2章
研究所入口前
「なんてことだ…」
研究所の扉をくぐった瞬間、スペイドさんが愕然として立ち尽くした。
そこは、俺でも見て分かるくらい“おかしい”光景だった。
通路がぐにゃぐにゃと曲がり、壁の向こうにまた同じ廊下が伸びている。
本来は直線だったはずの構造が、無理やりねじ曲げられて迷路みたいになっている。
「スペイドさんの研究所って、こんな迷路状でした?」
「そんなわけない。研究所エリアはシンプルな大部屋だよ。一階が実験フロア、地下に極秘の研究部屋、二階は私の私室を設けているだけだ」
「てことは…不思議迷宮になってんな、これ」
「たぶんだけど、ジャロの仕業かもしれない」
ラルドが推測し、マジカルが眉をひそめる。
「まさか、私のいない間に研究所を乗っ取ったというのか? いったいどうするつもりだ?」
「もうヤバいことになってるんじゃんか」
「こうなったらジャロをとっ捕まえようぜ」
ラルドが拳を握る。俺も剣を握り直して、一歩踏み出した。
道中
進めば進むほど、研究所の“らしさ”は消えていった。
床には配線とレールが走り、壁際にはタンクとパイプ。
階層を下るごとに、ここが何かを大量に製造している工場になっていることが分かってくる。
「ジャロが作ったんだろうな。お手製の警備ロボに、清掃ロボに、搬送ロボに……」
そのどれもが、こっちを見つけるなり襲いかかってくる。
倒してみれば、中身はどれも同じ…セブンフルーツペーストが、ぶちまけられてるだけだ。
「うわ、またペーストまみれ…」
さらに行くと、今度はセブンフルーツジュースを飲んでふらふらしているスライムまでいた。
近づくと甘ったるい匂いがして、魔力まで吸われそうな気配がする。
「てかロボ倒してもペーストぶちまけるし、スライムもジュースくさくて…セブンフルーツだらけじゃんか!!」
通路のあちこちにも、山積みになったセブンフルーツの房。
棚の上、箱の中、コンベアの端…視界のどこかに、かならず黄色が入ってくる。
「…なんなんだこれ。あっちこっちにセブンフルーツが大量…」
「そんで、そのジュースなのかジャムにした匂い…鼻がおかしくなりそうだわ」
マジカルは猫っぽいせいか、鼻が人より利く。
それが今は裏目に出ている。耳もなんかしおれてる。
「私の推測だが…そのジャロというのは、ここら一帯をセブンフルーツを使って大規模に加工しているのではないだろうか。何に使うかまでは分からんが…」
スペイドさんが眉間を押さえながら言う。
「すごい量ですね…どこから仕入れたのでしょうか?」
ノオも顔色を悪くしていた。
「…ジャロが関わってんなら、村の騒動みたいに手に入れてんのかもな。てことは、ここらのセブンフルーツって…もともとは何だったんだろうな?」
「…」
深く考えた瞬間、ぞわっと寒気が背筋を這った。
ただ一つ言えるのは…『ここにあるセブンフルーツをうっかり食べたりしたら、シャレにならん』ということだ。
「おなかすいたねー」
よりによってこのタイミングで、スタラとローザのおなかが鳴る。
「ここのセブンフルーツ、良い香りー。いい感じに熟れてると思う!」
「うれてるってどういうこと?」
「うんとね、甘くておいしい状態になること!」
「そっか!」
「おい、お前ら!!」
嫌なコンビに、俺は叫んだ。
「ここのフルーツは絶対食べるな!いいな!!」
ローザとスタラがセブンフルーツに手を伸ばしかけたのを、俺たちは全力で止めた。
「なんてことだ…」
研究所の扉をくぐった瞬間、スペイドさんが愕然として立ち尽くした。
そこは、俺でも見て分かるくらい“おかしい”光景だった。
通路がぐにゃぐにゃと曲がり、壁の向こうにまた同じ廊下が伸びている。
本来は直線だったはずの構造が、無理やりねじ曲げられて迷路みたいになっている。
「スペイドさんの研究所って、こんな迷路状でした?」
「そんなわけない。研究所エリアはシンプルな大部屋だよ。一階が実験フロア、地下に極秘の研究部屋、二階は私の私室を設けているだけだ」
「てことは…不思議迷宮になってんな、これ」
「たぶんだけど、ジャロの仕業かもしれない」
ラルドが推測し、マジカルが眉をひそめる。
「まさか、私のいない間に研究所を乗っ取ったというのか? いったいどうするつもりだ?」
「もうヤバいことになってるんじゃんか」
「こうなったらジャロをとっ捕まえようぜ」
ラルドが拳を握る。俺も剣を握り直して、一歩踏み出した。
道中
進めば進むほど、研究所の“らしさ”は消えていった。
床には配線とレールが走り、壁際にはタンクとパイプ。
階層を下るごとに、ここが何かを大量に製造している工場になっていることが分かってくる。
「ジャロが作ったんだろうな。お手製の警備ロボに、清掃ロボに、搬送ロボに……」
そのどれもが、こっちを見つけるなり襲いかかってくる。
倒してみれば、中身はどれも同じ…セブンフルーツペーストが、ぶちまけられてるだけだ。
「うわ、またペーストまみれ…」
さらに行くと、今度はセブンフルーツジュースを飲んでふらふらしているスライムまでいた。
近づくと甘ったるい匂いがして、魔力まで吸われそうな気配がする。
「てかロボ倒してもペーストぶちまけるし、スライムもジュースくさくて…セブンフルーツだらけじゃんか!!」
通路のあちこちにも、山積みになったセブンフルーツの房。
棚の上、箱の中、コンベアの端…視界のどこかに、かならず黄色が入ってくる。
「…なんなんだこれ。あっちこっちにセブンフルーツが大量…」
「そんで、そのジュースなのかジャムにした匂い…鼻がおかしくなりそうだわ」
マジカルは猫っぽいせいか、鼻が人より利く。
それが今は裏目に出ている。耳もなんかしおれてる。
「私の推測だが…そのジャロというのは、ここら一帯をセブンフルーツを使って大規模に加工しているのではないだろうか。何に使うかまでは分からんが…」
スペイドさんが眉間を押さえながら言う。
「すごい量ですね…どこから仕入れたのでしょうか?」
ノオも顔色を悪くしていた。
「…ジャロが関わってんなら、村の騒動みたいに手に入れてんのかもな。てことは、ここらのセブンフルーツって…もともとは何だったんだろうな?」
「…」
深く考えた瞬間、ぞわっと寒気が背筋を這った。
ただ一つ言えるのは…『ここにあるセブンフルーツをうっかり食べたりしたら、シャレにならん』ということだ。
「おなかすいたねー」
よりによってこのタイミングで、スタラとローザのおなかが鳴る。
「ここのセブンフルーツ、良い香りー。いい感じに熟れてると思う!」
「うれてるってどういうこと?」
「うんとね、甘くておいしい状態になること!」
「そっか!」
「おい、お前ら!!」
嫌なコンビに、俺は叫んだ。
「ここのフルーツは絶対食べるな!いいな!!」
ローザとスタラがセブンフルーツに手を伸ばしかけたのを、俺たちは全力で止めた。
