ハガレン 旧拍手文置き場
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『バレンタイン』
「ねぇ、リザ」
「なに?カタリナ少尉」
「セイフォード少将にバレンタインチョコ用意した?」
「まだしてないけど、どうして?」
「良いこと思いついたのよ、私」
「へぇ」
「あのね、リザ。チョコを「自分にかけて、私をプレゼントにすればいい、かしら」
「…エスパー?」
「あなたの考えなんて手に取るようにわかるわ」
ある日。
射撃訓練場で、レベッカと一緒した時。
バレンタインデーにアイリさんへ渡すチョコを用意しているのか、を聞かれた。
アイリさんとは一緒に暮らしてるから用意しといてしまえばバレてしまうから、前日に一緒に作ると約束をしている。
『楽しみね』なんてちょっと笑顔になってくれて、思わず抱き締めちゃったわ…。
だってアイリさん、普段はあまり笑う方ではないから。
『私と居てつまらなくない?大丈夫?』
って、自分でも自覚してるようで。
『そんなわけないじゃないですか。ただ不意打ちの笑顔に心臓が口から飛び出そうになります…』
『…私、そんなに笑顔ないのね…ごめんね…?』
『そうではなくて…その…なんていうか…とにかく、今のままのアイリさんが好きです…』
『……心臓が口から飛び出そうになる気持ちを今理解したわ…』
アイリさんもドキドキしてくれたみたいで嬉しかったのをよく覚えてるわ。
で、レベッカは“体にチョコを塗って自分を送れ”みたいな下品なことを言い出した。
言い出したというか、言いそうだから先に言えば驚かれた。
「あんたをチョコまみれにしてプレゼントしたら、あの無表情なセイフォード少将はどんな顔するかなぁ」
「…表現が卑猥すぎるわよ」
ガチャン、とライフルをコッキングして肩に担ぐ。
「それにきっと喜ばないと思うのだけど」
いくらなんでもそんな品のないことなんて望まないわよね。
私だって普通に食べれるチョコレートを贈りたい。
「え?絶対喜ぶと思うけどなぁ」
「第一、食べ物を粗末にはしません」
レベッカは横になったままこちらを向いて、頬杖をついて。
「セイフォード少将、何個チョコもらうかしらねー?」
なんて、ニヤニヤ笑った。
「え?」
きょとんとレベッカを見る。
「あの方最近すごくモテているの知らないわけじゃないでしょ?」
「まぁ、知っているわ」
「“あのクールさがたまらない!”とか“ちょっと目を伏せた時の表情やばい!”とか“不意の優しさが本当好き”とか、まぁいろいろな声が上がってますよホークアイ中尉」
確かに、アイリさんが中央にいた時よく告白をされると聞いている。
アイリさんはちゃんとしっかり断ってくれているから、嫉妬そのものはしない。
寧ろ、そんなモテる人の一番は私なんだと優越感すらあるくらい。
私はクスリと笑みを零して。
「そんなモテモテのセイフォード少将の恋人は私だから、嫉妬なんてしませんよ?カタリナ少尉」
そう告げると。
「つまんなーい!」
レベッカはバタバタ暴れた。
「じゃあレベッカ、私はもう行くから」
「…はいはいまたねホークアイ中尉」
そして私は、射撃訓練場を後にした。
2月13日、バレンタインデー前日。
「じゃあ、後はよろしく」
「私も上がります」
「うーす、お疲れさまっしたー」
「お疲れ様ですー」
アイリさんと定時で上がる。
東方司令部に移動してきてから、アイリさんはちゃんと定時で上がれるようになった。
お休みだってちゃんとくれる。
逆に無理をしていたらグラマン中将に休まされているくらい。
「ハヤテ号も帰るわよ」
「ワン!」
「あ、セイフォード少将!」
ハヤテ号にリードを付けて帰ろうとした時、フュリー曹長がオフィスに来て。
「なに?」
「中央のクレミン准将から緊急のお電話が…」
「緊急?」
アイリさんは眉間に皺を寄せて。
「回してちょうだい」
「はいっ」
私のデスクにある電話の受話器を上げた。
「もしもし、私だけど」
緊急連絡って何かしら…。
「…それのどこが緊急連絡なのよ。くだらない」
…緊急連絡ではなく、緊急連絡と言えばアイリさんが出てくれると思ったんでしょうね。
「え?今から?行くわけないじゃないそんなことで」
どうやらお呼び出のようで、アイリさんが徐々に苛立ってきた。
「…グラマン中将、もう帰りましたっけ?」
「中将はお昼から病院だから帰られてるわ」
ハボック少尉がグラマン中将に告げ口しに行こうと企てだけれど、グラマン中将はもういらっしゃらない。
「だから………ゼイオン中将…」
え?
