恋 リザさん百合夢
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「あら?リザじゃない」
「!セイフォード少将」
あれから二ヶ月が経ち、私とマスタング大佐は大佐の査定のため大総統府へ訪れた。
軍用車の前で待っていたら、セイフォード少将が書類を抱えてやってきた。
敬礼をすると、セイフォード少将が片手を上げたので腕を下げて後ろに組む。
「ロイ君の査定?」
「そうです」
「そう。ロイ君の副官は大変でしょ?」
セイフォード少将はクスクス笑う。
「はい…すぐサボるので大変です…」
「懲りないわよねぇ本当」
話し方も表情も優しくて、変に緊張せず穏やかに話せる。
「セイフォード少将も査定ですか?」
「いえ、私は大総統に用事があるだけよ。査定なんてここ数年免除してもらってるわ」
国家錬金術師を継続させるために必要な査定を免除?
「時間なくて研究なんて出来ないし、国家資格を剥奪するならすればいいって軍法会議で言ってやったの」
国家錬金術師に拘ってるわけじゃないからね、とセイフォード少将は言う。
「…軍法会議で放ったんですか…」
「そうよ。仕事しないくせに、そういうことにはキャンキャン煩く吠えるんだもの」
本当、嫌になると零すセイフォード少将。
本当に凄い方。
それでも剥奪されないのは、やはりセイフォード少将が有能だから。
「さて、と。そろそろ「セイフォード君」
セイフォード少将の言葉を遮ったのは、リチャード中将で。
「……面倒なのが来たわね…」
セイフォード少将が少しだけ表情を曇らせ、小さく呟く。
私もセイフォード少将もリチャード中将に敬礼をする。
「セイフォード君、遅いじゃないか。大分待ったよ」
「申し訳ありません。少し話し込んでしまいました」
「ほう」
リチャード中将は私を睨むように見て。
「貴様がセイフォード君を足止めしていたのか」
そう言った。
私は話をかけていただいた側だから、足止めをしたわけじゃないけれど。
将官の言葉は絶対よね…。
「…申し訳「いいえ、私が話をかけたので彼女は関係ありません」
私が謝罪をしようと思えば、またセイフォード少将が庇ってくださった。
…しかも今回はセイフォード少将よりも位が高いリチャード中将から。
「しかし、この者と話をしたことによって君は遅れたのだろう」
リチャード中将はセイフォード少将を庇おうとしているみたいだけど。
「そうです。しかし今言いましたが、私から声を掛けて話をしていたので、遅れたのは私の責任です。」
「!」
セイフォード少将は私を背中に隠してくれて、セイフォード少将を見上げて横顔を見る。
さっきまでの笑みはなく、眉間に皺を寄せている。
…格好良い。
「だが「リチャード中将、遅れたのは私の落ち度であり、彼女の責任ではありません。何度も同じことを言わせないでください。」
セイフォード少将は歩き出し、リチャード中将へ振り返って。
「だから嫌われるんですよ。」
クスリと笑えば。
「…っ貴様!少将の分際で偉そうに!!」
怒りの矛先は私ではなく、セイフォード少将に変わった。
「中将のしつこさもなかなかですが」
矛先が変わったのを確認し、セイフォード少将は横目で私を見て、小さく笑った。
その瞬間。
好き。
ごく自然と。
「……?」
その言葉が浮かんで。
「………!?」
その後すぐ。
「………っっっ!?!?」
自分がそう思ったことに混乱して。
「(……うそ、うそ…)」
すごく顔が熱くなった。
「待て!セイフォード貴様!」
「待てばさらに遅れますので、歩きながらどうぞ」
リチャード中将はセイフォード少将を追って行った。
どうしよう。
憧れていたはずなのに。
あの笑み。
あの笑みがどうしようもなく格好良くて。
ハマってしまった。
「…今、リチャード中将がセイフォード少将を怒りながら歩いていたんだが…」
間も無くマスタング大佐が戻ってきて。
「…中尉?顔が赤いがどうしたんだね?」
私の顔を覗き込んで来た。
「…っいえ、いえ。何でもありません」
「?」
どうしよう。
本当にどうしよう…。
尉官と将官の差は途方も無いくらい大きいのに…。
私はとんでもない方を好きになってしまった…。
…いえ、忘れればいい。
雲の上の方なんだから、叶うはずのない恋なんてするだけ無駄。
さっさと忘れて切り替えればいいだけの話よね。
そう。
そうよ…。
忘れればいいだけなんだから…。
.
