想い オリヴィエ百合夢
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「目の調子はどうだ?」
駅のホームで。
汽車が来るまでベンチに座る私たち。
「大丈夫よ。」
メガネを取り、パチパチと数回瞬きをした。
「……」
横目でアイリを見ると。
「なぁに?」
アイリはその視線に気づいた。
私は親指でアイリの唇に触れて。
「アルフォンスとキスしただろう」
そう言うと、アイリは目を見開いて。
「み、見てたの…?」
焦り出した。
「見てた」
別に怒ってはいないんだが。
「あれは完璧に隙を突かれた感じだな」
「う…だってまさか…アルフォンスがあんなことするなんて…」
アイリは私に詰め寄って。
「怒ってる…?」
不安そうに聞いて来た。
「怒っていたら、もっときつく言ってる」
そう告げたら安堵したかのように息を吐いた。
そして遠くを見つめて。
「子供の悪戯として許して。だって」
そう言った。
まさかこいつ。
「お前、アルフォンスの気持ちに気付いていたのか?」
私の問い掛けに、アイリははにかむように笑って。
「気付いてたというより、あの子ストレートに好きだって言って来るんだもの」
自分じゃ気付かないくらい、自然な流れで。
ふとした時に“アイリさんが好きだから”と言われていたらしい。
「最初は恋愛感情じゃなくて、親しみの意味でかなって思っていたけど」
デートに誘うのだって、好きでもない相手を誘わないでしょ?と。
「でも、アルフォンスは“子供の悪戯として許して”と言ったわ。それは私がアルフォンスのことを子供扱いしてるって思ってたってことだから」
だから。
その想いに気付かないふりをして。
子供扱いということにした。
アルフォンスの想いには応えられないから。
「オリヴィエだってアルフォンスの想いには気付いてたでしょ?」
そんなこと。
「当たり前だろう」
なぜなら。
「同じ奴を好いてるんだからな」
そう言って笑ってやれば。
「っ」
アイリは顔を赤くさせた。
すると。
ドドーンッ
「「!!」
外からすごい音がした。
「なんだ、今のは。テロか」
「いえ、花火の音よ」
アイリに手を引かれ、外に出ると。
たくさんの花火が上がっていた。
「綺麗…」
花火を見上げるアイリ。
駅の前であり、私も軍服だからあまり目立った行動は出来ないが。
こうして愛しい者と手を繋ぐくらいは許してほしい。
「来年は休み取って来ようか」
そう言うと、アイリは本当に幸せそうに微笑んで。
「えぇ、来ましょうね」
私たちの影は重なった。
アルフォンス。
お前はちゃんと男として意識されていたぞ。
お前自身が勘違いしていただけで。
ちゃんと意識されていた。
まぁそれは。
アイリはもう私の妻だから教えてやることはないが。
「帰ったら覚悟しておけ」
「そういうのは口にしないでよっ」
アイリは。
アルフォンスの想いに気付いていた。
気付かないふりが大変なくらい。
子供扱いされているというアルフォンスの勘違いに甘えて、子供扱いということにして。
「アルフォンス、どんな子と結婚するかなー」
「さぁな。だがまぁ、あいつなら妻を幸せにするだろうさ」
なぁアルフォンス。
私とアイリは、お前の幸せを何より祈り願っているよ。
END
「目の調子はどうだ?」
駅のホームで。
汽車が来るまでベンチに座る私たち。
「大丈夫よ。」
メガネを取り、パチパチと数回瞬きをした。
「……」
横目でアイリを見ると。
「なぁに?」
アイリはその視線に気づいた。
私は親指でアイリの唇に触れて。
「アルフォンスとキスしただろう」
そう言うと、アイリは目を見開いて。
「み、見てたの…?」
焦り出した。
「見てた」
別に怒ってはいないんだが。
「あれは完璧に隙を突かれた感じだな」
「う…だってまさか…アルフォンスがあんなことするなんて…」
アイリは私に詰め寄って。
「怒ってる…?」
不安そうに聞いて来た。
「怒っていたら、もっときつく言ってる」
そう告げたら安堵したかのように息を吐いた。
そして遠くを見つめて。
「子供の悪戯として許して。だって」
そう言った。
まさかこいつ。
「お前、アルフォンスの気持ちに気付いていたのか?」
私の問い掛けに、アイリははにかむように笑って。
「気付いてたというより、あの子ストレートに好きだって言って来るんだもの」
自分じゃ気付かないくらい、自然な流れで。
ふとした時に“アイリさんが好きだから”と言われていたらしい。
「最初は恋愛感情じゃなくて、親しみの意味でかなって思っていたけど」
デートに誘うのだって、好きでもない相手を誘わないでしょ?と。
「でも、アルフォンスは“子供の悪戯として許して”と言ったわ。それは私がアルフォンスのことを子供扱いしてるって思ってたってことだから」
だから。
その想いに気付かないふりをして。
子供扱いということにした。
アルフォンスの想いには応えられないから。
「オリヴィエだってアルフォンスの想いには気付いてたでしょ?」
そんなこと。
「当たり前だろう」
なぜなら。
「同じ奴を好いてるんだからな」
そう言って笑ってやれば。
「っ」
アイリは顔を赤くさせた。
すると。
ドドーンッ
「「!!」
外からすごい音がした。
「なんだ、今のは。テロか」
「いえ、花火の音よ」
アイリに手を引かれ、外に出ると。
たくさんの花火が上がっていた。
「綺麗…」
花火を見上げるアイリ。
駅の前であり、私も軍服だからあまり目立った行動は出来ないが。
こうして愛しい者と手を繋ぐくらいは許してほしい。
「来年は休み取って来ようか」
そう言うと、アイリは本当に幸せそうに微笑んで。
「えぇ、来ましょうね」
私たちの影は重なった。
アルフォンス。
お前はちゃんと男として意識されていたぞ。
お前自身が勘違いしていただけで。
ちゃんと意識されていた。
まぁそれは。
アイリはもう私の妻だから教えてやることはないが。
「帰ったら覚悟しておけ」
「そういうのは口にしないでよっ」
アイリは。
アルフォンスの想いに気付いていた。
気付かないふりが大変なくらい。
子供扱いされているというアルフォンスの勘違いに甘えて、子供扱いということにして。
「アルフォンス、どんな子と結婚するかなー」
「さぁな。だがまぁ、あいつなら妻を幸せにするだろうさ」
なぁアルフォンス。
私とアイリは、お前の幸せを何より祈り願っているよ。
END
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