想いの在処 リザさん百合夢
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数日後のことだった。
「なにかしら、これ」
朝出勤すれば、私のデスクに“重要”と書かれたA4サイズの封筒が置かれていた。
私の名前は記載されているけれど、差出人の名前はない。
「なんスかね、それ」
ハボック少尉も気になるみたいで。
「なんかやらかしました?」
ニヤニヤ笑っている。
「まったく心当たりがないわね…」
とりあえず開けてみましょうか。
ペーパーナイフで封筒を開けて。
中を見る。
封筒の中には書類が一枚。
カサカサと音を立てて書類を確認すれば。
「「……人事異動!?」」
人事異動の書類だった。
「な、なんだそれ…!!人事異動って…ッ」
内容を見ると。
「……“リザ・ホークアイ中尉を南方司令部勤務とする”……」
「理由は!?」
「……」
…ゼイオン中将の名前がある。
“これを見られたゼイオン中将が、あなたに何もしないなんて有り得ない”
セイフォード少将のあの言葉を思い出す。
…ゼイオン中将がついに動いたということね。
「ホークアイ中尉!これグラマン中将に報告したほうがいいっスよ!!」
「…グラマン中将に…」
グラマン中将に報告?
ダメよ。
だって、報告してしまうとセイフォード少将がゼイオン中将と寝ていたことがバレてしまう。
セイフォード少将は“グラマン中将には言わないで”と言っていたから。
グラマン中将に知られるわけにはいかない。
でも受け入れることなんて出来ない。
私にはマスタング大佐の背中を守る使命があるんだから。
私ではどうすることも出来ない強い権力に、どうすることが正解なのかを考えていた時。
「ふーん、ついに動き出したってわけか」
背後からセイフォード少将の声が聞こえて。
「「…!!」」
バッと書類を奪われた。
「セイフォード少将!!」
「面白いじゃない」
セイフォード少将は書類を見ながらオフィスから出て行く。
「セイフォード少将、なんか事情知って…って中尉!?」
ハボック少尉の言葉を背中で聞き、セイフォード少将を追う。
「セイフォード少将!待ってください!!」
「んー?」
カツンカツンと音を立て、自分の執務室へ向かってる。
「それは私宛に届いたもので、セイフォード少将は関係してません!」
「明らかに関係してるけど」
「っしてません!返してください!!」
執務室の中に入って、セイフォード少将は黒いコートを羽織って。
「あなたに何とか出来るの?これ」
振り返り、書類をヒラヒラ揺らす。
「そ、それは…」
「理由は適当なこと書いてあるけど、正式な人事異動の書類よ、これは。」
わかってる。
私ではどうにも出来ない強い権力が動いていることくらいわかってる。
「この権力に抗う術を、あなたは持っているの?」
「……っ」
持っていない。
「私のことを話しても構わないわ。でも、軍上層部は尉官のあなたの言葉では動かせないくらいゼイオン中将への信頼が厚いの」
私が声を上げても、私の言葉よりもゼイオン中将の言葉のほうが強い。
セイフォード少将のことを話したって信用なんてしてくれず、逆にゼイオン中将を陥れようとしていると判断されるだけ。
「対する私は、ゼイオン中将より信用されているわ。というか当事者なんだから私が出た方が早いのよね」
セイフォード少将はクスクス笑う。
「……っですが…っ」
「まだ何か言いたいことあるの?」
私は拳を握って。
「あなたは…傷つきませんか…?」
そう問う。
「え?」
セイフォード少将が首を傾げる。
「…ゼイオン中将に…また…傷つけられませんか…?」
あなたが傷ついてしまうかもしれない。
ゼイオン中将に、傷つけられてしまうかもしれない。
あの男は中将で、セイフォード少将は少将だから。
階級はゼイオン中将のほうが高いから。
「…!!」
セイフォード少将の目が見開かれる。
「…ゼイオン中将に…」
無理やり…。
セイフォード少将は目を閉じて。
「…私のことよりも、自分の心配をしなさいって言ったでしょ?」
小さく笑う。
カツン、と一歩歩み寄って来て。
「大丈夫よ、ありがとう。」
私の顎に手を添え、額にキスを落とした。
「っセ「じゃあ、中央へ行って来るわね」
すぐに離れ、執務室から出て行ってしまった。
顔は見えなかった。
どんな顔をしていたの?
どんな表情で、私の額にキスをしてくれたの?
「……」
セイフォード少将の唇が触れた額に触れて。
「……好きです…少将…」
今は居ないセイフォード少将へと愛の言葉を囁いた。
あなたにこの想いを伝えたら。
あなたはどう答えてくれますか?
