白猫姫 オリヴィエ百合夢

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「…疲れたぁ…」

「ニャニャ(お疲れ様だな)」

帰宅したのは日付が変わった頃。

当然店などやっていなく、何も買えずに帰宅だ。

「…ごめんねぇ。明日には必ず買ってくるからね」

「ニャア、ニャンニャー(いや、必要ないぞ)」

[#dn=1#]はクタクタになっていて、ソファーに倒れ込んだため、私はその腹の上に飛び乗った。

「…あー…5分待って。5分経ったらあなたにご飯作ってあげるからね」

私の背中を撫でながら、今にも寝てしまいそうだ。

「ニャアニャアニャン(私の食事より早く寝ろ)」

「ん…ちょっと…待ってね…」

ああ、駄目だ。

寝てしまう。

こんなところで寝ると風邪を引きかねん。

猫ではなく人なら、横抱きにして寝室まで運んでやれるんだが…。

「……だめ…寝ちゃう…」

と、思ったいたら[#dn=1#]はムクッと起きてグッと背中を伸ばした。

「シャワーも浴びたいし、チャチャっと作っちゃうわね」

軍服の上着を脱ぎ、キッチンに立つ。

「人間が食べるような味付けはダメだから、ちょっと薄味に」

「ニャア(濃い味がいい)」

「わ!危ないから気をつけてね」

キッチンに飛び乗り、料理しているのを見る。

器用に料理を作り、それをテーブルに運ぶ。

美味そうだ。

「ふー、ふー、まだ熱いかな」

「ニャー(早くくれ)」

[#dn=1#]の太腿に前足を置き、ふぅふぅと冷ましてくれている料理に首を伸ばす。

「あは!ちょっと待ってー」

[#dn=1#]はクスクス笑って、料理をくれた。

「美味しい?」

「ニャニャ(薄味だが美味い)」

食ってる時にも私の背中を撫で、その眼差しは優しく慈しみがあって。

[#dn=1#]自身もそれを食い、ため息を吐く。

疲れからのため息なんだろうな。

「シャワー浴びて、早めに寝よ…」

自分は少ししか食わず、私にくれた。

「待っててね」

「ニャ(うむ)」

私の頭を一撫でし、浴室に消えて行った。

人だったら一緒に浴びて抱くんだが。

まぁ、今日は猫だしな。

それに、疲れすぎてそれどころではないだろう。




「ふぅ…」

浴室から出てきた[#dn=1#]は。

「……ニ゙ャアニャニャ…(なんて格好で…)」

タンクトップにショーツだけという格好だった。

ちなみに髪の毛は錬金術で乾かしたようだ。

便利なものだな。

「さて、寝よっかー」

私を抱き上げ、寝室へ。

「ニャアニャン(何か着ろ)」

「ん?あなたも眠い?」

「ニャア(違う)」

マフっとベッドへ横になり、私の背中を撫でる。

「あなた、きっと飼い猫ちゃんよね。首輪は無いにしても綺麗すぎるし」

ご家族が探してるかもしれないわね、などほざいているが。

私は飼い猫ではなく、お前の………。

お前の………同期だ。

人語を話せないから伝わらない。

「ニャーニャンニャニャ(とにかく何か着ろ)」

「んー?」

「……」

この阿保…。

「ねこちゃん?どうしたのー?」

私は[#dn=1#]のタンクトップの中に潜り込んで。

目の前にある[#dn=1#]の胸の先を舐めてやれば。

「あっあっ……っこらこらこらこら!!な、何してるの!!」

ビクッと身体を震わせ、慌てて私を抱き上げた。

「ニャアニャン(無防備すぎる)」

「もー…えっちな子ー」

で、終わるとは。

猫は得だな。

「ほらほら、寝るからね」

「ニャアニャニャニャニャン(だから何か着ないかお前は)」

「ん、おやすみ…」

「ニャ、ニャニャン(こら、そのまま寝るな)」

目を閉じて5秒で寝息を立て始めた。

「…ニャンニャニャ(仕方ないか)」

私も私で、[#dn=1#]の顔に自分の顔を寄せて眠りに就いた。


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