ゼイオン中将?
クレミン准将からゼイオン中将に代わったの?
アイリさんは額に手を当てて。
「……はい、はい。ですから…はい…」
深いため息を吐いて。
「……わかりました。とりあえず今からそちらに行きますのでそれから詳しく伺います」
珍しく折れた…。
まさか、またお父さんの情報を引き合いに出されたの?
受話器を置き、アイリさんはまた深いため息を零して。
「……あんにゃろ、ゼイオン中将を味方に付けたわね」
つッと、舌打ちをした。
「大変すね…」
「中将を味方につけるとは…」
こんな悪態を吐くなんて、余程下らない理由で呼び出されたに違いないわね…。
でも…。
「…ゼイオン中将もいらっしゃるんですか?」
ゼイオン中将もそこにいるの?
「そうみたい。ちょっと中央へ行ってくるから、あなたは先に帰っていて」
アイリさんはため息を零して私に背中を向けたから。
「フュリー曹長、ハヤテ号を頼めるかしら?」
「え?あ、はい、大丈夫です!」
「え?ホークアイ中尉?どうしたの?」
きょとんと私を見るアイリさんを後目に、フュリー曹長にハヤテ号のリードを渡す。
屈んで、ハヤテ号の頭を撫でて。
「ハヤテ号、フュリー曹長の言うことをちゃんと聞くのよ?」
「ワンワン!」
そう言って。
「さ、行きましょうか」
アイリさんへ笑みを向ける。
「行くの?」
「行きます。あなたを一人で行かせると無茶をしかねないので」
無茶、ではなくゼイオン中将がいることに不安があるから。
ゼイオン中将と寝ることはないでしょうけど、何かまた傷をつけられてしまうかもしれない。
そんな不安が。
アイリさんはきょとん顔から小さな笑みを浮かべて。
「まったくあなたはもう。可愛いなぁ」
なんて言って、私の手を握って歩き出した。
「…あのセイフォード少将が…」
「プライベートはあんなに違うんだな…」
というフュリー曹長とハボック少尉の驚いた声を聞きながら、私たちは中央司令部へと向かった。
「やぁすまないね、セイフォード君」
「…いえ」
中央司令部に着いてすぐ、ゼイオン中将とクレミン准将が出迎えてくれた。
ゼイオン中将は、側から見れば優しげな笑みに見える笑みを浮かべていた。
私から見れば…。
気持ち悪い、としか思えない笑みだけれどね。
「これなんだが、どうだろう?私は良い案だと思うんだがね」
ゼイオン中将に書類を渡され、それを確認するアイリさんの眉間に徐々に…皺が…。
くだらない内容なのは間違い無いわね…。
「ホークアイ中尉も久しぶりだね」
「!はっ」
アイリさんが書類を確認している間、ゼイオン中将が私に話をかけてきた。
私が敬礼すると、ゼイオン中将が私に手を伸ばしてきた。
「!」
でも、それはアイリさんが私の肩に手を置いて下がらせてくれたから、触れられることはなかった。
「これは軍法会議での議題にしても問題ありませんか?」
アイリさんは書類を掲げ、問いかけた。
「む」
ゼイオン中将は手を引き、クレミン准将を見る。
「ぐ、軍法会議…ですか…?」
軍法会議の議題にはしてほしくなさそう。
「軍法会議に出すには恥ずかしい内容でしょう?それをくだらないと言っているの」
書類をクレミン准将に突き返して。
「ゼイオン中将もクレミン准将の言うことを間に受けないでください。飛び火しますよ」
そう言うと。
「君は相変わらず手厳しいね。クレミン准将、今回は諦めた方がよさそうだよ」
「…っ」
ゼイオン中将は肩を竦め、クレミン准将の肩に手を置いた。
「セイフォード君、今度食事でも行こうか」
というゼイオン中将の誘いを。
「お断りします」
はっきり断るアイリさんがカッコいい…。
「はっはっ!じゃあまたね」
「お疲れ様でした」
そしてゼイオン中将は背中を向けて、去って行った。
「「「……」」」
私もアイリさんもクレミン准将を見つめると。