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数日後のことだった。
「なにかしら、これ」
朝出勤すれば、私のデスクに“重要”と書かれたA4サイズの封筒が置かれていた。
私の名前は記載されているけれど、差出人の名前はない。
「なんスかね、それ」
ハボック少尉も気になるみたいで。
「なんかやらかしました?」
ニヤニヤ笑っている。
「まったく心当たりがないわね…」
とりあえず開けてみましょうか。
ペーパーナイフで封筒を開けて。
中を見る。
封筒の中には書類が一枚。
カサカサと音を立てて書類を確認すれば。
「「……人事異動!?」」
人事異動の書類だった。
「な、なんだそれ…!!人事異動って…ッ」
内容を見ると。
「……“リザ・ホークアイ中尉を南方司令部勤務とする”……」
「理由は!?」
「……」
…ゼイオン中将の名前がある。
“これを見られたゼイオン中将が、あなたに何もしないなんて有り得ない”
セイフォード少将のあの言葉を思い出す。
…ゼイオン中将がついに動いたということね。
「ホークアイ中尉!これグラマン中将に報告したほうがいいっスよ!!」
「…グラマン中将に…」
グラマン中将に報告?
ダメよ。
だって、報告してしまうとセイフォード少将がゼイオン中将と寝ていたことがバレてしまう。
セイフォード少将は“グラマン中将には言わないで”と言っていたから。
グラマン中将に知られるわけにはいかない。
でも受け入れることなんて出来ない。
私にはマスタング大佐の背中を守る使命があるんだから。
私ではどうすることも出来ない強い権力に、どうすることが正解なのかを考えていた時。
「ふーん、ついに動き出したってわけか」
背後からセイフォード少将の声が聞こえて。
「「…!!」」
バッと書類を奪われた。
「セイフォード少将!!」
「面白いじゃない」
セイフォード少将は書類を見ながらオフィスから出て行く。
「セイフォード少将、なんか事情知って…って中尉!?」
ハボック少尉の言葉を背中で聞き、セイフォード少将を追う。
「セイフォード少将!待ってください!!」
「んー?」
カツンカツンと音を立て、自分の執務室へ向かってる。
「それは私宛に届いたもので、セイフォード少将は関係してません!」
「明らかに関係してるけど」
「っしてません!返してください!!」
執務室の中に入って、セイフォード少将は黒いコートを羽織って。
「あなたに何とか出来るの?これ」
振り返り、書類をヒラヒラ揺らす。
「そ、それは…」
「理由は適当なこと書いてあるけど、正式な人事異動の書類よ、これは。」
わかってる。
私ではどうにも出来ない強い権力が動いていることくらいわかってる。
「この権力に抗う術を、あなたは持っているの?」
「……っ」
持っていない。
「私のことを話しても構わないわ。でも、軍上層部は尉官のあなたの言葉では動かせないくらいゼイオン中将への信頼が厚いの」
私が声を上げても、私の言葉よりもゼイオン中将の言葉のほうが強い。
セイフォード少将のことを話したって信用なんてしてくれず、逆にゼイオン中将を陥れようとしていると判断されるだけ。
「対する私は、ゼイオン中将より信用されているわ。というか当事者なんだから私が出た方が早いのよね」
セイフォード少将はクスクス笑う。
「……っですが…っ」
「まだ何か言いたいことあるの?」
私は拳を握って。
「あなたは…傷つきませんか…?」
そう問う。
「え?」
セイフォード少将が首を傾げる。
「…ゼイオン中将に…また…傷つけられませんか…?」
あなたが傷ついてしまうかもしれない。
ゼイオン中将に、傷つけられてしまうかもしれない。
あの男は中将で、セイフォード少将は少将だから。
階級はゼイオン中将のほうが高いから。
「…!!」
セイフォード少将の目が見開かれる。
「…ゼイオン中将に…」
無理やり…。
セイフォード少将は目を閉じて。
「…私のことよりも、自分の心配をしなさいって言ったでしょ?」
小さく笑う。
カツン、と一歩歩み寄って来て。
「大丈夫よ、ありがとう。」
私の顎に手を添え、額にキスを落とした。
「っセ「じゃあ、中央へ行って来るわね」
すぐに離れ、執務室から出て行ってしまった。
顔は見えなかった。
どんな顔をしていたの?
どんな表情で、私の額にキスをしてくれたの?
「……」
セイフォード少将の唇が触れた額に触れて。
「……好きです…少将…」
今は居ないセイフォード少将へと愛の言葉を囁いた。
あなたにこの想いを伝えたら。
あなたはどう答えてくれますか?
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