聖夜の奇跡 オリヴィエ百合夢
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「ふー…」
程なくしてアイリも指令部へと戻り、自身の執務室にあるデスクの前の椅子に深く座る。
背もたれに背中を預け、天井を見上げる。
「“イヴの奇跡”…か…」
先程の自分の言葉を囁いて。
「…錬金術師が“奇跡”とか、滑稽よね」
皮肉に笑った。
なぜ”奇跡“など口にしたのかはわからない。
ただ、リザには一緒に過ごせる人があの場に居たから。
行かせるために咄嗟に出た言葉だろう。
アイリは立ち上がり、窓の外を見つめて。
「雪でも降れば、最高のシチュエーションよね」
今日を大切な人と過ごす人たちにとって。
最も理想的な展開を囁いて。
「さて、と。仕事仕事」
小さく笑み、再び椅子に座った。
「んーーー!!はぁッ」
あと30分で日付が変わる時間帯。
アイリはクーッと背中を伸ばす。
「ちょっと休憩しようかな」
時計を見つめ、立ち上がる。
応接用のソファーに座り、コーヒーを淹れて。
「ふぅ…」
一息吐いた。
「たまには休みたいなぁ…」
この仕事に就き十数年以上。
クリスマスに限らず、特別な日に休んだことがない。
将官になってからは更に休暇はほぼなく、働きっぱなしで。
丸一日、まともに休んだことすらなかった。
アイリはカップを持ち、デスクに戻る。
椅子に座り、足元に置いてある紙袋を手に取る。
「…どうしようかな…これ…」
紙袋の中には、白を主体にした長めのマフラー。
「…明日渡せるかなぁ…」
仕事中、合間合間に編んだもので。
オリヴィエに贈ろうと思っているもの。
オリヴィエもまた、アイリと同じで特別な日に休暇などないから。
クリスマスに限らず、特別な日を共に過ごしたことがない。
必然とクリスマスプレゼントを交換したこともないし、一方が送りつけることもない。
二人は恋人同士ではなく、将官である以上お互いを優先させるわけにはいかない。
ただ。
ほんの少しでいいから。
ほんの少しだけでいいから。
顔が見たいなぁ、と願う。
ただそれだけだった。
でも、今年は少し違った。
初めてプレゼントを渡したいって思った。
毛糸を買って、編み針を買って。
自宅にはあまり帰れないから職場で。
「なんて…私らしくないか」
アイリはふと笑み、マフラーを紙袋に戻して足元に置いた時。
コンコン
ふいに扉をノックされた。
万年筆を持ち、書類へと視線を落として。
「入っていいわよ」
入室の許可を出した。
「やはりまだここに居たのか。」
聞こえてきた声に。
「!!」
アイリは下げた視線を再び上げて、目を見開く。
の視界に入ったのは、北の地使用のファー付き軍用コートを纏う。
「なんで…ここに…
…オリヴィエ…」
“ブリッグズの北壁”、オリヴィエ・ミラ・アームストロングが立っていた。
.
「ふー…」
程なくしてアイリも指令部へと戻り、自身の執務室にあるデスクの前の椅子に深く座る。
背もたれに背中を預け、天井を見上げる。
「“イヴの奇跡”…か…」
先程の自分の言葉を囁いて。
「…錬金術師が“奇跡”とか、滑稽よね」
皮肉に笑った。
なぜ”奇跡“など口にしたのかはわからない。
ただ、リザには一緒に過ごせる人があの場に居たから。
行かせるために咄嗟に出た言葉だろう。
アイリは立ち上がり、窓の外を見つめて。
「雪でも降れば、最高のシチュエーションよね」
今日を大切な人と過ごす人たちにとって。
最も理想的な展開を囁いて。
「さて、と。仕事仕事」
小さく笑み、再び椅子に座った。
「んーーー!!はぁッ」
あと30分で日付が変わる時間帯。
アイリはクーッと背中を伸ばす。
「ちょっと休憩しようかな」
時計を見つめ、立ち上がる。
応接用のソファーに座り、コーヒーを淹れて。
「ふぅ…」
一息吐いた。
「たまには休みたいなぁ…」
この仕事に就き十数年以上。
クリスマスに限らず、特別な日に休んだことがない。
将官になってからは更に休暇はほぼなく、働きっぱなしで。
丸一日、まともに休んだことすらなかった。
アイリはカップを持ち、デスクに戻る。
椅子に座り、足元に置いてある紙袋を手に取る。
「…どうしようかな…これ…」
紙袋の中には、白を主体にした長めのマフラー。
「…明日渡せるかなぁ…」
仕事中、合間合間に編んだもので。
オリヴィエに贈ろうと思っているもの。
オリヴィエもまた、アイリと同じで特別な日に休暇などないから。
クリスマスに限らず、特別な日を共に過ごしたことがない。
必然とクリスマスプレゼントを交換したこともないし、一方が送りつけることもない。
二人は恋人同士ではなく、将官である以上お互いを優先させるわけにはいかない。
ただ。
ほんの少しでいいから。
ほんの少しだけでいいから。
顔が見たいなぁ、と願う。
ただそれだけだった。
でも、今年は少し違った。
初めてプレゼントを渡したいって思った。
毛糸を買って、編み針を買って。
自宅にはあまり帰れないから職場で。
「なんて…私らしくないか」
アイリはふと笑み、マフラーを紙袋に戻して足元に置いた時。
コンコン
ふいに扉をノックされた。
万年筆を持ち、書類へと視線を落として。
「入っていいわよ」
入室の許可を出した。
「やはりまだここに居たのか。」
聞こえてきた声に。
「!!」
アイリは下げた視線を再び上げて、目を見開く。
の視界に入ったのは、北の地使用のファー付き軍用コートを纏う。
「なんで…ここに…
…オリヴィエ…」
“ブリッグズの北壁”、オリヴィエ・ミラ・アームストロングが立っていた。
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