ピアス リザさん百合夢
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「あれ?ホークアイ中尉、ピアスしてなかったっスか?」
「片方ないから外しているのよ」
「あー、枕で飛んじゃうパターンっスね」
オフィスに戻り、少しして。
ハボック少尉にもピアスがないことを言われた。
「結構気に入ってるピアスだから、帰ったら探そうと思って」
「ピアスも安くないし、見つかるといいっスね」
「そうね、ありがとう」
結構みんな人のことを見てるのね。
私は普段ピアスをしているのにしていない人を見た時、違和感なんて感じるかしら。
メイクが変わったとかならいざ知らず、ピアスまで気付けるかわからない。
そうね、例えばハボック少尉が禁煙したとか。
……さすがに気付くわね。
ブレダ少尉が軍服をピシッと着ているとか。
これも気付くわね…。
ファルマン准尉がちょっと膨よかになるとか。
これこそ気付くわ。
フュリー曹長が眼鏡…気付かないわけないわよね。
マスタング大佐が金髪………想像出来ないけれど、気付かなかったら異常ね…。
意外と気付けるものなのかもしれない。
ただそういう変化に直面していないだけで。
「たのもー!」
突然、オフィスの扉が開いたと思ったら。
「「セイフォード少将!」」
アイリさんが入ってきた。
すぐに敬礼をすれば、片手を上げてくれたので後ろ手を組む。
「!セイフォード少将、ピアス変えたんですか?」
そしてすぐに気付いた。
アイリさんのピアスが今朝のものと違うことに。
「えぇ、変えたの」
「そうなんですね。お似合いです」
「ありがと」
ほら、やっぱり変化に直面すると気付けるものなのよ。
今まで変化がなかっただけというのが証明されたわね。
「今日いらっしゃる予定でした?」
短い会話を終えると、ハボック少尉がアイリさんに問いかけた。
アイリさんは首を横に振って。
「ちょっとした用事があって、サボって来ちゃった」
「「サボ!?!?少将がですか!?!?」」
見事にハボック少尉と言葉が重なった…。
だって、アイリさんが仕事をサボるなんて…。
「私だってたまにはサボりますー」
アイリさんはクスクス笑って、私へ向き直る。
「リザ、これ」
「?なんですか?」
アイリさんから小箱を渡されて、開けてみると。
「…ピアス…」
中にはシンプルなブルーストーンのピアスが入っていた。
「綺麗な石っスね」
「えぇ、サファイアだからね」
「「サファイア!?!?!?」」
ブルーストーンじゃなくてまさかの宝石…。
「今朝、片方だけピアスなくしてたみたいだから。買ってきちゃった」
「そんな…お菓子買ってきたみたいなトーンで宝石を買って来る人がいますか…」
「え?ここにいますよ?」
「そうですね、居ますね。ですがさすがにこんな高価な…」
サファイアなんて、一体いくらしたのよもう…。
「あまり高くないわよ、これ。石自体は小さいものだしね」
「…それでも……ん?」
申し訳ない、と思いピアスを見た時に。
「…このピアス…何か書いて…」
本当に小さくだけれど、何か書かれている。
「それね」
アイリさんはクスクス笑って。
「私の錬金術である“雷鳴”の図版を刻み込んだの」
そう言った。
「え?ら、雷鳴の図版…ですか…!?」
うそ。
構築式じゃなくて、図版?
錬金術師にとって、自身の錬金術の図版は命とも言えるもの。
だって、それを解読されたら“雷鳴”の錬金術が暴かれてしまうのだから。
それを。
このピアスに…?
「ちょ、ちょっと中尉見せてください!」
「ダメよ、絶対見せられないわ」
「ふふっ、見られたところでそんな小さい石に刻まれた図版を解読なんて出来ないわよ」
アイリさんは私を見つめ、綺麗な笑みを浮かべて。
「“あなたは私の命”という想いを込めたんだけど、やっぱり受け取ってもらえない?」
ああ、もう。
ズルい人。
そんなこと言われたら、受け取れないわけないじゃない。
「…本当に…いいんですか…?」
「ん、リザに付けて欲しいな」
私はピアスを取り、両耳に付けた。
「可愛い、似合ってる」
アイリさんは私の頬に触れて、嬉しそうに笑う。
「ありが「あ、それ」…なに、ハボック少尉」
私の言葉を遮るようにハボック少尉が声を上げて。
「一緒っスね、少将と中尉のピアス」
私とアイリさんを交互に見た。
「え?」
きょとんとする私に、アイリさんはまたクスクス笑って。
「お揃いの何か欲しいなって思っていて、丁度ピアスなくしてたからピアスをお揃いにしたの」
私の耳たぶに触れた。
「………」
「リザ?」
私は俯き、クリップボードで顔を隠して蹲る。
「……っ」
待って。
「っっっ」
待って。
心の準備が全然出来てないの。
それなのに、突然お揃い?
