風邪 リザさん百合夢
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
'
「……ん…」
ゆっくりと目を開ける。
あれからどのくらい寝ていたのだろう。
体もかなり楽になってる。
結構寝たからかしら。
「……いえ」
薬を飲んでないのに、そんな早く楽になるはずがない。
体を起こし、振り返ればベッドヘッドに薬と水が入ったグラスがある。
無意識に飲んだ?
でも食事も食べてないのに?
「……この服…」
視線を下げれば、ルームウェアも変わってる。
え?
何が起きて……。
カチャ
「あ、起きた?」
突然、静かに開いたドア。
「え?ア、アイリさん?」
入ったきたのはアイリさんで。
「ど、どうしてここに…」
ベッドから降りようとすれば、アイリさんに片手で制されて。
「ん、熱はとりあえず落ち着いたわね」
ベッドの脇に座り、私の額に手を当てがった。
私はその手を取って、ギュッと握る。
「アイリさん、どうしてここに?」
会えないと思っていたのに、目の前にアイリさんがいる。
夢じゃない…。
どうしよう、嬉しい。
アイリさんは小さく笑って。
「ロイ君に脅かされたのよ」
「マスタング大佐に…?」
大佐がアイリさんを脅すなんて…。
一体何が…。
「“ホークアイ中尉が倒れた”って言ったのよ、あんにゃろ」
駆け付けないわけないじゃない。
なんて。
私が倒れたと思って来てくれた。
嬉しい。
でも…。
「…心配をかけてすみません…ただの風邪なんです」
「えぇ、眠ってるリザの顔を見てすぐロイ君に文句の電話を入れたわよ」
ただの風邪なら、心配だけど仕事を優先したでしょうね。
でも“倒れた”と聞かされたから…。
すぐに行動を起こしてくれたようで。
「……マスタング大佐に感謝です」
私はクスクスと笑う。
「そうね。お礼も言っといたわ。」
アイリさんも釣られてクスクス笑った。
「薬が効いてるみたいね」
「はい。無意識で薬を飲んだようで、だいぶ楽になりました」
私の言葉にアイリさんは足を組み、その足に頬杖を付いて。
「無意識に、ねぇ」
意味深にそう零した。
「まぁ、意識朦朧としてたから覚えてないか」
「え?」
アイリさんは私の頬に手を伸ばし、親指で唇に触れて。
「食事は食べさせてって言うからふぅふぅして食べさせてあげたし、薬だって飲ませてあげたわ」
そう言った。
「た、食べさせてって言ったんですか…私…っすみません…覚えてなくて…ですが薬はどうやって…」
意識が朦朧としていたなら、薬なんて飲めないのでは…?
そう思ったら。
「意識が朦朧としてる恋人さんに薬を飲ませる方法なんて、一つしかないでしょ?」
と、アイリさんはまたクスクス笑った。
…そ、それはつまり…っ
「……っ」
…また顔が熱くなってきたわ。
これは風邪によるものではなくて。
「う、移ったら大変じゃないですか…っ」
アイリさんが恥ずかしいことを言ったがために。
顔が熱くなったの。
「逆に移してくれたほうが休めると思わない?」
「…確かに」
なんて、二人で笑った。
「……でも…く…口移し…ですか…」
「そ」
アイリさんは私の肩を押し、ベッドへ寝かせてくれて。
そんなアイリさんを見上げて。
「……覚えていないことが残念です…」
そう言うと。
「……っなんでそんなに可愛いのもう…っ」
悶えた。
「…水、飲ませてあげよっか?」
「……喉が渇いてるので…飲みたいです…」
アイリさんはベッドヘッドにあった水を口に含んで。
「「……」」
私に顔を近づけ、私はアイリさんの首に腕を回して。
深い深いキスをした。
年が明けてからしか会えないと思っていたのに。
風邪を引いたことにより、マスタング大佐の計らいでアイリさんが来てくれた。
熱に浮かされて、アイリさんがたくさんお世話をしてくれたことを覚えていないことが残念だけれど、それは仕方がないことよね。
それに…水を…飲ませてくれたし…。
「あ、0時になったわよ。明けましておめでとう、リザ」
「…おめでとうございます、アイリさん。本年も幸せにしますので、どうか私も幸せにしてください」
「やーもー、可愛すぎてもー…」
ニューイヤーをアイリさんと迎えれて、すでに幸せなのだけれど。
「始発で一度中央に戻るけど、お昼には戻って来るから」
「わかりました、待ってます」
私はベッドで横になり、アイリさんはその脇に座って。
「ほらほら、あなたは今は寝る!」
「はい。…眠るまで傍に居てくれますか?」
「えぇ、起きるまで居てあげるわ」
ちゅ、と額にキスをしてくれて。
アイリさんの優しい表情を見つめ、私は目を閉じた。
それからは。
「お昼ご飯は何食べたい?」
「昨日作ってくださったチキンスープがいいです」
「昨日の味を覚えてないから?」
「はい…それも残念でなりません…」
「あは!本当にリザって可愛いわよね」
中央での仕事を済ませ、戻って来てくれた。
ヒューズ中佐からのお見舞いの果物と一緒に。
年末に風邪を引くなんて、情けない限りだけれど。
でも。
おかげでアイリさんと新年を迎えれたことに。
風邪引いてよかった、なんて。
ちょっとだけ思ったのは内緒。
END
「……ん…」
ゆっくりと目を開ける。
あれからどのくらい寝ていたのだろう。
体もかなり楽になってる。
結構寝たからかしら。
「……いえ」
薬を飲んでないのに、そんな早く楽になるはずがない。
体を起こし、振り返ればベッドヘッドに薬と水が入ったグラスがある。
無意識に飲んだ?
