ハガレン 旧拍手文置き場
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
『夢』
『……あなた、こんなところで何をしているの?』
え?
ここはどこ?
今、目の前にはアイリさんに似た綺麗な女性が居て。
眉間に皺を寄せて私を見ていた。
『……迷子?』
声も似てる。
アイリさんに似た方は、今のアイリさんを少し幼くした感じ……。
『……何にせよ、子供が来る場所じゃないわ』
あ、違う。
似ている人じゃなくて。
アイリさん本人だ。
階級章は中佐の階級章。
冷たかったとされる時のアイリさんだ。
え?
じゃあなに?
これはアイリさんの過去?
『セイフォード中佐、どうしました?』
『…この子、迷子みたいなんだけど』
タイムスリップ?
『え?どこから入って来たんでしょう…』
屈んで私を見て来るこの人。
見たことが…。
『ルビア中尉、この子のこと頼んでもいいかしら』
『え?あ、はい…』
ルビア中尉…。
ルビア准将だったのね。
ルビア准将…あからさまにがっかりした表情を浮かべて。
『……あんたが居なければセイフォード中佐を誘えたのに』
と、小さく呟いた。
『じゃあ、私は忙しいから』
アイリさんは一度だけ私を見てから行こうとしたので。
『『………』』
ギュッとアイリさんの足にしがみついた。
『ちょ、ちょっと!セイフォード中佐は忙しいんだから離しなさい!』
服を引っ張られるけど、私はさらに強くアイリさんの足をしがみついて。
アイリさんの足に顔を埋めた。
チラッとアイリさんを見上げれば、眉間に皺を寄せながら困った表情を浮かべていて。
冷たい時代のアイリさんだったとしても、子供にはキツく当たらないんだとちょっとだけ嬉しかった。
『あんた『ルビア中尉、もういいわ』え!?』
アイリさんは私の頭に手を置いて。
『!』
ひょいっと抱っこしてくれた。
『私が行くから』
行く、とは。
受け付けに、迷子として預けにということ。
『あ…』
カツン、と音を立てて歩き出すアイリさん。
アイリさんの背中を見つめるルビア中尉。
私は今は子供。
ルビア准将には嫌な思いをさせられているから。
私は少し視線を泳がせて。
『…ッ!』
ベッ、と。
小さく舌を出してルビア中尉に少しだけ嫌なことをした。
途端に悔しそうな、怒った表情になって。
『〜♪』
ちょっとだけ仕返し出来たことに、満足している自分がいた。
『あ、その子はグラマン中将のお孫さんですよ』
『え?』
受け付けで、受け付けの方がアイリさんに私の正体を口にした。
『グラマン中将の?』
『はい、今日ご一緒に出勤したのを確認してます』
当時はグラマン中将は中央司令部勤務だったから。
私とアイリさんは顔を見合わせて。
『…あなた、グラマン中将のお孫さんなの?』
私に問いかけてきたから。
『うん、じいちゃ』
––はい、祖父です––
……意思とは違う言葉が出てしまった。
まぁ、今の私は5才以下の年齢でしょうから。
敬語なんてまだ覚えてもいないわよね。
『そう。あなたのおじいさんはどこにいるのかしら』
アイリさんが私を下ろそうとした時。
『………』
アイリさんは横目で入り口のほうを見た。
黒いフードを被った人物。
怪しさしかない出立ちに、アイリさんは私を下ろすのをやめた。
『セイフォード中佐?』
『静かに』
受け付けの人がアイリさんの名を呼ぶと、アイリさんは怪しい人物から視線を外さず。
『…セイフォード…貴様が“雷鳴の錬金術師”か』
声は男。
アイリさんに恨みがあるって感じね。
『餓鬼を抱いたままでいいのか?』
アイリさんが私を離さないのは、離している間に私が撃たれるかもしれないから。
『…っセイフォード中佐…っ』
受け付けの人は怯えるような眼差しをアイリさんに向けるけど、アイリさんは一言も発しない。