ピアスが違うことには気付けたのに。
お揃いであることに気付けなかった。
だって、だって。
本当に突然なんだもの。
もう心臓が破裂しそう。
顔から火が出そう。
「…耳まで真っ赤にして悶えてる中尉なんて初めて見た…」
「ふふっ、可愛いでしょ?」
アイリさんも屈み、私を抱き締めてくれて。
「くれぐれも手を出さないでね?手を出したら雷が落ちるからね?」
「雷が落ちる前に俺の額に穴が空きます」
「確かに!」
ポンポン、と背中を優しく叩いて落ち着かせてくれた。
今朝なくしたお気に入りだったピアスがどうでもよくなって。
今付けているピアスがかつてないくらい気に入ってしまった。
絶対に無くさない。
外したくないから、もしまた飛んでしまったら死に物狂いで探して必ず見つけるから。
後にレベッカがピアスに気付いて。
「あんたのそのピアス綺麗ー」
「サファイアなんですって」
「え゙?“なんですって”って何それまさか贈り物なの!?」
「セイフォード少将が、仕事をサボってまで買って来てくださったの。しかもお揃いなのよ?」
「……珍しく自慢してる。ちょっと触らせて」
ガウンッ
「触らないで。これは安易に触っていいピアスじゃないの」
「だからって発砲することないじゃない!!」
「あなたが悪いわ」
触ってこようとしたのを死守しました。
「相当気に入ってくれたみたいでよかった」
「なんでしょうね、お気に入りとかそういう次元じゃないんですもう。なんでしょう……命?」
「あは!可愛いなぁもう!」
END
「あれ?ホークアイ中尉、ピアスしてなかったっスか?」
「片方ないから外しているのよ」
「あー、枕で飛んじゃうパターンっスね」
オフィスに戻り、少しして。
ハボック少尉にもピアスがないことを言われた。
「結構気に入ってるピアスだから、帰ったら探そうと思って」
「ピアスも安くないし、見つかるといいっスね」
「そうね、ありがとう」
結構みんな人のことを見てるのね。
私は普段ピアスをしているのにしていない人を見た時、違和感なんて感じるかしら。
メイクが変わったとかならいざ知らず、ピアスまで気付けるかわからない。
そうね、例えばハボック少尉が禁煙したとか。
……さすがに気付くわね。
ブレダ少尉が軍服をピシッと着ているとか。
これも気付くわね…。
ファルマン准尉がちょっと膨よかになるとか。
これこそ気付くわ。
フュリー曹長が眼鏡…気付かないわけないわよね。
マスタング大佐が金髪………想像出来ないけれど、気付かなかったら異常ね…。
意外と気付けるものなのかもしれない。
ただそういう変化に直面していないだけで。
「たのもー!」
突然、オフィスの扉が開いたと思ったら。
「「セイフォード少将!」」
アイリさんが入ってきた。
すぐに敬礼をすれば、片手を上げてくれたので後ろ手を組む。
「!セイフォード少将、ピアス変えたんですか?」
そしてすぐに気付いた。
アイリさんのピアスが今朝のものと違うことに。
「えぇ、変えたの」
「そうなんですね。お似合いです」
「ありがと」
ほら、やっぱり変化に直面すると気付けるものなのよ。
今まで変化がなかっただけというのが証明されたわね。
「今日いらっしゃる予定でした?」
短い会話を終えると、ハボック少尉がアイリさんに問いかけた。
アイリさんは首を横に振って。
「ちょっとした用事があって、サボって来ちゃった」
「「サボ!?!?少将がですか!?!?」」
見事にハボック少尉と言葉が重なった…。
だって、アイリさんが仕事をサボるなんて…。
「私だってたまにはサボりますー」
アイリさんはクスクス笑って、私へ向き直る。
「リザ、これ」
「?なんですか?」
アイリさんから小箱を渡されて、開けてみると。
「…ピアス…」
中にはシンプルなブルーストーンのピアスが入っていた。
「綺麗な石っスね」
「えぇ、サファイアだからね」
「「サファイア!?!?!?」」
ブルーストーンじゃなくてまさかの宝石…。
「今朝、片方だけピアスなくしてたみたいだから。買ってきちゃった」
「そんな…お菓子買ってきたみたいなトーンで宝石を買って来る人がいますか…」
「え?ここにいますよ?」
「そうですね、居ますね。ですがさすがにこんな高価な…」
サファイアなんて、一体いくらしたのよもう…。
「あまり高くないわよ、これ。石自体は小さいものだしね」
「…それでも……ん?」
申し訳ない、と思いピアスを見た時に。
「…このピアス…何か書いて…」
本当に小さくだけれど、何か書かれている。
「それね」
アイリさんはクスクス笑って。
「私の錬金術である“雷鳴”の図版を刻み込んだの」
そう言った。
「え?ら、雷鳴の図版…ですか…!?」
うそ。
構築式じゃなくて、図版?
