一番 リザさん百合夢
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「くーッ!こう暑い日のビールって最高!」
「飲み過ぎ注意ですよ?」
「大丈夫!5、6杯しか飲まないわ!」
「しか、ではないですからねそれは!」
河川敷、お祭りの主催者が用意しただろう竹で出来たベンチに座る私たち。
アイリさんは飲み物屋さんでビールを発見し、止める間も無く購入してました。
「あ、もう少しで花火が上がる時間ですよ」
「お!ようやくメインイベントってわけね!」
腕時計で時間を確認すると、もう少しで花火が上がる時間になっていた。
…楽しい時間って、本当にあっという間に過ぎてしまう。
「良い場所探しに行こっか!」
「そうですね」
アイリさんも、仕事を忘れて楽しんでくれている。
上機嫌に鼻歌を歌いながら。
「…ズレてますよ」
「どうせ音痴ですぅー!」
私の手を引き、私が躓かないようにゆっくりと。
「…どこも人が多いわねぇ」
ゆっくり静かに見れる場所を探して。
「あ、足痛くない?」
「大丈夫です」
「ん」
私の足を気にしてくれて。
「~♪~♪」
本当に楽しそうに。
『本日は“大輪火想花火大会”へご来場いただきまして、まことにありがとうございます』
花火大会のアナウンスが流れ始めて。
「あー!始まっちゃうー!」
会場内は大盛り上がりで。
「どこか良い場所ないかなー!」
すぐ近くに居るアイリさんの声すら聞こえないくらい。
「あーん。どこも人人人!!」
アイリさんの背中を見つめる。
今日一日で、あなたへの好きが大きく膨らんだ。
破裂しないようにしたいのに。
あなたへの好きはどんどん膨れ上がる一方で。
「あー!上がり始めちゃった!」
大きな音を立てて、綺麗な花火が夜空を彩る。
次から次へと上がる花火。
花火を見上げ、繋がれた手を見つめる。
離したくないって思ってしまう。
あなたの一番になるには、どうしたらいいんだろうって考えてしまう。
こうして一緒に過ごせて嬉しいはずなのに。
幸せなはずなのに。
苦しくて。
苦しくて。
涙が出てしまう。
好き。
あなたが好き。
誰よりも何よりも。
あなたが好きなんです。
苦しいんです。
あなたを想うと、苦しいんです。
補助のために繋がれた手。
繋がれた手を見ると、嬉しくて苦しい。
「リザ、足元気をつけてね?」
ああ、ダメ。
今、その優しさに触れてしまうと。
「好き」
一際大きい花火が上がったと同時だったと思う。
アイリさんが振り返って。
「え?」
私を見つめた。
ついに溢れてしまった想い。
でも。
「リザ「すきが多いですよ、セイフォード少将」
誤魔化した。
好き。
好き。
でも。
私の想いは、伝えてはならない。
なぜなら、私は“中尉”であなたは“少将”
この階級の差は大きいし、何よりあなたにとって私はただの部下。
「すき…あ、ああ、隙ね。びっくりした…。でもこの涙は?どうしたの?」
アイリさんは私の頬に触れ、親指で涙を拭ってくれて。
「まつ毛が入ってしまって。なかなか取れなかったんです」
「まつ毛?取れた?」
「はい、少し擦ったら取れました」
「そう?それならよかったけど、言ってくれれば見てあげたのにー」
誰も居ない、静かな場所を見つけて。
「まぁ確かに、お祭りが楽しくて隙だらけになってたわね」
夜空に咲く花火を見上げて。
「明日からまた仕事の毎日。良い息抜きになったわ」
誘ってくれてありがとね、と。
アイリさんは言った。
「…とんでもないです。私こそありがとうございました…」
もう少しで終わる幸せな時間。
このまま時が止まればいいのに、なんて思ってしまうくらい名残惜しくて。
花火を見上げるアイリさんの横顔を見つめて。
ああ、好き。
本当に好きだと何度も想う。
さっきのあれは、誤魔化さなければよかった?
