想いの在処 リザさん百合夢
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「どうだった?セイフォード少将とゼイオン中将」
「え?ああ、勘違いだったみたい」
給湯室で、またレベッカと話す。
「やっぱり?ゼイオン中将は優しい方だもんねー」
優しい方なんかじゃないわよ。
あの男は、セイフォード少将のお父さんの情報を理由にセックスを強要していたんだから。
でもそれは、こんな場所で話すことじゃない。
今度レベッカと出掛けることがあれば、話そうかしら。
「優しいと言えば、今朝ゼイオン中将が来てたの知ってる?」
「え?」
ゼイオン中将が?
…昨夜、セイフォード少将がゼイオン中将のところに行かなかったから?
「珍しく怒ってる感じだったらしいわよ」
セイフォード少将、何か失礼なことしたのかな。なんてレベッカは顎に手を添えた。
朝に会った時は何も異変はなかった…。
それよりも前に来てたってこと?
「……そう」
コーヒーを入れて、トレーに置いて。
「じゃあレベッカ、ちゃんと仕事しなさいね」
「え!?もう行くの!?」
足早に給湯室を出た。
セイフォード少将、大丈夫なのかしら。
何かされてない?
…また無理やり抱かれたりなんかしてないわよね?
執務室前。
深呼吸をして。
コンコン
「ホークアイ中尉です。コーヒーをお持ちしました」
ノックをした。
『いいわよ』
許可が降りたので、扉を開けて入る。
セイフォード少将はいつものように、書類と睨めっこをしていて。
「どうぞ」
邪魔にならないように、デスクに置いた。
「……ありがと」
コーヒーをお出しして初めてお礼を言われた。
書類をデスクに置き、コーヒーカップを持つ。
「相変わらずすごい書類ですね」
セイフォード少将が一人でこなすべき仕事なのだろうかと疑いたくなるくらいの量。
「……優秀な部下と上司だからね」
いつもは無視なのに、中央司令部への嫌味を一つ零した。
ゼイオン中将のことを聞いたら、答えてくれるかしら。
「「………」」
静寂が続いて。
やっぱり聞くべきことじゃないわよね。
こうして何もなくいらっしゃるんだし、何もなかったんでしょう。
「…では、失礼「今朝」え?」
私の言葉を遮って、セイフォード少将が口を開く。
「今朝、ゼイオン中将がここに居たわ」
気になっていたことを話し始めた。
「…それで…どうだったんです…?」
グッと拳を握る。
また傷つけられてない?
大丈夫?
「どうもしないわよ。まぁ、もうあなたとは寝ませんって言ったら殴りかかってきたけどね。」
「え!?殴り…っ」
でも、セイフォード少将に怪我はないご様子。
「あなたは強要されたと思っているかもしれないけど、同意の上だから抵抗をしなかっただけ」
だから抵抗すればあんなの簡単に捩じ伏せられる。
と、言った。
強要じゃなくて、同意の上?
あんな傷ついた顔をしていたのに?
あんなに泣きそうな顔をしていたのに?
誰かに止めて欲しかったのに?
そんなの同意の上なんかじゃない。
「…強要です、あれは」
「違うわ。あれはちゃんと「違わなくないですッ!」
自分でもびっくりするくらい、大きな声が出た。
「……ホークアイ中尉?」
セイフォード少将もびっくりして、きょとんとしてる。
「“お父さんの情報”という理由で、あなたから”抵抗をする”という意志を奪った…!しかも結局教えてくれないってことは、もしかしたらお父さんの情報を持っていないかもしれないじゃないですか…!」
あの男は、セイフォード少将の生い立ちを利用した。
「あなたが同意の上だと言っても、私は信用しません。あれは立派な強要で、最低な人間です…!」
セイフォード少将はコーヒーカップを置いて。
「…だから、同意の上なのよ」
小さく笑った。
「…え?」
だから、って…。
どういう…。
「…もしかしたら父の情報なんて本当はないのかもしれないって、思わないわけないでしょ?」
セイフォード少将も、それはちゃんとわかっていた?
