恋 リザさん百合夢
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あれから一月が経った。
この一月、セイフォード少将は東方司令部へは来なくて。
中央で頑張ってるんだろうなぁとか。
次はいつ東方司令部にお越しいただけるのかなぁとか。
もしいらしたとして、少しでもお話が出来ればなぁとか。
「………忘れるんじゃなかったの…私…」
忘れないとダメなのに、気付けばセイフォード少将のことを考えている自分にため息が出る。
「ホークアイ中尉、今日はため息が多いっスね?何かありました?」
ハボック少尉にそう言われ、ハッとする。
「…いえ、マスタング大佐がどうしたらサボらず仕事をしてくれるかを考えていただけよ」
嘘を言うのは心が痛むけど、知られたく無いから。
現在進行形で逃亡中のマスタング大佐の話にすり替えた。
フュリー曹長とファルマン准尉が捜索に当たっているの。
「いやー、無理っスよ。大佐がサボらずに仕事をするなんて、天変地異が起こります」
「確かに!大佐が真面目に仕事するなんて有り得ないよな!」
ハボック少尉とブレダ少尉がケラケラと笑う。
…まぁ確かに彼らの言う通りなんだけどね。
なんて会話をしていたら。
『ですから!セイフォード少将!!』
『こんなところまで追いかけてきて、しつこさはリチャード中将以上ね』
クレミン准将とセイフォード少将の声が聞こえて来た。
「…まじかよ。クレミン准将とセイフォード少将の声だ…」
「…今日来る予定でしたっけ?」
「……いえ。今日はないわ…」
セイフォード少将の声が聞こえて、すごく胸がドキドキしてる…。
『レイブン中将に言ってちょうだい』
『レイブン中将があなたに言えと仰ったんです!』
オフィスの扉が開き、入って来たのはやっぱりクレミン准将とセイフォード少将で。
私たち全員敬礼をすると、セイフォード少将が片手を上げたため後ろに組む。
「私に言ったって受諾しないわよ?レイブン中将の指揮の下で行えばいいじゃない」
セイフォード少将は書類を私のデスクに置く。
「レイブン中将はセイフォード少将の指揮ならば受諾してくださると仰ってます!」
「なにそれ。何かあった場合の責任は私にあるって?本当、よくそんなことで将官になれたものだわ」
私たちは顔を見合わせて、二人のやり取りを見守る。
……温厚なセイフォード少将を怒らせるなんて…。
「とにかく、私は受諾しない。私はあなたたちと違って忙しいんだからさっさと中央へ戻ってちょうだい。」
「しかし…!!」
何があったのかは知らないけれど、セイフォード少将が何を言っても食い下がって来て諦めないクレミン准将。
「これは「クレミン准将」
セイフォード少将は静かにクレミン准将を呼んで。
「これ以上言うなら、軍法会議の議題にするけど。どう?」
そう言うと。
「…っぐ…っ」
クレミン准将は押し黙って。
「くだらないことに時間を費やしてないで、真面目に働いてほしいものだわ」
セイフォード少将を一睨みをして。
「……失礼しました」
敬礼をし、去って行った。
「はあ!しつこかった!」
クレミン准将が居なくなって、セイフォード少将は大きな深いため息を吐き出した。
「なにかあったんスか?」
ハボック少尉が問いかけると。
「中央司令部内に、将官たちが休めるスペースを造りたいってほざきやがっててね」
クレミン准将がセイフォード少将に食い下がっていた理由を教えてくださった。
「十分休んでるくせに、休めるスペースってなによって話でしょ?しかも司令部内に。馬鹿も休み休み言って欲しいものだわ」
しかもそれをセイフォード少将の責任の下で行おうとしてるなんて…。
「……中央の将官たちはそういうことには積極的なんですね」
ブレダ少尉も呆れてため息を零す。
「本当よもう。まぁ私も使わせてくれるなら話は別だけどね」
「……セイフォード少将だけは真っ当な将官で居てください」
ハボック少尉の言葉に、セイフォード少将はクスクス笑う。
「で、だけど」
私のデスクに置いた書類の束に手を置いて。
「ロイ君いる?」
そう問われて。
「「「………」」」
私たちは顔を真っ青にさせた。
マスタング大佐は今…逃亡中で…。
フュリー曹長とファルマン准尉が探しに出ている…。
「やっぱりねー。抜き打ちで来てよかったわ」
セイフォード少将は顎に手を添えてニヤリと笑う。
トクンと胸が弾む私…。
忘れないとダメ。
雲の上の方なんだから。
叶わない恋なんてするだけ無駄なんだから。
「リザもロイ君の副官なんて辞めて、私の副官にならない?」
「あ…いえ…あの…」
それもいいかもなんて思ってしまって、言葉を上手く発せられずにいたら。
「ホークアイ中尉が居なくなったら、誰がマスタング大佐を制御するんスか」
