BBQ リザさん百合夢

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「中尉ー!こっちっスー!」

仕事を終え、一度帰宅してから川辺へ訪れた私。

結っていた髪を解き、タイトなロングスカートに白いジャケットというラフな格好で。

ハボック少尉たちも私服になっていた。

「…あの炭はなに?」

ハボック少尉たちに歩み寄り、視界に入ったのは消し炭になったコンロだったもの…。

「…あれはだな…」

大佐が気まずそうに視線を逸らす。

「大佐が“火は私に任せたまえ”なんてほざくから任せたらあんなことに…」

急遽買いに行かせてやったっスよ、と。

ハボック少尉とブレダ少尉は大佐を睨んだ。

私は苦笑を零し、周りを見る。

「ファルマン准尉たちはまだなのね?」

「多分もう少しで来ると「お待たせしましたー!」

と、言っている間にフュリー曹長たちがやってきた。

「おー!いろんな酒買ってきたな!」

「ビールは欠かせませんし、肉もどれも諦められなくて…!」

「美味そー!さっそく焼こうぜ!」

「[#dn=2#]少将が来る頃には良い感じに焼けてるだろ!」

[#dn=1#]さんは遅れて参加だから、先に始めていてもいいのだけれど。

ビールを飲むのは[#dn=1#]さんが到着してから乾杯したい、というのが伝わってきて。

私まで嬉しくなってしまう。

ジュージューと音を立てて、美味しそうに焼けていく。

ハボック少尉たちは楽しそうに話を弾ませ、賑やかで。

たちまち“ああ、楽しいな”って思える雰囲気になった。

「はい!中尉、皿とフォークです!」

「!ありがとう」

フュリー曹長が私の前にお皿とフォークを置く。

そこに。




「お待たせー!」



遠くから、[#dn=1#]さんの声が聞こえてきて。

「[#dn=2#]少………将………」

私は[#dn=1#]さんのほうを見て固まった。

「来たっスね![#dn=2#]…少将………」

「「「「………」」」」

みんなも[#dn=1#]さんのほうを見て固まった…。

なぜかというと。

「ごめんごめん!着替えに戻ったら遅くなっちゃった!」

[#dn=1#]さんは普段下ろしている髪を一本に結い上げていて。

動体視力を休ませるために眼鏡をかけていて。

白いワイシャツに黒いクロップドパンツに、歩きやすそうなクロスストラップのヒールサンダルで。

至ってシンプルな服装だけれど。

「……[#dn=2#]少将、バーベキューなんてやめて二人きりで食事でもどうですか?」

「いや俺とどうっスか!?」

「いやいや俺っスよね!?」

「ぼ、僕も…!」

「私も[#dn=2#]少将と食事に行きたいですな」

とてもカッコ良く、綺麗な私服姿で…。

みんな[#dn=1#]さんに詰め寄り出した。

「人生最大のモテ期が来たわね」

[#dn=1#]さんはクスクス笑って、私の隣に立って。

「私には好き好き大好きな恋人さんがいるからごめんなさーい」

ね?と、私に笑みをくれた。

可愛い…。

「こ、恋人の前で恋人を口説くなんてどういう了見をしてるんですか、あなたたちは」

でもダメよ。

いつもみたいに[#dn=1#]さんに絆されちゃダメ。

みんながいるんだから、ここではみんなのイメージ通りの“毅然と立ち振る舞うホークアイ中尉”でいないと。

「いやつい本能的に…」

「発情したの?」

「していいんすか!?」

「ダメに決まってるでしょう?[#dn=2#]少将も、変に煽らないでください」

「はーい」

なんてやり取りをして。

「ビール行き渡りましたかー!?」

「「「おー!!」」」

「ビールは2杯までですからね、[#dn=2#]少将」

「いやー!もっと飲みたーいカンパーイ!」

「「「「カンパーイ!!」」」

ということで、バーベキューが始まった。


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