてやれる。
抱き締めて、大丈夫だと伝えられる。
後日。
「これはこれはアームストロング少将。今日も麗しいですね」
「誰に言ってるんだ阿保」
マスタングと二人きりの食事などさせてやるものかと思い、同行した。
“例の件”とやらも気になるしな。
「ロイ君、オリヴィエが居るってわかってたの?」
「もちろん。お電話した際、近くにいらっしゃる気配がありましたので」
「「……」」
「?どうされました?」
「…いや、まぁ間違ってはいないな」
「そ、そうね」
私たちは咳払いをして。
そして。
「じゃあロイ君、“例の件”についてわかったことを聞かせてもらえる?」
「私にもお聞かせ願おうか」
「はい。ではでは中へ」
店の中へと入った。
END
7/7ページ