風邪 リザさん百合夢
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「はぁ…リザに会いたい…」
「…もはや口癖ですね」
12月31日。
年末に私は中央司令部の執務室で仕事をしている。
他の将官は早々に仕事納めをして休暇を満喫しているのに。
私だけ仕事。
けれど今は軍法会議所からマースが手伝いに来てくれているから、愚痴を吐き出せてちょっと楽。
でも。
「マース、今日は定時上がり?」
マースは家族がいるし、早めに上がらせてあげようかと思えば。
「あー…」
「?」
マースは苦笑を零して。
「今年は、毎年居残りさせられてるセイフォード少将の手伝いをするから帰れないかもしれないってグレイシアには伝えてあるんです」
そう言った。
「え?お子さん、3才になったばかりじゃない。いいの?」
「毎年誕生日プレゼントありがとうございます!グレイシアに言ったら、ぜひ手伝ってあげてって言ってくれて」
今年は私に付き合って年を越してくれるみたい。
私は小さく笑みを浮かべる。
「本当、マースって良い男よね。グレイシアが惚れたのもわかるわ」
「わかります!俺良い男なんすよ!」
「自分でも言っちゃう?」
マースもケラケラ笑って、ちょっとだけ他の将官への苛立ちも収まった。
やっぱり誰か居るっていいわよね。
「あ、でも去年は確かリザちゃんとこ行ってましたよね?」
「えぇ、去年はリザと交際して初めてのお正月だから、どうしてもリザと過ごしたかったの」
「セイフォード少将は仕事なんざ二の次にして、少し休まれたほうがいいですよ」
…ちょっと激しすぎて次の日にはリザの声が出なくなっちゃったけど。
「…休んだら次の日の仕事がえらいことになるのよねぇ…」
将官たちはいないし、結局は私一人でやらないといけない。
「……中央司令部は終わりっすね」
マースも呆れてため息を零し、私はクスクス笑いながら。
「ありがとね、マース。これ年明けの軍議で使う書類だから、軍法会議所で保管しておいて。で、終えたらもう上がっていいわよ」
マースに書類の束を渡し、軍法会議所で保管してもらう。
それを終えたら上がっていい、と言えば。
「いやいや、俺はまだ帰りませんよ」
首を横に振るから。
「そう?じゃあ言い方を変えるわ」
「え゙」
私はニコリと笑んで。
「帰れ、命令」
命令を行使した。
「いえいえいえ、それは『プルルル プルルル』
マースの言葉を遮るように、電話が鳴った。
「もしもし、私だけどどうしたの?」
電話を取れば。
『東方司令部のマスタング大佐からお電話が入っています』
「ロイ君から?」
東方司令部のロイ君から電話が来た。
マースと顔を見合わせて。
「繋いでちょうだい」
『はい』
電話を繋いでもらった。
「もしもし?どうしたの?ロイ君」
『お忙しい中、すみません』
まずは謝りから。
「いえ、大丈夫よ」
『ちょっとお伝えしておかねばならないと思って、電話をさせていただきました』
「えぇ、なに?」
椅子の背もたれに背中を預けて。
『実はですね』
なぜか勿体振ってきて。
「ロイ君、早く『ホークアイ中尉が倒れました』
衝撃の言葉を発した。
え?
「え?リザが?倒れた…?どういうこと?」
待って。
え?
倒れた?
リザが?
『先程病院に「どうして倒れたの?何か病気?それとも襲われた?」
「おい、ロイ。詳しく話せ」
マースも深刻な表情を浮かべて、私の耳元にある受話器に顔を近づけてロイ君に言う。
『ヒューズか。いや、今は病院から帰宅して自宅で休んでいる』
またマースと顔を見合わせる。
「…倒れたのに自宅に帰ったの?」
状況がわからない。
今すぐに会いたい。
会いに行きたい。
リザ、倒れたってなに?
何があったの?
