ハガレン百合夢、リザさんお相手の長編です。
愛しき人よ リザさん百合長編夢
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「うそ、うそ」
延々と上がる黒い煙。
「ッ探せ!!早急にセイフォード少将を探し出せ!!」
大佐が指示を出す。
光と爆発の規模からして、被害は小さい。
アイリさんが死の間際に、せめてもの威力を弱めた?
死の…間際…に。
死……。
「ッッ!!嫌!死んでないッ!!死んでなんかいないッ!!」
私は走り出した。
「アイリさんッ!どこ!?ねぇどこにいるの!!」
「中尉!!落ち着け!!」
マスタング准将の声。
素手で瓦礫を掻き分けて、アイリさんを探す私。
「ねぇッ!!返事をして!!どこにいるの!!」
爪が剥けようが関係ない。
早く、早く見つけないと。
「ホークアイ大尉!!」
「ッはな…ッ離してッ離してくださいッ!早く見つけないと!!」
准将に腕を引かれ、立ち上がらせられるけど。
私は暴れに暴れ、マスタング准将を引き剥がそうとした。
「リザ・ホークアイッッ!!」
「ッッ!?!?」
マスタング准将の大きな声に、ビクッと体が震えて大佐を見上げる。
「君は、アメストリス国国軍大尉だ。軍人たる者、何時如何なる時に何が起こるかわからない。取り乱すな。冷静さを失うな」
軍人たる者、何時如何なる時も。
何が起こるか、わからない。
そう。
そうだ。
確かにそう。
私は国軍大尉。
取り乱してはいけない。
「わ、か…って…ます…」
でも。
「…でも…」
でもね。
「あの人だけは…っ失いたくないんです…っ」
あの人だけは。
あの人だけは。
失いたくないの。
「大尉…」
私は地面に膝を付き、泣いた。
ただただ泣いた。
独りになるだろう未来に、絶望した。
「発見しました!!セイフォード少将です!!」
部下の声。
「「…ッ!!」」
大佐と同時に顔をそちらに向けて。
「アイリさんッ!!」
走り出した。
アイリさん。
アイリさん。
また血だらけだ。
また血だらけ。
でも、あの爆発の中でも五体満足であることにホッとした。
「…ただ…心拍が…」
部下の言葉に、アイリさんの胸に耳を当てる。
心音が聞こえない。
心音が、ない。
「ッ!!!」
心停止してる。
私はすぐに心臓マッサージを施そうとした時。
「私が診よう」
マルコー氏が来た。
マルコー氏も駆けつけてくれた。
「お願いしますッ!!」
私はアイリさんの手を握り、祈った。
お願い。
どうかお願い。
息を吹き返して。
アイリさん。
失いたくない。
私を独りにしないで。
ねぇ、アイリさん。
「……」
マルコー氏は眉間に皺を寄せ、何かを考えて。
アイリさんの胸、心臓がある場所に小さな錬成陣を描いて。
手を翳すと。
「…ッ!!」
ビクッとアイリさんの体が反応した。
除細動器の役割がある錬成陣のよう。
すると。
「「…!!」」
アイリさんの呼吸が戻って。
「直ちに病院へ。私も同行する」
再び心臓が鼓動し始めた。
「ッありがとう…ッございます…ッ」
たまらずアイリさんを抱き締めた。
よかった。
よかった。
アイリさん。
生きて。
生きて。
「しかし、まだ余談は許さない状況だからね」
マルコー氏は、アイリさんと一緒に救護車に乗り込む。
「君も乗りたまえ」
「…ぇ?」
マスタング准将に背中を押された。
「君はマルコー氏とアイリさんの護衛を」
護衛という名の付き添いを許してくれた。
大佐とスカーを見ると、スカーもコクンと頷いてくれて。
「…ッ」
私は二人に頭を下げて、救護車に乗り込んだ。
なにが大丈夫、よ。
なにがあの人なら、よ。
本当に私は馬鹿だ。
この過信が、こんな事態に陥って。
私だけじゃない。