男は銃をアイリさんに向ける。
私は怖くはない。
だって。
アイリさんと相対した時点で勝ち目はないもの。
『死ね!“雷鳴の錬金術師”!』
アイリさんは、この国が誇る最高の錬金術師だもの。
放たれた弾丸は。
『……は?』
目の前で、粉末状になって。
『私を殺すには、正々堂々と正面からじゃ無理よ』
『……!?!?』
男の足元の床が盛り上がって、最も簡単に拘束した。
『誰か呼んで連行させて』
『…!!あ、はい!!』
受け付けの人はすぐに内線電話で応援を呼んだ。
アイリさんは私を抱っこしたまま受け付けを離れて。
私を見て。
『泣かないの、偉かったわね』
小さな笑みを浮かべ、ポンポンと頭を撫でてくれた。
ああ。
好き。
好きです、アイリさん。
冷たかったとされる時にも、あなたの中にはちゃんと優しさがあったんだ。
『おおい!アイリちゃーん!!』
『『!!』』
誰かがアイリさんの名を呼び、振り返れば若かりしグラマン中将が居て。
『よかったぁ…!やっと見つけた…!』
相当探してくれたのか、汗だらけで。
息を切らせて、私たちに駆け寄った。
『アイリちゃんが保護してくれてよかったよ…!』
『グラマン中将、ちゃんと見てないと駄目ですよ』
『いやぁ…ほんの0.5秒目を離した隙だったんだ…』
神隠しでもあるまいし、0.5秒は言い過ぎよおじいさん。
アイリさんが私をグラマン中将に渡そうとするから。
『『……』』
ギュッと強くアイリさんに抱きついた。
『どうやら気に入られたようだね』
グラマン中将はクスクス笑いながら、私の様子を見て。
『…気に入られる要素はありませんが』
いえ、あるわよアイリさん。
さっきの襲撃事件だってそう。
格好良さしかないわよ。
『そうかな?この子には君の根底にある優しさがわかるんじゃないかな?』
大きな手で私の頭を撫でてくれた。
『……』
アイリさんはまた眉間に皺を寄せる。
『ほらほら、お姉さんは忙しいから離れようね』
名残惜しいけど、これ以上は仕事の邪魔をしたくない。
グラマン中将はもう一度私へ手を伸ばすから、私はグラマン中将へと体を向けて抱っこしてもらった。
『では、失礼します』
『うんうん、ありがとうね。お姉さんにありがとうとバイバイを言えるかな?』
そう言われたので。
『…あいあと…』
––ありがとうございます––
また言葉が…。
バイバイも言えなさそうなので、私は手だけを振ると。
『………』
アイリさんは視線を泳がせて、少しだけ恥ずかしそうに。
軽く手を振り返してくれた。
『しゅき』
––好きです––
『あは!この子はアイリちゃんが大好きになったんだね』
『……では』
そうして。
アイリさんは仕事へ戻ってしまった。
『いいかい?リザ』
『う?』
––はい?––
グラマン中将はアイリさんが去ったほうを見つめて。
『あのお姉さんはね?未来、この国にはなくてはならない存在になる。だからもし君が僕と同じ道を歩くとしたら』
私の頭に手を置いて。
『あのお姉さんを守ってあげてね』
本当に優しい笑みを浮かべた。
アイリさんがグラマン中将に寄せる信頼の深さを知った。
グラマン中将がアイリさんに寄せる信頼の深さを知った。
“この国にはなくてはならない存在になる”
“守ってあげてね”
この言葉は。
アイリさんの身を守るだけじゃなくて。
アイリさんの心も守ってほしいという意味が込められているんだ。
国から寄せられる絶対の信頼で、押し潰されそうになるかもしれないから。
ああ、羨ましい。
おじいさんとアイリさんの間にある絆と信頼の強さ。
そして思い出した。
私がおじいさんと同じ道を、軍人を目指した理由を。
小さい頃、微かに覚えている“女性軍人さん”に守られて。
その格好良さに憧れたからだ。
