想い オリヴィエ百合夢
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「……」
「……」
今、私の目の前には鋼のがいる。
「貴様、何の用で来た」
鋼のは黙って出された茶を飲んでいる。
「アルがさ、アイリさんとデートなんだよ」
「知っている」
「旦那としていいのかよ」
鋼のの言葉に、きょとんとしてしまった。
「いいも何も、私が知ったのはアイリが約束を取り付けた後のことだ。」
仮にダメだと言っても聞く奴ではない。
「貴様こそ、兄として弟が人妻をデートに誘う行為をどう思う?」
逆に問い掛ければ。
「オレはー…それとなく…やめたほうがー…とは言ったんだけどさぁ…」
アルフォンスもまた聞く奴ではないということか。
「ふん。まぁアイリに限って間違いはない」
私がそう言うと。
「アイリさんはそうかもしれないけど…」
鋼のはお茶をテーブルに置いて。
「アルはさ…アイリさんのこと…すげー好きなんだよ…」
静かに鋼のが口を開く。
「事あるごとにアイリさんの話をするし、アイリさんが喜びそうなものを見つけると買うかどうかすげー迷ってさ」
アルフォンスの、アイリへの想いを。
「前にデートの約束した時も、アイリさんが受けてくれたってすげー喜んでた…」
鋼のはどこか切ない表情を浮かべて。
「アルには絶対に幸せになってほしいけど、だからってアイリさんの幸せを奪うようなことがあっちゃならねぇって…。いや、アルはそんなことする奴じゃないんだけどさ!」
弟が人妻を好いている事実に戸惑いを見せていた。
「ただ…アルは結構大胆な行動したりする時があるから…その…」
過ちを起こすかもしれない、と。
弟が過ちを犯す前に、どうか私にアイリを迎えに行ってほしい。
そう言いたいんだろうな。
弟の恋を否定したくはない。
だめだと言いたくない。
鋼の表情は本当に切なく、悲しそうで。
「…阿呆」
私はそんな鋼の額を小突いて。
「駄目なことは駄目だと言ってやるのも、兄の務めだと思うぞ?」
たとえそれでアルフォンスが傷ついてしまったとしても。
アルフォンスがアイリを傷つける前に。
好いてる奴を傷つける前に。
私は立ち上がって。
「アイリたちはどこに行ったか知ってるか?」
アイリたちの行き先を聞いた。
「…サウスシティにあるミューシャって街に行くって言ってた。」
鋼のは額を押さえ、行き先を教えてくれた。
カツンと靴を鳴らして歩き出す。
「少将」
「なんだ?」
鋼のははにかむように笑って。
「…よろしく頼んます…」
頭を下げた。
私はそんな鋼のを横目で見つめて。
「あぁ、わかった」
そう言って、執務室を出た。
帰って来るまで待っていようと思ったが。
弟を想う兄のためにも。
そして、アイリのためにも。
迎えに行ってやるとするか。
.
「……」
「……」
今、私の目の前には鋼のがいる。
「貴様、何の用で来た」
鋼のは黙って出された茶を飲んでいる。
「アルがさ、アイリさんとデートなんだよ」
「知っている」
「旦那としていいのかよ」
鋼のの言葉に、きょとんとしてしまった。
「いいも何も、私が知ったのはアイリが約束を取り付けた後のことだ。」
仮にダメだと言っても聞く奴ではない。
「貴様こそ、兄として弟が人妻をデートに誘う行為をどう思う?」
逆に問い掛ければ。
「オレはー…それとなく…やめたほうがー…とは言ったんだけどさぁ…」
アルフォンスもまた聞く奴ではないということか。
「ふん。まぁアイリに限って間違いはない」
私がそう言うと。
「アイリさんはそうかもしれないけど…」
鋼のはお茶をテーブルに置いて。
「アルはさ…アイリさんのこと…すげー好きなんだよ…」
静かに鋼のが口を開く。
「事あるごとにアイリさんの話をするし、アイリさんが喜びそうなものを見つけると買うかどうかすげー迷ってさ」
アルフォンスの、アイリへの想いを。
「前にデートの約束した時も、アイリさんが受けてくれたってすげー喜んでた…」
鋼のはどこか切ない表情を浮かべて。
「アルには絶対に幸せになってほしいけど、だからってアイリさんの幸せを奪うようなことがあっちゃならねぇって…。いや、アルはそんなことする奴じゃないんだけどさ!」
弟が人妻を好いている事実に戸惑いを見せていた。
「ただ…アルは結構大胆な行動したりする時があるから…その…」
過ちを起こすかもしれない、と。
弟が過ちを犯す前に、どうか私にアイリを迎えに行ってほしい。
そう言いたいんだろうな。
弟の恋を否定したくはない。
だめだと言いたくない。
鋼の表情は本当に切なく、悲しそうで。
「…阿呆」
私はそんな鋼の額を小突いて。
「駄目なことは駄目だと言ってやるのも、兄の務めだと思うぞ?」
たとえそれでアルフォンスが傷ついてしまったとしても。
アルフォンスがアイリを傷つける前に。
好いてる奴を傷つける前に。
私は立ち上がって。
「アイリたちはどこに行ったか知ってるか?」
アイリたちの行き先を聞いた。
「…サウスシティにあるミューシャって街に行くって言ってた。」
鋼のは額を押さえ、行き先を教えてくれた。
カツンと靴を鳴らして歩き出す。
「少将」
「なんだ?」
鋼のははにかむように笑って。
「…よろしく頼んます…」
頭を下げた。
私はそんな鋼のを横目で見つめて。
「あぁ、わかった」
そう言って、執務室を出た。
帰って来るまで待っていようと思ったが。
弟を想う兄のためにも。
そして、アイリのためにも。
迎えに行ってやるとするか。
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