ハガレン 旧拍手文置き場
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『やり返し』
「クレミン准将が?」
「そう、仕事を手伝ってくれたから早くにリザに会い来れたのよ」
3月14日、ホワイトデー。
今日アイリさんは、終電には間に合うように行くと言っていたのに、夕方の5時頃に来てくれた。
話を聞くと、クレミン准将が仕事を手伝ってくれたようで。
「あとこれ、見て。クレミン准将の奥さんが私にバレンタインのお返しを用意してくれたの」
見せてくれたのは白いハンカチで、ハンカチの端にワンポイントアクセントとして添えられた花の模様が。
「どこか気品のあるハンカチですね」
「この花、サンダーソニアっていう花でね?」
「サンダーソニア…。アイリさんの“雷鳴”に準えたのでしょうか?」
「正解!花言葉じゃなくて、単純に花の名前で選んでくれたのね」
アイリさんは、ハンカチを頂いたことよりもクレミン准将がようやく目覚めた事に一番喜んでる。
私はクスクス笑って。
「やっと中央司令部での味方が出来ましたね」
そう言うと。
「そうね。これからちょっと楽になりそう」
アイリさんは優しい笑みを浮かべた。
この人は、クレミン准将をいつもポンコツだって怒っていた。
でも。
どんなに呆れていても。
どんなに怒っていても。
クレミン准将から提出された書類はちゃんと確認してから却下している。
どんなに忙しくても。
蔑ろにせずにちゃんと目を通してから却下を出しているの。
心のどこかでクレミン准将が目覚めてくれるのを待っていたのかもしれないわね。
「で、ですね。アイリさん」
「ん?なぁに?」
アイリさんへハンカチをお返しして。
「ホワイトデーなんですが」
本題に入る。
「大丈夫、ちゃんと用意してあるわよ」
違う。
違うわ、アイリさん。
「ほら、これ「違います。いえ、これはありがとうございます」
アイリさんから小箱を受け取り、テーブルに置く。
「違う?なにが?」
アイリさんはきょとん顔をする。
「今年のホワイトデーはですね」
「えぇ」
私は立ち上がって、キッチンからボウルを持って戻る。
「………まさか」
それを見たアイリさんは、見る見るうちに顔を赤くさせて。
「そうです、そのまさかです」
アイリさんへボウルの中身を見せながら。
「私もアイリさんにチョコレートをかけたいです」
そう言うと。
「……あー、でもほら…明日も仕事だから」
「バレンタインの時、私も翌日仕事でしたよ」
「……ぅ…でも…食べもので遊んだらバチが当たるし…」
「先に私にチョコレートをかけたのはアイリさんですよ」
「……っ、でもあれよ、その……」
私はアイリさんの肩を押して、ソファーへ押し倒す。
「リザ「無駄ですからね、アイリさん」
もうするって決めてありますから、と。
耳元で囁いてやれば。
「…っぅ…っ」
アイリさんはピクッと肩を震わせた。
プチプチとアイリさんのシャツのボタンを外す。
「…ね、リザ。本当、ちょっと、あれなんだけど…」
「語彙力が著しく低下してますよ」
こんなアイリさんも珍しいわね。
シャツを肌蹴させ、下着も上にずらして。
「「……」」
私はコクリと息を飲み、ゆっくりとボウルを傾けて。
「…っん…っ」
胸の先にかかるようにチョコレートをかけた。
下着にチョコレートが付いたけど、もうそんなこと気にならない。
「あ…っぁ…っ」
指先でチョコレートが付いた胸の先に触れ、チョコレートを伸ばして。
ああ。
美味しそう。
胸の先にゆっくり顔を近づけて、舌でそっと舐めると。
「あん…っん…っ」
ビクッと肩を震わせた。
……これ。
物凄く興奮する。
アイリさんも私にチョコレートをかけた時、こんなに興奮したのかしら。
「ね、やめ…っあっあん…っぅ…っ」
やめられない。
こんなの、やめられるわけないじゃない。
