想いの在処 リザさん百合夢

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翌日、お昼。

「……この状況はなに?」

「え?何とは何でしょう」

「…なぜあなたたちもいるの」

昨日言った通り、[#dn=2#]少将の執務室まで昼食を届けて。

私とレベッカも一緒に執務室で摂ることにした。

レベッカはカチコチに緊張しているけれど。

「お一人で食べるのは寂しいでしょう?」

「子供じゃないけど」

「寂しさに大人とか子供なんて関係ありません」

「…リザ…あんたちょっと口を慎みなよ…」

私の物言いに、レベッカは顔を真っ青にさせる。

「……」

[#dn=2#]少将は眉間に皺を寄せて、立ち上がってトレーを持って。

「「!!」」

私たちの向かい側に座った。

「カタリナ少尉、だったわよね」

「ッは、はい!」

突然名前を言われ、立ち上がったレベッカ。

「「……」」

それをきょとんと見つめる私と[#dn=2#]少将。

「座っていいわよ」

「はい!!」

[#dn=2#]少将がフォークを持って。

「あなたとホークアイ中尉は同期なのかしら」

「あ、はい。レベッカは同期で友人です」

カチカチに固まったレベッカの代わりに答えれば。

「そう。あなたも大変ね。こんな頭の固い子が同期だなんて」

嫌味を一つ、言ってきた。

「え!?」

「いえ、私の頭が固いのではなく[#dn=2#]少将の頭が固すぎるんです」

「そんなことないわよ。命令違反も簡単にするくせに」

「命令違反させるのは[#dn=2#]少将ですからね」

ジト目で睨み合う私たち。

でもそこには嫌な気持ちなんて一つもなくて。

逆に、[#dn=2#]少将とこんなに親しく会話が出来ることに喜びすら感じるわ。

「……」

レベッカが私と[#dn=2#]少将を交互に見つめて。

「……なんか、[#dn=2#]少将ってリザに敵いません…か…?」

[#dn=2#]少将が私に口で負けていることに、驚いていた。

「いえ、そんなことないわ。」

「昨日、あなたには敵わないって仰ってましたよ」

「あなたはちょっと黙ってて。今はカタリナ少尉と話しているの」

またジト目で睨み合って。


「「ふふっ」」


お互いにクスクス笑う。

「………可愛い…」

レベッカが[#dn=2#]少将の笑みを見て、小さく呟く。

…しまったわ。

見せたくなかった[#dn=2#]少将の笑みを見られてしまった…。

でもその笑みを見て、レベッカの緊張も解けたみたい。

それからは、レベッカも交えて他愛のない会話をして。

「では、失礼しました」

「えぇ」

昼食を終えた。



「……あんた、いつから[#dn=2#]少将とあんな良い感じになってたの?」

「色々あったのよ」

[#dn=2#]少将の分の食器も持って、食堂へ返しに行く。

「なんか[#dn=2#]少将のイメージ激変したんだけど」

厳しくもあり、冷たくもあったのは。

自分がしていたことを知られたくなかったから。

誰にも関わってほしくなくて。

誰にも近付いてほしくなかった。


でも、本当は。


気づいて、止めて欲しかった。

気味悪がられても、自分がしていることは間違いだと言って欲しかった。



知られたくないのに気づいて欲しい。



その葛藤の中で、ずっと苦しんでいた。

「気軽に声をかけても、もう無視はされないわよきっと」

「そうね。これからは見かけたら声をかけていくわ」

これからの[#dn=2#]少将の評判も、きっと良くなるはず。

もしあの方を悪く言う人がいれば、それは間違いで“本当は優しい方”だと教えてあげればいい。

「さーてと。じゃあね、リザ」

「えぇ、またねレベッカ」

食器を返して、レベッカとはまた別の方向へ歩き出す。

「……でも大佐が[#dn=2#]少将の優しさを知ったらサボり始めそうね…」

大佐には気付かれるまで秘密にしておかないと…。


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