迦楼羅先生×寂雷先生
午後の診療を終えた時刻、シンジュク中央病院の表の出入口の自動ドアが閉まった。
患者も、受付の職員も、外来の看護師もいなくなった時刻。
「寂雷ちゃーん、帰れそうかい?」
寂雷の診察室にやって来た迦楼羅が、部屋のドア部分に寄りかかる。
「あと1人分、よろしいでしょうか?」
「オッケー、んじゃジジイは──。」
バリンッ!!
遠くから、何か──そう、ガラスを叩き割るような音が聞こえ、寂雷は椅子から立ち上がり、迦楼羅と共に音がした方へと向かった。
…
「フヘヘッ、いたなぁ!!神宮寺寂雷!!」
薄暗いエントランスには、黒ずくめの男が1人立っていた。
男は違法マイクを取り出し、起動して、耳を劈くようなビートをスピーカーから発する。
「やれやれ、此処はジジイが相手をしようかねぇ。」
迦楼羅が、白衣の内ポケットからヒプノシスマイクを取り出す。
「巫先生っ、私もっ!」
白衣のままだと、迦楼羅への呼び方は巫先生の寂雷。
ヒプノシスマイクを取り出したが、迦楼羅の無骨な人差し指が1を出し、寂雷の唇にふに……触れる。
「寂雷ちゃんは、『最後の砦』だ。いいね?」
迦楼羅がマイクを起動して、クロアゲハチョウのピンマイクを白衣に付け、「地獄の門」のスピーカーから、違法マイクのスピーカーからのビートを上書きするように、重厚なビートを流す。
「フヘヘッ、テメーで『試してみる』のもいいかもなぁ……俺のリリックを喰らえやぁ!!」
変わる変わる変動するこのビートッ!
かましてやるさ目の前のジジイになぁ!
このワンバースで俺の勝ちは決まったも同然だ!
端役のジジイはズタボロ必至!
三枚おろしに捌くだけ!
駄作なリリック聞かせてみろよぉお!!
男のリリックを受けた迦楼羅は、ふー……と息を吐く。
駄作かどうかは分からんが、1歩とて、足を後ろに動かす気はねえんだわ。
悪りぃね、ジジイは「しつこい」んだよ。
枯れた砂漠の大地のようなカラッカラなライムくらいで、膝をつく気もねえさ。
ジジイはなぁ、しぶといぞぉ?
違法マイクで単身乗り込み、その気概をもっと他のことに使えなかったのかねぇ……ちぃとばかし「悲しい」ぜ。
だからこそ、お前さんの「怒り」のもとを、教えてくれるかい?
慈愛を持って接することこそ、カウンセリングの基本だよ。
「ゔぎぎっ!!まだまだだぁあ!!」
しぶとい男と、しぶとい迦楼羅の「応酬」が、およそ5分間続いた。
…
「……あ゛ー……頭、ぐわんぐわんするねぇ……。」
違法マイクで単身、シンジュク中央病院に乗り込んできた黒ずくめの男は、最終的には迦楼羅のリリックに膝をつき、警察に連行された。
事後処理をして、白衣を脱ぎ、駐車場へ向かう頃にはもう21時。
寂雷の車で、寂雷が運転していると、助手席のシートを倒して乱雑に前髪を掻き上げる迦楼羅に、信号待ちでブレーキを踏んだ寂雷が眉を下げて迦楼羅の顔を覗く。
「迦楼羅、無茶をしすぎです……。」
「ジジイとて、愛する伴侶の前じゃ、かっこつけてえ生き物なのさ。だぁいじょーぶ、今日寝りゃ、明日はいつも通りだ。」
前髪をパサッと下ろして、心配そうな顔の寂雷の頬を撫でる迦楼羅。
「お、青なったぞ。」
車が、再び発進した。
…
翌朝、寂雷の隣で眠っていたはずの迦楼羅に「異変」が起きてしまった。
寂雷は、ライトブルーの瞳を「点」にしてしまう。
