頼みの綱 オリヴィエ百合夢
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「うん、終わり」
「む」
雪像を造る解析が終わったのは、空が白んできた頃。
オリヴィエはずっと私の傍に居てくれたみたいで、寒さからか頬っぺたが赤くなってる。
ちょっと可愛い。
「終わり…とは…」
マイルズ少佐が会場を見回す。
まだ一体も造られていないことに、首を傾げた。
確かにこの状況で“終わり”って言われたら不安になるわよね。
会場作りはみんながやってくれて、土台まで作ってくれていた。
私がすべきことは雪像を造るだけだったから。
雪像だけに集中出来た。
「一つ一つの雪像のサイズと、それに対して必要な雪の量と密度。その他諸々の解析が終わったってことよ」
同じ雪像はないため、サイズと必要な雪の量と密度を算出した。
サラサラな雪じゃなくて助かったわ。
「だからね?」
オリヴィエとマイルズ少佐が顔を見合わせる。
私はニコリと笑って。
「それが終われば、雪像なんて5秒よ」
パチン、と指を鳴らせば。
「「ッッ!?!?!?」」
ズワワワァア!っと音を立てながら。
「な…な…」
「……これほどだとは…」
32体の雪像全てを一度に錬成した。
マイルズ少佐もオリヴィエも、目を見開いて驚いていて。
「雪像のモデルの写真があって助かったわ。それがあるだけで大幅に短縮出来たしね」
オリヴィエの傍に立って。
「あの滑り台は…」
「滑り台はおまけ。子供たちがたくさん来るならきっと喜ぶと思うから」
ポンと手を置いて。
「じゃあ後の管理は任せたわよ?私は始発までオリヴィエの部屋で寝まーす」
驚いたままの二人を他所に、要塞へと行く。
「シャワー浴びてもいい?」
「シャワーではなく湯船に浸かれ」
居住区にあるオリヴィエの部屋。
オリヴィエも付いて来て、部屋の鍵を開けてくれた。
「でも早く浴びて少しでも寝たいし」
「…仕方ないな」
で。
熱めにシャワーのお湯を出して。
「…っふ…っん…っ」
「ん」
「は…ぁ…っあ…っ」
シャワーを浴びながら、身体を熱くさせるために。
「…ぁ…っだめ…イ…っ」
「あぁ、イけ」
緩く深く、溺れるように。
「…ン゙…っッ!!」
お互いを暖め合った。
「起こしてやるから寝てろ」
「んー…」
それからオリヴィエの服を借りて、ベッドで横になって。
「今日はありがとう、アイリ」
「あら素直。可愛いところあるじゃない」
「まだ寝てなかったのか。早く寝ろ」
「ふふっ、油断したわね」
オリヴィエは私の額にキスを落とし、私は眠りに就いた。
………で、だけど。
「ねー!!始発に間に合うように起こしてくれるんじゃなかったの!?」
起きたらお昼だったわ…。
「すまん、忘れていた」
「絶対に忘れてないわよね!中央司令部から電話来なかった!?」
「阿保みたくたくさん来たが、“黙れ過労死させる気か”と言えば黙った」
「…はぁもう。で?雪祭りはどうなの?」
「大盛況中だ。滑り台には行列が出来て大人まで遊んでいるほど人気だぞ」
「私の読みは間違いではなかったわね」
軍服に着替え、コートを纏って。
ワイワイガヤガヤ、きゃあきゃあと盛り上がる会場を遠くから見つめて。
「喜んでるのを見ると、本当に頑張った甲斐があるわよね」
「そうだな」
オリヴィエも珍しく穏やかな表情を浮かべていたから。
頑張ってよかったーって思えた。
「体は大丈夫なのか?」
ノースシティの駅で、オリヴィエが見送りにきてくれた。
「大丈夫よ。オリヴィエも大丈夫そ?」
「私も何とも………いや、些か体調悪いかもしれん」
「え?」
オリヴィエは自分の額に手を当てて。
「熱がありそうだ」
ため息を吐く。
……なんだか今日のオリヴィエはちょっと甘えん坊かな?
