白猫姫 オリヴィエ百合夢

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「ん?なんだこれは」

「栄養ドリンクですか?」

「知らん。製造元の記載もない」

「怪しさしかない飲み物ですね…処分しておきます」

「あ、ボス。それなんか[#dn=2#]少将からみたいッスよ」

「なに?[#dn=1#]から?」

「…こんな得体の知れないものを、[#dn=2#]少将が…?」

「誰だったかな。誰かがそう言ってたんスけど…」

「まぁいい。[#dn=1#]からなら大丈夫だろう」

「あ、アームストロング少将」



ボンッ
「ニャ……ニャ…(な……な…)」




「「………なんてこった…」」





ある日。

デスクの上に得体の知れない小瓶が置いてあった。

誰が置いたものなのか。

しかし、製造元もわからん怪しいものなぞ飲むわけがない。

捨てようとすれば。

“[#dn=2#]少将からみたいッスよ”

と、ボビーに言われた。

[#dn=1#]から?

あいつから栄養ドリンクを贈ったなど聞いていないが。

まぁ[#dn=1#]からなら大丈夫かと思って飲んでみると、だ。

「……ニ゙ャア…ニャニャ…(ボビー…貴様…)」

「毛をボワっとさせてるからブチギレてるんだろうな」

「でも全然怖くないッスね」

マイルズとボビーはニコニコしながら私を見ている。

くそ…。

猫になったせいで、この怒りが伝わらん…。

だが、この姿のままで居るのは不便だな…。

…ならば行くところは一つ。

「ニャ、ニャニャニャニャニャニャ(おい、私を[#dn=1#]の下に連れて行け)」

「なんて言ってるかわからないが、[#dn=2#]少将のところに連れて行けと言っているような気がする」

「マイルズ少佐、当たってると思います」

さすがは我が副官。

伝わったようだな。

私も私で、人語を話せずとも理解出来るのは救いだ。

「じゃあボス、抱っこしますねー」

と、ボビーに抱き上げられそうになったのを。

「ニャン!(いらん!)」

「いで…!…猫になってもボスはボスっすね…」

爪を立てて手を引っ掻いてやった。

私を抱き上げようなど10年早いわ。

「ではボス、行きますよ」

「ニャ(うむ)」

そうして私はマイルズについて行き、軍用車へと乗り込んだ。


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