「…っ待ってください!ゼイオン中将!」
クレミン准将は慌ててゼイオン中将を追いかけた。
「…これだけのためだけに中央へ来たなんて…」
馬鹿らしい…とアイリさんはため息を零す。
「でも、ゼイオン中将に何もされなくてよかったです」
「よくないわよ。あんにゃろ、あなたに触ろうとしたじゃない」
手を出さない条件だったのに、なんてアイリさんは怒っている。
私のために、怒ってくれているのが嬉しい。
「セイフォード少将!!」
「「!!」」
すると、遠くからアイリさんを呼ぶ声が。
振り返れば、そこには女性軍人が数名いて。
「まさかいらっしゃると思わなくて、あまり用意出来ませんでしたが…っ」
「え?」
女性軍人たちはワァーッと走り寄ってきて。
アイリさんへ紙袋を手渡して。
「バレンタインデーのチョコレートです!」
「返品不可なので!」
「食べてくださいね!」
ワァーッと去って行った。
「え、ちょ、ちょっと!」
さすがのアイリさんも反応が遅れて、反応した頃には女性軍人たちは居なくなっていた。
「「………」」
アイリさんと顔を見合わせて、紙袋を見てまた顔を見合わせる。
「……なんで私に?」
アイリさんは不思議そうに首を傾げた。
………大丈夫、嫉妬なんかしない。
だってアイリさんは私の恋人だから。
嫉妬なんてする必要がないわ。
「…手作りみたいですね」
「そうなの?なんでかしら…」
紙袋を覗けば、可愛らしい包みばかり。
市販のものではない…。
「まぁいいわ。帰りましょうか」
「…そうですね。お腹も空きましたし」
帰ってご飯を食べよう、と。
アイリさんと笑い合って、帰路に着いた。
「全部手作りみたい」
夜ご飯を食べ、お風呂も入ってまったりしていた時。
中央司令部でいただいた紙袋からチョコレートを取り出した。
たくさん入っているのに、あまり用意は出来なかったと言っていた。
…本当はまだまだたくさんあるってことよね。
「食べてみる?」
「え?あ、いえ。このチョコレートたちはアイリさん宛なので、私がいただくわけには…」
バレンタインのチョコレート、私のを先に食べてほしいなんて我儘…言えない…。
だって今日一緒に作る予定だったから…まだ作れてないし…。
アイリさんはカサカサと包みを開けて、ハート型のチョコを一粒取り出して。
「あ」
「え?」
あ、と口を開けた。
「あ、して」
「で、ですが…」
「あ」
私に先に食べろ…と。
チョコレートとアイリさんを交互に見て。
「ん」
パクッとチョコレートを頂いた。
甘くて、美味しい。
「美味しい?」
「はい。甘くて美味しいです」
アイリさんにいただいたチョコレートなのに、私がいただいてしまったことに少しの罪悪感があったけれど。
「そう」
「?」
アイリさんは私の顎に手を添えて、上を向かせて。
「んぅ」
キスをしてくれた。
「ぁ…っん…っ」
いつもなら啄むキスから徐々に深くなるのに、今はすぐに舌を絡め取られた。
ああ、これ。
チョコレートを堪能してるのね。
だから私に先に食べさせたんだ。
「ん」
「んぅ…」
アイリさんが離れ、もう一粒チョコレートを私に食べさせて。
「ふ…っぁ…っ」
再びキスをしてくれて。
含みきれなかった、チョコレート色に染まる唾液が顎を伝う。
「ん…っ」
アイリさんはそれも舐め取って。
「本当、甘くて美味しいわね」
クスクス笑い、ソファーに倒された。
「もっと美味しいチョコレート、食べてもいい?」
「…もっと美味しいチョコレート…ですか…?」
そんなチョコレート…どこに…。
プチプチと白いシャツのボタンを外され、開かれる。
「ぁ…ここで…するんですか…?」
下着も取り去られて…胸元が露わになる。
アイリさんは目を細め、チョコレートの箱を手に取ってチョコレートへと視線を巡らせれば。
