終わりと始まり オリヴィエ百合夢
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「完璧」
「でもないだろう阿呆」
1ヶ月間も入院してしまった。
でも何もしなかったわけじゃなくて、病院から指示したりお見舞いに来てくれた部下に状況を聞いて指示したり。
…指示することしか出来ないけど、みんな嫌がらずに聞いてくれた。
で、オリヴィエには中央司令部の見取り図を探してもらって、持ってきてもらった。
長年勤めた司令部だから見取り図なんて見なくても大体はわかるんだけど。
大体じゃダメなのよ。
完璧に把握しないと。
オリヴィエが運転する車の中でも見取り図を見てぶつぶつ呟く私。
「無理をしない約束は守れ」
「誓って」
本当はまだ入院してないとダメなんだけど、無理をしない条件で退院させてもらった。
大丈夫。
今度こそ無理はしない。
中央司令部に着き、車から降りれば。
「「「おかえりなさい!セイフォード少将!」」」
みんな私に敬礼して迎えてくれた。
みんなの顔が明るくなった気がする。
「えぇ。ありがとう」
嬉しいな。
みんなにこうして認めてもらえて。
こうして気にしてもらえることが、何より嬉しい。
「材料は揃っている?」
「はい。こちらに」
リザのほうへ向かえば、コンクリートやら木材やらペンキやらがたくさん積まれていた。
「資料通り、量も揃っています」
「ん」
私は崩壊した中央司令部の前に立つ。
「…遺体も全員発見し、死者数・行方不明者数、全て一致してます…」
「…そう」
ロイ君の言葉に、私は両手を合わせて目を閉じる。
命を落とした友人、部下たち。
あなたたちのおかげで私たちは勝つことができた。
ありがとう。
どうか安らかに…。
周りが静かになったから、みんなも同じようにしているでしょう。
「…いけるか?」
「えぇ。大丈夫」
オリヴィエの言葉で目を開ける。
地面に膝をつき、両手を付いて。
深呼吸して。
「いくわよ」
その言葉を発して。
物凄い音を立てながら。
中央司令部を再構築して行く。
一階部分。
二階部分。
三階部分。
会議室。
オフィス。
執務室。
医務室。
食堂や仮眠室。
中央司令部内にあった全てのものを。
記憶と見取り図の情報の下。
ゆっくり、慌てず、完璧に。
造り上げて行く。
ズキンッ
「ッッッ!」
突然目の痛みがやってきた。
「アイリ!」
オリヴィエが支えてくれる。
今錬成を止めるわけにはいかない。
ここで失敗すればリバウンドが来る。
でも。
「い…ッ」
左目を開けてられない。
「「「セイフォード少将!!」」」
あまりの激痛に目を閉じてしまった時。
「大規模な錬成してますね」
背後から声が聞こえた。
この声は。
「…やっと起きたのね…寝坊助君…?」
銀色の髪を靡かせ、私の前に立つ彼。
「クロノ……ッ!」
そう、クロノ君の声。
クロノ君は一度リザへ振り返って、止まってしまっている錬成を再び動かした。
「状況を口頭で説明しますので、どう構築するのか指示してください。」
さすがは“天剣の錬金術師”
「わかったわ」
大丈夫。
彼ならやってくれる。
私の代わりに中央司令部を構築してくれる。
「すごいな…」
オリヴィエの言葉に私は小さく笑みを浮かべて。
「本当、ヒーローよね」
遅れてきたヒーローの背中を見つめた。
.
「完璧」
「でもないだろう阿呆」
1ヶ月間も入院してしまった。
でも何もしなかったわけじゃなくて、病院から指示したりお見舞いに来てくれた部下に状況を聞いて指示したり。
…指示することしか出来ないけど、みんな嫌がらずに聞いてくれた。
で、オリヴィエには中央司令部の見取り図を探してもらって、持ってきてもらった。
長年勤めた司令部だから見取り図なんて見なくても大体はわかるんだけど。
大体じゃダメなのよ。
完璧に把握しないと。
オリヴィエが運転する車の中でも見取り図を見てぶつぶつ呟く私。
「無理をしない約束は守れ」
「誓って」
本当はまだ入院してないとダメなんだけど、無理をしない条件で退院させてもらった。
大丈夫。
今度こそ無理はしない。
中央司令部に着き、車から降りれば。
「「「おかえりなさい!セイフォード少将!」」」
みんな私に敬礼して迎えてくれた。
みんなの顔が明るくなった気がする。
「えぇ。ありがとう」
嬉しいな。
みんなにこうして認めてもらえて。
こうして気にしてもらえることが、何より嬉しい。
「材料は揃っている?」
「はい。こちらに」
リザのほうへ向かえば、コンクリートやら木材やらペンキやらがたくさん積まれていた。
「資料通り、量も揃っています」
「ん」
私は崩壊した中央司令部の前に立つ。
「…遺体も全員発見し、死者数・行方不明者数、全て一致してます…」
「…そう」
ロイ君の言葉に、私は両手を合わせて目を閉じる。
命を落とした友人、部下たち。
あなたたちのおかげで私たちは勝つことができた。
ありがとう。
どうか安らかに…。
周りが静かになったから、みんなも同じようにしているでしょう。
「…いけるか?」
「えぇ。大丈夫」
オリヴィエの言葉で目を開ける。
地面に膝をつき、両手を付いて。
深呼吸して。
「いくわよ」
その言葉を発して。
物凄い音を立てながら。
中央司令部を再構築して行く。
一階部分。
二階部分。
三階部分。
会議室。
オフィス。
執務室。
医務室。
食堂や仮眠室。
中央司令部内にあった全てのものを。
記憶と見取り図の情報の下。
ゆっくり、慌てず、完璧に。
造り上げて行く。
ズキンッ
「ッッッ!」
突然目の痛みがやってきた。
「アイリ!」
オリヴィエが支えてくれる。
今錬成を止めるわけにはいかない。
ここで失敗すればリバウンドが来る。
でも。
「い…ッ」
左目を開けてられない。
「「「セイフォード少将!!」」」
あまりの激痛に目を閉じてしまった時。
「大規模な錬成してますね」
背後から声が聞こえた。
この声は。
「…やっと起きたのね…寝坊助君…?」
銀色の髪を靡かせ、私の前に立つ彼。
「クロノ……ッ!」
そう、クロノ君の声。
クロノ君は一度リザへ振り返って、止まってしまっている錬成を再び動かした。
「状況を口頭で説明しますので、どう構築するのか指示してください。」
さすがは“天剣の錬金術師”
「わかったわ」
大丈夫。
彼ならやってくれる。
私の代わりに中央司令部を構築してくれる。
「すごいな…」
オリヴィエの言葉に私は小さく笑みを浮かべて。
「本当、ヒーローよね」
遅れてきたヒーローの背中を見つめた。
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