一番 リザさん百合夢
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「はー…生き返るー」
「美味しいですね」
近くの公園内にあるベンチに座り、水鉄砲で遊ぶ子供たちを見つめながらソフトクリームを食べる私たち。
…隣にはもちろんセイフォード少将が座ってて。
ベンチの背もたれに背中を預けて、足を伸ばして組んで。
…“国軍少将”の威厳がなくなる体勢でソフトクリームを食べてる。
…初めて見るセイフォード少将のだらけた姿に驚きつつ、それ以上に嬉しかった。
「マスタング大佐にはどのような御用件なんですか?」
「大した用事でもないんだけど、ちょっと確認したいことがあってね」
書類や電話じゃあれだから、と。
呼び出すわけでもなく、わざわざ出向いてくださったにも関わらず…。
マスタング大佐は逃亡中…。
「ロイ君のサボり癖、ちょっとガツーンと言わないとダメねぇ」
「言っていただけると助かります。本当、すぐサボるんですよ」
「グラマン中将が“そこが彼の良いところだからね”なんて甘やかすからああなるのよね」
やっぱり一度ガツーンと叱っておこう、と言いながら、私のソフトクリームを見つめてきた。
「ストロベリー、美味しい?」
だから。
「はい、美味しいです。食べてみますか?」
普通に言ったの。
セイフォード少将に奢っていただいたソフトクリームだし、違う味も気になるだろうしって思って。
「いいの?」
「はい、どうぞ」
意識なんてしないで、本当に普通に。
セイフォード少将のほうに差し出したソフトクリームを、少将は私の手を掴んで自分が食べやすい角度にして。
「…」
もう片方の手で横髪を押さえて。
「……」
少しだけ舌を出して、静かにソフトクリームに寄せて。
「ん、ストロベリーもおいしー」
少しだけ舐めた。
「………」
どうしよう。
「リザも私の食べてみる?」
これもまた無意識なんだろうけれど。
ソフトクリームを舐めるまでの、あの表情。
ドキドキしてる。
すごくドキドキして。
「リザ?」
「ッ!は、はい、はい。いえ、あの…大丈夫です」
セイフォード少将が私の顔の前で手を振って、我に返ったわ…。
「なぁに、何にそんなに動揺したのよー」
セイフォード少将はまたクスクス笑う。
「いえ、何でもないです」
あなたの表情に興奮しましたなんて言えるわけがない…。
「何でもない感じには見えなかったけどなー」
「少将、早く食べてマスタング大佐を探しましょう」
「話を逸らしたわよね?」
なんて会話をしながらソフトクリームを食べて。
数分で食べ終わって。
「はー…さて、と。ロイ・マスタングの野郎を探しに………」
で、立ち上がろうとしたセイフォード少将の顔面に掛けられた…水…。
「な……」
私は目を見開いてそちらを見ると、子供たちがニヤニヤしながら水鉄砲を構えていて。
セイフォード少将はきょとん顔を浮かべていたら…。
「「!!」」
子供はゴロゴロゴロと転がって、うつ伏せ状態でまたセイフォード少将の顔に水を掛けた。
「……ほーう…」
セイフォード少将はコメカミに青筋を浮かばせて。
髪を掻き上げて…。
髪を…掻き上げる仕草も…好き…。
「ジージー、こちら、セイフォードこちらセイフォード」
セイフォード少将は無線機を口に当てている仕草をして。
「たった今、子供多数軍から攻撃を受けた。直ちに反撃に入る。繰り返す。たった今子供多数軍から攻撃を受けた。直ちに反撃に入る。どうぞ」
「…子供多数軍…」
多国籍軍、を言い換えたのね…。
…これは。
「…こちらホークアイ。了解しました。援護します」
子供の遊びに付き合うってことよね…。
セイフォード少将はニコリと笑み、手を前に出して。
「くらえ!正義のレーザーシャワーガン!」
「「「うわぁあ!!」」」
錬金術でシャワーノズルを造り出し、水鉄砲以上の水量を子供たちに掛け始めた。
「シャワーなんて汚ねぇ!」
「ずるいぞ!!」
キャーキャー逃げ惑いながら、ずるいずるいと叫ぶ子供たち。
「大人はズルくて汚いってことを覚えておきなさい!」
「…そんなわけないじゃないですか…」
あのシャワー、どこから水が出てるのかと思ってシャワーノズルに繋がるホースを辿れば。
…ちゃんと水道から引いていた。
「……」
…背後からそっと近づいて来る子がいる…。
セイフォード少将も気付いているけれど、気づいてないふりをして。
「隙あり!」
「!」
水を掛けられた。
みんな私ではなく、セイフォード少将に水を掛けている。
「やったわね…!もう私に戦いを挑んだことを後悔させてあげる…!」
セイフォード少将はシャワーノズルを分解して、手を前に出して横にスライドさせた瞬間。
「うわ!」
「すげー!!」
「噴水だ!!」