小さな錬成反応が起きて…。
「世界で一つしかない、とても甘美なチョコレート」
私のお腹に、錬金術で溶かした液体状のチョコレートを垂らした…。
「あ…っ」
……まさか。
レベッカの言葉通りになるなんて。
いえでも待って違う。
これは私の意志じゃないから、これはアイリさんの意志だからまだセーフのはず。
「…っ」
指でチョコレートを伸ばして。
「ぁ…っあ…っ」
胸元の先に塗られ、アイリさんの赤い舌がソコに近づくのを息を飲んで見つめて。
「ああっあっ」
胸元の先を口に含まれ、甘く歯を立てられたり。
もう片方の胸元の先も、チョコレートを塗られながら指先で転がされて。
「あ…っあんっあ…っはぁ…っ」
いつもと違う感触に、何度も背中が浮いちゃう…。
「ん、美味しい」
「は…っはぁ…っあっあっ」
お腹に垂らされたチョコレートは全部舐め取られた…。
もうすでに気持ち良くて変になりそうなのに…。
ズボンも抜き取られ、また錬金術で溶かしたチョコレートを下腹部に垂らし始めた…。
「…っ!ま…っそこには…っだめ…っ!!」
さすがにそれはまずいです。
「だめ?でもココ、欲しそうだけど」
「っやぁ…っあ…っああっ」
濡れたソコに指を挿れられ、腰が浮いた…。
「あああっあっあっあっあぁあっ」
指でチョコレートを伸ばして…小さな突起を撫で回されて…。
おかしくなる。
おかしくなる。
「ああっあっああっも…っおかしく…っなっちゃ…っんぁっああんっ」
「ん」
秘部を開かれ、チョコレートと愛液に濡れた小さな突起を口に含まれた瞬間。
「んぁあっああっああっイク…ッ!!イ…ッッ!!」
大きく背中を反らせ…達してしまった…。
「あっや…っだめだめだめだめぇ!!ああっアイリさ…っああっああっイク…ッまたイク…っ」
しかしアイリさんはやめてくれず…。
「あああっあっあっあっあああッッ!!」
すぐまた達して…。
「ぁ…あっあっあっああっも…っこわれちゃ…あああっイクイクイクッ!!ああイぐ…ッんぅうッッ!!」
連続で…イかされました…。
「ぁ…あ…っあ…」
やっと休ませてくれるみたいで、アイリさんが離れた…。
「チョコレート、たくさんあるわね」
「…もう…むりで…す…っ」
達した余韻で身体が痙攣する…。
「リザからの最高のチョコレート、たくさん食べたいわ」
「あ…っや…っまだだめ…っあ…っアイリさ…っまだだめぇ…っああっ」
それから…。
チョコレートまみれにされて…もうとんでもないくらい抱かれたわよ…。
「甘い香りがする」
「…あれだけチョコレートまみれになったらしますよ」
空が白んで来た頃、一緒にお風呂に入って…。
「…三時間後に目覚ましをセットしました」
「ん、おやすみリザ」
睡眠時間は三時間という…過酷な一日が始まろうとしていた…。
出勤すれば、アイリさんの執務室には段ボール箱が二つあって。
「「………」」
「中央司令部からセイフォード少将宛のチョコレートみたいっス羨ましい…」
昨日いなかった方々からのチョコレートらしい…。
「今日もたくさん食べられるわね」
「…しばらくは食べません」
チョコレートのせいであんなに激しくされたら…身体がいくつあっても足りないわ…もう…。
END
「ねぇ、リザ」
「なに?カタリナ少尉」
「セイフォード少将にバレンタインチョコ用意した?」
「まだしてないけど、どうして?」
「良いこと思いついたのよ、私」
「へぇ」
「あのね、リザ。チョコを「自分にかけて、私をプレゼントにすればいい、かしら」
「…エスパー?」
「あなたの考えなんて手に取るようにわかるわ」
ある日。
射撃訓練場で、レベッカと一緒した時。
バレンタインデーにアイリさんへ渡すチョコを用意しているのか、を聞かれた。
アイリさんとは一緒に暮らしてるから用意しといてしまえばバレてしまうから、前日に一緒に作ると約束をしている。