なにせ超大型犬として有名なグレートデーンが、迦楼羅が着ていたスウェットの中から出てきたのだ。
「……え……か、るら……?」
「クーン……。」
寂雷は上半身を起こし、赤毛と白毛混じりの毛色で、アースアイのグレートデーンの顔を撫でる。
低音のグレートデーンは、甘えるように顔をスリスリと寂雷のしなやかな手に擦り付ける。
「……まさか……昨日の違法マイクの、副作用、でしょうか……?」
「クーン……。」
「ふふっ、そんな甘えた声を出されたら、ニヤついてしまいますよ──ひゃっ、んふふっ、くすぐったいです、迦楼羅。」
グレートデーンとなってしまった迦楼羅は、大きな舌でペロペロと寂雷の顔を舐める。
寂雷は嫌がらずにグレートデーン迦楼羅の顔を抱き締めながら、そのペロペロを受け入れる。
「んふふっ、ペロペロ、止まりませんね。」
「クーン。」
「このまま共にいたいですが、仕事ですからね……迦楼羅は、有給休暇を使いましょうか。」
ぐいぐい、今度は顔を寂雷の顔に押し付けるグレートデーン迦楼羅は、低音で甘えた鳴き声ばかり出す。
「離れたくない、ですね……。でも、病院に今の迦楼羅と共に、出勤するわけにもいきませんから……
。……ふふ、動物病院なら、良かったのですけどね……。」
…
グレートデーンになったとは言え、人間相手にドッグフードを用意するわけにもいかないので、寂雷は猫まんまを作った。
深めの皿に盛られた猫まんまはソファ前のローテーブルに置かれて、グレートデーン迦楼羅はお利口にお座りして待っている。
寂雷もローテーブルに朝食(白米、納豆、豆腐とワカメの味噌汁)を持ってきて座った。
いただきますをした寂雷は箸を進めるが、グレートデーン迦楼羅は、ジッ……と寂雷を見ている。
「……もしかして、『良し』を待っているんですか?」
「クーン。」
「ふふっ、では、いただきますの代わりですね。どうぞ、お食べください。」
すると、グレートデーン迦楼羅は、はぐはぐ、食べ始めた。
…
朝食を済ませて、片付けをして、歯磨きを済ませて、いつものハイネックとスラックスに着替えた寂雷は、玄関で靴を履く。
グレートデーン迦楼羅は、お利口に座ってその様子を見ている。
「有給休暇については私がしますから、迦楼羅はゆっくり過ごしてくださいね。」
「クーン……。」
「……ンンッ、離れ難くなるじゃないですか。」
寂雷はグレートデーン迦楼羅の顔に唇を近づけて、ちゅ、ちゅ、キスを落としていく。
そしたら、大きな口が、寂雷の唇に触れた。
「はい、行ってきますね。」
寂雷もお返しをして、玄関のドアを開け、鍵をかけた。
グレートデーン迦楼羅は、そのまま玄関ホールで伏せて、寂雷の帰りを待つことにした。
…
寂雷は、仕事は仕事として切り替えて午前の診療を終えた。
勿論、一番最初に迦楼羅の有給休暇の件を伝えてだ。
いつもは迦楼羅が作ってくれるお弁当は、今日は自分が作ったもの。
それをモグモグ食べ終わったら、向かった先は、なんと、病院の外に1ヶ所だけ設置されてある喫煙所。
『ん、お疲れさん寂雷ちゃん。』
微風で靡くライトグレーとライトパープルの長髪を耳の後ろにかける寂雷は、いつもの迦楼羅の声を思い出す。
今日、此処は、匂わない。
寂雷は、壁に寄りかかり、空を見上げた。
澄み渡る青空は、まるで寂雷のライトブルーのよう。
…
午後の寂雷も、寂しさを微塵も出さずに診療や院内の回診を行った。
「嘘っ、もう20時?!」
