ハガレン百合夢、リザさんお相手の長編です。
愛しき人よ リザさん百合長編夢
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「合成獣ですか」
「えぇ。5つの拠点で聞こえたみたい」
イシュヴァールの地に、アイリさんが来た。
どうやら地下空洞の件で進展があったようで、マスタング准将や私、スカーに報告へ来たみたい。
「それで、どうするつもりだ」
スカーがアイリさんに問いかける。
「理性がなく攻撃をして来るなら可哀想だけど排除するわ。」
「話が通じるなら交渉する、ということですね」
アイリさんが頷くと、スカーは呆れたようにため息を零して。
「甘いな」
一言嫌味を言った。
「合成獣と言えど、命だからね」
アイリさんはエドワード君たちと“合成獣を分離させる方法”という共同研究をしている。
エドワード君たちが、救いたかったのに救えなかった合成獣された小さな女の子いるようで。
その子のように合成獣にされ苦しむ人を助けられるように。
アイリさんが研究に加われば、きっとその夢が叶う日もより近くなるでしょうね。
アイリさんはクスクスと笑い、立ち上がる。
ザワ…と。
「?」
私の中の何かがざわめく。
「さて、と。もう一度中央に戻って大総統に報告してくるかな」
「あ、出口まで送るわ」
そのざわめきの正体はわからないし、どうしてざわめくのかわからない。
「ありがとう」
アイリさんと一緒にテントから出ると。
「アイリ君」
マルコー氏に呼び止められた。
子供たちに囲まれて。
私たちはそんなマルコー氏に小さな笑みを向けて。
「すっかりお人好しおじいちゃんですね、マルコーさん」
アイリさんはまたクスクス笑う。
「……?」
また、ザワ…と。
私の中の何かがざわめく。
なに?
なんなの?
「はは、ヤンチャな子たちばかりさ」
マルコー氏は照れ臭そうに笑った。
「身体と目の痛みはどうだい?」
「鎮痛剤も効きますし、大丈夫です」
「今度時間が出来た時に、健康診断をさせてくれないかな?」
マルコー氏はアイリさんの身体と目の痛みを気にしてくれている。
こうしてアイリさんの身体を診て、痛みを取ろうとしてくれて。
アイリさんの体が痛む理由を知っているマルコー氏に診てもらえば、治りも早そう。
あの血だらけのアイリさんを知る人物だから。
「もちろんです。よろしくお願いします」
アイリさんはマルコー氏に頭を下げて、一緒に出口に向かう。
「しばらくは忙しくなりそうね」
「えぇ。合成獣の件が片付くまではいろんな地区を行き来しなきゃいけなくなるから、ご飯の支度できない日もあるかも」
「食事はいいけど、無理だけはしないで」
これからの話を簡単にして、出口の前に立つ。
「じゃあ、私の方が帰宅が遅くなるかもしれないからね?」
「えぇ、わかったわ」
ちゅ、と触れるだけのキスをしてくれて。
アイリさんが背中を向けた時。
「…っ!?」
ザワ…と。
胸が大きくざわめいて、ドキドキと鼓動が早くなった。
なに?
さっきから、なにこれ。
わからない。
でも今、すごく。
すごく不安な気持ち。
アイリさんの背中に手を伸ばして、引き止めようとした。
けれど。
大丈夫。
あの人は“雷鳴の錬金術師”
アメストリスが誇る、最強の錬金術師なんだから。
ブラッドレイのような強い敵なんて、そうそう現れるものじゃないから。
大丈夫。
“あの人なら大丈夫”
この時に、ちゃんと引き留めて。
この不安を口にさえしていれば。
あんなことにはならなかったのかもしれない。
アイリさんがいなくなって、1時間も経ったか経たないか。
そんな時間帯に。
「マスタング准将!!ホークアイ大尉!!セイフォード少将がイーストシティの駅近くで交戦中との通報がありました!!」
部下が走ってきた。
「なに?」
「え?」
え?
交戦中?