『楽しみね』なんてちょっと笑顔になってくれて、思わず抱き締めちゃったわ…。
だってアイリさん、普段はあまり笑う方ではないから。
『私と居てつまらなくない?大丈夫?』
って、自分でも自覚してるようで。
『そんなわけないじゃないですか。ただ不意打ちの笑顔に心臓が口から飛び出そうになります…』
『…私、そんなに笑顔ないのね…ごめんね…?』
『そうではなくて…その…なんていうか…とにかく、今のままのアイリさんが好きです…』
『……心臓が口から飛び出そうになる気持ちを今理解したわ…』
アイリさんもドキドキしてくれたみたいで嬉しかったのをよく覚えてるわ。
で、レベッカは“体にチョコを塗って自分を送れ”みたいな下品なことを言い出した。
言い出したというか、言いそうだから先に言えば驚かれた。
「あんたをチョコまみれにしてプレゼントしたら、あの無表情なセイフォード少将はどんな顔するかなぁ」
「…表現が卑猥すぎるわよ」
ガチャン、とライフルをコッキングして肩に担ぐ。
「それにきっと喜ばないと思うのだけど」
いくらなんでもそんな品のないことなんて望まないわよね。
私だって普通に食べれるチョコレートを贈りたい。
「え?絶対喜ぶと思うけどなぁ」
「第一、食べ物を粗末にはしません」
レベッカは横になったままこちらを向いて、頬杖をついて。
「セイフォード少将、何個チョコもらうかしらねー?」
なんて、ニヤニヤ笑った。
「え?」
きょとんとレベッカを見る。
「あの方最近すごくモテているの知らないわけじゃないでしょ?」
「まぁ、知っているわ」
「“あのクールさがたまらない!”とか“ちょっと目を伏せた時の表情やばい!”とか“不意の優しさが本当好き”とか、まぁいろいろな声が上がってますよホークアイ中尉」
確かに、アイリさんが中央にいた時よく告白をされると聞いている。
アイリさんはちゃんとしっかり断ってくれているから、嫉妬そのものはしない。
寧ろ、そんなモテる人の一番は私なんだと優越感すらあるくらい。
私はクスリと笑みを零して。
「そんなモテモテのセイフォード少将の恋人は私だから、嫉妬なんてしませんよ?カタリナ少尉」
そう告げると。
「つまんなーい!」
レベッカはバタバタ暴れた。
「じゃあレベッカ、私はもう行くから」
「…はいはいまたねホークアイ中尉」
そして私は、射撃訓練場を後にした。
2月13日、バレンタインデー前日。
「じゃあ、後はよろしく」
「私も上がります」
「うーす、お疲れさまっしたー」
「お疲れ様ですー」
アイリさんと定時で上がる。
東方司令部に移動してきてから、アイリさんはちゃんと定時で上がれるようになった。
お休みだってちゃんとくれる。
逆に無理をしていたらグラマン中将に休まされているくらい。
「ハヤテ号も帰るわよ」
「ワン!」
「あ、セイフォード少将!」
ハヤテ号にリードを付けて帰ろうとした時、フュリー曹長がオフィスに来て。
「なに?」
「中央のクレミン准将から緊急のお電話が…」
「緊急?」
アイリさんは眉間に皺を寄せて。
「回してちょうだい」
「はいっ」
私のデスクにある電話の受話器を上げた。
「もしもし、私だけど」
緊急連絡って何かしら…。
「…それのどこが緊急連絡なのよ。くだらない」
…緊急連絡ではなく、緊急連絡と言えばアイリさんが出てくれると思ったんでしょうね。
「え?今から?行くわけないじゃないそんなことで」
どうやらお呼び出のようで、アイリさんが徐々に苛立ってきた。
「…グラマン中将、もう帰りましたっけ?」
「中将はお昼から病院だから帰られてるわ」
ハボック少尉がグラマン中将に告げ口しに行こうと企てだけれど、グラマン中将はもういらっしゃらない。
「だから………ゼイオン中将…」
え?