これは、タイムスリップなんかじゃない。
私の忘れていた記憶。
これは、その記憶を呼び覚ました“ただの夢”だった。
「……」
ゆっくりと目を開けると、天井が視界に入った。
ゆっくり視線を動かし、体を起こして立ち上がる。
寝室を出てリビングへ。
「!あら、起きたの?」
キッチンにはアイリさんが居て。
お水を飲んでいた。
「目が覚めて。アイリさんもですか?」
「えぇ、なんか乾燥してない?喉が渇いちゃって」
加湿器を買わないとダメね、と。
私はアイリさんの傍に立って。
「…小さい頃の夢を見てました」
「小さい頃の?」
「はい」
ゆっくりと語り出す。
「忘れていた記憶が、夢となって思い出させてくれました」
私が軍人になろうと思った瞬間の、あの時の夢を。
「グラマン中将が、昔一度だけ子供だった私を中央司令部に連れて行ってくれた時の記憶です」
私がアイリさんに笑みを浮かべると。
「ああ、私から離れなかった時の」
アイリさんはクスクス笑って、そう言った。
「え?」
まさか。
「あの時は困ったんだからねー?私から離れたがらないし、仕事あるし、襲撃されるしでなんやかんや忙しくて」
まさか、覚えているの?
「あ、あの…覚えて…るんです…か…?」
「?当たり前じゃない。名前は後になってグラマン中将から聞いたんだけどね。」
ああ、どうしよう。
嬉しい。
あんな小さい頃から、アイリさんは私のことを知ってくれていたんだ。
「でも、あんな小さかった子とこうして恋人同士になってるなんて、なんだか不思議よね」
「そうですね。でも私はアイリさんと恋人になれて幸せです」
「っ私だって幸せすぎるんだからねー!」
なんて、アイリさんと幸せを分かち合った。
おじいさん。
あなたが“守ってほしい”と言ったものを、私は守っています。
未来、この国にとってなくてはならないこの人を。
新たに出来た仲間たちと一緒に。
そして私たちは見つめ合って。
そっと顔を近づけて、唇を重ねた。
END
『……あなた、こんなところで何をしているの?』
え?
ここはどこ?
今、目の前にはアイリさんに似た綺麗な女性が居て。
眉間に皺を寄せて私を見ていた。
『……迷子?』
声も似てる。
アイリさんに似た方は、今のアイリさんを少し幼くした感じ……。
『……何にせよ、子供が来る場所じゃないわ』
あ、違う。
似ている人じゃなくて。
アイリさん本人だ。
階級章は中佐の階級章。
冷たかったとされる時のアイリさんだ。
え?
じゃあなに?
これはアイリさんの過去?
『セイフォード中佐、どうしました?』
『…この子、迷子みたいなんだけど』
タイムスリップ?
『え?どこから入って来たんでしょう…』
屈んで私を見て来るこの人。
見たことが…。
『ルビア中尉、この子のこと頼んでもいいかしら』
『え?あ、はい…』
ルビア中尉…。
ルビア准将だったのね。
ルビア准将…あからさまにがっかりした表情を浮かべて。
『……あんたが居なければセイフォード中佐を誘えたのに』
と、小さく呟いた。
『じゃあ、私は忙しいから』
アイリさんは一度だけ私を見てから行こうとしたので。
『『………』』
ギュッとアイリさんの足にしがみついた。
『ちょ、ちょっと!セイフォード中佐は忙しいんだから離しなさい!』
服を引っ張られるけど、私はさらに強くアイリさんの足をしがみついて。
アイリさんの足に顔を埋めた。
チラッとアイリさんを見上げれば、眉間に皺を寄せながら困った表情を浮かべていて。
冷たい時代のアイリさんだったとしても、子供にはキツく当たらないんだとちょっとだけ嬉しかった。
『あんた『ルビア中尉、もういいわ』え!?』
アイリさんは私の頭に手を置いて。
『!』
ひょいっと抱っこしてくれた。
『私が行くから』
行く、とは。
受け付けに、迷子として預けにということ。
