頼みの綱 オリヴィエ百合夢
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
'
「あらあら、思ってた以上に会場広いわね」
「何せ32体だからな」
会場となるブリッグズ要塞前に着き、早々と見て回る。
「雪像の位置も決めてある」
「助かるー」
一つの雪の土台前に立ち、土台を見て視線を徐々に上げる。
「大体このくらいの高さかな」
ブツブツと呟きながら書類と土台、雪の質を確かめて。
「セ「無駄だ、マイルズ」
マイルズがアイリを呼ぼうとしたのを止めた。
「こいつは一度集中すると周りの声が聞こえなくなる。悪い癖だが今はその集中を乱したくない」
「あ、わかりました。では、アームストロング少将のコートを持ってきますね」
「あぁ、頼む」
私がアイリの傍を離れないと察し、コートを持ってきてくれた。
優秀な部下だ。
アイリは念入りに確認し、一体にかかる時間は凡そ30分。
このペースで行けば、開催までは間に合わないが。
こいつは馬鹿じゃないからな。
そのくらいの時間配分は心配せずともいいだろう。
ブツブツと呟き、書類と雪を見て。
自分の脳内に情報を叩き込み、解析する。
私では計り知れないほどの情報量があるだろうに、それを遣って退けるから凄い。
純粋に凄いなと思う。
中央司令部に勤務する部下だけではなく、他の街にいる部下の名前と顔まで覚えていたり。
記憶力も恐ろしいほど。
かと言ってどこか阿呆な一面もあって。
“私にとってこいつ以上の存在は居ないな”と思わされる。
とは言え、口には出さんがな。
––––
「アームストロング少将、あちらのテントで暖かいスープが出来てます」
「あぁ」
それから2時間程経った。
寒い。
とにかく寒い。
さすがの私も寒すぎてまずい。
「アイリ」
「……」
「おい」
「……」
集中しすぎて寒さすら感じないのか。
…ほったらかしにしたら死ぬなこいつ。
「おい、アイリ」
「!う、わ!なに!?」
呼びかけても駄目だから、アイリの腰を抱き引き寄せた。
驚いて私を見る。
「休憩だ。このままでは凍死する」
「え?あ、さむっ!すごい寒い!」
きょとん顔を浮かべたが、すぐに寒さを思い出したようで震え出した。
「あちらに暖かいスープを用意してくれた。体を温めよう」
「ありがと!さむさむさむっ!」
なんてほざきながらテントへ走って行った。
「はぁー…あったまるぅ…」
「寒さも忘れるほど集中するなど阿呆が過ぎるぞ」
「私の悪い癖よねぇ…」
情けない、と落ち込んでいるが。
私からすればそこまで集中出来るのも凄いがな。
「というか、私に付き合わずに中に居てもよかったのに」
「我々の都合に付き合わせているのに、そういうわけにはいかんだろう」
私たちだけ暖かい場所で見ているなど出来るわけがない。
私がそう言うと、アイリはクスクスと笑って。
「一緒に風邪引きましょうね」
なんてほざくから。
私もコーヒーカップを口に付けて。
「悪くないな、それも」
一口啜った。
お前と一緒なら何でもいい。
体調悪くても寄り添えば気持ち的には楽になる。
体はつらいがな。
「さて、と!もう一頑張り!」
「あぁ」
体が暖まり、外に出る。
「ブリザードじゃなくてよかった」
「たちまち遭難だな」
なんて笑い合い、作業を再開した。
.
「あらあら、思ってた以上に会場広いわね」
「何せ32体だからな」
会場となるブリッグズ要塞前に着き、早々と見て回る。
「雪像の位置も決めてある」
「助かるー」
一つの雪の土台前に立ち、土台を見て視線を徐々に上げる。
「大体このくらいの高さかな」
ブツブツと呟きながら書類と土台、雪の質を確かめて。
「セ「無駄だ、マイルズ」
マイルズがアイリを呼ぼうとしたのを止めた。
「こいつは一度集中すると周りの声が聞こえなくなる。悪い癖だが今はその集中を乱したくない」
「あ、わかりました。では、アームストロング少将のコートを持ってきますね」
「あぁ、頼む」
私がアイリの傍を離れないと察し、コートを持ってきてくれた。
優秀な部下だ。
アイリは念入りに確認し、一体にかかる時間は凡そ30分。
このペースで行けば、開催までは間に合わないが。
こいつは馬鹿じゃないからな。
そのくらいの時間配分は心配せずともいいだろう。
ブツブツと呟き、書類と雪を見て。
自分の脳内に情報を叩き込み、解析する。
私では計り知れないほどの情報量があるだろうに、それを遣って退けるから凄い。
純粋に凄いなと思う。
中央司令部に勤務する部下だけではなく、他の街にいる部下の名前と顔まで覚えていたり。
記憶力も恐ろしいほど。
かと言ってどこか阿呆な一面もあって。
“私にとってこいつ以上の存在は居ないな”と思わされる。
とは言え、口には出さんがな。
––––
「アームストロング少将、あちらのテントで暖かいスープが出来てます」
「あぁ」
それから2時間程経った。
寒い。
とにかく寒い。
さすがの私も寒すぎてまずい。
「アイリ」
「……」
「おい」
「……」
集中しすぎて寒さすら感じないのか。
…ほったらかしにしたら死ぬなこいつ。
「おい、アイリ」
「!う、わ!なに!?」
呼びかけても駄目だから、アイリの腰を抱き引き寄せた。
驚いて私を見る。
「休憩だ。このままでは凍死する」
「え?あ、さむっ!すごい寒い!」
きょとん顔を浮かべたが、すぐに寒さを思い出したようで震え出した。
「あちらに暖かいスープを用意してくれた。体を温めよう」
「ありがと!さむさむさむっ!」
なんてほざきながらテントへ走って行った。
「はぁー…あったまるぅ…」
「寒さも忘れるほど集中するなど阿呆が過ぎるぞ」
「私の悪い癖よねぇ…」
情けない、と落ち込んでいるが。
私からすればそこまで集中出来るのも凄いがな。
「というか、私に付き合わずに中に居てもよかったのに」
「我々の都合に付き合わせているのに、そういうわけにはいかんだろう」
私たちだけ暖かい場所で見ているなど出来るわけがない。
私がそう言うと、アイリはクスクスと笑って。
「一緒に風邪引きましょうね」
なんてほざくから。
私もコーヒーカップを口に付けて。
「悪くないな、それも」
一口啜った。
お前と一緒なら何でもいい。
体調悪くても寄り添えば気持ち的には楽になる。
体はつらいがな。
「さて、と!もう一頑張り!」
「あぁ」
体が暖まり、外に出る。
「ブリザードじゃなくてよかった」
「たちまち遭難だな」
なんて笑い合い、作業を再開した。
.