ゼイオン中将?
クレミン准将からゼイオン中将に代わったの?
アイリさんは額に手を当てて。
「……はい、はい。ですから…はい…」
深いため息を吐いて。
「……わかりました。とりあえず今からそちらに行きますのでそれから詳しく伺います」
珍しく折れた…。
まさか、またお父さんの情報を引き合いに出されたの?
受話器を置き、アイリさんはまた深いため息を零して。
「……あんにゃろ、ゼイオン中将を味方に付けたわね」
つッと、舌打ちをした。
「大変すね…」
「中将を味方につけるとは…」
こんな悪態を吐くなんて、余程下らない理由で呼び出されたに違いないわね…。
でも…。
「…ゼイオン中将もいらっしゃるんですか?」
ゼイオン中将もそこにいるの?
「そうみたい。ちょっと中央へ行ってくるから、あなたは先に帰っていて」
アイリさんはため息を零して私に背中を向けたから。
「フュリー曹長、ハヤテ号を頼めるかしら?」
「え?あ、はい、大丈夫です!」
「え?ホークアイ中尉?どうしたの?」
きょとんと私を見るアイリさんを後目に、フュリー曹長にハヤテ号のリードを渡す。
屈んで、ハヤテ号の頭を撫でて。
「ハヤテ号、フュリー曹長の言うことをちゃんと聞くのよ?」
「ワンワン!」
そう言って。
「さ、行きましょうか」
アイリさんへ笑みを向ける。
「行くの?」
「行きます。あなたを一人で行かせると無茶をしかねないので」
無茶、ではなくゼイオン中将がいることに不安があるから。
ゼイオン中将と寝ることはないでしょうけど、何かまた傷をつけられてしまうかもしれない。
そんな不安が。
アイリさんはきょとん顔から小さな笑みを浮かべて。
「まったくあなたはもう。可愛いなぁ」
なんて言って、私の手を握って歩き出した。
「…あのセイフォード少将が…」
「プライベートはあんなに違うんだな…」
というフュリー曹長とハボック少尉の驚いた声を聞きながら、私たちは中央司令部へと向かった。
「やぁすまないね、セイフォード君」
「…いえ」
中央司令部に着いてすぐ、ゼイオン中将とクレミン准将が出迎えてくれた。
ゼイオン中将は、側から見れば優しげな笑みに見える笑みを浮かべていた。
私から見れば…。
気持ち悪い、としか思えない笑みだけれどね。
「これなんだが、どうだろう?私は良い案だと思うんだがね」
ゼイオン中将に書類を渡され、それを確認するアイリさんの眉間に徐々に…皺が…。
くだらない内容なのは間違い無いわね…。
「ホークアイ中尉も久しぶりだね」
「!はっ」
アイリさんが書類を確認している間、ゼイオン中将が私に話をかけてきた。
私が敬礼すると、ゼイオン中将が私に手を伸ばしてきた。
「!」
でも、それはアイリさんが私の肩に手を置いて下がらせてくれたから、触れられることはなかった。
「これは軍法会議での議題にしても問題ありませんか?」
アイリさんは書類を掲げ、問いかけた。
「む」
ゼイオン中将は手を引き、クレミン准将を見る。
「ぐ、軍法会議…ですか…?」
軍法会議の議題にはしてほしくなさそう。
「軍法会議に出すには恥ずかしい内容でしょう?それをくだらないと言っているの」
書類をクレミン准将に突き返して。
「ゼイオン中将もクレミン准将の言うことを間に受けないでください。飛び火しますよ」
そう言うと。
「君は相変わらず手厳しいね。クレミン准将、今回は諦めた方がよさそうだよ」
「…っ」
ゼイオン中将は肩を竦め、クレミン准将の肩に手を置いた。
「セイフォード君、今度食事でも行こうか」
というゼイオン中将の誘いを。
「お断りします」