カルテ整理を終えたあとに伸びをして、ふと時計を見れば短針は8を示し、長針は12を過ぎてる。
寂雷は急いで鞄を取り、普段なら、走っちゃ駄目ですよと注意をする側なのに、駆け足で病院の廊下を走り、裏口の職員用の出入口から出たのだ。
…
暗い、暗い玄関ホールで伏せをしたままのグレートデーン迦楼羅は、車の音にピクピク耳を動かし、むくりと身体を起こしてお座りをする。
カチャッ、開いた玄関の鍵と、パチッと点いた電気に、尻尾をブンブン振りながらクゥー!クゥー!低音の鳴き声で喜びを表したあとに、グレートデーン迦楼羅は玄関に下りて後ろ足だけタイルにつけて前足を上げ、立ち上がった。
「ただいまですっ、迦楼羅……!」
寂雷が、その巨体を抱き締める。
「クーン。」
「ごめんなさい、カルテ整理をしていたら、その……いつのまにかもう、こんな時間に……──んむっ……ひゃっ、くすぐったいですっ、ふふっ。」
まるで、気にするこたぁないよと言うかのように寂雷の唇を大きな口で塞いだあと、顔をペロペロ舐める。
すると、グレートデーン迦楼羅の身体がほのかにポワッ……と光り──。
「あ、ヤベ、全裸じゃねえか。」
褐色の胸板に包まれて、およそ12時間ぶりに聞いた低音に、寂雷が顔を上げる。
そこには、いつもの目隠れな赤毛と白髪混じりの天然パーマの顔が映った。
「っ、迦楼羅……っ!」
寂雷は背伸びをして、迦楼羅の逞しい首に両腕を回し、迦楼羅の口を己の口で塞ぐ。
「んぁ……っ……んっ、んぅ……っ。」
くちゅ……ぴちゃっ……舌を絡め合い、お互いの口内を貪り合う。
「かるらっ、もっと……っ!」
「やれやれ、ジジイも我慢の限界みてえだわ。」
玄関で、全裸の褐色の巨躯にいいようにされながら、寂雷はその「優しさ」と「ぬくもり」に、溺れていった。
患者も、受付の職員も、外来の看護師もいなくなった時刻。
「寂雷ちゃーん、帰れそうかい?」
寂雷の診察室にやって来た迦楼羅が、部屋のドア部分に寄りかかる。
「あと1人分、よろしいでしょうか?」
「オッケー、んじゃジジイは──。」
バリンッ!!
遠くから、何か──そう、ガラスを叩き割るような音が聞こえ、寂雷は椅子から立ち上がり、迦楼羅と共に音がした方へと向かった。
…
「フヘヘッ、いたなぁ!!神宮寺寂雷!!」
薄暗いエントランスには、黒ずくめの男が1人立っていた。
男は違法マイクを取り出し、起動して、耳を劈くようなビートをスピーカーから発する。
「やれやれ、此処はジジイが相手をしようかねぇ。」
迦楼羅が、白衣の内ポケットからヒプノシスマイクを取り出す。
「巫先生っ、私もっ!」
白衣のままだと、迦楼羅への呼び方は巫先生の寂雷。
ヒプノシスマイクを取り出したが、迦楼羅の無骨な人差し指が1を出し、寂雷の唇にふに……触れる。
「寂雷ちゃんは、『最後の砦』だ。いいね?」
迦楼羅がマイクを起動して、クロアゲハチョウのピンマイクを白衣に付け、「地獄の門」のスピーカーから、違法マイクのスピーカーからのビートを上書きするように、重厚なビートを流す。
「フヘヘッ、テメーで『試してみる』のもいいかもなぁ……俺のリリックを喰らえやぁ!!」
変わる変わる変動するこのビートッ!
かましてやるさ目の前のジジイになぁ!
このワンバースで俺の勝ちは決まったも同然だ!
端役のジジイはズタボロ必至!
三枚おろしに捌くだけ!
駄作なリリック聞かせてみろよぉお!!