でも誤魔化さなければ、私の心が保たなかった。
私の想いは伝わってほしくもあり、伝わらないでほしい。
矛盾する感情にまた苦しくなって。
また涙が出そうになった。
ねぇ、##NAME1##さん。
私、あなたの一番になりたいです。
あなたの一番になって、“好き”だと言って欲しいです。
「さて、と。終電までには会場出ないとね」
「そうですね…」
花火は最後まで見れなかったけれど。
私の目的は花火大会ではなく、あなたと過ごすことだから。
ずっと一緒に居たいけれど。
もう、時間だから。
着付け屋さんで着替えて、浴衣を返却して。
「はー…!楽しかったわねぇ!」
「はい、すごく楽しかったです」
アイリさんは、セントラルシティの駅まで送ってくれた。
「明日からまたロイ君の見張り、お願いね?」
「了解しました。」
終電の汽車が来て。
「今日はありがとうございました、セイフォード少将」
アイリさんから、セイフォード少将へと呼び直して。
「私こそありがとう」
汽車へと乗り込み、手を振ってくれるセイフォード少将に、手を振り返して。
姿が見えなくなるまで、見つめ合った。
「……」
イーストシティへ向かう汽車。
窓に手を付いて。
もう片方の手で自分の口を押さえて。
膝を付いて。
「…っ好き…っ」
誤魔化した、あの言葉を呟いた。
「好き…っ好き…っ本当に…好きなんです…っ」
誰も居ない汽車内。
誰にも聞かれることはないあの人への想い。
どうしたら一番になれるんだろう、ばかり考えて。
勝手に苦しくなって。
勝手に泣いて。
馬鹿みたい、なんて思うけど。
好きで好きで仕方なくて。
どうにかなってしまいそうなくらい好きで。
「…っぅ…っぅ…っ」
ただただ涙が溢れた。
いつかこの想いを伝えることが出来たなら。
部下ではなく、恋人として。
あなたの隣で笑いたい。
あなたと一緒に。
手を繋いで。
補助じゃなくて、ちゃんと“好き”を伝わるように。
翌日には。
「…あんた目が腫れてるわよ?フラれたの?」
「告白してないのにそんなわけないでしょ?虫刺されたのよ」
「両目に!?それが一番の奇跡じゃない!」
なんてレベッカと冗談を言って。
「あんた、アオハルしてるわねー!」
「…誰?それ」
「名前じゃないわよ!青春!」
「わかってますよ」
また笑い合った。
いつか、いつか。
この想い。
あなたに届きますようにと。
そう。
願いながら。
END
「くーッ!こう暑い日のビールって最高!」
「飲み過ぎ注意ですよ?」
「大丈夫!5、6杯しか飲まないわ!」
「しか、ではないですからねそれは!」
河川敷、お祭りの主催者が用意しただろう竹で出来たベンチに座る私たち。
アイリさんは飲み物屋さんでビールを発見し、止める間も無く購入してました。
「あ、もう少しで花火が上がる時間ですよ」
「お!ようやくメインイベントってわけね!」
腕時計で時間を確認すると、もう少しで花火が上がる時間になっていた。
…楽しい時間って、本当にあっという間に過ぎてしまう。
「良い場所探しに行こっか!」
「そうですね」
アイリさんも、仕事を忘れて楽しんでくれている。
上機嫌に鼻歌を歌いながら。
「…ズレてますよ」
「どうせ音痴ですぅー!」
私の手を引き、私が躓かないようにゆっくりと。
「…どこも人が多いわねぇ」
ゆっくり静かに見れる場所を探して。
「あ、足痛くない?」
「大丈夫です」
「ん」
私の足を気にしてくれて。
「~♪~♪」
本当に楽しそうに。
『本日は“大輪火想花火大会”へご来場いただきまして、まことにありがとうございます』
花火大会のアナウンスが流れ始めて。
「あー!始まっちゃうー!」
会場内は大盛り上がりで。
「どこか良い場所ないかなー!」
すぐ近くに居るアイリさんの声すら聞こえないくらい。
「あーん。どこも人人人!!」
アイリさんの背中を見つめる。
今日一日で、あなたへの好きが大きく膨らんだ。
破裂しないようにしたいのに。
あなたへの好きはどんどん膨れ上がる一方で。
「あー!上がり始めちゃった!」
大きな音を立てて、綺麗な花火が夜空を彩る。
次から次へと上がる花火。
花火を見上げ、繋がれた手を見つめる。
離したくないって思ってしまう。
あなたの一番になるには、どうしたらいいんだろうって考えてしまう。
こうして一緒に過ごせて嬉しいはずなのに。