はっきり断るアイリさんがカッコいい…。
「はっはっ!じゃあまたね」
「お疲れ様でした」
そしてゼイオン中将は背中を向けて、去って行った。
「「「……」」」
私もアイリさんもクレミン准将を見つめると。
「…っ待ってください!ゼイオン中将!」
クレミン准将は慌ててゼイオン中将を追いかけた。
「…これだけのためだけに中央へ来たなんて…」
馬鹿らしい…とアイリさんはため息を零す。
「でも、ゼイオン中将に何もされなくてよかったです」
「よくないわよ。あんにゃろ、あなたに触ろうとしたじゃない」
手を出さない条件だったのに、なんてアイリさんは怒っている。
私のために、怒ってくれているのが嬉しい。
「セイフォード少将!!」
「「!!」」
すると、遠くからアイリさんを呼ぶ声が。
振り返れば、そこには女性軍人が数名いて。
「まさかいらっしゃると思わなくて、あまり用意出来ませんでしたが…っ」
「え?」
女性軍人たちはワァーッと走り寄ってきて。
アイリさんへ紙袋を手渡して。
「バレンタインデーのチョコレートです!」
「返品不可なので!」
「食べてくださいね!」
ワァーッと去って行った。
「え、ちょ、ちょっと!」
さすがのアイリさんも反応が遅れて、反応した頃には女性軍人たちは居なくなっていた。
「「………」」
アイリさんと顔を見合わせて、紙袋を見てまた顔を見合わせる。
「……なんで私に?」
アイリさんは不思議そうに首を傾げた。
………大丈夫、嫉妬なんかしない。
だってアイリさんは私の恋人だから。
嫉妬なんてする必要がないわ。
「…手作りみたいですね」
「そうなの?なんでかしら…」
紙袋を覗けば、可愛らしい包みばかり。
市販のものではない…。
「まぁいいわ。帰りましょうか」
「…そうですね。お腹も空きましたし」
帰ってご飯を食べよう、と。
アイリさんと笑い合って、帰路に着いた。
「全部手作りみたい」
夜ご飯を食べ、お風呂も入ってまったりしていた時。
中央司令部でいただいた紙袋からチョコレートを取り出した。
たくさん入っているのに、あまり用意は出来なかったと言っていた。
…本当はまだまだたくさんあるってことよね。
「食べてみる?」
「え?あ、いえ。このチョコレートたちはアイリさん宛なので、私がいただくわけには…」
バレンタインのチョコレート、私のを先に食べてほしいなんて我儘…言えない…。
だって今日一緒に作る予定だったから…まだ作れてないし…。
アイリさんはカサカサと包みを開けて、ハート型のチョコを一粒取り出して。
「あ」
「え?」
あ、と口を開けた。
「あ、して」
「で、ですが…」
「あ」
私に先に食べろ…と。
チョコレートとアイリさんを交互に見て。
「ん」
パクッとチョコレートを頂いた。
甘くて、美味しい。
「美味しい?」
「はい。甘くて美味しいです」
アイリさんにいただいたチョコレートなのに、私がいただいてしまったことに少しの罪悪感があったけれど。
「そう」
「?」
アイリさんは私の顎に手を添えて、上を向かせて。
「んぅ」
キスをしてくれた。
「ぁ…っん…っ」
いつもなら啄むキスから徐々に深くなるのに、今はすぐに舌を絡め取られた。
ああ、これ。
チョコレートを堪能してるのね。
だから私に先に食べさせたんだ。
「ん」
「んぅ…」
アイリさんが離れ、もう一粒チョコレートを私に食べさせて。
「ふ…っぁ…っ」
再びキスをしてくれて。
含みきれなかった、チョコレート色に染まる唾液が顎を伝う。
「ん…っ」
アイリさんはそれも舐め取って。
「本当、甘くて美味しいわね」
クスクス笑い、ソファーに倒された。
