可愛い人 リザさん百合夢
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「で?リザはどうして中央に?」
アイリさんの執務室で、アイリさんと二人きり。
私はアイリさんに跨るように、アイリさんの回転椅子に座っている。
マスタング大佐は大総統に捕まったるみたいね。
「マスタング大佐が珍しく仕事を終わらせて、大総統府へと提出に行ってます」
「え!?ロイ君が!?あのロイ君が!?」
ギョッと目を見開くアイリさん。
「たまにはやるってところを見せたいそうです」
「“たまにはやる”より“たまにはサボる”くらい仕事してほしいわね」
「ですね」
アイリさんはクスクス笑い、私も釣られて笑う。
「…あの、先ほどのクレミン准将のは…一体…」
で、教えてはくれないだろうけれど、先ほどのクレミン准将が報告した件を聞いてみた。
すると。
「あー…」
アイリさんは笑みを苦笑に変えて。
「ごめんね、ちょっと言えないわ」
ちゅ、と。
ごめんねのキスをしてくれた。
「言えない、ですか」
「えぇ、言えないの」
それはつまり。
「わかりました。ですが、あまりご無理はなさらずにですよ」
「えぇ、ありがとね」
先ほど予想した通り。
何かが大きく動く予感。
もしかしたら、マスタング大佐でも踏み込めないことかもしれない。
それは深く聞くべきではない。
だから。
「もう一つ、聞いてもいいですか?」
「なぁに?」
もう一つ、気になったことを聞きたい。
「……アームストロング少将にはどのようなご用事で?」
クレミン准将が持ってきた案件は、電話の途中だったからアームストロング少将は関係してない。
内容は違うはず。
「オリヴィエ?オリヴィエには総務課がトレカのために写真ほしいらしいからあれば郵送してって話してただけよ」
「トレカ?」
またトレーディングカードを作るの?
「“そんなものあるわけなかろう阿保”って言われて喧嘩したり、マイルズ少佐が恋をして失恋した話を聞かされたりしてね」
久しぶりの会話だからちょっと楽しくなっちゃった、と。
アイリさんは笑った。
アームストロング少将とお話はするのは全然いい。
だってお二人は無二の親友。
私とレベッカみたいな関係だもの。
嫉妬だってもうしないわ。
アイリさんの心は私にあるから。
ただ気になったのは、マイルズ少佐の恋と失恋ではなくて。
「今回はアイリさんの写真はどういう写真なんですか?」
それが一番重要よね。
前回のアイリさんの写真とトレーディングカードは恰好良かった。
今回のはどう?
…気になる。
「私も写真なんてないわよ。前回だって写真を提出したわけじゃなくて勝手に使われたやつだから」
いつ撮っていたのかもわからない、と肩を竦めた。
「だから今回もきっと無断使用されるんじゃないかしら」
「…今回も写真とトレカ、頂けるでしょうか…」
「くれると思うけどなー。くれたら、リザにあげる条件としてキスしてくれる?」
顎に手を添えられ、アイリさんは目を細め小さく笑みを浮かべる。
「……先払いでもいいですか?」
「……はぁもう…リザは本当に私の扱いに慣れてるわよね」
今度は私がクスクス笑って、アイリさんへとキスをした。
コンコン
『マスタング大佐です。セイフォード少将はいらっしゃいますか?』
「あら、ロイ君が来ちゃった」
「っ」
マスタング大佐に見られるわけにはいかないから、すぐにアイリさんから離れる。
「ふふっ、入っていいわよー」
『失礼します』
控えめな音を立てて、マスタング大佐が入ってきた。
「リザから聞いたわよ?たまにはやるわね」
「はい、たまにはやるんですよ私も」
「ふふっ、でもまぁこれからは“たまにはやる”んじゃなくて、“たまにはサボる”を目指して頑張ってちょうだい」
「………善処します」
「お願いね」
アイリさんは立ち上がり、時計を見て。
「さて、と。これから北に行かないとだから」
「北へ、ですか?先ほどの件のお話を?」
「話をしに行くというより、すでに通ってるからその会議にね」
え?