ハボック少尉がそう言った。
「確かに!本当、ロイ君は部下に恵まれてるわよね。じゃあグラマン中将に挨拶をしてから中央に戻るかな。あ、その書類ロイ君に渡しておいてね」
セイフォード少将は私たちには終始笑みを浮かべてくださっていて。
「リザ、ロイ君のサボりに困ったらいつでも連絡してね?」
「は、はい。わかりました…」
私の肩に手を置き、優しく微笑んでくださって。
ドキドキと心臓が破裂しそう…。
「セイフォード少将、今度合コン参加してくださいよ」
「将官を誘うなんて、ジャンは怖いもの知らずよね。良い男が居るならいいわよ?」
「マジっスか!?むしろ俺じゃダメ「ハボック少尉、セイフォード少将に対して失礼すぎる言動は控えなさい」は、はひ…」
「やーい、怒られたー!」
「くぅ…っ」
セイフォード少将は私たちにはすごく優しくて、こうして冗談も笑いながら受け止めてくれる。
マスタング大佐の部下である私たちだから、マスタング大佐との信頼の深さなのだろうと思うと、妬けてしまう…。
私個人を信用していただけるように頑張らないと…。
「さて、と。じゃあみんな、またね」
「はい、お疲れ様でした」
「「お疲れ様でした!」」
そうして、セイフォード少将はグラマン中将の執務室へと向かった。
忘れないとダメなのに。
忘れられない。
叶わない恋なんてするだけ無駄なのに。
ダメ、無駄、と思えば思うほど。
好きが膨らんでいく。
不敵な笑みと優しい笑み。
悪戯な笑みと小さな笑み。
私は軍服の胸元を握り締めて。
「…お手洗いに行ってくるわね」
「うーっす」
オフィスを出て、お手洗いへと行く。
叶わないとわかっているのに。
好きが膨らみ、止まらない。
もしもこの“好き”が破裂してしまったら。
「…どうなるのかしら」
わからない。
ただ破裂させないように。
これ以上膨らませないように。
恋に悩むなんて私らしく無いから。
切り替えないとダメね。
「…とりあえず、マスタング大佐を探さないと」
セイフォード少将が東部へ居るうちに何としてもでも見つけて、叱っていただかないと。
私は深く息を吸い、ゆっくりと吐き出して。
「ハボック少尉、ブレダ少尉、マスタング大佐を探すわよ」
「了解っす」
「あんのクソ大佐、どこほっつき歩いてんだか…」
私はオフィスへと戻った。
この恋が実りますように。
少しだけでいい。
少しだけでいいから。
そう思わせて…。
END
あれから一月が経った。
この一月、セイフォード少将は東方司令部へは来なくて。
中央で頑張ってるんだろうなぁとか。
次はいつ東方司令部にお越しいただけるのかなぁとか。
もしいらしたとして、少しでもお話が出来ればなぁとか。
「………忘れるんじゃなかったの…私…」
忘れないとダメなのに、気付けばセイフォード少将のことを考えている自分にため息が出る。
「ホークアイ中尉、今日はため息が多いっスね?何かありました?」
ハボック少尉にそう言われ、ハッとする。
「…いえ、マスタング大佐がどうしたらサボらず仕事をしてくれるかを考えていただけよ」
嘘を言うのは心が痛むけど、知られたく無いから。
現在進行形で逃亡中のマスタング大佐の話にすり替えた。
フュリー曹長とファルマン准尉が捜索に当たっているの。
「いやー、無理っスよ。大佐がサボらずに仕事をするなんて、天変地異が起こります」
「確かに!大佐が真面目に仕事するなんて有り得ないよな!」
ハボック少尉とブレダ少尉がケラケラと笑う。
…まぁ確かに彼らの言う通りなんだけどね。
なんて会話をしていたら。
『ですから!セイフォード少将!!』
『こんなところまで追いかけてきて、しつこさはリチャード中将以上ね』
クレミン准将とセイフォード少将の声が聞こえて来た。
「…まじかよ。クレミン准将とセイフォード少将の声だ…」
「…今日来る予定でしたっけ?」
「……いえ。今日はないわ…」
セイフォード少将の声が聞こえて、すごく胸がドキドキしてる…。
『レイブン中将に言ってちょうだい』
『レイブン中将があなたに言えと仰ったんです!』
オフィスの扉が開き、入って来たのはやっぱりクレミン准将とセイフォード少将で。
私たち全員敬礼をすると、セイフォード少将が片手を上げたため後ろに組む。
「私に言ったって受諾しないわよ?レイブン中将の指揮の下で行えばいいじゃない」
セイフォード少将は書類を私のデスクに置く。
「レイブン中将はセイフォード少将の指揮ならば受諾してくださると仰ってます!」
「なにそれ。何かあった場合の責任は私にあるって?本当、よくそんなことで将官になれたものだわ」
私たちは顔を見合わせて、二人のやり取りを見守る。
……温厚なセイフォード少将を怒らせるなんて…。
「とにかく、私は受諾しない。私はあなたたちと違って忙しいんだからさっさと中央へ戻ってちょうだい。」