錬金術師にとって、自身の錬金術の図版は命とも言えるもの。
だって、それを解読されたら“雷鳴”の錬金術が暴かれてしまうのだから。
それを。
このピアスに…?
「ちょ、ちょっと中尉見せてください!」
「ダメよ、絶対見せられないわ」
「ふふっ、見られたところでそんな小さい石に刻まれた図版を解読なんて出来ないわよ」
アイリさんは私を見つめ、綺麗な笑みを浮かべて。
「“あなたは私の命”という想いを込めたんだけど、やっぱり受け取ってもらえない?」
ああ、もう。
ズルい人。
そんなこと言われたら、受け取れないわけないじゃない。
「…本当に…いいんですか…?」
「ん、リザに付けて欲しいな」
私はピアスを取り、両耳に付けた。
「可愛い、似合ってる」
アイリさんは私の頬に触れて、嬉しそうに笑う。
「ありが「あ、それ」…なに、ハボック少尉」
私の言葉を遮るようにハボック少尉が声を上げて。
「一緒っスね、少将と中尉のピアス」
私とアイリさんを交互に見た。
「え?」
きょとんとする私に、アイリさんはまたクスクス笑って。
「お揃いの何か欲しいなって思っていて、丁度ピアスなくしてたからピアスをお揃いにしたの」
私の耳たぶに触れた。
「………」
「リザ?」
私は俯き、クリップボードで顔を隠して蹲る。
「……っ」
待って。
「っっっ」
待って。
心の準備が全然出来てないの。
それなのに、突然お揃い?
ピアスが違うことには気付けたのに。
お揃いであることに気付けなかった。
だって、だって。
本当に突然なんだもの。
もう心臓が破裂しそう。
顔から火が出そう。
「…耳まで真っ赤にして悶えてる中尉なんて初めて見た…」
「ふふっ、可愛いでしょ?」
アイリさんも屈み、私を抱き締めてくれて。
「くれぐれも手を出さないでね?手を出したら雷が落ちるからね?」
「雷が落ちる前に俺の額に穴が空きます」
「確かに!」
ポンポン、と背中を優しく叩いて落ち着かせてくれた。
今朝なくしたお気に入りだったピアスがどうでもよくなって。
今付けているピアスがかつてないくらい気に入ってしまった。
絶対に無くさない。
外したくないから、もしまた飛んでしまったら死に物狂いで探して必ず見つけるから。
後にレベッカがピアスに気付いて。
「あんたのそのピアス綺麗ー」
「サファイアなんですって」
「え゙?“なんですって”って何それまさか贈り物なの!?」
「セイフォード少将が、仕事をサボってまで買って来てくださったの。しかもお揃いなのよ?」
「……珍しく自慢してる。ちょっと触らせて」
ガウンッ
「触らないで。これは安易に触っていいピアスじゃないの」
「だからって発砲することないじゃない!!」
「あなたが悪いわ」
触ってこようとしたのを死守しました。
「相当気に入ってくれたみたいでよかった」
「なんでしょうね、お気に入りとかそういう次元じゃないんですもう。なんでしょう……命?」
「あは!可愛いなぁもう!」
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