わかっていたのに。
じゃあどうして抱かれたの?
どうして情報がないのに、同意したの?
「では…どうして…」
どうして…。
「…“父の情報がある”という言葉に縋りたかった…ただそれだけよ」
もしかしたら、情報がないかもしれない。
もしかしたら、情報はあるかもしれない。
その狭間に揺れて。
“情報がある”ほうへと縋りついた。
そうしてまでも、会いたかったから。
お父さんに。
「まぁ馬鹿なことをしてたとは思ってるわ」
あの男は。
そうしてまで会いたかった、セイフォード少将のお父さんをも利用した。
「……やっぱり、強要じゃないですか」
許せない。
許せない。
セイフォード少将は静かに怒る私を見つめて。
「ありがとね」
クスクスと。
笑った。
ああ。
待って。
ああ。
どうしよう。
待って。
「…っ」
「?どうしたの?」
コテン、と首を傾げるセイフォード少将が可愛らしくて。
–––––好き。
「いえ…あの…失礼しました…」
「いえ」
セイフォード少将はカップを置いて。
「じゃあ、あなたも仕事に戻って」
スッといつものセイフォード少将に戻った。
「は、はい…失礼します…」
敬礼をして、足早に執務室を出た。
「……あんな…笑顔…反則じゃない…?」
私は口を押さえて、ワナワナ震える。
今まで小さく笑うのは見たことあるけど…。
あんな風に笑った顔…反則よ…。
どうしよう…。
私…セイフォード少将のこと…。
「ん?ホークアイ中尉、どうしたんだい?」
「!!」
セイフォード少将への想いに動揺していたら、マスタング大佐が来て私の様子に首を傾げた。
「…いえ、何でもありません。大佐、ちゃんと仕事してください」
「……いや、セイフォード少将に用があってきたんだが…」
どうよう…本当に…。
あんな笑みをされて…好きにならないはずないわよ…。
どうしよう…。
.
「どうだった?セイフォード少将とゼイオン中将」
「え?ああ、勘違いだったみたい」
給湯室で、またレベッカと話す。
「やっぱり?ゼイオン中将は優しい方だもんねー」
優しい方なんかじゃないわよ。
あの男は、セイフォード少将のお父さんの情報を理由にセックスを強要していたんだから。
でもそれは、こんな場所で話すことじゃない。
今度レベッカと出掛けることがあれば、話そうかしら。
「優しいと言えば、今朝ゼイオン中将が来てたの知ってる?」
「え?」
ゼイオン中将が?
…昨夜、セイフォード少将がゼイオン中将のところに行かなかったから?
「珍しく怒ってる感じだったらしいわよ」
セイフォード少将、何か失礼なことしたのかな。なんてレベッカは顎に手を添えた。
朝に会った時は何も異変はなかった…。
それよりも前に来てたってこと?
「……そう」
コーヒーを入れて、トレーに置いて。
「じゃあレベッカ、ちゃんと仕事しなさいね」
「え!?もう行くの!?」
足早に給湯室を出た。
セイフォード少将、大丈夫なのかしら。
何かされてない?
…また無理やり抱かれたりなんかしてないわよね?
執務室前。
深呼吸をして。
コンコン
「ホークアイ中尉です。コーヒーをお持ちしました」
ノックをした。
『いいわよ』
許可が降りたので、扉を開けて入る。
セイフォード少将はいつものように、書類と睨めっこをしていて。
「どうぞ」
邪魔にならないように、デスクに置いた。
「……ありがと」
コーヒーをお出しして初めてお礼を言われた。
書類をデスクに置き、コーヒーカップを持つ。
「相変わらずすごい書類ですね」
セイフォード少将が一人でこなすべき仕事なのだろうかと疑いたくなるくらいの量。
「……優秀な部下と上司だからね」
いつもは無視なのに、中央司令部への嫌味を一つ零した。
ゼイオン中将のことを聞いたら、答えてくれるかしら。
「「………」」
静寂が続いて。
やっぱり聞くべきことじゃないわよね。
こうして何もなくいらっしゃるんだし、何もなかったんでしょう。
「…では、失礼「今朝」え?」
私の言葉を遮って、セイフォード少将が口を開く。
「今朝、ゼイオン中将がここに居たわ」
気になっていたことを話し始めた。
「…それで…どうだったんです…?」
グッと拳を握る。
また傷つけられてない?
