アニメもんた様から頂きました
………
「これで、大丈夫だと思うよ」
「ありがとう、ベル」
包帯を巻き終えたベルはシアンを
ベッドに寝かせた。
彼は規則正しく寝息をたてている。
ベルは願の持ってきた赤黒く大きな鎌と、シアンの顔を見てポツリ…と呟いた。
「…魔道士シアン=ズヴェズダ…」
「?シアン…?」
「この人の名前さ」
「!どうしてこの人の名を?」
「叶と願は"原罪物語"や"悪ノ娘"等…七つの大罪の本を見たことがあるかい?」
「?ないわ…」
「彼、シアンはその物語に出てくる魔道士なんだ…」
「「物語にでてくる…魔道士!?」」
双子は驚いた顔でシアンを見る。
「間違いないよ。その綺麗な緑の髪…赤黒く染まった鎌…多分、あのトンネルから来たんじゃないかな」
「でもなんでこんな怪我を…」
「…物語では彼以外にも魔道士が出てくるんだ。
エルルカ=クロックワーカー、
イリーナ=クロックワーカー…エルルカら彼の味方だけれどイリーナは二人の敵でね、多分彼女の襲撃を受けてここに…」
「そっか……」
願が眉を下げて彼の顔を見つめる…
するとシアンの瞼がピク、と反応し…ゆっくりとシアンが目を覚ました。
「………」
「!起きた!」
「貴方、大丈夫?どこも痛くない?」
「……っ!!」
辺りを見回した彼は寝ぼけていた目をガッ、と開いてそこにあった鎌を取り
願達に向けた。
「きゃっ!?」
「…どういうことだい、これは」
「シアンさん、落ち着いて鎌をおろして…」
「何故お前は僕の名前を知っている!?…あぁ、イリーナが寄越した奴?上等だよ」
「私達は貴方に危害は加えないわ。…話を聞いて…落ち着いて。」
「………」
一人一人の顔色を見て、シアンは
鎌を戻した。
「…なんで僕の名前を知っているのさ、そしてここはどこ」
「貴方の名前を知っているのは、貴方が物語に出てくる人物だからだよ。そしてここはファンシフルワールド。」
「は?僕が物語の人物?…」
シアンは意味がわからない、とでもいうように眉をひそめる。
ファンシフルワールドについてはもう質問はないらしい
「そう。シアンさんは僕らの世界では物語に出てくる架空の人物なんだよ」
「ふぅーん……」