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「セイフォード」

「あら。まだ北に帰ってなかったのね」

一方、アイリのほうは。

中央司令部　アイリの執務室前にて。

オリヴィエがアイリを呼び止めた。

「ああ。どこへ行くんだ」

「食堂よ。お昼まだ食べてないから」

「そうか」

オリヴィエはアイリの隣を歩く。

「アルバートの奴がエントリーして来たようだな」

そして話すのは戦闘査定のこと。

エントリーリストを見て、オリヴィエはニヤリと笑む。

「意外よね。こんな余興に参加するタイプではないと思っていたけど。」

クロノがエントリーしたことは当然アイリの耳にも届き、アイリはクスクス笑う。

「大方、ヒューズ辺りが泣き付いたんだろう。お前を負かせられる可能性があるとすれば、マスタングかアルバートだからな」

「マースは私を休ませる気ないようね」

「阿呆。休暇の期間が長すぎるんだよ」

「私が決めたことじゃないもーん」

食堂に着き、食券を買って厨房に出してから空いている席に座ると、オリヴィエは向かい側に腰を下ろした。

「勝機はあるのか？」

オリヴィエの問いかけに、アイリはクスリと微笑んで。

「勝機しかないわ。私が上官でさらに女だからって手を抜くでしょうからね。」

そんな甘ちゃんな若造になんて負ける気がしない。

なんて言う始末。

「しかし、奴の“天剣”には何か対策を考えた方がいいんじゃないか？」

オリヴィエは顎に手を当て、さらに問いかける。

「何か対策を練った方がいいんだろうけど、時間がないのよね。査定人に選んだくせに用意する時間くれないんだもの。」

いつも通りの仕事をしつつ、戦闘査定に挑めと言われているかのようで。

アイリは肩を竦ませた。

「でもまぁ、大丈夫よ」

「ほう」

アイリの料理を運んでくれた部下にお礼を言い、フォークを手に取って。



「私、結構強いから」



ニコリと笑み、フライドポテトを刺してオリヴィエの口元に持って行った。

オリヴィエはアイリとポテトを交互に見て。

「楽しみにしているよ」

パクッとポテトを食べて、ニヤリと笑った。


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