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「あ、確かこの辺りよね」

「？なにが？」

「セイフォード少将のご自宅」



ある日の非番。

リザとレベッカはセントラルシティまで買い物へとやってきた。

レベッカは服やアクセサリーを買い、リザはこれだというものに出会えず未購入。

それでもレベッカとの買い物は気が休まるし楽しい。

仕事中のキリッとした感じはなく、柔らかい雰囲気でレベッカとの買い物を堪能した。

で、休憩をするべく良いカフェを探していたところ、セントラルシティの高そうなマンションが並ぶ場所へとやって来て。

良さげなオープンカフェを見つけて一息吐いた時。

レベッカが言った。

“この辺りにセイフォード少将のご自宅がある”

と。

リザはその言葉にきょとんとしながらも。

「………どこ？」

キョロキョロと辺りを見回した。

「どのマンションだったかな。ただ、忙しさでほぼ帰れてないらしいわよ？」

「……あなたはどうしてそんなことまで知ってるの？」

レベッカのアイリ情報の多さに、リザは眉間に皺を寄せるも。

「そりゃ親友のリザのために仕入れてるに決まってるじゃない」

そう言われてしまうと。

「……そう。ありがとう」

お礼を言わざるを得ない。

「あのマンションだったかしら」

レベッカが指したのは、リザの後ろにある5階建てマンションで。

「…家賃いくらかしらね」

「…きっとアホみたいな家賃よ」

家賃が恐ろしいのではなかろうか、というくらいな高級マンションだった。

「行ってみる？」

「え？何をしに？」

「遊びによ」

「馬鹿を言わないで。上官であって友人じゃないのよ？」

「セイフォード少将なら迎えてくれるって」

「…いらっしゃらないかもしれないでしょ？というか、いらっしゃらない確率の方が高いわよ」

「居なかったら居なかったでいいじゃない」

「…レベッカ」

「じゃあ私だけ行ってくるから待ってて」

立ち上がるレベッカの腕を掴むリザ。

「なに？」

「…もし居たら、お休みの邪魔をしてしまうでしょ？」

ジト目でレベッカを睨み、レベッカもジト目で睨み返す。

「ちょっと確かめて来るだけよ」

「いいから、レベッカ。座りなさい」

「セイフォード少将、ベルを鳴らして下着姿で出て来たらどうしよー」

レベッカがムフフ、と笑うと。

「………………」

リザは眉間に皺を寄せながらも、視線を左から右へと動かせば。

「今想像したでしょ？本当、リザってエッチよね」

アイリの下着姿を想像したことがバレてしまった。

「…本当ってなによ。誤解を招く発言は控えて欲しいのだけど」

「セイフォード少将の私服姿とか、仕事中とプライベートの違いとか興味あるわぁ」

「………レベッカ、いい加減にしなさい」

レベッカのアイリ話しがヒートアップしていくのをリザが止めても止まらずで。

「あんた、セイフォード少将が好きならもっと積極的にならないとアームストロング少将とよりを戻しちゃうかもよ？」

昔から噂があった、アイリとオリヴィエの元恋人説の話を持ち出した。

「………」

リザは目を閉じて、コーヒーを啜って。

「むしろ、今一緒に過ごしてるのかも！イチャイチャしてるのかな！？」

「…………」

きゃあきゃあとレベッカはリザの嫉妬心を煽りに煽って。

「まぁあの二人って一緒居たら絵になるし、きっとお似合いに………悪かったわよ泣かないで…」

「………嫌いよ、あなたなんか」

「ごめんて…」

はらり…とリザが一筋の涙を零したことにより、レベッカは我に返って青褪めたのだった…。

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