恋 リザさん百合夢
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「えー!?チェスをそんなにしたことない!?」
「は、はい。ルールは知ってるといった程度です」
「うっそ…なんで負けたのかしら…」
食堂にて、セイフォード少将と向かい合わせに座って遅い昼食を摂る。
「あれは勝ったとは言えませんよ。グラマン中将が途中まで動かしていた駒でしたし」
きっと私がやれば、あんな盤面にはならずに確実に負けると思う。
「どんな盤面でも負ける気がしなかったんだけどなぁ…」
なんて、セイフォード少将が苦笑を零した。
最初こそ緊張していたのに、あまりの親しみやすさに今は落ち着いていて。
「そういえば、祖父の急なお呼び出し…申し訳ありません…」
祖父の呼び出しについて謝罪をすると。
「本当に困っちゃうわ。グラマン中将の気遣いは有り難いけどね」
「……気遣い…ですか?」
ただ遊び相手のために呼んでるのではないの?
セイフォード少将は小さく笑んで。
「忙しすぎる私を休ませるために、こうして呼んでチェスの相手をしてくれるのよ」
私たちですら気付かない、グラマン中将の意図をちゃんと理解していた。
「…っ」
セイフォード少将の笑みから視線を外せないでいると。
「というか、今だから言うけどここのお茶不味いわね…」
「出来うる限り丁寧に淹れたのですが…やはり不味いですか…」
「えぇ…不味かったわ…。あれを普通に飲むグラマン中将もグラマン中将よね…」
あの時はグラマン中将が何も言わないから、不味さを口にすることが出来なかったみたい。
「これは中央で「セイフォード少将!」
セイフォード少将の言葉を遮ったのは、南方司令部から来ていたマックス中佐とその副官のライズ大尉。
私は立ち上がり、敬礼をするけれど。
「マックス中佐、ライズ大尉、久しぶりじゃない。あなたも東方司令部に来ていたのね」
「はい、セイフォード少将が東部にいらっしゃるということで来たんですよ!」
マックス中佐もライズ大尉も敬礼をせず、親しげに話をかけている。
「そうなの?わざわざありがとね」
セイフォード少将はニコリと笑む。
下位官が敬礼しないのを気にしてないみたい。
「しかし、セイフォード少将はなかなか南方司令部に来てくれないですよね」
「南方司令部のみんなはセイフォード少将が来るのを待ってるんですよ?」
「東方司令部へは遊びに来ているわけじゃないから」
セイフォード少将はグラスを手に取り、水を飲む。
マックス中佐は私が座っていた席に座る。
「ですが、今はグラマン中将とチェスをされてたんですよね?」
「えぇ、そうよ」
「じゃあ南方司令部にもチェスをしに来てくださいよ」
…親しげに、というより。
馴れ馴れしさを感じる接し方ね。
「…マックス中佐、セイフォード少将に敬礼をされてはいかがでしょう?」
尉官の私が言えば。
「なに?貴様、中佐の私に意見だと?」
まぁ怒るわよね。
「意見ではなく、上官への礼儀を指摘しました」
「…貴様…セイフォード少将の前で…」
マックス中佐は眉間に皺を寄せて私を見る。
私は小さく息を零し、目を閉じて。
「…立場を「尉官に言われるのが嫌なら、私から言いましょうか」
謝罪をしようとしたら、今度は私の言葉をセイフォード少将が遮った。
「「え?」」
マックス中佐とライズ大尉はきょとんとセイフォード少将を見る。
「親しみをもって話しかけてくれるのはいいけど、上官に対する言葉使いと礼儀を弁えないと痛い目に遭うわよ?」
セイフォード少将はニコリと笑って。
そして。
「あなたたちの目の前にいる相手は、国軍少将であるということを努努忘れないようにね?」
そう、警告をした。
静まり返る食堂に。
「……も、申し訳ございません…っ!」
「すみませんでした…っ」
マックス中佐とライズ大尉の謝罪の言葉が響く。
二人は顔を真っ青にさせて立ち上がり、慌てて敬礼をした。
「下がって」
セイフォード少将は笑みを浮かべたまま、払うように手を動かせば。
「「は…っ!!」」
マックス中佐とライズ大尉はそそくさと食堂から去って行った。
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「えー!?チェスをそんなにしたことない!?」
「は、はい。ルールは知ってるといった程度です」
「うっそ…なんで負けたのかしら…」
食堂にて、セイフォード少将と向かい合わせに座って遅い昼食を摂る。
「あれは勝ったとは言えませんよ。グラマン中将が途中まで動かしていた駒でしたし」
きっと私がやれば、あんな盤面にはならずに確実に負けると思う。
「どんな盤面でも負ける気がしなかったんだけどなぁ…」
なんて、セイフォード少将が苦笑を零した。
最初こそ緊張していたのに、あまりの親しみやすさに今は落ち着いていて。
「そういえば、祖父の急なお呼び出し…申し訳ありません…」
祖父の呼び出しについて謝罪をすると。
「本当に困っちゃうわ。グラマン中将の気遣いは有り難いけどね」
「……気遣い…ですか?」
ただ遊び相手のために呼んでるのではないの?