スカートのファスナーを下ろし、脱がせて。
「あ…っああ…っあ…っ」
指でチョコレートを掬って秘部に塗るように触れる。
アイリさんの背中が僅かに浮く。
指先でお腹に溜まってるチョコレートを伸ばしながら、秘部に顔を寄せて。
「あ…っあ…っあっあっ」
小さな突起を口に含み、淡く吸い上げると。
「あぁあ…っイ…ッ!あっあっイク…ッ!イ…ッッ」
ビクンッと大きく身体を震わせて、アイリさんは達した。
「ぁ…あ…」
達した余韻でピクピク痙攣してるところ、申し訳ないのだけれど。
「っあ…っああ…っリ、リザ…っま…って…っ!まって…!」
指をナカに挿入しながら。
「あ…っあっあ…っンぅ…っ」
もう片方の手でお腹に溜まっているチョコレートを伸ばし、また胸の先に塗って舐め取る。
「リザ…っも…っあ…っまたイ…きそ…っあっあっ」
チョコレートによって、普段とは違う感覚にアイリさんも順応出来ないみたい。
というより、普段アイリさんを抱くことはあまりない。
こういう特別な日くらいかしら、抱くとしたら。
いつもはアイリさんに翻弄されているけれど。
「ああ…っも…っおかしくなる…っあんっあっあっ」
今日は私がアイリさんを翻弄してる。
口の端から唾液が伝い、恍惚の表情を浮かばせて。
「…もっとおかしくなって?アイリさん…」
そうして。
「またイク…ッ!イク…ッあぁああっ」
何度目かの絶頂で、アイリさんは意識を手放した。
アイリさんが意識を失うまで抱いたのは初めて。
…逆はたくさんあるわ。
変に火が点くとそれはもう…ね。
愛撫は優しく、けれど執拗になるから…。
もう溺れそうになるの。
タオルをぬるま湯で濡らし、アイリさんの身体を拭く。
チョコレートでベタベタしてるし、まぁ起きたらシャワーを浴びるでしょうけど。
ふとテーブルへ視線を巡らせると、アイリさんがバレンタインデーのお返しにくださった小箱が目に入った。
寝室から持ってきた毛布をアイリさんにかけて、その小箱を手に取る。
「…きっとまた、高いアクセサリーなのでしょうね」
本当、金銭感覚がバブちゃんで困ってしまう。
でも。
どんな時でもあなたの心を支配しているのが私であることに、嬉しさと優越感が生まれてしまう。
「…やっぱり」
小箱を開けると、中には綺麗なネックレスが二つ入っていて。
一つは自分ので、もう一つは私のもので。
ピアスの他に、お揃いのものが一つ増えて。
「…私の喜ばせ方を熟知してるわよね」
私はクスクス笑った。
それから。
「アイリさん、アイリさん。一度起きてください」
「……ん…」
夜、一度アイリさんを起こして。
「シャワーを浴びないと、明日の仕事はチョコレートの香りをさせながらになりますよ?」
「……あー…」
アイリさんはゆっくりと身体を起こす。
「……物凄く身体が怠い…」
ソファーの背もたれに背中を預けて深く息を吐いた。
「なんででしょうね?大丈夫ですか?」
冷たい水を持ってきて、アイリさんへ差し出すと。
「…どこかの誰かがとんでもなく激しくしてくれたからかしら…」
ジト目で睨まれたので、またクスクスと笑ってしまった。
「いつものお礼です」
「……いつもはこんな激しくしないでしょ?」
「大体激しいですよ」
「………」
なんて、私とアイリさんしか居ないから出来る恥ずかしい会話をして。
「あ、そうでした」
「んー?」
アイリさんは毛布で身を包み、浴室へ行こうとした時に思い出したもの。
「アイリさん、これ…」
「ああー、それね」
アイリさんへ小箱を見せると、アイリさんは小箱を開けて中のネックレスを取り出して。
「このネックレスはラピスラズリという宝石を使っていてね?この石にはリザの背中にあるロイ君の“焔の図版”を刻んだの」
私の首にかけてくれた。
「マスタング大佐の…ですか…?」
ラピスラズリを見つめ、アイリさんを見る。
アイリさんは小さく笑みを浮かべて。
