ハガレン 旧拍手文置き場
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『危険』
「え?ドSな恋人?」
「そう。今流行ってるみたいよ?恋人にSっ気出してもらうの」
「………何よ、その流行りは…」
ある日。
東方司令部の射撃訓練場にて、一緒に居たレベッカが。
“優しい恋人にドSのふりをしてもらう遊びが流行っている”
という話を聞いた。
なぜそんなのが流行るのか謎でしょうがないわ…。
サディズムって…肉体的にも精神的にも苦痛を与えて性的欲求を晴らす人のことを言うのに。
なに?肉体的にも精神的にも苦痛を味わいたいってこと?
そんなマゾヒズムでもあるまいし…。
「リザはMだろうし、いいんじゃない?」
「誰がマゾヒズムよ。誤解を招く発言はやめてちょうだい」
レベッカはニヤニヤしながら私を見ていて。
「セイフォード少将にSっ気出してもらってみたら?ハマるかもしれないわよ?」
「……人を変態みたいに言うのもやめてくれる?」
大体SMになんて興味がない。
アイリさんは優しい人であってほしいから、サディズムになって欲しくない。
「えー?でセイフォードも少将がSになると、なんかカッコいい気がするんだけどなぁ」
「…………そんなわけないでしょ。」
「今一瞬悩んだわよね?」
「バカなことを言ってないで、訓練に集中しなさいカナリナ少尉」
私はライフル銃を構え、1発放つ。
「「…………」」
的を見たレベッカが一言。
「あんたの動揺はわかりやすいわよね」
だった…。
コンコン
「ホークアイ中尉です。コーヒーをお持ちしました」
『入っていいわよ』
「失礼します」
射撃訓練を終え、少しして。
アイリさんへコーヒーを持って行く。
執務室の扉を開き中へ入ると、アイリさんは書類へと視線を落としていて。
「はぁ…あのポンコツどもめ…どう痛めつけてやろうかしら…」
なんて不穏当な発言をしたため。
「バレないようにしてくださいね」
そう言って、デスクにコーヒーカップを置いた。
「バレたら一緒に逃げてくれる?」
書類から視線を上げ、首を傾げるアイリさんに。
「聞く必要あります?それ」
ニコリと笑むと。
「ふふっ、愚問だったわね」
アイリさんもクスクス笑った。
「愚問ですよ、本当に」
「ごめんなさーい」
と、書類を燃やしてしまった。
「はー、疲れたー」
「いつもお疲れ様です」
コーヒーを飲み、ほう…と一息を吐くアイリさん。
………サディズム…か…。
アイリさんがサディズムになったら…どうなっちゃうのかしら…。
いつも優しいから想像が出来ない。
いえ、冷たかったとされる時のアイリさんになる?
…いえ、冷たさとサディズムは違うわよね…。
じゃあ…どんな…ふうに…。
「リザ?何か考え事?」
「!」
物思いに耽っていたら、アイリさんが私を見ていて。
「…いえ、あの…」
「んー?」
口籠ってしまった。
レベッカにはSMに興味ないと言ったけど…。
アイリさんの…サディズムを…ちょっと見てみたいと…思ってしまって…。
「リーザ。どうしたの?私には言えないこと?」
「あの…」
「うん」
私は視線を彷徨わせて。
「…先程、射撃訓練場でレベッカと話をしていたのですが…」
「レベッカと?」
「はい…それで…その…」
アイリさんに、レベッカとの会話内容を話した。
「へー。今そんなの流行ってるんだー」
「そうみたいです」
「軍にはドMの子がたくさんいるのね」
アイリさんはクスクス笑った。
「……それで…あの…」
「うん?なぁに?」
未だ口籠る私を、アイリさんはコーヒーを啜りながら。
「……セイフォード少将の…S…は…」
きょとんと私を見つめて。
「あー…リザはドMだもんねー」
「…っ違います!ただあの…ですね…」
ニヤニヤ笑い、コーヒーカップをデスクに置いて。
「私にサディズムになってみて欲しいってことを言いたいのね?」
そう問いかけてきたから。
「…ぁ…の…」
視線を彷徨わせて、小さく頷くと。
「ふーん」
アイリさんは足を組んで。
椅子の肘掛けに頬杖を付き、体を少し傾けて。
「リザ、脱いで」
目を細め、そう放った。
「え?」
今度は私がきょとん顔。
え?今、え?