男のリリックを受けた迦楼羅は、ふー……と息を吐く。
駄作かどうかは分からんが、1歩とて、足を後ろに動かす気はねえんだわ。
悪りぃね、ジジイは「しつこい」んだよ。
枯れた砂漠の大地のようなカラッカラなライムくらいで、膝をつく気もねえさ。
ジジイはなぁ、しぶといぞぉ?
違法マイクで単身乗り込み、その気概をもっと他のことに使えなかったのかねぇ……ちぃとばかし「悲しい」ぜ。
だからこそ、お前さんの「怒り」のもとを、教えてくれるかい?
慈愛を持って接することこそ、カウンセリングの基本だよ。
「ゔぎぎっ!!まだまだだぁあ!!」
しぶとい男と、しぶとい迦楼羅の「応酬」が、およそ5分間続いた。
…
「……あ゛ー……頭、ぐわんぐわんするねぇ……。」
違法マイクで単身、シンジュク中央病院に乗り込んできた黒ずくめの男は、最終的には迦楼羅のリリックに膝をつき、警察に連行された。
事後処理をして、白衣を脱ぎ、駐車場へ向かう頃にはもう21時。
寂雷の車で、寂雷が運転していると、助手席のシートを倒して乱雑に前髪を掻き上げる迦楼羅に、信号待ちでブレーキを踏んだ寂雷が眉を下げて迦楼羅の顔を覗く。
「迦楼羅、無茶をしすぎです……。」
「ジジイとて、愛する伴侶の前じゃ、かっこつけてえ生き物なのさ。だぁいじょーぶ、今日寝りゃ、明日はいつも通りだ。」
前髪をパサッと下ろして、心配そうな顔の寂雷の頬を撫でる迦楼羅。
「お、青なったぞ。」
車が、再び発進した。
…
翌朝、寂雷の隣で眠っていたはずの迦楼羅に「異変」が起きてしまった。
寂雷は、ライトブルーの瞳を「点」にしてしまう。
なにせ超大型犬として有名なグレートデーンが、迦楼羅が着ていたスウェットの中から出てきたのだ。
「……え……か、るら……?」
「クーン……。」
寂雷は上半身を起こし、赤毛と白毛混じりの毛色で、アースアイのグレートデーンの顔を撫でる。
低音のグレートデーンは、甘えるように顔をスリスリと寂雷のしなやかな手に擦り付ける。
「……まさか……昨日の違法マイクの、副作用、でしょうか……?」
「クーン……。」
「ふふっ、そんな甘えた声を出されたら、ニヤついてしまいますよ──ひゃっ、んふふっ、くすぐったいです、迦楼羅。」
グレートデーンとなってしまった迦楼羅は、大きな舌でペロペロと寂雷の顔を舐める。
寂雷は嫌がらずにグレートデーン迦楼羅の顔を抱き締めながら、そのペロペロを受け入れる。
「んふふっ、ペロペロ、止まりませんね。」
「クーン。」
「このまま共にいたいですが、仕事ですからね……迦楼羅は、有給休暇を使いましょうか。」
ぐいぐい、今度は顔を寂雷の顔に押し付けるグレートデーン迦楼羅は、低音で甘えた鳴き声ばかり出す。
「離れたくない、ですね……。でも、病院に今の迦楼羅と共に、出勤するわけにもいきませんから……
。……ふふ、動物病院なら、良かったのですけどね……。」
…
グレートデーンになったとは言え、人間相手にドッグフードを用意するわけにもいかないので、寂雷は猫まんまを作った。
深めの皿に盛られた猫まんまはソファ前のローテーブルに置かれて、グレートデーン迦楼羅はお利口にお座りして待っている。
寂雷もローテーブルに朝食(白米、納豆、豆腐とワカメの味噌汁)を持ってきて座った。
いただきますをした寂雷は箸を進めるが、グレートデーン迦楼羅は、ジッ……と寂雷を見ている。
「……もしかして、『良し』を待っているんですか?」