もう話しが?
いつの間に…。
「クレミン准将が“言伝を預かった”と言ったでしょ?あの時に話を通してくれていたの。じゃないと上官同士のやり取りに入るものではないからね」
本来なら、受話器を持ったままアイリさんを待つ。
忘れていたなら声をかけて、受話器を渡す。
なのにクレミン准将はアイリさんを呼ばずに勝手に切った。
だからあの時。
一瞬だけ視線を交差させたのね。
「まぁ、何があったのかは存じませんが無茶だけはしないように我々も頼ってくださいね」
マスタング大佐が私の肩に手を置いてそう言うと。
「えぇ。ありがとう」
アイリさんはニコリと笑った。
「では、失礼しました」
「失礼します」
「またね。リザ、時間出来たら連絡するから」
「あ、はい。わかりました」
そうして私たちも、アイリさんの執務室を後にした。
「なんだ?クレミン准将に嫉妬かい?」
中央司令部を出る際、マスタング大佐に言われた。
「…嫉妬などしません。ただ、短期間でアイコンタクトで会話出来るほど変わられたクレミン准将に驚いただけです」
アイリさんの心は私にあるから、嫉妬なんてしない。
でも今マスタング大佐に言ったように、短期間での変わりように驚きを隠せない。
「ポンコツだなんだと呆れられていたが、セイフォード少将の傍に一番長く居るのはクレミン准将だからな」
副官、ではないけれど。
何かあればアイリさんを頼っていた。
アイリさんなら的確な指示をくれるから。
レイブン中将やアマル中将ではなく。
呆れられながらも、怒られながらも、クレミン准将はアイリさんの傍に居た。
「………それは、少し妬けますね」
「はっはっ。君の知らないセイフォード少将を知っているのもクレミン准将さ」
なんて揶揄われて。
ちょっとだけムッとしちゃったわよ…。
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「で?リザはどうして中央に?」
アイリさんの執務室で、アイリさんと二人きり。
私はアイリさんに跨るように、アイリさんの回転椅子に座っている。
マスタング大佐は大総統に捕まったるみたいね。
「マスタング大佐が珍しく仕事を終わらせて、大総統府へと提出に行ってます」
「え!?ロイ君が!?あのロイ君が!?」
ギョッと目を見開くアイリさん。
「たまにはやるってところを見せたいそうです」
「“たまにはやる”より“たまにはサボる”くらい仕事してほしいわね」
「ですね」
アイリさんはクスクス笑い、私も釣られて笑う。
「…あの、先ほどのクレミン准将のは…一体…」
で、教えてはくれないだろうけれど、先ほどのクレミン准将が報告した件を聞いてみた。
すると。
「あー…」
アイリさんは笑みを苦笑に変えて。
「ごめんね、ちょっと言えないわ」
ちゅ、と。
ごめんねのキスをしてくれた。
「言えない、ですか」
「えぇ、言えないの」
それはつまり。
「わかりました。ですが、あまりご無理はなさらずにですよ」
「えぇ、ありがとね」
先ほど予想した通り。
何かが大きく動く予感。
もしかしたら、マスタング大佐でも踏み込めないことかもしれない。
それは深く聞くべきではない。
だから。
「もう一つ、聞いてもいいですか?」
「なぁに?」
もう一つ、気になったことを聞きたい。
「……アームストロング少将にはどのようなご用事で?」
クレミン准将が持ってきた案件は、電話の途中だったからアームストロング少将は関係してない。
内容は違うはず。
「オリヴィエ?オリヴィエには総務課がトレカのために写真ほしいらしいからあれば郵送してって話してただけよ」
「トレカ?」
またトレーディングカードを作るの?