幸せなはずなのに。
苦しくて。
苦しくて。
涙が出てしまう。
好き。
あなたが好き。
誰よりも何よりも。
あなたが好きなんです。
苦しいんです。
あなたを想うと、苦しいんです。
補助のために繋がれた手。
繋がれた手を見ると、嬉しくて苦しい。
「リザ、足元気をつけてね?」
ああ、ダメ。
今、その優しさに触れてしまうと。
「好き」
一際大きい花火が上がったと同時だったと思う。
アイリさんが振り返って。
「え?」
私を見つめた。
ついに溢れてしまった想い。
でも。
「リザ「すきが多いですよ、セイフォード少将」
誤魔化した。
好き。
好き。
でも。
私の想いは、伝えてはならない。
なぜなら、私は“中尉”であなたは“少将”
この階級の差は大きいし、何よりあなたにとって私はただの部下。
「すき…あ、ああ、隙ね。びっくりした…。でもこの涙は?どうしたの?」
アイリさんは私の頬に触れ、親指で涙を拭ってくれて。
「まつ毛が入ってしまって。なかなか取れなかったんです」
「まつ毛?取れた?」
「はい、少し擦ったら取れました」
「そう?それならよかったけど、言ってくれれば見てあげたのにー」
誰も居ない、静かな場所を見つけて。
「まぁ確かに、お祭りが楽しくて隙だらけになってたわね」
夜空に咲く花火を見上げて。
「明日からまた仕事の毎日。良い息抜きになったわ」
誘ってくれてありがとね、と。
アイリさんは言った。
「…とんでもないです。私こそありがとうございました…」
もう少しで終わる幸せな時間。
このまま時が止まればいいのに、なんて思ってしまうくらい名残惜しくて。
花火を見上げるアイリさんの横顔を見つめて。
ああ、好き。
本当に好きだと何度も想う。
さっきのあれは、誤魔化さなければよかった?
でも誤魔化さなければ、私の心が保たなかった。
私の想いは伝わってほしくもあり、伝わらないでほしい。
矛盾する感情にまた苦しくなって。
また涙が出そうになった。
ねぇ、##NAME1##さん。
私、あなたの一番になりたいです。
あなたの一番になって、“好き”だと言って欲しいです。
「さて、と。終電までには会場出ないとね」
「そうですね…」
花火は最後まで見れなかったけれど。
私の目的は花火大会ではなく、あなたと過ごすことだから。
ずっと一緒に居たいけれど。
もう、時間だから。
着付け屋さんで着替えて、浴衣を返却して。
「はー…!楽しかったわねぇ!」
「はい、すごく楽しかったです」
アイリさんは、セントラルシティの駅まで送ってくれた。
「明日からまたロイ君の見張り、お願いね?」
「了解しました。」
終電の汽車が来て。
「今日はありがとうございました、セイフォード少将」
アイリさんから、セイフォード少将へと呼び直して。
「私こそありがとう」
汽車へと乗り込み、手を振ってくれるセイフォード少将に、手を振り返して。
姿が見えなくなるまで、見つめ合った。
「……」
イーストシティへ向かう汽車。
窓に手を付いて。
もう片方の手で自分の口を押さえて。
膝を付いて。
「…っ好き…っ」
誤魔化した、あの言葉を呟いた。
「好き…っ好き…っ本当に…好きなんです…っ」
誰も居ない汽車内。
誰にも聞かれることはないあの人への想い。
どうしたら一番になれるんだろう、ばかり考えて。
勝手に苦しくなって。
勝手に泣いて。
馬鹿みたい、なんて思うけど。
好きで好きで仕方なくて。
どうにかなってしまいそうなくらい好きで。
「…っぅ…っぅ…っ」
ただただ涙が溢れた。
いつかこの想いを伝えることが出来たなら。
部下ではなく、恋人として。
あなたの隣で笑いたい。
あなたと一緒に。
手を繋いで。
補助じゃなくて、ちゃんと“好き”を伝わるように。
翌日には。
「…あんた目が腫れてるわよ?フラれたの?」
「告白してないのにそんなわけないでしょ?虫刺されたのよ」
「両目に!?それが一番の奇跡じゃない!」
なんてレベッカと冗談を言って。
「あんた、アオハルしてるわねー!」
「…誰?それ」
「名前じゃないわよ!青春!」
「わかってますよ」
また笑い合った。
いつか、いつか。
この想い。
あなたに届きますようにと。
そう。
願いながら。
END
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