ピアス リザさん百合夢
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当時、アイリさんがまだ大佐だった頃。
祖父の計らいで一度だけ士官学校に指導しに来てくれた時。
私の狙撃を見事なものだと褒めてくれて。
下ばかり見ていた私に、“前を向く理由”をくれたあの日。
『…あんな一瞬で錬成するなんて…』
私にくださった拳銃の手入れをしながら、なんてすごい人だろうとさらに憧れた。
士官学校以来、次にちゃんとお会いしたのはイシュヴァール殲滅戦後、グラマン中将に呼ばれて東方司令部にいらっしゃった時なのだけど。
その前から私は度々アイリさんの姿を見ていた。
中央司令部で忙しそうにしていたアイリさん。
当時は中佐だったクレミン准将にお説教している姿や、レイブン中将のセクハラ紛いのボディタッチをはっきりと“セクハラですよ”と笑顔で伝えている姿など。
やっぱり格好良いなと思った。
女性士官から絶大な支持があったり、その優しさと親しみやすさで多くの女性士官たちの相談を受けたりして。
アイリさんの副官も大変だろうと思っていれば、なんと副官を付けていなくて。
マスタング大佐に聞くと。
『自分の忙しさに振り回されるのは可哀想だから付けないらしいよ』
とのことで。
ますます憧れたわよ。
で、ある時にマスタング大佐の査定で中央司令部へ訪れた時。
『(あ…)』
前方から書類を見ながら歩いているアイリさんが来て。
マスタング大佐が声を掛けようとすれば、部下に呼ばれたらしく部下のほうへと顔を向けた。
私たちには気付かず、部下と会話をしていて。
『邪魔はしないほうがいいか』
『ですね』
仕事の邪魔をしないよう、声をかけずに踵を返して。
チラッとアイリさんへ振り返った時に見えたピアスが。
『(ピアスもいいかも)』
ピアスいいな、と思った瞬間だった。
「と、いうこと」
「へー!セイフォード少将がきっかけだったのね」
私がピアスを開けた理由は特別な理由ではなくて、実に単純。
髪の毛を伸ばしたのは、昔リゼンブールで出会った女の子を見てロングヘアもいいかも、と思っただけで。
“いいかも”というだけの、単純な理由。
「でも、ピアスなんてそこら辺の人だってしてるじゃない?」
「そうだけど、セイフォード少将のピアスが目に入って印象に残ったんだもの」
レベッカの言わんとすることもわかるけれど、きっかけはやっぱりアイリさんだから。
「もしかしたらあんた、その頃からセイフォード少将を意識してたのかもねー」
なんてニヤニヤ笑われたわ…。
「な…そ…んなこと…は……」
ないとは…言い切れない…気もしなくもなくはない…。
だって、憧れの人と会話をしたいと思うのは普通でしょ?
まさか恋人になれるなんて思いもしなかったけれど…。
「さて!そろそろ戻りましょうか」
「!そうね」
いい時間だし、そろそろ戻らないと。
「じゃあリザ、またね」
「えぇ、また」
レベッカとは部署が違うから、私たちは食堂で別れた。
「…アイリさん、グラマン中将に呼ばれて来ないかしら」
今朝まで一緒だったのだけど、会いたいものは会いたい。
なんて我が儘が通るわけないわよね。
「切り替えないと」
取ったピアスをズボンのポケットに入れて、私はオフィスへと戻った。
.
当時、アイリさんがまだ大佐だった頃。
祖父の計らいで一度だけ士官学校に指導しに来てくれた時。
私の狙撃を見事なものだと褒めてくれて。
下ばかり見ていた私に、“前を向く理由”をくれたあの日。
『…あんな一瞬で錬成するなんて…』
私にくださった拳銃の手入れをしながら、なんてすごい人だろうとさらに憧れた。
士官学校以来、次にちゃんとお会いしたのはイシュヴァール殲滅戦後、グラマン中将に呼ばれて東方司令部にいらっしゃった時なのだけど。
その前から私は度々アイリさんの姿を見ていた。
中央司令部で忙しそうにしていたアイリさん。
当時は中佐だったクレミン准将にお説教している姿や、レイブン中将のセクハラ紛いのボディタッチをはっきりと“セクハラですよ”と笑顔で伝えている姿など。
やっぱり格好良いなと思った。
女性士官から絶大な支持があったり、その優しさと親しみやすさで多くの女性士官たちの相談を受けたりして。
アイリさんの副官も大変だろうと思っていれば、なんと副官を付けていなくて。
マスタング大佐に聞くと。
『自分の忙しさに振り回されるのは可哀想だから付けないらしいよ』
とのことで。
ますます憧れたわよ。
で、ある時にマスタング大佐の査定で中央司令部へ訪れた時。
『(あ…)』
前方から書類を見ながら歩いているアイリさんが来て。
マスタング大佐が声を掛けようとすれば、部下に呼ばれたらしく部下のほうへと顔を向けた。
私たちには気付かず、部下と会話をしていて。
『邪魔はしないほうがいいか』
『ですね』
仕事の邪魔をしないよう、声をかけずに踵を返して。
チラッとアイリさんへ振り返った時に見えたピアスが。
『(ピアスもいいかも)』
ピアスいいな、と思った瞬間だった。
「と、いうこと」
「へー!セイフォード少将がきっかけだったのね」
私がピアスを開けた理由は特別な理由ではなくて、実に単純。
髪の毛を伸ばしたのは、昔リゼンブールで出会った女の子を見てロングヘアもいいかも、と思っただけで。
“いいかも”というだけの、単純な理由。
「でも、ピアスなんてそこら辺の人だってしてるじゃない?」
「そうだけど、セイフォード少将のピアスが目に入って印象に残ったんだもの」
レベッカの言わんとすることもわかるけれど、きっかけはやっぱりアイリさんだから。
「もしかしたらあんた、その頃からセイフォード少将を意識してたのかもねー」
なんてニヤニヤ笑われたわ…。
「な…そ…んなこと…は……」
ないとは…言い切れない…気もしなくもなくはない…。
だって、憧れの人と会話をしたいと思うのは普通でしょ?
まさか恋人になれるなんて思いもしなかったけれど…。
「さて!そろそろ戻りましょうか」
「!そうね」
いい時間だし、そろそろ戻らないと。
「じゃあリザ、またね」
「えぇ、また」
レベッカとは部署が違うから、私たちは食堂で別れた。
「…アイリさん、グラマン中将に呼ばれて来ないかしら」
今朝まで一緒だったのだけど、会いたいものは会いたい。
なんて我が儘が通るわけないわよね。
「切り替えないと」
取ったピアスをズボンのポケットに入れて、私はオフィスへと戻った。
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