本編 ーsecondー
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(気を遣わせてすまない、か・・・。)
しばらくして医務室の先生に見てもらった後、咲は無事に部屋に戻ってきた。
(嘘ってばれたかもな。)
力なくベッドに腰掛ける。
自分でも、後からまずかったかもしれないと思う。
もしかしたらすでに手塚からの手紙だと話をしていたかもしれない。
でも。
(これ以上、掻き回したくなかった。)
顔を両手で覆う。
堂上を投げ飛ばすほど見られたくなかった手紙。
確かに第三者からすると笑い話だが、当の本人である郁にしたら嫌で仕方がないのかもしれない。
そう思うと、自然と嘘をついていた。
噛み締めた歯を解くとため息が漏れる。
堂上は大人だ。
(失礼だけど、笠原一士とは違う。)
嘘だと気付いたならば、ただ私が気を遣っただけ、で済ませてくれる可能性が高い。
分かっていなくても、詮索などしない質だ。
(信頼できる人だな、いろんな意味で。)
指の隙間を伝うものに乱暴に顔を拭う。
「やだな。」
独り言がやけに虚しく響く。
くしゃりと前髪をかきあげ、自嘲する。
涙が溢れて止まらない。
「私は、こんな泣き虫じゃなかった。」
立ち上がる。
霞んだ視界で、開いたままになっていたカーテンを力任せに閉めた。
独りぼっちの気分になる
しばらくして医務室の先生に見てもらった後、咲は無事に部屋に戻ってきた。
(嘘ってばれたかもな。)
力なくベッドに腰掛ける。
自分でも、後からまずかったかもしれないと思う。
もしかしたらすでに手塚からの手紙だと話をしていたかもしれない。
でも。
(これ以上、掻き回したくなかった。)
顔を両手で覆う。
堂上を投げ飛ばすほど見られたくなかった手紙。
確かに第三者からすると笑い話だが、当の本人である郁にしたら嫌で仕方がないのかもしれない。
そう思うと、自然と嘘をついていた。
噛み締めた歯を解くとため息が漏れる。
堂上は大人だ。
(失礼だけど、笠原一士とは違う。)
嘘だと気付いたならば、ただ私が気を遣っただけ、で済ませてくれる可能性が高い。
分かっていなくても、詮索などしない質だ。
(信頼できる人だな、いろんな意味で。)
指の隙間を伝うものに乱暴に顔を拭う。
「やだな。」
独り言がやけに虚しく響く。
くしゃりと前髪をかきあげ、自嘲する。
涙が溢れて止まらない。
「私は、こんな泣き虫じゃなかった。」
立ち上がる。
霞んだ視界で、開いたままになっていたカーテンを力任せに閉めた。
独りぼっちの気分になる