「“そんなものあるわけなかろう阿保”って言われて喧嘩したり、マイルズ少佐が恋をして失恋した話を聞かされたりしてね」
久しぶりの会話だからちょっと楽しくなっちゃった、と。
アイリさんは笑った。
アームストロング少将とお話はするのは全然いい。
だってお二人は無二の親友。
私とレベッカみたいな関係だもの。
嫉妬だってもうしないわ。
アイリさんの心は私にあるから。
ただ気になったのは、マイルズ少佐の恋と失恋ではなくて。
「今回はアイリさんの写真はどういう写真なんですか?」
それが一番重要よね。
前回のアイリさんの写真とトレーディングカードは恰好良かった。
今回のはどう?
…気になる。
「私も写真なんてないわよ。前回だって写真を提出したわけじゃなくて勝手に使われたやつだから」
いつ撮っていたのかもわからない、と肩を竦めた。
「だから今回もきっと無断使用されるんじゃないかしら」
「…今回も写真とトレカ、頂けるでしょうか…」
「くれると思うけどなー。くれたら、リザにあげる条件としてキスしてくれる?」
顎に手を添えられ、アイリさんは目を細め小さく笑みを浮かべる。
「……先払いでもいいですか?」
「……はぁもう…リザは本当に私の扱いに慣れてるわよね」
今度は私がクスクス笑って、アイリさんへとキスをした。
コンコン
『マスタング大佐です。セイフォード少将はいらっしゃいますか?』
「あら、ロイ君が来ちゃった」
「っ」
マスタング大佐に見られるわけにはいかないから、すぐにアイリさんから離れる。
「ふふっ、入っていいわよー」
『失礼します』
控えめな音を立てて、マスタング大佐が入ってきた。
「リザから聞いたわよ?たまにはやるわね」
「はい、たまにはやるんですよ私も」
「ふふっ、でもまぁこれからは“たまにはやる”んじゃなくて、“たまにはサボる”を目指して頑張ってちょうだい」
「………善処します」
「お願いね」
アイリさんは立ち上がり、時計を見て。
「さて、と。これから北に行かないとだから」
「北へ、ですか?先ほどの件のお話を?」
「話をしに行くというより、すでに通ってるからその会議にね」
え?
もう話しが?
いつの間に…。
「クレミン准将が“言伝を預かった”と言ったでしょ?あの時に話を通してくれていたの。じゃないと上官同士のやり取りに入るものではないからね」
本来なら、受話器を持ったままアイリさんを待つ。
忘れていたなら声をかけて、受話器を渡す。
なのにクレミン准将はアイリさんを呼ばずに勝手に切った。
だからあの時。
一瞬だけ視線を交差させたのね。
「まぁ、何があったのかは存じませんが無茶だけはしないように我々も頼ってくださいね」
マスタング大佐が私の肩に手を置いてそう言うと。
「えぇ。ありがとう」
アイリさんはニコリと笑った。
「では、失礼しました」
「失礼します」
「またね。リザ、時間出来たら連絡するから」
「あ、はい。わかりました」
そうして私たちも、アイリさんの執務室を後にした。
「なんだ?クレミン准将に嫉妬かい?」
中央司令部を出る際、マスタング大佐に言われた。
「…嫉妬などしません。ただ、短期間でアイコンタクトで会話出来るほど変わられたクレミン准将に驚いただけです」
アイリさんの心は私にあるから、嫉妬なんてしない。
でも今マスタング大佐に言ったように、短期間での変わりように驚きを隠せない。
「ポンコツだなんだと呆れられていたが、セイフォード少将の傍に一番長く居るのはクレミン准将だからな」
副官、ではないけれど。
何かあればアイリさんを頼っていた。
アイリさんなら的確な指示をくれるから。
レイブン中将やアマル中将ではなく。
呆れられながらも、怒られながらも、クレミン准将はアイリさんの傍に居た。
「………それは、少し妬けますね」
「はっはっ。君の知らないセイフォード少将を知っているのもクレミン准将さ」
なんて揶揄われて。
ちょっとだけムッとしちゃったわよ…。
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