「しかし…!!」
何があったのかは知らないけれど、セイフォード少将が何を言っても食い下がって来て諦めないクレミン准将。
「これは「クレミン准将」
セイフォード少将は静かにクレミン准将を呼んで。
「これ以上言うなら、軍法会議の議題にするけど。どう?」
そう言うと。
「…っぐ…っ」
クレミン准将は押し黙って。
「くだらないことに時間を費やしてないで、真面目に働いてほしいものだわ」
セイフォード少将を一睨みをして。
「……失礼しました」
敬礼をし、去って行った。
「はあ!しつこかった!」
クレミン准将が居なくなって、セイフォード少将は大きな深いため息を吐き出した。
「なにかあったんスか?」
ハボック少尉が問いかけると。
「中央司令部内に、将官たちが休めるスペースを造りたいってほざきやがっててね」
クレミン准将がセイフォード少将に食い下がっていた理由を教えてくださった。
「十分休んでるくせに、休めるスペースってなによって話でしょ?しかも司令部内に。馬鹿も休み休み言って欲しいものだわ」
しかもそれをセイフォード少将の責任の下で行おうとしてるなんて…。
「……中央の将官たちはそういうことには積極的なんですね」
ブレダ少尉も呆れてため息を零す。
「本当よもう。まぁ私も使わせてくれるなら話は別だけどね」
「……セイフォード少将だけは真っ当な将官で居てください」
ハボック少尉の言葉に、セイフォード少将はクスクス笑う。
「で、だけど」
私のデスクに置いた書類の束に手を置いて。
「ロイ君いる?」
そう問われて。
「「「………」」」
私たちは顔を真っ青にさせた。
マスタング大佐は今…逃亡中で…。
フュリー曹長とファルマン准尉が探しに出ている…。
「やっぱりねー。抜き打ちで来てよかったわ」
セイフォード少将は顎に手を添えてニヤリと笑う。
トクンと胸が弾む私…。
忘れないとダメ。
雲の上の方なんだから。
叶わない恋なんてするだけ無駄なんだから。
「リザもロイ君の副官なんて辞めて、私の副官にならない?」
「あ…いえ…あの…」
それもいいかもなんて思ってしまって、言葉を上手く発せられずにいたら。
「ホークアイ中尉が居なくなったら、誰がマスタング大佐を制御するんスか」
ハボック少尉がそう言った。
「確かに!本当、ロイ君は部下に恵まれてるわよね。じゃあグラマン中将に挨拶をしてから中央に戻るかな。あ、その書類ロイ君に渡しておいてね」
セイフォード少将は私たちには終始笑みを浮かべてくださっていて。
「リザ、ロイ君のサボりに困ったらいつでも連絡してね?」
「は、はい。わかりました…」
私の肩に手を置き、優しく微笑んでくださって。
ドキドキと心臓が破裂しそう…。
「セイフォード少将、今度合コン参加してくださいよ」
「将官を誘うなんて、ジャンは怖いもの知らずよね。良い男が居るならいいわよ?」
「マジっスか!?むしろ俺じゃダメ「ハボック少尉、セイフォード少将に対して失礼すぎる言動は控えなさい」は、はひ…」
「やーい、怒られたー!」
「くぅ…っ」
セイフォード少将は私たちにはすごく優しくて、こうして冗談も笑いながら受け止めてくれる。
マスタング大佐の部下である私たちだから、マスタング大佐との信頼の深さなのだろうと思うと、妬けてしまう…。
私個人を信用していただけるように頑張らないと…。
「さて、と。じゃあみんな、またね」
「はい、お疲れ様でした」
「「お疲れ様でした!」」
そうして、セイフォード少将はグラマン中将の執務室へと向かった。
忘れないとダメなのに。
忘れられない。
叶わない恋なんてするだけ無駄なのに。
ダメ、無駄、と思えば思うほど。
好きが膨らんでいく。
不敵な笑みと優しい笑み。
悪戯な笑みと小さな笑み。
私は軍服の胸元を握り締めて。
「…お手洗いに行ってくるわね」
「うーっす」
オフィスを出て、お手洗いへと行く。
叶わないとわかっているのに。
好きが膨らみ、止まらない。
もしもこの“好き”が破裂してしまったら。
「…どうなるのかしら」
わからない。
ただ破裂させないように。
これ以上膨らませないように。
恋に悩むなんて私らしく無いから。
切り替えないとダメね。
「…とりあえず、マスタング大佐を探さないと」
セイフォード少将が東部へ居るうちに何としてもでも見つけて、叱っていただかないと。
私は深く息を吸い、ゆっくりと吐き出して。
「ハボック少尉、ブレダ少尉、マスタング大佐を探すわよ」
「了解っす」
「あんのクソ大佐、どこほっつき歩いてんだか…」
私はオフィスへと戻った。
この恋が実りますように。
少しだけでいい。
少しだけでいいから。
そう思わせて…。
END
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