『あ…』
カツン、と音を立てて歩き出すアイリさん。
アイリさんの背中を見つめるルビア中尉。
私は今は子供。
ルビア准将には嫌な思いをさせられているから。
私は少し視線を泳がせて。
『…ッ!』
ベッ、と。
小さく舌を出してルビア中尉に少しだけ嫌なことをした。
途端に悔しそうな、怒った表情になって。
『〜♪』
ちょっとだけ仕返し出来たことに、満足している自分がいた。
『あ、その子はグラマン中将のお孫さんですよ』
『え?』
受け付けで、受け付けの方がアイリさんに私の正体を口にした。
『グラマン中将の?』
『はい、今日ご一緒に出勤したのを確認してます』
当時はグラマン中将は中央司令部勤務だったから。
私とアイリさんは顔を見合わせて。
『…あなた、グラマン中将のお孫さんなの?』
私に問いかけてきたから。
『うん、じいちゃ』
––はい、祖父です––
……意思とは違う言葉が出てしまった。
まぁ、今の私は5才以下の年齢でしょうから。
敬語なんてまだ覚えてもいないわよね。
『そう。あなたのおじいさんはどこにいるのかしら』
アイリさんが私を下ろそうとした時。
『………』
アイリさんは横目で入り口のほうを見た。
黒いフードを被った人物。
怪しさしかない出立ちに、アイリさんは私を下ろすのをやめた。
『セイフォード中佐?』
『静かに』
受け付けの人がアイリさんの名を呼ぶと、アイリさんは怪しい人物から視線を外さず。
『…セイフォード…貴様が“雷鳴の錬金術師”か』
声は男。
アイリさんに恨みがあるって感じね。
『餓鬼を抱いたままでいいのか?』
アイリさんが私を離さないのは、離している間に私が撃たれるかもしれないから。
『…っセイフォード中佐…っ』
受け付けの人は怯えるような眼差しをアイリさんに向けるけど、アイリさんは一言も発しない。
男は銃をアイリさんに向ける。
私は怖くはない。
だって。
アイリさんと相対した時点で勝ち目はないもの。
『死ね!“雷鳴の錬金術師”!』
アイリさんは、この国が誇る最高の錬金術師だもの。
放たれた弾丸は。
『……は?』
目の前で、粉末状になって。
『私を殺すには、正々堂々と正面からじゃ無理よ』
『……!?!?』
男の足元の床が盛り上がって、最も簡単に拘束した。
『誰か呼んで連行させて』
『…!!あ、はい!!』
受け付けの人はすぐに内線電話で応援を呼んだ。
アイリさんは私を抱っこしたまま受け付けを離れて。
私を見て。
『泣かないの、偉かったわね』
小さな笑みを浮かべ、ポンポンと頭を撫でてくれた。
ああ。
好き。
好きです、アイリさん。
冷たかったとされる時にも、あなたの中にはちゃんと優しさがあったんだ。
『おおい!アイリちゃーん!!』
『『!!』』
誰かがアイリさんの名を呼び、振り返れば若かりしグラマン中将が居て。
『よかったぁ…!やっと見つけた…!』
相当探してくれたのか、汗だらけで。
息を切らせて、私たちに駆け寄った。
『アイリちゃんが保護してくれてよかったよ…!』
『グラマン中将、ちゃんと見てないと駄目ですよ』
『いやぁ…ほんの0.5秒目を離した隙だったんだ…』
神隠しでもあるまいし、0.5秒は言い過ぎよおじいさん。
アイリさんが私をグラマン中将に渡そうとするから。
『『……』』
ギュッと強くアイリさんに抱きついた。
『どうやら気に入られたようだね』
グラマン中将はクスクス笑いながら、私の様子を見て。
『…気に入られる要素はありませんが』
いえ、あるわよアイリさん。
さっきの襲撃事件だってそう。
格好良さしかないわよ。
『そうかな?この子には君の根底にある優しさがわかるんじゃないかな?』
大きな手で私の頭を撫でてくれた。
『……』
アイリさんはまた眉間に皺を寄せる。
『ほらほら、お姉さんは忙しいから離れようね』