「万が一、ロイ君が発火布を失って錬金術が使えない状況に追い込まれた時にはこれを渡して助けてあげてね」
マスタング大佐の背中を守る者として。
守るための一つの手段をくれた。
「……っ」
私はネックレスを握り締め、アイリさんに抱きついた。
嬉しい。
本当に嬉しい。
錬金術師たちの戦いに私は入れないと思っていた。
錬金術師たちの戦いの足手纏いになってしまうと。
そう思っていたのに。
アイリさんは、“焔の錬金術師”を救うための術をくれた。
「ありがとうございます、アイリさん」
私のためじゃなく、私が守るべき人のことも考えて。
「ん」
アイリさんも私を抱き締めてくれた時に。
「……アイリさん、すごくチョコレートの香りがします」
アイリさんからチョコレートの香りがして。
「っリザが塗りたくったからでしょー!」
アイリさんが全裸なことに気付き、思わず笑ってしまった。
「ふふっ、風邪を引いてはいけませんのでシャワー浴びてください」
「シャワー浴びてきたら、私にもネックレス付けてね?」
「もちろんです」
ちゅ、と。
触れるだけのキスをして。
アイリさんは浴室へと行った。
アイリさんがシャワーを浴びている間に夕食の準備をして。
ふとネックレスに触れて。
「…嬉しすぎるわね」
嬉しさを噛み締める。
これに“焔の図版”が刻まれていることは、マスタング大佐には話さない。
なぜならこれは、切り札だから。
マスタング大佐の切り札になるものだから、簡単に話していいものではない。
『チョコレートの香り取れないんだけどー』
浴室からアイリさんの声が。
「私も取れませんでしたよ。あとでまたシャワー浴び直した方がいいですね」
『もー。リザがチョコレートまみれにするからー』
「大変美味しかったです」
私はクスクス笑いながら、バスタオルとアイリさんの着替えを浴室へと持って行く。
今年のホワイトデーは、とても甘美なチョコレートを頂けて満足しました。
来年は…きっと食べられないわね。
END
「クレミン准将が?」
「そう、仕事を手伝ってくれたから早くにリザに会い来れたのよ」
3月14日、ホワイトデー。
今日アイリさんは、終電には間に合うように行くと言っていたのに、夕方の5時頃に来てくれた。
話を聞くと、クレミン准将が仕事を手伝ってくれたようで。
「あとこれ、見て。クレミン准将の奥さんが私にバレンタインのお返しを用意してくれたの」
見せてくれたのは白いハンカチで、ハンカチの端にワンポイントアクセントとして添えられた花の模様が。
「どこか気品のあるハンカチですね」
「この花、サンダーソニアっていう花でね?」
「サンダーソニア…。アイリさんの“雷鳴”に準えたのでしょうか?」
「正解!花言葉じゃなくて、単純に花の名前で選んでくれたのね」
アイリさんは、ハンカチを頂いたことよりもクレミン准将がようやく目覚めた事に一番喜んでる。
私はクスクス笑って。
「やっと中央司令部での味方が出来ましたね」
そう言うと。
「そうね。これからちょっと楽になりそう」
アイリさんは優しい笑みを浮かべた。
この人は、クレミン准将をいつもポンコツだって怒っていた。
でも。
どんなに呆れていても。
どんなに怒っていても。
クレミン准将から提出された書類はちゃんと確認してから却下している。
どんなに忙しくても。
蔑ろにせずにちゃんと目を通してから却下を出しているの。
心のどこかでクレミン准将が目覚めてくれるのを待っていたのかもしれないわね。
「で、ですね。アイリさん」
「ん?なぁに?」
アイリさんへハンカチをお返しして。
「ホワイトデーなんですが」
本題に入る。
「大丈夫、ちゃんと用意してあるわよ」
違う。
違うわ、アイリさん。
「ほら、これ「違います。いえ、これはありがとうございます」
アイリさんから小箱を受け取り、テーブルに置く。