セイフォード少将は小さく笑んで。
「忙しすぎる私を休ませるために、こうして呼んでチェスの相手をしてくれるのよ」
私たちですら気付かない、グラマン中将の意図をちゃんと理解していた。
「…っ」
セイフォード少将の笑みから視線を外せないでいると。
「というか、今だから言うけどここのお茶不味いわね…」
「出来うる限り丁寧に淹れたのですが…やはり不味いですか…」
「えぇ…不味かったわ…。あれを普通に飲むグラマン中将もグラマン中将よね…」
あの時はグラマン中将が何も言わないから、不味さを口にすることが出来なかったみたい。
「これは中央で「セイフォード少将!」
セイフォード少将の言葉を遮ったのは、南方司令部から来ていたマックス中佐とその副官のライズ大尉。
私は立ち上がり、敬礼をするけれど。
「マックス中佐、ライズ大尉、久しぶりじゃない。あなたも東方司令部に来ていたのね」
「はい、セイフォード少将が東部にいらっしゃるということで来たんですよ!」
マックス中佐もライズ大尉も敬礼をせず、親しげに話をかけている。
「そうなの?わざわざありがとね」
セイフォード少将はニコリと笑む。
下位官が敬礼しないのを気にしてないみたい。
「しかし、セイフォード少将はなかなか南方司令部に来てくれないですよね」
「南方司令部のみんなはセイフォード少将が来るのを待ってるんですよ?」
「東方司令部へは遊びに来ているわけじゃないから」
セイフォード少将はグラスを手に取り、水を飲む。
マックス中佐は私が座っていた席に座る。
「ですが、今はグラマン中将とチェスをされてたんですよね?」
「えぇ、そうよ」
「じゃあ南方司令部にもチェスをしに来てくださいよ」
…親しげに、というより。
馴れ馴れしさを感じる接し方ね。
「…マックス中佐、セイフォード少将に敬礼をされてはいかがでしょう?」
尉官の私が言えば。
「なに?貴様、中佐の私に意見だと?」
まぁ怒るわよね。
「意見ではなく、上官への礼儀を指摘しました」
「…貴様…セイフォード少将の前で…」
マックス中佐は眉間に皺を寄せて私を見る。
私は小さく息を零し、目を閉じて。
「…立場を「尉官に言われるのが嫌なら、私から言いましょうか」
謝罪をしようとしたら、今度は私の言葉をセイフォード少将が遮った。
「「え?」」
マックス中佐とライズ大尉はきょとんとセイフォード少将を見る。
「親しみをもって話しかけてくれるのはいいけど、上官に対する言葉使いと礼儀を弁えないと痛い目に遭うわよ?」
セイフォード少将はニコリと笑って。
そして。
「あなたたちの目の前にいる相手は、国軍少将であるということを努努忘れないようにね?」
そう、警告をした。
静まり返る食堂に。
「……も、申し訳ございません…っ!」
「すみませんでした…っ」
マックス中佐とライズ大尉の謝罪の言葉が響く。
二人は顔を真っ青にさせて立ち上がり、慌てて敬礼をした。
「下がって」
セイフォード少将は笑みを浮かべたまま、払うように手を動かせば。
「「は…っ!!」」
マックス中佐とライズ大尉はそそくさと食堂から去って行った。
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