「あら?リザじゃない」
「!セイフォード少将」
あれから二ヶ月が経ち、私とマスタング大佐は大佐の査定のため大総統府へ訪れた。
軍用車の前で待っていたら、セイフォード少将が書類を抱えてやってきた。
敬礼をすると、セイフォード少将が片手を上げたので腕を下げて後ろに組む。
「ロイ君の査定?」
「そうです」
「そう。ロイ君の副官は大変でしょ?」
セイフォード少将はクスクス笑う。
「はい…すぐサボるので大変です…」
「懲りないわよねぇ本当」
話し方も表情も優しくて、変に緊張せず穏やかに話せる。
「セイフォード少将も査定ですか?」
「いえ、私は大総統に用事があるだけよ。査定なんてここ数年免除してもらってるわ」
国家錬金術師を継続させるために必要な査定を免除?
「時間なくて研究なんて出来ないし、国家資格を剥奪するならすればいいって軍法会議で言ってやったの」
国家錬金術師に拘ってるわけじゃないからね、とセイフォード少将は言う。
「…軍法会議で放ったんですか…」
「そうよ。仕事しないくせに、そういうことにはキャンキャン煩く吠えるんだもの」
本当、嫌になると零すセイフォード少将。
本当に凄い方。
それでも剥奪されないのは、やはりセイフォード少将が有能だから。
「さて、と。そろそろ「セイフォード君」
セイフォード少将の言葉を遮ったのは、リチャード中将で。
「……面倒なのが来たわね…」
セイフォード少将が少しだけ表情を曇らせ、小さく呟く。
私もセイフォード少将もリチャード中将に敬礼をする。
「セイフォード君、遅いじゃないか。大分待ったよ」
「申し訳ありません。少し話し込んでしまいました」
「ほう」
リチャード中将は私を睨むように見て。
「貴様がセイフォード君を足止めしていたのか」
そう言った。
私は話をかけていただいた側だから、足止めをしたわけじゃないけれど。
将官の言葉は絶対よね…。
「…申し訳「いいえ、私が話をかけたので彼女は関係ありません」
私が謝罪をしようと思えば、またセイフォード少将が庇ってくださった。
…しかも今回はセイフォード少将よりも位が高いリチャード中将から。
「しかし、この者と話をしたことによって君は遅れたのだろう」
リチャード中将はセイフォード少将を庇おうとしているみたいだけど。
「そうです。しかし今言いましたが、私から声を掛けて話をしていたので、遅れたのは私の責任です。」
「!」
セイフォード少将は私を背中に隠してくれて、セイフォード少将を見上げて横顔を見る。
さっきまでの笑みはなく、眉間に皺を寄せている。
…格好良い。
「だが「リチャード中将、遅れたのは私の落ち度であり、彼女の責任ではありません。何度も同じことを言わせないでください。」
セイフォード少将は歩き出し、リチャード中将へ振り返って。
「だから嫌われるんですよ。」
クスリと笑えば。
「…っ貴様!少将の分際で偉そうに!!」
怒りの矛先は私ではなく、セイフォード少将に変わった。
「中将のしつこさもなかなかですが」
矛先が変わったのを確認し、セイフォード少将は横目で私を見て、小さく笑った。
その瞬間。
好き。
ごく自然と。
「……?」
その言葉が浮かんで。
「………!?」
その後すぐ。
「………っっっ!?!?」
自分がそう思ったことに混乱して。
「(……うそ、うそ…)」
すごく顔が熱くなった。
「待て!セイフォード貴様!」
「待てばさらに遅れますので、歩きながらどうぞ」
リチャード中将はセイフォード少将を追って行った。
どうしよう。
憧れていたはずなのに。
あの笑み。
あの笑みがどうしようもなく格好良くて。
ハマってしまった。
「…今、リチャード中将がセイフォード少将を怒りながら歩いていたんだが…」
間も無くマスタング大佐が戻ってきて。
「…中尉?顔が赤いがどうしたんだね?」
私の顔を覗き込んで来た。
「…っいえ、いえ。何でもありません」
「?」
どうしよう。
本当にどうしよう…。
尉官と将官の差は途方も無いくらい大きいのに…。
私はとんでもない方を好きになってしまった…。
…いえ、忘れればいい。
雲の上の方なんだから、叶うはずのない恋なんてするだけ無駄。
さっさと忘れて切り替えればいいだけの話よね。
そう。
そうよ…。
忘れればいいだけなんだから…。
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