「違う?なにが?」
アイリさんはきょとん顔をする。
「今年のホワイトデーはですね」
「えぇ」
私は立ち上がって、キッチンからボウルを持って戻る。
「………まさか」
それを見たアイリさんは、見る見るうちに顔を赤くさせて。
「そうです、そのまさかです」
アイリさんへボウルの中身を見せながら。
「私もアイリさんにチョコレートをかけたいです」
そう言うと。
「……あー、でもほら…明日も仕事だから」
「バレンタインの時、私も翌日仕事でしたよ」
「……ぅ…でも…食べもので遊んだらバチが当たるし…」
「先に私にチョコレートをかけたのはアイリさんですよ」
「……っ、でもあれよ、その……」
私はアイリさんの肩を押して、ソファーへ押し倒す。
「リザ「無駄ですからね、アイリさん」
もうするって決めてありますから、と。
耳元で囁いてやれば。
「…っぅ…っ」
アイリさんはピクッと肩を震わせた。
プチプチとアイリさんのシャツのボタンを外す。
「…ね、リザ。本当、ちょっと、あれなんだけど…」
「語彙力が著しく低下してますよ」
こんなアイリさんも珍しいわね。
シャツを肌蹴させ、下着も上にずらして。
「「……」」
私はコクリと息を飲み、ゆっくりとボウルを傾けて。
「…っん…っ」
胸の先にかかるようにチョコレートをかけた。
下着にチョコレートが付いたけど、もうそんなこと気にならない。
「あ…っぁ…っ」
指先でチョコレートが付いた胸の先に触れ、チョコレートを伸ばして。
ああ。
美味しそう。
胸の先にゆっくり顔を近づけて、舌でそっと舐めると。
「あん…っん…っ」
ビクッと肩を震わせた。
……これ。
物凄く興奮する。
アイリさんも私にチョコレートをかけた時、こんなに興奮したのかしら。
「ね、やめ…っあっあん…っぅ…っ」
やめられない。
こんなの、やめられるわけないじゃない。
スカートのファスナーを下ろし、脱がせて。
「あ…っああ…っあ…っ」
指でチョコレートを掬って秘部に塗るように触れる。
アイリさんの背中が僅かに浮く。
指先でお腹に溜まってるチョコレートを伸ばしながら、秘部に顔を寄せて。
「あ…っあ…っあっあっ」
小さな突起を口に含み、淡く吸い上げると。
「あぁあ…っイ…ッ!あっあっイク…ッ!イ…ッッ」
ビクンッと大きく身体を震わせて、アイリさんは達した。
「ぁ…あ…」
達した余韻でピクピク痙攣してるところ、申し訳ないのだけれど。
「っあ…っああ…っリ、リザ…っま…って…っ!まって…!」
指をナカに挿入しながら。
「あ…っあっあ…っンぅ…っ」
もう片方の手でお腹に溜まっているチョコレートを伸ばし、また胸の先に塗って舐め取る。
「リザ…っも…っあ…っまたイ…きそ…っあっあっ」
チョコレートによって、普段とは違う感覚にアイリさんも順応出来ないみたい。
というより、普段アイリさんを抱くことはあまりない。
こういう特別な日くらいかしら、抱くとしたら。
いつもはアイリさんに翻弄されているけれど。
「ああ…っも…っおかしくなる…っあんっあっあっ」
今日は私がアイリさんを翻弄してる。
口の端から唾液が伝い、恍惚の表情を浮かばせて。
「…もっとおかしくなって?アイリさん…」
そうして。
「またイク…ッ!イク…ッあぁああっ」
何度目かの絶頂で、アイリさんは意識を手放した。
アイリさんが意識を失うまで抱いたのは初めて。
…逆はたくさんあるわ。
変に火が点くとそれはもう…ね。
愛撫は優しく、けれど執拗になるから…。
もう溺れそうになるの。
タオルをぬるま湯で濡らし、アイリさんの身体を拭く。
チョコレートでベタベタしてるし、まぁ起きたらシャワーを浴びるでしょうけど。
ふとテーブルへ視線を巡らせると、アイリさんがバレンタインデーのお返しにくださった小箱が目に入った。
寝室から持ってきた毛布をアイリさんにかけて、その小箱を手に取る。
