想いの在処 リザさん百合夢

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「今日からしばらくの間、彼女がこの東方司令部を統括するからよろしくね」

「…よろしく」

「「「「はっ」」」」


ある日。


東方司令部に[#dn=2#]少将がやってきた。


腰を痛めたグラマン中将の代わりに、[#dn=2#]少将がしばらくの間東方司令部を統括するらしい。

あ、[#dn=2#]少将とは。

[#dn=1#]・[#dn=2#]という名の女性将官で。

“雷鳴の錬金術師”の二つ名を持つ優秀な方。

金色の長い髪と、空色の瞳。

とても綺麗な方なのだけれど、かなり厳しく冷たいと悪評があるの。

「マスタング大佐」

「はっ」

まず、[#dn=2#]少将はマスタング大佐を見て。

「あなたのサボり癖は中央の私の耳にまで届いているわよ?」

「………」

マスタング大佐がダラダラと冷や汗を流す中、今度はハボック少尉を見つめて。

「ハボック少尉、と言ったかしら」

「はい?」

「ボタンが外れているわ。上官を前にしての身だしなみはちゃんとしなさい」

「っ!は、はい…!すんません!」

「ブレダ少尉はボタンすら止まってないわね。」

「っすみません!!」

ハボック少尉とブレダ少尉の身だしなみについて注意した。

「ホークアイ中尉」

「!はっ」

最後に私を見て。

「犬、連れてこないこと」

スッ、と指差した先にはハヤテ号が…。

「はい…すみません…」

ハヤテ号は軍用犬としてでも優秀だから、ついつい連れてきてしまう。

「あなたたちに一つ言っておくわ。」

[#dn=2#]少将は腰に手を当てて。



「私はグラマン中将ほど甘くはないから、その辺覚悟しておいてちょうだい」



そう言い放った。


静まり返るオフィス。


「[#dn=2#]君、威圧しないの。これからしばらくはみんなと一緒なんだからね」


[#dn=2#]少将の言葉を聞いても、グラマン中将はニコニコ笑うだけ。

「グラマン中将が優しすぎるんですよ」

「そんなことないんじゃよ?いたたっ腰が痛い…っ」

なんて会話をしながら、お二方はオフィスを出て行った。


「っ無理だ!まじ無理っス!!」

「よりにもよって[#dn=2#]少将が来るなんて…」

ハボック少尉とブレダ少尉がデスクに手を付き、どっと汗を流す。

「グラマン中将は[#dn=2#]少将を信頼しているからな…」

マスタング大佐も苦笑を零す。

「[#dn=2#]少将のどこに信頼を寄せてるんスかね…」

「ハボック少尉、口を慎みなさい」

私はハヤテ号の頭を撫でて。

「[#dn=2#]少将の仰った通りなんだから」

「「うす…」」

厳しいお方だけれど、間違ったことを言われたわけではない。

「ハヤテ号も、明日からお留守番ね」

「ワン!」

明日から注意されないように、さらに気を引き締めないと。

グラマン中将が任せたお方なんだから。


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