公園内に、子供たちが水遊び出来るような噴水を錬金術で造り上げた。
地面から優しく噴き上げるような、危険のない噴水。
子供たちはたちまち噴水の方へと走って行って、きゃあきゃあ騒ぎながら遊び出した。
「ふふ…上手く騙されてくれたわね」
水を掛けられて怒るどころか、遊んであげる。
子供たちがより楽しめるような噴水を造ってあげる。
錬金術の原則である“等価交換”を無視して。
「誘導されましたね」
この方がなぜ国民に支持されるのか。
改めて納得した。
こんなふうに遊んでくれたら嬉しいわよね。
しかも今日帰ったら、軍人さんが遊んでくれたって両親に報告するだろうし。
どの軍人さんかはわからないかもしれないけど、遅かれ早かれセイフォード少将だと気付くはず。
というか…。
「…セイフォード少将、ずぶ濡れですよ…」
白いブラウスだから…水に濡れて…その…。
し、下着が…っ
「暑かったし、丁度良い「ダメです。今すぐに上着を着てください」
セイフォード少将の上着を取り、押し付けるように渡す。
「えー…だって暑いし…」
「…その…下着が透けて見えてますから…っ!」
そう言うと、セイフォード少将はきょとんとして。
ブラウスの襟元を掴んで。
バチッと錬成反応が起こったかと思えば、セイフォード少将の軍服が乾いていた。
「これでよし」
…錬金術って本当すごいわね…。
「…あまり気にされないんですね」
下着が透けていたことに焦ったりせず、普通にしてる…。
「見られてから焦っても遅いでしょ?」
「そういう問題ですか…」
…本当に、この人は…。
「さて、と。ロイ君探し再開しましょうか」
「はい…」
それから。
街で女性をナンパしていたマスタング大佐を発見して。
「軍法会議の日程だけどね?」
「すみませんすみませんすみません」
「すみませんで済んだら軍人はいらないの、まったく…。いい?ロイ君、次はないわよ?」
「はっ!ありがとうございます!!」
結局マスタング大佐を許して、要件だけを伝えて中央へ帰って行ったわ…。
だから。
「マスタング大佐、セイフォード少将にご迷惑をおかけしすぎです」
「まさかいらっしゃるとは思わなかったよ…」
「あの方の優しさを利用しないでください」
「…あの方が関わると厳しくなるね」
セイフォード少将の代わりに、私が叱っておきました。
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「はー…生き返るー」
「美味しいですね」
近くの公園内にあるベンチに座り、水鉄砲で遊ぶ子供たちを見つめながらソフトクリームを食べる私たち。
…隣にはもちろんセイフォード少将が座ってて。
ベンチの背もたれに背中を預けて、足を伸ばして組んで。
…“国軍少将”の威厳がなくなる体勢でソフトクリームを食べてる。
…初めて見るセイフォード少将のだらけた姿に驚きつつ、それ以上に嬉しかった。
「マスタング大佐にはどのような御用件なんですか?」
「大した用事でもないんだけど、ちょっと確認したいことがあってね」
書類や電話じゃあれだから、と。
呼び出すわけでもなく、わざわざ出向いてくださったにも関わらず…。
マスタング大佐は逃亡中…。
「ロイ君のサボり癖、ちょっとガツーンと言わないとダメねぇ」
「言っていただけると助かります。本当、すぐサボるんですよ」
「グラマン中将が“そこが彼の良いところだからね”なんて甘やかすからああなるのよね」
やっぱり一度ガツーンと叱っておこう、と言いながら、私のソフトクリームを見つめてきた。
「ストロベリー、美味しい?」
だから。
「はい、美味しいです。食べてみますか?」
普通に言ったの。
セイフォード少将に奢っていただいたソフトクリームだし、違う味も気になるだろうしって思って。
「いいの?」
「はい、どうぞ」
意識なんてしないで、本当に普通に。
セイフォード少将のほうに差し出したソフトクリームを、少将は私の手を掴んで自分が食べやすい角度にして。
「…」
もう片方の手で横髪を押さえて。
「……」
少しだけ舌を出して、静かにソフトクリームに寄せて。
「ん、ストロベリーもおいしー」
少しだけ舐めた。
「………」
どうしよう。
「リザも私の食べてみる?」
これもまた無意識なんだろうけれど。
ソフトクリームを舐めるまでの、あの表情。
ドキドキしてる。
すごくドキドキして。
「リザ?」
「ッ!は、はい、はい。いえ、あの…大丈夫です」
セイフォード少将が私の顔の前で手を振って、我に返ったわ…。
「なぁに、何にそんなに動揺したのよー」
セイフォード少将はまたクスクス笑う。
「いえ、何でもないです」
あなたの表情に興奮しましたなんて言えるわけがない…。
「何でもない感じには見えなかったけどなー」