「すぐに出動だ。」
「ッはい!」
「己れも行こう」
マスタング准将も私もすぐに出口に向かって。
スカーも付いてきてくれた。
どういうこと?
交戦中って、どういうこと?
誰と戦っているの?
というか“戦って”って、あの雷鳴の錬金術師とまともに戦えているの?
「状況は?」
私が運転し、マスタング准将が助手席、スカーが後部座席に座る。
通報を受けた部下が歯を噛み締めて。
「ッセイフォード少将が劣勢のようです…ッ!直ちに向かってくださいッ!!」
そう放ったと同時に、アクセルを全開に踏み込む。
うそ。
うそ。
うそよ。
アイリさんが劣勢?
嘘に決まってる。
だって、アイリさんは雷鳴の錬金術師よ?
この国が誇る最強の錬金術師。
その錬金術師を、劣勢に追い込むなんて有り得る?
いいえ、有り得ないわ。
ブラッドレイ以上の強さがないと……。
ブラッドレイ以上の強さを持つ…敵なら…?
「ホークアイ大尉ッ!急ぎたい気持ちはわかるが運転が荒すぎる!民間人を轢いてしまうぞ!!」
「落ち着け、雷鳴の錬金術師ならば大丈夫だ」
大佐とスカーにそう言われるけど。
愛しい人が劣勢で、どうして落ち着いてられるのよ。
通報があった公園に着き、中に急ぐ。
アイリさん。
どうか無事でいて。
どうか無事で。
アイリさん。
アイリさん。
「アイリさんッッ!!!」
私が見た光景は。
少年がアイリさんへ飛びかかり、その少年の手が光っていて。
私に気づきこちらを見たアイリさんは、悲しくも小さな笑みを浮かべて。
『ごめんね、リザ』
そう、口が動いた瞬間。
「ま…ッッ!!」
待って。
待ってよ。
ねぇ、待ってよ。
「中尉!!」
大佐に腕を引かれ、抱きすくめられて。
辺りは眩いばかりの光と。
「いやぁあああ!!アイリさんッッ!!」
物凄い爆発音に包まれた。
.
「合成獣ですか」
「えぇ。5つの拠点で聞こえたみたい」
イシュヴァールの地に、アイリさんが来た。
どうやら地下空洞の件で進展があったようで、マスタング准将や私、スカーに報告へ来たみたい。
「それで、どうするつもりだ」
スカーがアイリさんに問いかける。
「理性がなく攻撃をして来るなら可哀想だけど排除するわ。」
「話が通じるなら交渉する、ということですね」
アイリさんが頷くと、スカーは呆れたようにため息を零して。
「甘いな」
一言嫌味を言った。
「合成獣と言えど、命だからね」
アイリさんはエドワード君たちと“合成獣を分離させる方法”という共同研究をしている。
エドワード君たちが、救いたかったのに救えなかった合成獣された小さな女の子いるようで。
その子のように合成獣にされ苦しむ人を助けられるように。
アイリさんが研究に加われば、きっとその夢が叶う日もより近くなるでしょうね。
アイリさんはクスクスと笑い、立ち上がる。
ザワ…と。
「?」
私の中の何かがざわめく。
「さて、と。もう一度中央に戻って大総統に報告してくるかな」
「あ、出口まで送るわ」
そのざわめきの正体はわからないし、どうしてざわめくのかわからない。
「ありがとう」
アイリさんと一緒にテントから出ると。
「アイリ君」
マルコー氏に呼び止められた。
子供たちに囲まれて。
私たちはそんなマルコー氏に小さな笑みを向けて。
「すっかりお人好しおじいちゃんですね、マルコーさん」
アイリさんはまたクスクス笑う。
「……?」
また、ザワ…と。
私の中の何かがざわめく。
なに?
なんなの?
