'


「おい！セイフォード少将！大総統の命令だぞ！」

「従い兼ねます。」

「貴様！命令違反で軍法会議にかけられたいか！」

「どうぞご自由に」

将官たちからブーブー文句を言われても、アイリは動じず。

「私は忙しいんです。そんなお遊びに付き合ってられません」

ハッキリきっぱり断ると。

「お遊びだと！？貴様！」

さらに火が点いたように責め立てられる。

それを眺めていたオリヴィエ・ミラ・アームストロングが一言。



「セイフォードがこなしている仕事を、あなた方が分担して処理をすれば叶うことではないでしょうか」


と。

アイリはきょとんとオリヴィエを見つめて、小さく笑む。

「ぐ…く…」

「それは…」

途端に黙り込む。

「セイフォードの忙しさは存じているでしょう。」

自分らが面倒臭い仕事を全部アイリに押し付けているが故に、何も言えなくなる。

将官たちは口では敵わないと知り、ブラッドレイへと視線を向けると。

「ふむ」

ブラッドレイは顎に手を添えて。

アイリを見つめて。

「そうか、残念だ」

肩を竦め。








「君が誰にも負けずに査定人をしてくれれば、その賞与として1ヶ月の有給休暇を与えようと思っていたんだが」







いや残念残念。と。

ふぅ、とため息を零せば。

「大総統」

アイリは立ち上がって。








「やらせていただきます」









グッと拳を胸元で握り締めた。

「……引っかかりおって…この阿呆…」

オリヴィエはそれに呆れ、ため息を零すのだった…。




.