でも食事も食べてないのに?
「……この服…」
視線を下げれば、ルームウェアも変わってる。
え?
何が起きて……。
カチャ
「あ、起きた?」
突然、静かに開いたドア。
「え?ア、アイリさん?」
入ったきたのはアイリさんで。
「ど、どうしてここに…」
ベッドから降りようとすれば、アイリさんに片手で制されて。
「ん、熱はとりあえず落ち着いたわね」
ベッドの脇に座り、私の額に手を当てがった。
私はその手を取って、ギュッと握る。
「アイリさん、どうしてここに?」
会えないと思っていたのに、目の前にアイリさんがいる。
夢じゃない…。
どうしよう、嬉しい。
アイリさんは小さく笑って。
「ロイ君に脅かされたのよ」
「マスタング大佐に…?」
大佐がアイリさんを脅すなんて…。
一体何が…。
「“ホークアイ中尉が倒れた”って言ったのよ、あんにゃろ」
駆け付けないわけないじゃない。
なんて。
私が倒れたと思って来てくれた。
嬉しい。
でも…。
「…心配をかけてすみません…ただの風邪なんです」
「えぇ、眠ってるリザの顔を見てすぐロイ君に文句の電話を入れたわよ」
ただの風邪なら、心配だけど仕事を優先したでしょうね。
でも“倒れた”と聞かされたから…。
すぐに行動を起こしてくれたようで。
「……マスタング大佐に感謝です」
私はクスクスと笑う。
「そうね。お礼も言っといたわ。」
アイリさんも釣られてクスクス笑った。
「薬が効いてるみたいね」
「はい。無意識で薬を飲んだようで、だいぶ楽になりました」
私の言葉にアイリさんは足を組み、その足に頬杖を付いて。
「無意識に、ねぇ」
意味深にそう零した。
「まぁ、意識朦朧としてたから覚えてないか」
「え?」
アイリさんは私の頬に手を伸ばし、親指で唇に触れて。
「食事は食べさせてって言うからふぅふぅして食べさせてあげたし、薬だって飲ませてあげたわ」
そう言った。
「た、食べさせてって言ったんですか…私…っすみません…覚えてなくて…ですが薬はどうやって…」
意識が朦朧としていたなら、薬なんて飲めないのでは…?
そう思ったら。
「意識が朦朧としてる恋人さんに薬を飲ませる方法なんて、一つしかないでしょ?」
と、アイリさんはまたクスクス笑った。
…そ、それはつまり…っ
「……っ」
…また顔が熱くなってきたわ。
これは風邪によるものではなくて。
「う、移ったら大変じゃないですか…っ」
アイリさんが恥ずかしいことを言ったがために。
顔が熱くなったの。
「逆に移してくれたほうが休めると思わない?」
「…確かに」
なんて、二人で笑った。
「……でも…く…口移し…ですか…」
「そ」
アイリさんは私の肩を押し、ベッドへ寝かせてくれて。
そんなアイリさんを見上げて。
「……覚えていないことが残念です…」
そう言うと。
「……っなんでそんなに可愛いのもう…っ」
悶えた。
「…水、飲ませてあげよっか?」
「……喉が渇いてるので…飲みたいです…」
アイリさんはベッドヘッドにあった水を口に含んで。
「「……」」
私に顔を近づけ、私はアイリさんの首に腕を回して。
深い深いキスをした。
年が明けてからしか会えないと思っていたのに。
風邪を引いたことにより、マスタング大佐の計らいでアイリさんが来てくれた。
熱に浮かされて、アイリさんがたくさんお世話をしてくれたことを覚えていないことが残念だけれど、それは仕方がないことよね。
それに…水を…飲ませてくれたし…。
「あ、0時になったわよ。明けましておめでとう、リザ」
「…おめでとうございます、アイリさん。本年も幸せにしますので、どうか私も幸せにしてください」
「やーもー、可愛すぎてもー…」
ニューイヤーをアイリさんと迎えれて、すでに幸せなのだけれど。
「始発で一度中央に戻るけど、お昼には戻って来るから」
「わかりました、待ってます」
私はベッドで横になり、アイリさんはその脇に座って。
「ほらほら、あなたは今は寝る!」
「はい。…眠るまで傍に居てくれますか?」
「えぇ、起きるまで居てあげるわ」
ちゅ、と額にキスをしてくれて。
アイリさんの優しい表情を見つめ、私は目を閉じた。
それからは。
「お昼ご飯は何食べたい?」
「昨日作ってくださったチキンスープがいいです」
「昨日の味を覚えてないから?」
「はい…それも残念でなりません…」
「あは!本当にリザって可愛いわよね」
中央での仕事を済ませ、戻って来てくれた。
ヒューズ中佐からのお見舞いの果物と一緒に。
年末に風邪を引くなんて、情けない限りだけれど。
でも。
おかげでアイリさんと新年を迎えれたことに。
風邪引いてよかった、なんて。
ちょっとだけ思ったのは内緒。
END
6/6ページ