「看病が必要なくらい体調悪いの?」
「あぁ、体調悪すぎて駄目だな」
私はクスクス笑って。
「中央司令部から文句言われたら、あなたのせいにするからね」
「構わん。戻るぞ」
乗り込んだ汽車から手を引かれて降ろされて。
「昨日言ったが欲求不満なんだ。解消させろ」
「10秒で体調悪いの治ったの?」
まぁ…朝から…。
まぁ…結構…まぁ…。
「……ねぇ…朝からこんな激しいのやめてよ…」
「朝じゃない昼だ」
「明るいうちに!」
「煌々と点く電気の下でする時もあるのに、明るいも暗いもあるか」
「ああ言えばこう言う!もう!罰としてお風呂入れてきて!」
いつになく可愛いと思ってたのに。
前言撤回するわね!
「…セイフォード少将、中央司令部から電話ですが」
「監禁されてるって言っていいわよ」
「体調悪いそうですって伝えました」
まぁ、夜には。
ライトアップされた雪像を見に行ったり。
暖かい食べ物や飲み物を食べたり飲んだりして。
「ねぇ!ポテモンのテカチュウ作れる!?」
「いやタヌエモンのほうがいい!」
「ミッチーマウス作って!」
「待って待って。お姉さんキャラクターの名前だけじゃわからないから、写真あったら見せてくれない?」
市長から、雪像を作った人として紹介されてたちまち子供たちに囲まれた。
会場外に、見せてくれたキャラクターを錬成したりと錬金術を披露して。
「惜しみなく錬金術を使っていいのか?錬金術には等価交換が必要だろう」
オリヴィエに問われ、私は笑って。
「こうして笑って喜んでくれるのが、何よりの対価でしょ」
そう言った。
私には等価交換なんて必要ない。
自分の持てる力を、みんなのために使うだけ。
「そうか。いや、そうだな」
オリヴィエも、どこか嬉しそうだった。
「さて!ちょっとあっちで暖かいスープ飲みましょ!」
「うむ」
それからは、ちょっとした雪祭りデートを楽しみました。
まぁ…終電で帰って、そのまま中央司令部で仕事したけどね…。
END
「うん、終わり」
「む」
雪像を造る解析が終わったのは、空が白んできた頃。
オリヴィエはずっと私の傍に居てくれたみたいで、寒さからか頬っぺたが赤くなってる。
ちょっと可愛い。
「終わり…とは…」
マイルズ少佐が会場を見回す。
まだ一体も造られていないことに、首を傾げた。
確かにこの状況で“終わり”って言われたら不安になるわよね。
会場作りはみんながやってくれて、土台まで作ってくれていた。
私がすべきことは雪像を造るだけだったから。
雪像だけに集中出来た。
「一つ一つの雪像のサイズと、それに対して必要な雪の量と密度。その他諸々の解析が終わったってことよ」
同じ雪像はないため、サイズと必要な雪の量と密度を算出した。
サラサラな雪じゃなくて助かったわ。
「だからね?」
オリヴィエとマイルズ少佐が顔を見合わせる。
私はニコリと笑って。
「それが終われば、雪像なんて5秒よ」
パチン、と指を鳴らせば。
「「ッッ!?!?!?」」
ズワワワァア!っと音を立てながら。
「な…な…」
「……これほどだとは…」
32体の雪像全てを一度に錬成した。
マイルズ少佐もオリヴィエも、目を見開いて驚いていて。
「雪像のモデルの写真があって助かったわ。それがあるだけで大幅に短縮出来たしね」
オリヴィエの傍に立って。
「あの滑り台は…」
「滑り台はおまけ。子供たちがたくさん来るならきっと喜ぶと思うから」
ポンと手を置いて。
「じゃあ後の管理は任せたわよ?私は始発までオリヴィエの部屋で寝まーす」
驚いたままの二人を他所に、要塞へと行く。
「シャワー浴びてもいい?」
「シャワーではなく湯船に浸かれ」
居住区にあるオリヴィエの部屋。
オリヴィエも付いて来て、部屋の鍵を開けてくれた。
「でも早く浴びて少しでも寝たいし」
「…仕方ないな」
で。
熱めにシャワーのお湯を出して。