「はは、ヤンチャな子たちばかりさ」
マルコー氏は照れ臭そうに笑った。
「身体と目の痛みはどうだい?」
「鎮痛剤も効きますし、大丈夫です」
「今度時間が出来た時に、健康診断をさせてくれないかな?」
マルコー氏はアイリさんの身体と目の痛みを気にしてくれている。
こうしてアイリさんの身体を診て、痛みを取ろうとしてくれて。
アイリさんの体が痛む理由を知っているマルコー氏に診てもらえば、治りも早そう。
あの血だらけのアイリさんを知る人物だから。
「もちろんです。よろしくお願いします」
アイリさんはマルコー氏に頭を下げて、一緒に出口に向かう。
「しばらくは忙しくなりそうね」
「えぇ。合成獣の件が片付くまではいろんな地区を行き来しなきゃいけなくなるから、ご飯の支度できない日もあるかも」
「食事はいいけど、無理だけはしないで」
これからの話を簡単にして、出口の前に立つ。
「じゃあ、私の方が帰宅が遅くなるかもしれないからね?」
「えぇ、わかったわ」
ちゅ、と触れるだけのキスをしてくれて。
アイリさんが背中を向けた時。
「…っ!?」
ザワ…と。
胸が大きくざわめいて、ドキドキと鼓動が早くなった。
なに?
さっきから、なにこれ。
わからない。
でも今、すごく。
すごく不安な気持ち。
アイリさんの背中に手を伸ばして、引き止めようとした。
けれど。
大丈夫。
あの人は“雷鳴の錬金術師”
アメストリスが誇る、最強の錬金術師なんだから。
ブラッドレイのような強い敵なんて、そうそう現れるものじゃないから。
大丈夫。
“あの人なら大丈夫”
この時に、ちゃんと引き留めて。
この不安を口にさえしていれば。
あんなことにはならなかったのかもしれない。
アイリさんがいなくなって、1時間も経ったか経たないか。
そんな時間帯に。
「マスタング准将!!ホークアイ大尉!!セイフォード少将がイーストシティの駅近くで交戦中との通報がありました!!」
部下が走ってきた。
「なに?」
「え?」
え?
交戦中?
「すぐに出動だ。」
「ッはい!」
「己れも行こう」
マスタング准将も私もすぐに出口に向かって。
スカーも付いてきてくれた。
どういうこと?
交戦中って、どういうこと?
誰と戦っているの?
というか“戦って”って、あの雷鳴の錬金術師とまともに戦えているの?
「状況は?」
私が運転し、マスタング准将が助手席、スカーが後部座席に座る。
通報を受けた部下が歯を噛み締めて。
「ッセイフォード少将が劣勢のようです…ッ!直ちに向かってくださいッ!!」
そう放ったと同時に、アクセルを全開に踏み込む。
うそ。
うそ。
うそよ。
アイリさんが劣勢?
嘘に決まってる。
だって、アイリさんは雷鳴の錬金術師よ?
この国が誇る最強の錬金術師。
その錬金術師を、劣勢に追い込むなんて有り得る?
いいえ、有り得ないわ。
ブラッドレイ以上の強さがないと……。
ブラッドレイ以上の強さを持つ…敵なら…?
「ホークアイ大尉ッ!急ぎたい気持ちはわかるが運転が荒すぎる!民間人を轢いてしまうぞ!!」
「落ち着け、雷鳴の錬金術師ならば大丈夫だ」
大佐とスカーにそう言われるけど。
愛しい人が劣勢で、どうして落ち着いてられるのよ。
通報があった公園に着き、中に急ぐ。
アイリさん。
どうか無事でいて。
どうか無事で。
アイリさん。
アイリさん。
「アイリさんッッ!!!」
私が見た光景は。
少年がアイリさんへ飛びかかり、その少年の手が光っていて。
私に気づきこちらを見たアイリさんは、悲しくも小さな笑みを浮かべて。
『ごめんね、リザ』
そう、口が動いた瞬間。
「ま…ッッ!!」
待って。
待ってよ。
ねぇ、待ってよ。
「中尉!!」
大佐に腕を引かれ、抱きすくめられて。
辺りは眩いばかりの光と。
「いやぁあああ!!アイリさんッッ!!」
物凄い爆発音に包まれた。
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