頂文

【愛し子】


白龍にとって人間とは
儚くすぐに消えてしまう存在
そしてその癖にもっともっとと
なんでも求める欲深い存在
であると認識していた

見える人間は何人もいた
接触したこともあった
それでも白龍はその人間の
名前を覚えていることはなかった

理由は単純明快、興味がなかったからである
どの人間も龍としての自分の価値しか
見えておらずその目は欲深く醜かった

彼が使えている白夜も
兄であるエンマ大王も
人間に興味を持ち交流していたが…


「人間にあんなに興味を持てる
その理由がわかる日は来るんでしょうか」


人間界に降りてきた白龍は
神社の神木の上からぼんやりと
神社の光景を見下ろしていた
見下ろしていると、ふと1人の
人間の女の子が老人を
道案内しながら入ってきた。


「………今日で…14人目ですかね」


ぼんやり、と訪問者を数えて
少女を見ていると少女は
老人に礼を言われて嬉しそうに
微笑んでいた
そして老人は神社にお参りした後に
神社を出ていき、少女を
そのまま見ていると足をつい
動かしてしまいがさり、と
白龍の足元の枝が鳴る。


「?」

「(音に気がついたとしても
私の事は見えないでしょう)」


どうせ自分のことは分からない、と
鷹を括りそのまま木の上に寝転び
見下ろしていると少女と目が合った


「(…まさか見えているのですか?)」


試しに首をかしげてみる
その少女も首をかしげた

…見えているのだとわかった
白龍は尋ねた。


「何か御用ですか」

「あの…貴方がいるその木、かなり高いように
見えますけど降りられますか…?」

「…」


白龍は体を起こして
木から降り、着地して
服に着いた葉っぱを払った。


「ご心配なく」

「良かった!大丈夫かな、って
思ってて」


老人を助けた上に自分の身を案じるとは
珍しいほどにお人好しだ
今時こんなに清らかな人間も珍しい、と
白龍は人間の少女に心配されたと
言う初めての感覚に目を丸くさせた

白龍はそう感じつつも紳士的に
ぺこり、とお辞儀をした。


「私は木から落ちるような
ヘマはしませんよお嬢さん
ご心配をお掛けしました」


へにゃり、と笑う少女の
微笑みに少し目線が取られる
なにやら胸元に暖かな物を
感じ少し目線をそらす。


「………それでは」

「あ、」


少女が何がいいたそうに
していたが白龍はその場から去った

しかしそれから、何故だろうか
あの娘が気にかかる
あの一面からわかる、間違いなく
優しく慈悲深い性格
彼女の瞳は純粋に輝いており
今まで見た人間とは違った


「(故に、よくある人間の食い物に
されるんだ)」


あの少女がそうなるのかと
思うと何故か気に入らなかった
心配しているのかと言われれば
素直になるしかなくて

あの少女が来るだろうかと
神社で待ってみると、意外と早くに
あの少女はやってきた


「あ、この前の!」

「どうも」

「会えた、良かった
お名前聞こうとしたらいなくなったから」

「それはどうも失礼しました
私も」


白龍は理解した

白夜が、エンマ大王が
人間に興味を持ち
好感を持ち交流するのかを


「白龍と申します、お嬢さん
貴方は」

「私、桃白しのえって言います」


知りたくなった、この人間
しのえの事が


「良い名ですね」


白龍は優しく微笑んだ
しのえ、彼女こそが白龍の
初めてとなる愛し子となるのは
その感情こそが恋なのだと知るのは
もう時期だった



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アニメもんたさんから素敵な小説を頂きました!
『20000hitうちよそ企画』に参加した所、我が家のしのえとアニメもんたさん宅の白龍さんの小説を書いて下さいました!

白龍さん、興味を持った人間がしのえで良かったねって思いました!
今時純粋で慈悲深い人はあんまりいないので、しのえと出会えた事で少しは人間と交流を持つようになるかな〜?っと…!
しのえに会いたくなったら白龍さんは神社の神木に行き、白龍さんに会いたくなったらしのえは学校帰りに神社へ行きそうですね!それが日常的になっていそう…!
多分しのえは、美しく魅力的のある白龍さんに一目惚れしたんじゃないかな〜(ニヤニヤ)
初めはしのえ(一目惚れ)→←(興味ある人間)白龍さんで、そして次第にはしのえ(片想い)→←(愛)白龍さんな気がします!!(私見)
二人の恋を見守りたいですね!

改めまして、『夢の世界へどうぞ』20000hitおめでとうございます!
そして、うちよそ企画お疲れ様です!
素敵な小説を本当にありがとうございました!
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