特等席 オリヴィエ百合夢
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「いいか貴様ら、一言でも悲鳴を上げたら殺すからな!」
「これに金を詰めろ!早くしろ!」
白昼堂々とまぁ…。
銀行員は震えながら、私へ視線を巡らせる。
私が小さく頷くと、銀行員は鞄を持って金庫へ行く。
「セ……っ」
私の名を言おうとした銀行員に、私は口元に人差し指を当てる。
私の名前は結構有名だから、今発してはならない。
銀行員は頷き、口を噤む。
それに私は小さく笑む。
「ママ…っ」
私にしがみ付き、震える女の子。
ママも動けず、その場に座り込んでこちらを見ている。
娘さんが心配のようで、泣きそうな顔をしているから。
女の子のママに微笑むことで、この子は大丈夫だと伝える。
私は銀行の中を見渡す。
あちらには入り口、ガラス張り。
あちらは壁。
背後も大きな窓。
受付と待ち合いの場を隔てる強化ガラス。
強化ガラスから向こう、受付内部。
全てを見渡して、内部構造を頭に叩き込む。
壁から壁の距離、強化ガラスから壁の距離。
自分の足のサイズから全ての距離を割り出す。
「…ぅ…う…っ」
ガタガタ震える女の子。
「大丈夫?」
女の子を膝の上に乗せれば。
ガウンッ
私の足元に一発放たれた。
ビクッと女の子が大きく震えた。
「動くんじゃねぇ!!」
「抱っこくらいいいじゃない」
「貴様!殺されたか!」
「殺されたくはないわね」
「だ、だったら静かにしてろ!!」
淡々と答える私に、男たちはチラチラ見てくる。
「…あいつ、見覚えないか…?」
「あ?ねぇな。」
「…いや…どこかで…」
私に見覚えがあるようで、何やら話をしている。
それを見つつ、私はもう一度建物内を見渡して。
「怖い?」
腕の中にいる女の子を見つめて、小さな声で話しかける。
「……っ」
「大丈夫よ」
目にいっぱい涙を溜めているこの子に、私は笑みを見せて。
真っ直ぐ強盗たちへと視線を移して。
「特等席で見せてあげる。私が悪者を捕まえる瞬間を」
“ぇ?”という女の子の小さな呟きと同時に。
「「「「「な…ッッ!?」」」」」
錬金術を発動させた。
受付にある強化ガラスを広げ、受付と待ち合いの場を完全に隔てる。
次に私たちの背後にある窓ガラスを、壁や床の素材を利用して強化ガラスへと構築し、私たちと強盗たちを完全に隔てた。
この間、僅か数秒。
銃を構え、発砲する頃には強化ガラスの中。
残念、私の錬金術のほうが早いのよ。
「…うそだろ…」
「…思い出した…あの女…“雷鳴の錬金術師”だ…」
「…なんでこんなとこにいるんだよ…」
私は女の子を抱き上げて、お母さんのところに連れて行く。
「ありがとうございますっありがとうございますっ」
お母さんは女の子を強く抱き締め、それに笑みを零して強盗たちの前に立つ。
コンコン
「お金はちゃんと働いて稼ぎましょう」
強盗たちにも笑みを向け、箱の形へと錬成し直す。
「あら、良いタイミング」
そして間も無く、軍が到着した。
.
「いいか貴様ら、一言でも悲鳴を上げたら殺すからな!」
「これに金を詰めろ!早くしろ!」
白昼堂々とまぁ…。
銀行員は震えながら、私へ視線を巡らせる。
私が小さく頷くと、銀行員は鞄を持って金庫へ行く。
「セ……っ」
私の名を言おうとした銀行員に、私は口元に人差し指を当てる。
私の名前は結構有名だから、今発してはならない。
銀行員は頷き、口を噤む。
それに私は小さく笑む。
「ママ…っ」
私にしがみ付き、震える女の子。
ママも動けず、その場に座り込んでこちらを見ている。
娘さんが心配のようで、泣きそうな顔をしているから。
女の子のママに微笑むことで、この子は大丈夫だと伝える。
私は銀行の中を見渡す。
あちらには入り口、ガラス張り。
あちらは壁。
背後も大きな窓。
受付と待ち合いの場を隔てる強化ガラス。
強化ガラスから向こう、受付内部。
全てを見渡して、内部構造を頭に叩き込む。
壁から壁の距離、強化ガラスから壁の距離。
自分の足のサイズから全ての距離を割り出す。
「…ぅ…う…っ」
ガタガタ震える女の子。
「大丈夫?」
女の子を膝の上に乗せれば。
ガウンッ
私の足元に一発放たれた。
ビクッと女の子が大きく震えた。
「動くんじゃねぇ!!」
「抱っこくらいいいじゃない」
「貴様!殺されたか!」
「殺されたくはないわね」
「だ、だったら静かにしてろ!!」
淡々と答える私に、男たちはチラチラ見てくる。
「…あいつ、見覚えないか…?」
「あ?ねぇな。」
「…いや…どこかで…」
私に見覚えがあるようで、何やら話をしている。
それを見つつ、私はもう一度建物内を見渡して。
「怖い?」
腕の中にいる女の子を見つめて、小さな声で話しかける。
「……っ」
「大丈夫よ」
目にいっぱい涙を溜めているこの子に、私は笑みを見せて。
真っ直ぐ強盗たちへと視線を移して。
「特等席で見せてあげる。私が悪者を捕まえる瞬間を」
“ぇ?”という女の子の小さな呟きと同時に。
「「「「「な…ッッ!?」」」」」
錬金術を発動させた。
受付にある強化ガラスを広げ、受付と待ち合いの場を完全に隔てる。
次に私たちの背後にある窓ガラスを、壁や床の素材を利用して強化ガラスへと構築し、私たちと強盗たちを完全に隔てた。
この間、僅か数秒。
銃を構え、発砲する頃には強化ガラスの中。
残念、私の錬金術のほうが早いのよ。
「…うそだろ…」
「…思い出した…あの女…“雷鳴の錬金術師”だ…」
「…なんでこんなとこにいるんだよ…」
私は女の子を抱き上げて、お母さんのところに連れて行く。
「ありがとうございますっありがとうございますっ」
お母さんは女の子を強く抱き締め、それに笑みを零して強盗たちの前に立つ。
コンコン
「お金はちゃんと働いて稼ぎましょう」
強盗たちにも笑みを向け、箱の形へと錬成し直す。
「あら、良いタイミング」
そして間も無く、軍が到着した。
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