「…きっとまた、高いアクセサリーなのでしょうね」
本当、金銭感覚がバブちゃんで困ってしまう。
でも。
どんな時でもあなたの心を支配しているのが私であることに、嬉しさと優越感が生まれてしまう。
「…やっぱり」
小箱を開けると、中には綺麗なネックレスが二つ入っていて。
一つは自分ので、もう一つは私のもので。
ピアスの他に、お揃いのものが一つ増えて。
「…私の喜ばせ方を熟知してるわよね」
私はクスクス笑った。
それから。
「アイリさん、アイリさん。一度起きてください」
「……ん…」
夜、一度アイリさんを起こして。
「シャワーを浴びないと、明日の仕事はチョコレートの香りをさせながらになりますよ?」
「……あー…」
アイリさんはゆっくりと身体を起こす。
「……物凄く身体が怠い…」
ソファーの背もたれに背中を預けて深く息を吐いた。
「なんででしょうね?大丈夫ですか?」
冷たい水を持ってきて、アイリさんへ差し出すと。
「…どこかの誰かがとんでもなく激しくしてくれたからかしら…」
ジト目で睨まれたので、またクスクスと笑ってしまった。
「いつものお礼です」
「……いつもはこんな激しくしないでしょ?」
「大体激しいですよ」
「………」
なんて、私とアイリさんしか居ないから出来る恥ずかしい会話をして。
「あ、そうでした」
「んー?」
アイリさんは毛布で身を包み、浴室へ行こうとした時に思い出したもの。
「アイリさん、これ…」
「ああー、それね」
アイリさんへ小箱を見せると、アイリさんは小箱を開けて中のネックレスを取り出して。
「このネックレスはラピスラズリという宝石を使っていてね?この石にはリザの背中にあるロイ君の“焔の図版”を刻んだの」
私の首にかけてくれた。
「マスタング大佐の…ですか…?」
ラピスラズリを見つめ、アイリさんを見る。
アイリさんは小さく笑みを浮かべて。
「万が一、ロイ君が発火布を失って錬金術が使えない状況に追い込まれた時にはこれを渡して助けてあげてね」
マスタング大佐の背中を守る者として。
守るための一つの手段をくれた。
「……っ」
私はネックレスを握り締め、アイリさんに抱きついた。
嬉しい。
本当に嬉しい。
錬金術師たちの戦いに私は入れないと思っていた。
錬金術師たちの戦いの足手纏いになってしまうと。
そう思っていたのに。
アイリさんは、“焔の錬金術師”を救うための術をくれた。
「ありがとうございます、アイリさん」
私のためじゃなく、私が守るべき人のことも考えて。
「ん」
アイリさんも私を抱き締めてくれた時に。
「……アイリさん、すごくチョコレートの香りがします」
アイリさんからチョコレートの香りがして。
「っリザが塗りたくったからでしょー!」
アイリさんが全裸なことに気付き、思わず笑ってしまった。
「ふふっ、風邪を引いてはいけませんのでシャワー浴びてください」
「シャワー浴びてきたら、私にもネックレス付けてね?」
「もちろんです」
ちゅ、と。
触れるだけのキスをして。
アイリさんは浴室へと行った。
アイリさんがシャワーを浴びている間に夕食の準備をして。
ふとネックレスに触れて。
「…嬉しすぎるわね」
嬉しさを噛み締める。
これに“焔の図版”が刻まれていることは、マスタング大佐には話さない。
なぜならこれは、切り札だから。
マスタング大佐の切り札になるものだから、簡単に話していいものではない。
『チョコレートの香り取れないんだけどー』
浴室からアイリさんの声が。
「私も取れませんでしたよ。あとでまたシャワー浴び直した方がいいですね」
『もー。リザがチョコレートまみれにするからー』
「大変美味しかったです」
私はクスクス笑いながら、バスタオルとアイリさんの着替えを浴室へと持って行く。
今年のホワイトデーは、とても甘美なチョコレートを頂けて満足しました。
来年は…きっと食べられないわね。
END