「少将、早く食べてマスタング大佐を探しましょう」
「話を逸らしたわよね?」
なんて会話をしながらソフトクリームを食べて。
数分で食べ終わって。
「はー…さて、と。ロイ・マスタングの野郎を探しに………」
で、立ち上がろうとしたセイフォード少将の顔面に掛けられた…水…。
「な……」
私は目を見開いてそちらを見ると、子供たちがニヤニヤしながら水鉄砲を構えていて。
セイフォード少将はきょとん顔を浮かべていたら…。
「「!!」」
子供はゴロゴロゴロと転がって、うつ伏せ状態でまたセイフォード少将の顔に水を掛けた。
「……ほーう…」
セイフォード少将はコメカミに青筋を浮かばせて。
髪を掻き上げて…。
髪を…掻き上げる仕草も…好き…。
「ジージー、こちら、セイフォードこちらセイフォード」
セイフォード少将は無線機を口に当てている仕草をして。
「たった今、子供多数軍から攻撃を受けた。直ちに反撃に入る。繰り返す。たった今子供多数軍から攻撃を受けた。直ちに反撃に入る。どうぞ」
「…子供多数軍…」
多国籍軍、を言い換えたのね…。
…これは。
「…こちらホークアイ。了解しました。援護します」
子供の遊びに付き合うってことよね…。
セイフォード少将はニコリと笑み、手を前に出して。
「くらえ!正義のレーザーシャワーガン!」
「「「うわぁあ!!」」」
錬金術でシャワーノズルを造り出し、水鉄砲以上の水量を子供たちに掛け始めた。
「シャワーなんて汚ねぇ!」
「ずるいぞ!!」
キャーキャー逃げ惑いながら、ずるいずるいと叫ぶ子供たち。
「大人はズルくて汚いってことを覚えておきなさい!」
「…そんなわけないじゃないですか…」
あのシャワー、どこから水が出てるのかと思ってシャワーノズルに繋がるホースを辿れば。
…ちゃんと水道から引いていた。
「……」
…背後からそっと近づいて来る子がいる…。
セイフォード少将も気付いているけれど、気づいてないふりをして。
「隙あり!」
「!」
水を掛けられた。
みんな私ではなく、セイフォード少将に水を掛けている。
「やったわね…!もう私に戦いを挑んだことを後悔させてあげる…!」
セイフォード少将はシャワーノズルを分解して、手を前に出して横にスライドさせた瞬間。
「うわ!」
「すげー!!」
「噴水だ!!」
公園内に、子供たちが水遊び出来るような噴水を錬金術で造り上げた。
地面から優しく噴き上げるような、危険のない噴水。
子供たちはたちまち噴水の方へと走って行って、きゃあきゃあ騒ぎながら遊び出した。
「ふふ…上手く騙されてくれたわね」
水を掛けられて怒るどころか、遊んであげる。
子供たちがより楽しめるような噴水を造ってあげる。
錬金術の原則である“等価交換”を無視して。
「誘導されましたね」
この方がなぜ国民に支持されるのか。
改めて納得した。
こんなふうに遊んでくれたら嬉しいわよね。
しかも今日帰ったら、軍人さんが遊んでくれたって両親に報告するだろうし。
どの軍人さんかはわからないかもしれないけど、遅かれ早かれセイフォード少将だと気付くはず。
というか…。
「…セイフォード少将、ずぶ濡れですよ…」
白いブラウスだから…水に濡れて…その…。
し、下着が…っ
「暑かったし、丁度良い「ダメです。今すぐに上着を着てください」
セイフォード少将の上着を取り、押し付けるように渡す。
「えー…だって暑いし…」
「…その…下着が透けて見えてますから…っ!」
そう言うと、セイフォード少将はきょとんとして。
ブラウスの襟元を掴んで。
バチッと錬成反応が起こったかと思えば、セイフォード少将の軍服が乾いていた。
「これでよし」
…錬金術って本当すごいわね…。
「…あまり気にされないんですね」
下着が透けていたことに焦ったりせず、普通にしてる…。
「見られてから焦っても遅いでしょ?」
「そういう問題ですか…」
…本当に、この人は…。
「さて、と。ロイ君探し再開しましょうか」
「はい…」
それから。
街で女性をナンパしていたマスタング大佐を発見して。
「軍法会議の日程だけどね?」
「すみませんすみませんすみません」
「すみませんで済んだら軍人はいらないの、まったく…。いい?ロイ君、次はないわよ?」
「はっ!ありがとうございます!!」
結局マスタング大佐を許して、要件だけを伝えて中央へ帰って行ったわ…。
だから。
「マスタング大佐、セイフォード少将にご迷惑をおかけしすぎです」
「まさかいらっしゃるとは思わなかったよ…」
「あの方の優しさを利用しないでください」
「…あの方が関わると厳しくなるね」
セイフォード少将の代わりに、私が叱っておきました。
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