「…っふ…っん…っ」
「ん」
「は…ぁ…っあ…っ」
シャワーを浴びながら、身体を熱くさせるために。
「…ぁ…っだめ…イ…っ」
「あぁ、イけ」
緩く深く、溺れるように。
「…ン゙…っッ!!」
お互いを暖め合った。
「起こしてやるから寝てろ」
「んー…」
それからオリヴィエの服を借りて、ベッドで横になって。
「今日はありがとう、アイリ」
「あら素直。可愛いところあるじゃない」
「まだ寝てなかったのか。早く寝ろ」
「ふふっ、油断したわね」
オリヴィエは私の額にキスを落とし、私は眠りに就いた。
………で、だけど。
「ねー!!始発に間に合うように起こしてくれるんじゃなかったの!?」
起きたらお昼だったわ…。
「すまん、忘れていた」
「絶対に忘れてないわよね!中央司令部から電話来なかった!?」
「阿保みたくたくさん来たが、“黙れ過労死させる気か”と言えば黙った」
「…はぁもう。で?雪祭りはどうなの?」
「大盛況中だ。滑り台には行列が出来て大人まで遊んでいるほど人気だぞ」
「私の読みは間違いではなかったわね」
軍服に着替え、コートを纏って。
ワイワイガヤガヤ、きゃあきゃあと盛り上がる会場を遠くから見つめて。
「喜んでるのを見ると、本当に頑張った甲斐があるわよね」
「そうだな」
オリヴィエも珍しく穏やかな表情を浮かべていたから。
頑張ってよかったーって思えた。
「体は大丈夫なのか?」
ノースシティの駅で、オリヴィエが見送りにきてくれた。
「大丈夫よ。オリヴィエも大丈夫そ?」
「私も何とも………いや、些か体調悪いかもしれん」
「え?」
オリヴィエは自分の額に手を当てて。
「熱がありそうだ」
ため息を吐く。
……なんだか今日のオリヴィエはちょっと甘えん坊かな?
「看病が必要なくらい体調悪いの?」
「あぁ、体調悪すぎて駄目だな」
私はクスクス笑って。
「中央司令部から文句言われたら、あなたのせいにするからね」
「構わん。戻るぞ」
乗り込んだ汽車から手を引かれて降ろされて。
「昨日言ったが欲求不満なんだ。解消させろ」
「10秒で体調悪いの治ったの?」
まぁ…朝から…。
まぁ…結構…まぁ…。
「……ねぇ…朝からこんな激しいのやめてよ…」
「朝じゃない昼だ」
「明るいうちに!」
「煌々と点く電気の下でする時もあるのに、明るいも暗いもあるか」
「ああ言えばこう言う!もう!罰としてお風呂入れてきて!」
いつになく可愛いと思ってたのに。
前言撤回するわね!
「…セイフォード少将、中央司令部から電話ですが」
「監禁されてるって言っていいわよ」
「体調悪いそうですって伝えました」
まぁ、夜には。
ライトアップされた雪像を見に行ったり。
暖かい食べ物や飲み物を食べたり飲んだりして。
「ねぇ!ポテモンのテカチュウ作れる!?」
「いやタヌエモンのほうがいい!」
「ミッチーマウス作って!」
「待って待って。お姉さんキャラクターの名前だけじゃわからないから、写真あったら見せてくれない?」
市長から、雪像を作った人として紹介されてたちまち子供たちに囲まれた。
会場外に、見せてくれたキャラクターを錬成したりと錬金術を披露して。
「惜しみなく錬金術を使っていいのか?錬金術には等価交換が必要だろう」
オリヴィエに問われ、私は笑って。
「こうして笑って喜んでくれるのが、何よりの対価でしょ」
そう言った。
私には等価交換なんて必要ない。
自分の持てる力を、みんなのために使うだけ。
「そうか。いや、そうだな」
オリヴィエも、どこか嬉しそうだった。
「さて!ちょっとあっちで暖かいスープ飲みましょ!」
「うむ」
それからは、ちょっとした雪祭りデートを楽しみました。
まぁ…終電で帰って、そのまま中央司令部で仕事したけどね…。
END
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