恋 リザさん百合夢
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コンコン
「ホークアイ中尉です。お茶をお持ちしました」
『いいわよ、入って』
「失礼します」
セイフォード少将の許可を受け、執務室の扉を開けると。
「ぐぬぬぬっ」
グラマン中将は悔しそうな顔をしているのに対して。
「降参ですか?降参ですね?」
セイフォード少将はニヤニヤ笑っていて。
「また負けたー!」
「ふふっ、これで通算15連勝無敗ですよ」
グラマン中将が両手を上げて降参して。
グラマン中将に先にお茶を出し、セイフォード少将にお茶を出すと。
「ありがとう」
「!あ、いえ…」
セイフォード少将はニコリと笑み、お茶を啜る。
「いつになったら勝てるんかのう」
「さぁ、いつでしょうねぇ」
グラマン中将もチェスの駒を眺めながら、お茶を啜る。
「これをこう動かしたからかの?」
「そう動いたら、私はこう動かします」
「……ぐぅ…っ」
どう動かしてもセイフォード少将の優勢は変わらずだけど。
「………」
私は黙ってチェス盤を眺めて。
グラマン中将の駒を動かすと。
「「………」」
グラマン中将とセイフォード少将はきょとんと私を見て、チェス盤へ視線を移した。
「……うっそ…待って…」
セイフォード少将がチェス盤を見つめ、腕を組み顎に手を添えた。
「……こりゃたまげた…」
グラマン中将も顎に手を添え、チェス盤を眺める。
「……こう動かしたら…?」
グラマン中将もセイフォード少将も私を見てくるから、動かせということよね…。
「…こう、動かします…」
カン、とまた駒を動かす。
「「……」」
二人は顔を見合わせて。
「…参ったわ…」
セイフォード少将は両手を上げ、降参ポーズをして。
「…まさか“雷鳴”の頭脳に勝るとはのう…」
グラマン中将は驚くようにチェス盤を見つめていた。
「あ…いえ…すみません…尉官が…」
「とんでもない。チェスで負けたことがない私を負かすなんて大したものよ」
偶然に手が見えただけなのだけど、それがまさか勝利に繋がるとは思わなかったわ…。
「次は最初から勝負しましょう」
「え、いえ…勝てませんよ、錬金術師の頭脳には」
私がそう言うと、セイフォード少将はクスリと笑んで。
「たった今その錬金術師を負かした人が何を言うの。それにね、リザ」
立ち上がり、私の肩に手を置いて。
「“勝てないからやらない”のではなく、“勝てるまでやる精神”って結構大事よ?」
グラマン中将みたいに、とセイフォード少将はクスクス笑った。
「さて、と。そろそろ中央に戻りますね」
「次こそは勝つぞい!」
「それ前も言ってましたけど、でもまぁ」
セイフォード少将はグラマン中将へ振り返って。
「望むところですよ、グラマン中将」
不敵な笑みを浮かべた。
その笑みを見て。
トクン、と。
何故か小さく胸が弾んだ。
どうしてなのかわからないけれど、セイフォード少将のその不敵な笑みから目を離せなくて。
「では、失礼します。グラマン中将」
「うん、うん。今日はありがとうね」
私とセイフォード少将は敬礼をして、執務室を出た。
「あ、ねぇ。私お昼まだなんだけど、あなたもまだなら一緒にどう?」
「え?」
オフィスへ向かいながら、セイフォード少将にお昼に誘われた。
「将官と一緒じゃ緊張しちゃう?」
「あ、いえ。ご一緒させていただきます」
緊張はするけど、将官の誘いを断るわけにはいかない。
「ん、ありがとう」
それに、部下に対してちゃんと真っ直ぐ目を見てお礼を言ってくれるこの方と、もう少し話してみたいと思ったから。
「じゃあ行きましょうか」
「はい」
そうして私たちは食堂へと向かった。
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コンコン
「ホークアイ中尉です。お茶をお持ちしました」
『いいわよ、入って』
「失礼します」
セイフォード少将の許可を受け、執務室の扉を開けると。
「ぐぬぬぬっ」
グラマン中将は悔しそうな顔をしているのに対して。
「降参ですか?降参ですね?」
セイフォード少将はニヤニヤ笑っていて。
「また負けたー!」
「ふふっ、これで通算15連勝無敗ですよ」
グラマン中将が両手を上げて降参して。
グラマン中将に先にお茶を出し、セイフォード少将にお茶を出すと。
「ありがとう」
「!あ、いえ…」
セイフォード少将はニコリと笑み、お茶を啜る。
「いつになったら勝てるんかのう」
「さぁ、いつでしょうねぇ」
グラマン中将もチェスの駒を眺めながら、お茶を啜る。
「これをこう動かしたからかの?」
「そう動いたら、私はこう動かします」
「……ぐぅ…っ」
どう動かしてもセイフォード少将の優勢は変わらずだけど。
「………」
私は黙ってチェス盤を眺めて。
グラマン中将の駒を動かすと。
「「………」」
グラマン中将とセイフォード少将はきょとんと私を見て、チェス盤へ視線を移した。
「……うっそ…待って…」
セイフォード少将がチェス盤を見つめ、腕を組み顎に手を添えた。
「……こりゃたまげた…」
グラマン中将も顎に手を添え、チェス盤を眺める。
「……こう動かしたら…?」
グラマン中将もセイフォード少将も私を見てくるから、動かせということよね…。
「…こう、動かします…」
カン、とまた駒を動かす。
「「……」」
二人は顔を見合わせて。
「…参ったわ…」
セイフォード少将は両手を上げ、降参ポーズをして。
「…まさか“雷鳴”の頭脳に勝るとはのう…」
グラマン中将は驚くようにチェス盤を見つめていた。
「あ…いえ…すみません…尉官が…」
「とんでもない。チェスで負けたことがない私を負かすなんて大したものよ」
偶然に手が見えただけなのだけど、それがまさか勝利に繋がるとは思わなかったわ…。
「次は最初から勝負しましょう」
「え、いえ…勝てませんよ、錬金術師の頭脳には」
私がそう言うと、セイフォード少将はクスリと笑んで。
「たった今その錬金術師を負かした人が何を言うの。それにね、リザ」
立ち上がり、私の肩に手を置いて。
「“勝てないからやらない”のではなく、“勝てるまでやる精神”って結構大事よ?」
グラマン中将みたいに、とセイフォード少将はクスクス笑った。
「さて、と。そろそろ中央に戻りますね」
「次こそは勝つぞい!」
「それ前も言ってましたけど、でもまぁ」
セイフォード少将はグラマン中将へ振り返って。
「望むところですよ、グラマン中将」
不敵な笑みを浮かべた。
その笑みを見て。
トクン、と。
何故か小さく胸が弾んだ。
どうしてなのかわからないけれど、セイフォード少将のその不敵な笑みから目を離せなくて。
「では、失礼します。グラマン中将」
「うん、うん。今日はありがとうね」
私とセイフォード少将は敬礼をして、執務室を出た。
「あ、ねぇ。私お昼まだなんだけど、あなたもまだなら一緒にどう?」
「え?」
オフィスへ向かいながら、セイフォード少将にお昼に誘われた。
「将官と一緒じゃ緊張しちゃう?」
「あ、いえ。ご一緒させていただきます」
緊張はするけど、将官の誘いを断るわけにはいかない。
「ん、ありがとう」
それに、部下に対してちゃんと真っ直ぐ目を見てお礼を言ってくれるこの方と、もう少し話してみたいと思ったから。
「じゃあ行きましょうか」
「はい」
そうして私たちは食堂へと向かった。
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