「何をしてるの?さっさと脱いで」
「あ、あの…」
細められた視線は私に向けられて。
「私が脱げと言ったら脱ぐの。言うことが聞けない?」
震えてしまった。
怖いわけじゃない。
細められた視線は真っ直ぐ私を見ている。
アイリさんの体勢は変わることなく、私が脱ぐのを待っている。
言葉の重さと視線の鋭さ。
緩く曲線を描く口元に視線が釘付けになってしまって。
「…ぁ…ぅ…」
––––何も言えなくなる。
「どうしたの?早く脱ぎなさい」
––––逆らえなくなる。
私は震える手で軍服の首元を掴んで。
「リザ」
バチン、とボタンを外した時だった。
「………本当に脱ぐの?」
アイリさんの言葉にハッとアイリさんを見れば、ニヤニヤな笑みを浮かべていて。
「…っ脱ぐわけないじゃないですかっ」
正気に戻った…。
「えー?脱ぎそうな雰囲気だったわよね?」
「…そんな雰囲気になんてなってません」
危なかった…。
本当に危なかったわ…。
アイリさんのサディズムに呑まれるところだった…。
バクバクと心臓が高鳴る。
逆らえない、抗えない。
あの眼差しとあの声に。
アイリさんはクスクス笑い、私に歩み寄って来て。
「んっ」
キスをしてくれた。
「まぁリザを虐めるのも楽しそうだけど、やっぱり私はリザとラブラブイチャイチャしてたいなー」
性に合わない、とアイリさんは言った。
「…私も…優しいあなたでいて欲しいです…」
ホッとしたけど…その…。
ゾクゾクしてしまったことは墓場まで持って行こうと思った日だった…。
レベッカ…。
アイリさんにSをやらせたら…まずいことになると知ったわ…。
危険よ…これは…。
でもまぁ…それからは…。
サディズムな感じを見せずずっと優しいアイリさんで居てくれたから…安心したわよ…。
「でも少しハマりそうだったんじゃない?」
「…………そんなことありませんっ」
END
「え?ドSな恋人?」
「そう。今流行ってるみたいよ?恋人にSっ気出してもらうの」
「………何よ、その流行りは…」
ある日。
東方司令部の射撃訓練場にて、一緒に居たレベッカが。
“優しい恋人にドSのふりをしてもらう遊びが流行っている”
という話を聞いた。
なぜそんなのが流行るのか謎でしょうがないわ…。
サディズムって…肉体的にも精神的にも苦痛を与えて性的欲求を晴らす人のことを言うのに。
なに?肉体的にも精神的にも苦痛を味わいたいってこと?
そんなマゾヒズムでもあるまいし…。
「リザはMだろうし、いいんじゃない?」
「誰がマゾヒズムよ。誤解を招く発言はやめてちょうだい」
レベッカはニヤニヤしながら私を見ていて。
「セイフォード少将にSっ気出してもらってみたら?ハマるかもしれないわよ?」
「……人を変態みたいに言うのもやめてくれる?」
大体SMになんて興味がない。
アイリさんは優しい人であってほしいから、サディズムになって欲しくない。
「えー?でセイフォードも少将がSになると、なんかカッコいい気がするんだけどなぁ」
「…………そんなわけないでしょ。」
「今一瞬悩んだわよね?」
「バカなことを言ってないで、訓練に集中しなさいカナリナ少尉」
私はライフル銃を構え、1発放つ。
「「…………」」
的を見たレベッカが一言。
「あんたの動揺はわかりやすいわよね」
だった…。
コンコン
「ホークアイ中尉です。コーヒーをお持ちしました」
『入っていいわよ』
「失礼します」
射撃訓練を終え、少しして。
アイリさんへコーヒーを持って行く。
執務室の扉を開き中へ入ると、アイリさんは書類へと視線を落としていて。
「はぁ…あのポンコツどもめ…どう痛めつけてやろうかしら…」
なんて不穏当な発言をしたため。
「バレないようにしてくださいね」
そう言って、デスクにコーヒーカップを置いた。
「バレたら一緒に逃げてくれる?」
書類から視線を上げ、首を傾げるアイリさんに。
「聞く必要あります?それ」
ニコリと笑むと。
「ふふっ、愚問だったわね」
アイリさんもクスクス笑った。
「愚問ですよ、本当に」
「ごめんなさーい」
と、書類を燃やしてしまった。
「はー、疲れたー」
「いつもお疲れ様です」
コーヒーを飲み、ほう…と一息を吐くアイリさん。
………サディズム…か…。
アイリさんがサディズムになったら…どうなっちゃうのかしら…。
いつも優しいから想像が出来ない。
いえ、冷たかったとされる時のアイリさんになる?
