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「どうしたんだお前」

「………なにが？」

「物凄く機嫌が悪いだろう」

「そんなことありません、アームストロング少将言いがかりはやめてください」

「ほら見ろ。普段の貴様から考えられん言動だろうが」

「…………」

「何があった？ホークアイ絡みか？」

「……ね、オリヴィエ」

「なんだ」

「…リザとレベッカって、交際してるの？」

「…私が知るかそんなこと…」

翌日の定例会議終了後、オリヴィエはアイリの執務室へと立ち寄った。

会議でのアイリの苛立ちを感じ取ってのことだ。

オリヴィエはソファーに腰を掛け、足を組む。

アイリは、昨日のリザとレベッカのデートが気になって気になって仕方がなくて。

リザは否定的だったけど、レベッカはニコニコとリザの腕に自分の腕を絡めていて。

まさか嫉妬心を煽られているとは思っておらず、アイリはモヤモヤしていた。

「昨日、二人がうちに来てね」

「ほう」

アイリはオリヴィエに昨日の話をすると。

「レベッカとやらがホークアイの腕を？」

「…そうなの。リザも嫌がってる感じもなかったし…」

オリヴィエは顎に手を添えて。

「…(揶揄われただけなんだろうな)」

と、レベッカの行動を理解した。

「でもあれよね。私とリザは階級が離れすぎてるから、きっと無理よね」

「無理とは？」

「交際よ。私の階級でリザを傷つけてしまうかもしれないし…」

一階級しか違わないレベッカのほうが気楽だろうし。と、アイリは消極的で。

「誰かを好くことに階級など関係なかろう」

「バカね。関係あるに決まってるでしょ？高すぎる階級に萎縮しちゃうだろうし、気だって休まらないわよ…」

はぁ、とため息を零してオリヴィエに歩み寄り書類を渡す。

オリヴィエはその書類を受け取り、アイリを見る。

「(こうまで落ち込む姿を見るのは初めてだな。ホークアイへの気持ちは本気ということか)」

昔のアイリを知るオリヴィエにとって、親友が本気で恋をしていることに嬉しく思う。

「そんなに気になるなら、本人に聞いてみればいいんじゃないのか？」

「そんな格好悪い…嫉妬してるのがバレバレじゃない…」

こんなに奥手だったとは、とオリヴィエは驚く。

そこに。


コンコン
『マスタング大佐です。セイフォード少将、いらっしゃいますか？』


ノック音とロイの声が聞こえてきた。


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