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「なに？アルフォンスと？」

「えぇ。アルフォンスと」

ある日、病院から帰ってきたことを報告しに来たアイリが言った。

“来週、アルフォンスとデートしてくる”と。

私の執務室で、至極普通にほざくものだから。

「なぜだ」

私の眉間に皺が寄るのは当たり前だ。

「前に“肉体を取り戻したらデートしてください”って誘われたのよ」

その時に了承したらしく、約束だからと。

「約束なのか」

「えぇ。」

前までの私たちの関係ならば、絶対に喧嘩になっていたことだろう。

だが今は。

「約束なら仕方がないな。無理はするなよ？」

こいつはすでに私のものだからな。

それに関しては心に余裕がある。

それにアイリは恐らくアルフォンスのことを一人の男として見ていないだろう。

出会った頃にはすでに鎧の姿だったが、言動や仕草はまだ幼かった。

そのイメージが強くて、子供としか見ていない。

「えぇ、大丈夫。ありがとう」

アイリは小さく笑み、私の頬にキスをした。

「じゃあ私、部屋に戻るわね」

「あぁ。少し休め」

アルフォンスとデートか。

まぁ……大丈夫だろう…。


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