名残惜しいけど、これ以上は仕事の邪魔をしたくない。
グラマン中将はもう一度私へ手を伸ばすから、私はグラマン中将へと体を向けて抱っこしてもらった。
『では、失礼します』
『うんうん、ありがとうね。お姉さんにありがとうとバイバイを言えるかな?』
そう言われたので。
『…あいあと…』
––ありがとうございます––
また言葉が…。
バイバイも言えなさそうなので、私は手だけを振ると。
『………』
アイリさんは視線を泳がせて、少しだけ恥ずかしそうに。
軽く手を振り返してくれた。
『しゅき』
––好きです––
『あは!この子はアイリちゃんが大好きになったんだね』
『……では』
そうして。
アイリさんは仕事へ戻ってしまった。
『いいかい?リザ』
『う?』
––はい?––
グラマン中将はアイリさんが去ったほうを見つめて。
『あのお姉さんはね?未来、この国にはなくてはならない存在になる。だからもし君が僕と同じ道を歩くとしたら』
私の頭に手を置いて。
『あのお姉さんを守ってあげてね』
本当に優しい笑みを浮かべた。
アイリさんがグラマン中将に寄せる信頼の深さを知った。
グラマン中将がアイリさんに寄せる信頼の深さを知った。
“この国にはなくてはならない存在になる”
“守ってあげてね”
この言葉は。
アイリさんの身を守るだけじゃなくて。
アイリさんの心も守ってほしいという意味が込められているんだ。
国から寄せられる絶対の信頼で、押し潰されそうになるかもしれないから。
ああ、羨ましい。
おじいさんとアイリさんの間にある絆と信頼の強さ。
そして思い出した。
私がおじいさんと同じ道を、軍人を目指した理由を。
小さい頃、微かに覚えている“女性軍人さん”に守られて。
その格好良さに憧れたからだ。
これは、タイムスリップなんかじゃない。
私の忘れていた記憶。
これは、その記憶を呼び覚ました“ただの夢”だった。
「……」
ゆっくりと目を開けると、天井が視界に入った。
ゆっくり視線を動かし、体を起こして立ち上がる。
寝室を出てリビングへ。
「!あら、起きたの?」
キッチンにはアイリさんが居て。
お水を飲んでいた。
「目が覚めて。アイリさんもですか?」
「えぇ、なんか乾燥してない?喉が渇いちゃって」
加湿器を買わないとダメね、と。
私はアイリさんの傍に立って。
「…小さい頃の夢を見てました」
「小さい頃の?」
「はい」
ゆっくりと語り出す。
「忘れていた記憶が、夢となって思い出させてくれました」
私が軍人になろうと思った瞬間の、あの時の夢を。
「グラマン中将が、昔一度だけ子供だった私を中央司令部に連れて行ってくれた時の記憶です」
私がアイリさんに笑みを浮かべると。
「ああ、私から離れなかった時の」
アイリさんはクスクス笑って、そう言った。
「え?」
まさか。
「あの時は困ったんだからねー?私から離れたがらないし、仕事あるし、襲撃されるしでなんやかんや忙しくて」
まさか、覚えているの?
「あ、あの…覚えて…るんです…か…?」
「?当たり前じゃない。名前は後になってグラマン中将から聞いたんだけどね。」
ああ、どうしよう。
嬉しい。
あんな小さい頃から、アイリさんは私のことを知ってくれていたんだ。
「でも、あんな小さかった子とこうして恋人同士になってるなんて、なんだか不思議よね」
「そうですね。でも私はアイリさんと恋人になれて幸せです」
「っ私だって幸せすぎるんだからねー!」
なんて、アイリさんと幸せを分かち合った。
おじいさん。
あなたが“守ってほしい”と言ったものを、私は守っています。
未来、この国にとってなくてはならないこの人を。
新たに出来た仲間たちと一緒に。
そして私たちは見つめ合って。
そっと顔を近づけて、唇を重ねた。
END