きっと誰もが“あの人なら大丈夫”と思っていたでしょう。
雷鳴の錬金術師はそれだけ強かったから。
それだけ優秀で。
それだけ……。
「リザ君。彼女なら大丈夫だ。必ず助ける」
マルコー氏の笑みに、どれだけ救われただろう。
「…お願い…します…助けてください…っ」
「うん。必ず」
マルコー氏を主治医とし、緊急手術が行われた。
待っている間が地獄だった。
必ず助けると言ってくれたけど、あんな血だらけで。
本当に助かるのだろうか。
“すまない…リザ君…助けられなかった…”
なんてことにはならないだろうか。
「…ッ…ッ」
ただただ涙が溢れた。
怖い。
すごく怖い。
不安と恐怖に押し潰されそう。
「リザ!!」
レベッカが走ってきて。
「レベッカ…っ」
伸ばされた手を掴み、抱き締められて。
「どうしよう…アイリさんが…死…ん…だら…っどうしよう…っ」
「ッば、馬鹿なこと言うんじゃないわよ!!大丈夫よ、絶対に大丈夫…っ」
レベッカの胸の中で、声を出して泣いた。
こんなに泣いたのは初めて。
あの時はだってアイリさんは僅かに意識があったし。
危険な状態ではあったけど、あの時は助かるってわかってたから。
でも今は。
今は助かるかわからない。
鼓動が戻っても一時的なものかもしれない。
この手術室の扉が開いて、“ごめんなさい”って言われたらどうしよう。
不安と恐怖しかないこの場所で。
レベッカはずっと傍に居てくれた。
手術が終わったのは、12時間後で。
手術室から出てきたマルコー氏は深い息を吐いて。
「大丈夫。手術は成功したよ」
私の肩に手を置いてくれた。
ああ、神様。
ああ、ありがとう。
「ありがとう…ッございます…ッ」
両手で顔を覆い、膝を付いて涙する私をレベッカが抱き締めてくれて。
そうして。
「…また包帯だらけね…あなたは…」
手術室から出てきた眠っているアイリさんと一緒に、病室へと向かった。
.
「うそ、うそ」
延々と上がる黒い煙。
「ッ探せ!!早急にセイフォード少将を探し出せ!!」
大佐が指示を出す。
光と爆発の規模からして、被害は小さい。
アイリさんが死の間際に、せめてもの威力を弱めた?
死の…間際…に。
死……。
「ッッ!!嫌!死んでないッ!!死んでなんかいないッ!!」
私は走り出した。
「アイリさんッ!どこ!?ねぇどこにいるの!!」
「中尉!!落ち着け!!」
マスタング准将の声。
素手で瓦礫を掻き分けて、アイリさんを探す私。
「ねぇッ!!返事をして!!どこにいるの!!」
爪が剥けようが関係ない。
早く、早く見つけないと。
「ホークアイ大尉!!」
「ッはな…ッ離してッ離してくださいッ!早く見つけないと!!」
准将に腕を引かれ、立ち上がらせられるけど。
私は暴れに暴れ、マスタング准将を引き剥がそうとした。
「リザ・ホークアイッッ!!」
「ッッ!?!?」
マスタング准将の大きな声に、ビクッと体が震えて大佐を見上げる。
「君は、アメストリス国国軍大尉だ。軍人たる者、何時如何なる時に何が起こるかわからない。取り乱すな。冷静さを失うな」
軍人たる者、何時如何なる時も。
何が起こるか、わからない。
そう。
そうだ。
確かにそう。
私は国軍大尉。
取り乱してはいけない。
「わ、か…って…ます…」
でも。
「…でも…」
でもね。
「あの人だけは…っ失いたくないんです…っ」
あの人だけは。
あの人だけは。
失いたくないの。
「大尉…」
私は地面に膝を付き、泣いた。
ただただ泣いた。
独りになるだろう未来に、絶望した。
「発見しました!!セイフォード少将です!!」
部下の声。
「「…ッ!!」」
大佐と同時に顔をそちらに向けて。
「アイリさんッ!!」
走り出した。
アイリさん。
アイリさん。
また血だらけだ。