「セイフォード少将、ここは俺に任せてリザちゃんのところに行ってください」
マースは何かを考えて、私にリザのところに行けと言う。
「で、でも…あなただって「俺はちゃんとグレイシアに帰れないことは伝えてあります。だから、今あなたがすべきは恋人であるリザちゃんのところに行くことです」
帰れと命令を行使したのに、マースはここに残ってくれる。
「リザちゃんの傍に居てやってください」
私は目を閉じて。
「……ありがと、マース。行って来るわ」
コートを取り、執務室を出た。
だから。
『行ったか?』
「…お前な。もっとマシな嘘を吐け。下手したら少将に叱られるぞ」
『馬鹿を言うな。倒れたのは嘘じゃないぞ。まぁただの風邪なんだがな』
「…俺は知らんからな。お前さんがセイフォード少将に叱られるのを楽しみにしておくわ」
切れていない電話で、マースとロイ君がこんな会話をしていたのは知らない。
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「はぁ…リザに会いたい…」
「…もはや口癖ですね」
12月31日。
年末に私は中央司令部の執務室で仕事をしている。
他の将官は早々に仕事納めをして休暇を満喫しているのに。
私だけ仕事。
けれど今は軍法会議所からマースが手伝いに来てくれているから、愚痴を吐き出せてちょっと楽。
でも。
「マース、今日は定時上がり?」
マースは家族がいるし、早めに上がらせてあげようかと思えば。
「あー…」
「?」
マースは苦笑を零して。
「今年は、毎年居残りさせられてるセイフォード少将の手伝いをするから帰れないかもしれないってグレイシアには伝えてあるんです」
そう言った。
「え?お子さん、3才になったばかりじゃない。いいの?」
「毎年誕生日プレゼントありがとうございます!グレイシアに言ったら、ぜひ手伝ってあげてって言ってくれて」
今年は私に付き合って年を越してくれるみたい。
私は小さく笑みを浮かべる。
「本当、マースって良い男よね。グレイシアが惚れたのもわかるわ」
「わかります!俺良い男なんすよ!」
「自分でも言っちゃう?」
マースもケラケラ笑って、ちょっとだけ他の将官への苛立ちも収まった。
やっぱり誰か居るっていいわよね。
「あ、でも去年は確かリザちゃんとこ行ってましたよね?」
「えぇ、去年はリザと交際して初めてのお正月だから、どうしてもリザと過ごしたかったの」
「セイフォード少将は仕事なんざ二の次にして、少し休まれたほうがいいですよ」
…ちょっと激しすぎて次の日にはリザの声が出なくなっちゃったけど。
「…休んだら次の日の仕事がえらいことになるのよねぇ…」
将官たちはいないし、結局は私一人でやらないといけない。
「……中央司令部は終わりっすね」
マースも呆れてため息を零し、私はクスクス笑いながら。
「ありがとね、マース。これ年明けの軍議で使う書類だから、軍法会議所で保管しておいて。で、終えたらもう上がっていいわよ」
マースに書類の束を渡し、軍法会議所で保管してもらう。
それを終えたら上がっていい、と言えば。
「いやいや、俺はまだ帰りませんよ」
首を横に振るから。
「そう?じゃあ言い方を変えるわ」
「え゙」
私はニコリと笑んで。
「帰れ、命令」
命令を行使した。
「いえいえいえ、それは『プルルル プルルル』
マースの言葉を遮るように、電話が鳴った。
「もしもし、私だけどどうしたの?」
電話を取れば。
『東方司令部のマスタング大佐からお電話が入っています』
「ロイ君から?」
東方司令部のロイ君から電話が来た。
マースと顔を見合わせて。
「繋いでちょうだい」
『はい』
電話を繋いでもらった。
「もしもし?どうしたの?ロイ君」
『お忙しい中、すみません』
まずは謝りから。
「いえ、大丈夫よ」
『ちょっとお伝えしておかねばならないと思って、電話をさせていただきました』
「えぇ、なに?」
椅子の背もたれに背中を預けて。
『実はですね』
なぜか勿体振ってきて。
「ロイ君、早く『ホークアイ中尉が倒れました』
衝撃の言葉を発した。
え?
「え?リザが?倒れた…?どういうこと?」
待って。
え?
倒れた?
リザが?
『先程病院に「どうして倒れたの?何か病気?それとも襲われた?」
「おい、ロイ。詳しく話せ」
マースも深刻な表情を浮かべて、私の耳元にある受話器に顔を近づけてロイ君に言う。
『ヒューズか。いや、今は病院から帰宅して自宅で休んでいる』
またマースと顔を見合わせる。
「…倒れたのに自宅に帰ったの?」
状況がわからない。
今すぐに会いたい。
会いに行きたい。
リザ、倒れたってなに?
何があったの?
「セイフォード少将、ここは俺に任せてリザちゃんのところに行ってください」
マースは何かを考えて、私にリザのところに行けと言う。
「で、でも…あなただって「俺はちゃんとグレイシアに帰れないことは伝えてあります。だから、今あなたがすべきは恋人であるリザちゃんのところに行くことです」
帰れと命令を行使したのに、マースはここに残ってくれる。
「リザちゃんの傍に居てやってください」
私は目を閉じて。
「……ありがと、マース。行って来るわ」
コートを取り、執務室を出た。
だから。
『行ったか?』
「…お前な。もっとマシな嘘を吐け。下手したら少将に叱られるぞ」
『馬鹿を言うな。倒れたのは嘘じゃないぞ。まぁただの風邪なんだがな』
「…俺は知らんからな。お前さんがセイフォード少将に叱られるのを楽しみにしておくわ」
切れていない電話で、マースとロイ君がこんな会話をしていたのは知らない。
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