可愛い人 リザさん百合夢
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「私は大総統府へ行って来るから、先に中央司令部へ行っていてくれ」
「わかりました」
ある日。
マスタング大佐が大総統府へと書類を提出に行った。
いつもならアイリさんが取りに来てしまうくらい滞納するのに。
“…たまには私も出来るというところを見せんとな”
なんて、危機感を覚えたみたい。
マスタング大佐が大総統府へ行っている間、私は先に中央司令部へと赴いて。
「いらっしゃるかしら」
アイリさんの執務室へと向かう。
クレミン准将がアイリさんを手伝うようになって数日、アイリさんも多少なりとも時間に余裕を持てるようになって。
会える回数も少しだけ増えた。
「あ、ホークアイ中尉。お疲れ様です」
「!お疲れ様です」
アイリさんの執務室前、ノックをしようとすれば。
「セイフォード少将は今執務室には居ませんよ」
アイリさんは不在とのこと。
「そうなんですね。では、挨拶はまたの機会に」
不在なら仕方ない。
あの人は忙しい人だから。
「電話室のほうにいらっしゃると思いますよ」
「電話室?」
誰に電話を…って。
公用の電話に決まってるわよね。
「わかりました。行ってみます」
私たちは敬礼を交わし、私は電話室のほうへと向かった。
「あは!なーにそれ!マイルズ少佐が?」
電話室の近く、アイリさんの声が聞こえてきた。
ブリッグズ地方勤務のマイルズ少佐の名前が出てきたということは、電話の相手はアームストロング少将。
楽しそうな声色に、会話内容は公用から私用に変わったみたいね。
「……」
角からチラッと電話室のほうを見る。
アイリさんが壁に背中を預け、クスクス笑ってる。
お相手がアームストロング少将なら、邪魔は出来ない。
いえ、アームストロング少将じゃなくとも邪魔は出来ないのだけど。
「…何の会話かしら」
楽しそうな表情を見ると、なんだかモヤモヤしてしまう。
浮気なんてするわけないのに、どこか不安になってしまって。
会話に混ぜてほしい、なんて欲が生まれる。
「……こんなところで何を?」
「!!」
突然声をかけられ、振り返ればクレミン准将が眉間に皺を寄せて立っていた。
「クレミン准将、お疲れ様です」
「ああ、ご苦労。セイフォード少将に用事か?」
「あ、いえ…」
用事…はない。
ただ会いたくて、声が聞きたいだけ。
「中央司令部に来たので、ご挨拶をと思って。ですが今は忙しそうなのでこのまま失礼しようかと」
「そうか」
クレミン准将はカツンと音を立ててアイリさんのほうへ行く。
「セイフォード少将、少しよろしいでしょうか」
クレミン准将はアイリさんへと近づいて。
「!ちょっと待ってね、オリヴィエ。クレミン准将、どうしたの?」
アイリさんは受話器を下げ、クレミン准将を見る。
「この件なんですが」
「どれ?」
クレミン准将に渡された書類を確認すると。
「……これは…?」
アイリさんの表情が変わった。
「…疑いです」
アイリさんは顎に手を添えて。
「そう。調べてちょうだい。何か分かり次第すぐに報告を」
「了解しました」
クレミン准将にそう命令する。
…何があったのかしら。
気になるけれど、私が知るべきことではないことは確か。
「そうそう、もう一つよろしいですか?」
「えぇ、なに?」
クレミン准将は私のほうを指して。
「ホークアイ中尉が見えてますよ」
私の存在を明かした。
「え?」
アイリさんがクレミン准将の指差す先を見ることで私と目が合って。
「ッちょちょちょちょ!!なんで早く言わないのー!」
ポイッと受話器を放り、駆け寄ってきた。
「っセ、セイフォード少将…っ人前ですよっ」
クレミン准将の前で恥ずかしいけれど…。
クレミン准将には感謝しないと…。
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「私は大総統府へ行って来るから、先に中央司令部へ行っていてくれ」
「わかりました」
ある日。
マスタング大佐が大総統府へと書類を提出に行った。
いつもならアイリさんが取りに来てしまうくらい滞納するのに。
“…たまには私も出来るというところを見せんとな”
なんて、危機感を覚えたみたい。
マスタング大佐が大総統府へ行っている間、私は先に中央司令部へと赴いて。
「いらっしゃるかしら」
アイリさんの執務室へと向かう。
クレミン准将がアイリさんを手伝うようになって数日、アイリさんも多少なりとも時間に余裕を持てるようになって。
会える回数も少しだけ増えた。
「あ、ホークアイ中尉。お疲れ様です」
「!お疲れ様です」
アイリさんの執務室前、ノックをしようとすれば。
「セイフォード少将は今執務室には居ませんよ」
アイリさんは不在とのこと。
「そうなんですね。では、挨拶はまたの機会に」
不在なら仕方ない。
あの人は忙しい人だから。
「電話室のほうにいらっしゃると思いますよ」
「電話室?」
誰に電話を…って。
公用の電話に決まってるわよね。
「わかりました。行ってみます」
私たちは敬礼を交わし、私は電話室のほうへと向かった。
「あは!なーにそれ!マイルズ少佐が?」
電話室の近く、アイリさんの声が聞こえてきた。
ブリッグズ地方勤務のマイルズ少佐の名前が出てきたということは、電話の相手はアームストロング少将。
楽しそうな声色に、会話内容は公用から私用に変わったみたいね。
「……」
角からチラッと電話室のほうを見る。
アイリさんが壁に背中を預け、クスクス笑ってる。
お相手がアームストロング少将なら、邪魔は出来ない。
いえ、アームストロング少将じゃなくとも邪魔は出来ないのだけど。
「…何の会話かしら」
楽しそうな表情を見ると、なんだかモヤモヤしてしまう。
浮気なんてするわけないのに、どこか不安になってしまって。
会話に混ぜてほしい、なんて欲が生まれる。
「……こんなところで何を?」
「!!」
突然声をかけられ、振り返ればクレミン准将が眉間に皺を寄せて立っていた。
「クレミン准将、お疲れ様です」
「ああ、ご苦労。セイフォード少将に用事か?」
「あ、いえ…」
用事…はない。
ただ会いたくて、声が聞きたいだけ。
「中央司令部に来たので、ご挨拶をと思って。ですが今は忙しそうなのでこのまま失礼しようかと」
「そうか」
クレミン准将はカツンと音を立ててアイリさんのほうへ行く。
「セイフォード少将、少しよろしいでしょうか」
クレミン准将はアイリさんへと近づいて。
「!ちょっと待ってね、オリヴィエ。クレミン准将、どうしたの?」
アイリさんは受話器を下げ、クレミン准将を見る。
「この件なんですが」
「どれ?」
クレミン准将に渡された書類を確認すると。
「……これは…?」
アイリさんの表情が変わった。
「…疑いです」
アイリさんは顎に手を添えて。
「そう。調べてちょうだい。何か分かり次第すぐに報告を」
「了解しました」
クレミン准将にそう命令する。
…何があったのかしら。
気になるけれど、私が知るべきことではないことは確か。
「そうそう、もう一つよろしいですか?」
「えぇ、なに?」
クレミン准将は私のほうを指して。
「ホークアイ中尉が見えてますよ」
私の存在を明かした。
「え?」
アイリさんがクレミン准将の指差す先を見ることで私と目が合って。
「ッちょちょちょちょ!!なんで早く言わないのー!」
ポイッと受話器を放り、駆け寄ってきた。
「っセ、セイフォード少将…っ人前ですよっ」
クレミン准将の前で恥ずかしいけれど…。
クレミン准将には感謝しないと…。
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