また血だらけ。
でも、あの爆発の中でも五体満足であることにホッとした。
「…ただ…心拍が…」
部下の言葉に、アイリさんの胸に耳を当てる。
心音が聞こえない。
心音が、ない。
「ッ!!!」
心停止してる。
私はすぐに心臓マッサージを施そうとした時。
「私が診よう」
マルコー氏が来た。
マルコー氏も駆けつけてくれた。
「お願いしますッ!!」
私はアイリさんの手を握り、祈った。
お願い。
どうかお願い。
息を吹き返して。
アイリさん。
失いたくない。
私を独りにしないで。
ねぇ、アイリさん。
「……」
マルコー氏は眉間に皺を寄せ、何かを考えて。
アイリさんの胸、心臓がある場所に小さな錬成陣を描いて。
手を翳すと。
「…ッ!!」
ビクッとアイリさんの体が反応した。
除細動器の役割がある錬成陣のよう。
すると。
「「…!!」」
アイリさんの呼吸が戻って。
「直ちに病院へ。私も同行する」
再び心臓が鼓動し始めた。
「ッありがとう…ッございます…ッ」
たまらずアイリさんを抱き締めた。
よかった。
よかった。
アイリさん。
生きて。
生きて。
「しかし、まだ余談は許さない状況だからね」
マルコー氏は、アイリさんと一緒に救護車に乗り込む。
「君も乗りたまえ」
「…ぇ?」
マスタング准将に背中を押された。
「君はマルコー氏とアイリさんの護衛を」
護衛という名の付き添いを許してくれた。
大佐とスカーを見ると、スカーもコクンと頷いてくれて。
「…ッ」
私は二人に頭を下げて、救護車に乗り込んだ。
なにが大丈夫、よ。
なにがあの人なら、よ。
本当に私は馬鹿だ。
この過信が、こんな事態に陥って。
私だけじゃない。
きっと誰もが“あの人なら大丈夫”と思っていたでしょう。
雷鳴の錬金術師はそれだけ強かったから。
それだけ優秀で。
それだけ……。
「リザ君。彼女なら大丈夫だ。必ず助ける」
マルコー氏の笑みに、どれだけ救われただろう。
「…お願い…します…助けてください…っ」
「うん。必ず」
マルコー氏を主治医とし、緊急手術が行われた。
待っている間が地獄だった。
必ず助けると言ってくれたけど、あんな血だらけで。
本当に助かるのだろうか。
“すまない…リザ君…助けられなかった…”
なんてことにはならないだろうか。
「…ッ…ッ」
ただただ涙が溢れた。
怖い。
すごく怖い。
不安と恐怖に押し潰されそう。
「リザ!!」
レベッカが走ってきて。
「レベッカ…っ」
伸ばされた手を掴み、抱き締められて。
「どうしよう…アイリさんが…死…ん…だら…っどうしよう…っ」
「ッば、馬鹿なこと言うんじゃないわよ!!大丈夫よ、絶対に大丈夫…っ」
レベッカの胸の中で、声を出して泣いた。
こんなに泣いたのは初めて。
あの時はだってアイリさんは僅かに意識があったし。
危険な状態ではあったけど、あの時は助かるってわかってたから。
でも今は。
今は助かるかわからない。
鼓動が戻っても一時的なものかもしれない。
この手術室の扉が開いて、“ごめんなさい”って言われたらどうしよう。
不安と恐怖しかないこの場所で。
レベッカはずっと傍に居てくれた。
手術が終わったのは、12時間後で。
手術室から出てきたマルコー氏は深い息を吐いて。
「大丈夫。手術は成功したよ」
私の肩に手を置いてくれた。
ああ、神様。
ああ、ありがとう。
「ありがとう…ッございます…ッ」
両手で顔を覆い、膝を付いて涙する私をレベッカが抱き締めてくれて。
そうして。
「…また包帯だらけね…あなたは…」
手術室から出てきた眠っているアイリさんと一緒に、病室へと向かった。
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