…いえ、冷たさとサディズムは違うわよね…。
じゃあ…どんな…ふうに…。
「リザ?何か考え事?」
「!」
物思いに耽っていたら、アイリさんが私を見ていて。
「…いえ、あの…」
「んー?」
口籠ってしまった。
レベッカにはSMに興味ないと言ったけど…。
アイリさんの…サディズムを…ちょっと見てみたいと…思ってしまって…。
「リーザ。どうしたの?私には言えないこと?」
「あの…」
「うん」
私は視線を彷徨わせて。
「…先程、射撃訓練場でレベッカと話をしていたのですが…」
「レベッカと?」
「はい…それで…その…」
アイリさんに、レベッカとの会話内容を話した。
「へー。今そんなの流行ってるんだー」
「そうみたいです」
「軍にはドMの子がたくさんいるのね」
アイリさんはクスクス笑った。
「……それで…あの…」
「うん?なぁに?」
未だ口籠る私を、アイリさんはコーヒーを啜りながら。
「……セイフォード少将の…S…は…」
きょとんと私を見つめて。
「あー…リザはドMだもんねー」
「…っ違います!ただあの…ですね…」
ニヤニヤ笑い、コーヒーカップをデスクに置いて。
「私にサディズムになってみて欲しいってことを言いたいのね?」
そう問いかけてきたから。
「…ぁ…の…」
視線を彷徨わせて、小さく頷くと。
「ふーん」
アイリさんは足を組んで。
椅子の肘掛けに頬杖を付き、体を少し傾けて。
「リザ、脱いで」
目を細め、そう放った。
「え?」
今度は私がきょとん顔。
え?今、え?
「何をしてるの?さっさと脱いで」
「あ、あの…」
細められた視線は私に向けられて。
「私が脱げと言ったら脱ぐの。言うことが聞けない?」
震えてしまった。
怖いわけじゃない。
細められた視線は真っ直ぐ私を見ている。
アイリさんの体勢は変わることなく、私が脱ぐのを待っている。
言葉の重さと視線の鋭さ。
緩く曲線を描く口元に視線が釘付けになってしまって。
「…ぁ…ぅ…」
––––何も言えなくなる。
「どうしたの?早く脱ぎなさい」
––––逆らえなくなる。
私は震える手で軍服の首元を掴んで。
「リザ」
バチン、とボタンを外した時だった。
「………本当に脱ぐの?」
アイリさんの言葉にハッとアイリさんを見れば、ニヤニヤな笑みを浮かべていて。
「…っ脱ぐわけないじゃないですかっ」
正気に戻った…。
「えー?脱ぎそうな雰囲気だったわよね?」
「…そんな雰囲気になんてなってません」
危なかった…。
本当に危なかったわ…。
アイリさんのサディズムに呑まれるところだった…。
バクバクと心臓が高鳴る。
逆らえない、抗えない。
あの眼差しとあの声に。
アイリさんはクスクス笑い、私に歩み寄って来て。
「んっ」
キスをしてくれた。
「まぁリザを虐めるのも楽しそうだけど、やっぱり私はリザとラブラブイチャイチャしてたいなー」
性に合わない、とアイリさんは言った。
「…私も…優しいあなたでいて欲しいです…」
ホッとしたけど…その…。
ゾクゾクしてしまったことは墓場まで持って行こうと思った日だった…。
レベッカ…。
アイリさんにSをやらせたら…まずいことになると知ったわ…。
危険よ…これは…。
でもまぁ…それからは…。
サディズムな感じを見せずずっと優しいアイリさんで居てくれたから…安心したわよ…。
「でも少しハマりそうだったんじゃない?」
「…………そんなことありませんっ」
END