「もっと美味しいチョコレート、食べてもいい?」
「…もっと美味しいチョコレート…ですか…?」
そんなチョコレート…どこに…。
プチプチと白いシャツのボタンを外され、開かれる。
「ぁ…ここで…するんですか…?」
下着も取り去られて…胸元が露わになる。
アイリさんは目を細め、チョコレートの箱を手に取ってチョコレートへと視線を巡らせれば。
小さな錬成反応が起きて…。
「世界で一つしかない、とても甘美なチョコレート」
私のお腹に、錬金術で溶かした液体状のチョコレートを垂らした…。
「あ…っ」
……まさか。
レベッカの言葉通りになるなんて。
いえでも待って違う。
これは私の意志じゃないから、これはアイリさんの意志だからまだセーフのはず。
「…っ」
指でチョコレートを伸ばして。
「ぁ…っあ…っ」
胸元の先に塗られ、アイリさんの赤い舌がソコに近づくのを息を飲んで見つめて。
「ああっあっ」
胸元の先を口に含まれ、甘く歯を立てられたり。
もう片方の胸元の先も、チョコレートを塗られながら指先で転がされて。
「あ…っあんっあ…っはぁ…っ」
いつもと違う感触に、何度も背中が浮いちゃう…。
「ん、美味しい」
「は…っはぁ…っあっあっ」
お腹に垂らされたチョコレートは全部舐め取られた…。
もうすでに気持ち良くて変になりそうなのに…。
ズボンも抜き取られ、また錬金術で溶かしたチョコレートを下腹部に垂らし始めた…。
「…っ!ま…っそこには…っだめ…っ!!」
さすがにそれはまずいです。
「だめ?でもココ、欲しそうだけど」
「っやぁ…っあ…っああっ」
濡れたソコに指を挿れられ、腰が浮いた…。
「あああっあっあっあっあぁあっ」
指でチョコレートを伸ばして…小さな突起を撫で回されて…。
おかしくなる。
おかしくなる。
「ああっあっああっも…っおかしく…っなっちゃ…っんぁっああんっ」
「ん」
秘部を開かれ、チョコレートと愛液に濡れた小さな突起を口に含まれた瞬間。
「んぁあっああっああっイク…ッ!!イ…ッッ!!」
大きく背中を反らせ…達してしまった…。
「あっや…っだめだめだめだめぇ!!ああっアイリさ…っああっああっイク…ッまたイク…っ」
しかしアイリさんはやめてくれず…。
「あああっあっあっあっあああッッ!!」
すぐまた達して…。
「ぁ…あっあっあっああっも…っこわれちゃ…あああっイクイクイクッ!!ああイぐ…ッんぅうッッ!!」
連続で…イかされました…。
「ぁ…あ…っあ…」
やっと休ませてくれるみたいで、アイリさんが離れた…。
「チョコレート、たくさんあるわね」
「…もう…むりで…す…っ」
達した余韻で身体が痙攣する…。
「リザからの最高のチョコレート、たくさん食べたいわ」
「あ…っや…っまだだめ…っあ…っアイリさ…っまだだめぇ…っああっ」
それから…。
チョコレートまみれにされて…もうとんでもないくらい抱かれたわよ…。
「甘い香りがする」
「…あれだけチョコレートまみれになったらしますよ」
空が白んで来た頃、一緒にお風呂に入って…。
「…三時間後に目覚ましをセットしました」
「ん、おやすみリザ」
睡眠時間は三時間という…過酷な一日が始まろうとしていた…。
出勤すれば、アイリさんの執務室には段ボール箱が二つあって。
「「………」」
「中央司令部からセイフォード少将宛のチョコレートみたいっス羨ましい…」
昨日いなかった方々からのチョコレートらしい…。
「今日もたくさん食べられるわね」
「…しばらくは食べません」
チョコレートのせいであんなに激しくされたら…身体がいくつあっても足りないわ…もう…。
END