「クーン。」
「ふふっ、では、いただきますの代わりですね。どうぞ、お食べください。」
すると、グレートデーン迦楼羅は、はぐはぐ、食べ始めた。
…
朝食を済ませて、片付けをして、歯磨きを済ませて、いつものハイネックとスラックスに着替えた寂雷は、玄関で靴を履く。
グレートデーン迦楼羅は、お利口に座ってその様子を見ている。
「有給休暇については私がしますから、迦楼羅はゆっくり過ごしてくださいね。」
「クーン……。」
「……ンンッ、離れ難くなるじゃないですか。」
寂雷はグレートデーン迦楼羅の顔に唇を近づけて、ちゅ、ちゅ、キスを落としていく。
そしたら、大きな口が、寂雷の唇に触れた。
「はい、行ってきますね。」
寂雷もお返しをして、玄関のドアを開け、鍵をかけた。
グレートデーン迦楼羅は、そのまま玄関ホールで伏せて、寂雷の帰りを待つことにした。
…
寂雷は、仕事は仕事として切り替えて午前の診療を終えた。
勿論、一番最初に迦楼羅の有給休暇の件を伝えてだ。
いつもは迦楼羅が作ってくれるお弁当は、今日は自分が作ったもの。
それをモグモグ食べ終わったら、向かった先は、なんと、病院の外に1ヶ所だけ設置されてある喫煙所。
『ん、お疲れさん寂雷ちゃん。』
微風で靡くライトグレーとライトパープルの長髪を耳の後ろにかける寂雷は、いつもの迦楼羅の声を思い出す。
今日、此処は、匂わない。
寂雷は、壁に寄りかかり、空を見上げた。
澄み渡る青空は、まるで寂雷のライトブルーのよう。
…
午後の寂雷も、寂しさを微塵も出さずに診療や院内の回診を行った。
「嘘っ、もう20時?!」
カルテ整理を終えたあとに伸びをして、ふと時計を見れば短針は8を示し、長針は12を過ぎてる。
寂雷は急いで鞄を取り、普段なら、走っちゃ駄目ですよと注意をする側なのに、駆け足で病院の廊下を走り、裏口の職員用の出入口から出たのだ。
…
暗い、暗い玄関ホールで伏せをしたままのグレートデーン迦楼羅は、車の音にピクピク耳を動かし、むくりと身体を起こしてお座りをする。
カチャッ、開いた玄関の鍵と、パチッと点いた電気に、尻尾をブンブン振りながらクゥー!クゥー!低音の鳴き声で喜びを表したあとに、グレートデーン迦楼羅は玄関に下りて後ろ足だけタイルにつけて前足を上げ、立ち上がった。
「ただいまですっ、迦楼羅……!」
寂雷が、その巨体を抱き締める。
「クーン。」
「ごめんなさい、カルテ整理をしていたら、その……いつのまにかもう、こんな時間に……──んむっ……ひゃっ、くすぐったいですっ、ふふっ。」
まるで、気にするこたぁないよと言うかのように寂雷の唇を大きな口で塞いだあと、顔をペロペロ舐める。
すると、グレートデーン迦楼羅の身体がほのかにポワッ……と光り──。
「あ、ヤベ、全裸じゃねえか。」
褐色の胸板に包まれて、およそ12時間ぶりに聞いた低音に、寂雷が顔を上げる。
そこには、いつもの目隠れな赤毛と白髪混じりの天然パーマの顔が映った。
「っ、迦楼羅……っ!」
寂雷は背伸びをして、迦楼羅の逞しい首に両腕を回し、迦楼羅の口を己の口で塞ぐ。
「んぁ……っ……んっ、んぅ……っ。」
くちゅ……ぴちゃっ……舌を絡め合い、お互いの口内を貪り合う。
「かるらっ、もっと……っ!」
「やれやれ、ジジイも我慢の限界みてえだわ。」
玄関で、全裸の褐色の巨躯にいいようにされながら、寂雷はその「優しさ」と「ぬくもり」に、溺れていった。