大丈夫?
「どうもしないわよ。まぁ、もうあなたとは寝ませんって言ったら殴りかかってきたけどね。」
「え!?殴り…っ」
でも、セイフォード少将に怪我はないご様子。
「あなたは強要されたと思っているかもしれないけど、同意の上だから抵抗をしなかっただけ」
だから抵抗すればあんなの簡単に捩じ伏せられる。
と、言った。
強要じゃなくて、同意の上?
あんな傷ついた顔をしていたのに?
あんなに泣きそうな顔をしていたのに?
誰かに止めて欲しかったのに?
そんなの同意の上なんかじゃない。
「…強要です、あれは」
「違うわ。あれはちゃんと「違わなくないですッ!」
自分でもびっくりするくらい、大きな声が出た。
「……ホークアイ中尉?」
セイフォード少将もびっくりして、きょとんとしてる。
「“お父さんの情報”という理由で、あなたから”抵抗をする”という意志を奪った…!しかも結局教えてくれないってことは、もしかしたらお父さんの情報を持っていないかもしれないじゃないですか…!」
あの男は、セイフォード少将の生い立ちを利用した。
「あなたが同意の上だと言っても、私は信用しません。あれは立派な強要で、最低な人間です…!」
セイフォード少将はコーヒーカップを置いて。
「…だから、同意の上なのよ」
小さく笑った。
「…え?」
だから、って…。
どういう…。
「…もしかしたら父の情報なんて本当はないのかもしれないって、思わないわけないでしょ?」
セイフォード少将も、それはちゃんとわかっていた?
わかっていたのに。
じゃあどうして抱かれたの?
どうして情報がないのに、同意したの?
「では…どうして…」
どうして…。
「…“父の情報がある”という言葉に縋りたかった…ただそれだけよ」
もしかしたら、情報がないかもしれない。
もしかしたら、情報はあるかもしれない。
その狭間に揺れて。
“情報がある”ほうへと縋りついた。
そうしてまでも、会いたかったから。
お父さんに。
「まぁ馬鹿なことをしてたとは思ってるわ」
あの男は。
そうしてまで会いたかった、セイフォード少将のお父さんをも利用した。
「……やっぱり、強要じゃないですか」
許せない。
許せない。
セイフォード少将は静かに怒る私を見つめて。
「ありがとね」
クスクスと。
笑った。
ああ。
待って。
ああ。
どうしよう。
待って。
「…っ」
「?どうしたの?」
コテン、と首を傾げるセイフォード少将が可愛らしくて。
–––––好き。
「いえ…あの…失礼しました…」
「いえ」
セイフォード少将はカップを置いて。
「じゃあ、あなたも仕事に戻って」
スッといつものセイフォード少将に戻った。
「は、はい…失礼します…」
敬礼をして、足早に執務室を出た。
「……あんな…笑顔…反則じゃない…?」
私は口を押さえて、ワナワナ震える。
今まで小さく笑うのは見たことあるけど…。
あんな風に笑った顔…反則よ…。
どうしよう…。
私…セイフォード少将のこと…。
「ん?ホークアイ中尉、どうしたんだい?」
「!!」
セイフォード少将への想いに動揺していたら、マスタング大佐が来て私の様子に首を傾げた。
「…いえ、何でもありません。大佐、ちゃんと仕事してください」
「……いや、セイフォード少将に用があってきたんだが…」
どうよう…本当に…。
あんな笑みをされて…好きにならないはずないわよ…。
どうしよう…。
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