第六話 紫陽花
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◇
「よく堪えた」
混乱したその現場に冨岡さんが駆けつけてくれた時、多分その場の全員が安堵で泣きそうになった。
鬼が街中に現れて大暴れしていると緊急召集がかかって駆けつけた戦闘は、膠着状態のまま真夜中に差し掛かろうとしていた。どれだけ人を食べたらこんな化け物になるんだろう。雨にけぶる靄の向こうに本体を中心にした長い触手が何人もの人を捕らえたまま宙高く浮いていた。
最初に相対していた戊の先輩がやられたのが痛かった。同じようにして集められたらしい急ごしらえの編成は人数が多いことで連携がうまく取れず、捕まった人が殺されないようにするのが精一杯だった。すでに隊士は半分近く動けなくなっている。
柱は来ないのか、と鎹鴉をあちこち飛ばしながら待ちわびていた時に現れた冨岡さんは、わたしたちの顔ぶれをざっと見回す。
「階級が上の三名は俺と来い。後の者は住民の避難と怪我人の救助を」
状況報告を聞く前にすでに現状を把握していた。その短い指示で全員が駆け出す。わたしを含めた三人が冨岡さんに続いた。
それにしても柱の指示で動くことの安心感ときたら。冨岡さんの背中を追ううちに全員が落ち着いてくるのがわかった。
「本体はあれか」
「はい。近づこうとすると人を捕まえている触手を振り回してくるのでうかつに近づけません」
密集した住宅に囲まれた広場のような場所を遠く見やる。気絶しているとはいえ体の負担はどれほどだろう。まして攻撃に使われでもしたら死んでしまう。
「全員で右から一人ずつ救出しろ。周囲の触手に気をつけて、特にあの太いやつは間合いを詰めすぎるな。向かってきたときに斬れば足りる」
そう言ってすらりと日輪刀を抜き放つ。
「俺は左から。本体は頃合いを見て俺が行く」
「はい!」
答えた直後には左へ走る背中が小さくなっていた。
落ち着いてみれば三人で斬り刻んでいくのはさほど難しいことではなかった。一人救っては別の隊士にまかせてまた次へと向かう。繰り返していると反対側から救出してきた冨岡さんの姿が見えてきた。圧倒的に早い。触手も細かく刻まれているせいか再生する時間もだんだんと遅くなってきているようだ。
本当にあと少しだった。
大分減ってきた触手の隙間にようやく確認できるほど近づけた本体に目を向けたその時、身体中に走った衝撃に足が止まった。
――あいつ、あいつ、あいつ、あいつ……!
俄かには信じられない、だけど体の記憶が叫んでいる。みんなを殺した鬼だ。父さんと母さんと弟と兄様。みんなの最期の姿を思い出して震えが走る。こんな、こんな何年も生きていたなんて――!
「一体どれだけの人を食べたの……っ」
「宵谷、行くぞ!」
仲間の声は聞こえていた。でも動けなかった。
一度全身の血が沸騰したように熱くなった後にはしんと冷静になれることを知った。頭の中と胸の一点が氷のように冷えている。体が別のもののようだ。口からヒュゥゥゥゥと呼吸音が漏れていく。日輪刀を握り直す。
「おいっ!」
走り出したわたしを呼び止める声は一瞬で遠ざかった。
これはなんだろう。やけに静かだ。周りがよく視える。潰れて楕円のような雨粒。触手の一本一本はどう動くのか手にとるようにゆっくりと。視界の端で冨岡さんの口がわたしの名前の形に動いている。
あと数間まで迫った時、ばらけていた大量の触手が一斉に集まった。減ったとはいえわたし一人を取り囲むには充分な数。正面から襲いかかってくる。
躱せない、──けれど。
――陸ノ型 ねじれ渦
取り込まれたその中からほとんどを強引にねじ斬る。けれど抜け出したと思った時にはすでに目の前に次の攻撃が壁のように隙間なく向かってきていた。お前も必死なのか。刀を握り直して飛び上がる。ぎりぎりかもしれない。
――肆ノ型 打ち……
「参ノ型 流流舞い」
通り抜けられる隙間さえ出来ればいいと型を出すより一瞬早く水柱の圧倒的な剣技が全て薙ぎ払う。
「そのまま斬れ!」
その言葉に後押しされるように数歩で駆け抜け濡れた地面を強く蹴って飛ぶ。ひしゃげた屋根。瞳孔の細い赤い目を見開いた鬼の顔。
お前なんかにもう何もやらない。
一撃で斬り落としてやる。
一滴の血も、一瞬の時間すらやるものか。
――壱ノ型 水面斬り
◆
「そのまま斬れ!」
叫んだ瞬間自分が信じられなかった。いつもなら無理をするなと引き留める場面だった。打ち潮の動きをした宵谷の表情を見て止めても無駄だと無意識で悟っていた。
その直後に目にしたそれはまるで水鏡のような一閃だった。彼女の肩が柔らかく丸まり鞭がしなるように加速する。その切先が鬼の頚に届いた瞬間、おそらく俺の最速に迫っていた。あまりに鋭過ぎて切断面からは血飛沫すら飛ばなかった。
本人も斬った感覚がなかったんだろう。斬った後も首が胴体から離れないのを見てか、着地するやいなや身体を捻り首を蹴り飛ばす。数ヶ月前とは比べ物にならないほど鮮やかな動き。
鬼の首と体が崩れて消えていく特有の灰の様な匂いは雨のせいで薄い。触手が消え落下してくる人を他の隊士と手分けして受け止め、手当を受けさせるべく彼らが去ってから振り返る。
消滅していく鬼に確認のための一瞥をくれただけで目を閉じ立ち尽くしていた宵谷は、気を静めている様にも何かに祈っている様にも見えた。
彼女もまた研ぎ続けていた。鬼を倒すために。これ以上奪われないために。そして恐らく、俺のために。
凛とした横顔が美しかった。
――けれど、あれでは。
やがて雨に打たれるがままの顔を歪め目を開けたかと思えば、その目から涙が溢れ出した。
「……う、わあぁぁぁぁぁん……っ!」
刀を下ろしてただ立ち尽くし、まるで赤子のように泣き叫ぶ。なにが起きているのかわからない。だけど彼女の中から何かがこぼれ落ちていくような、壊れてしまったようなそんな気がして言葉をかけられなかった。
◇
藤の家紋の家に向かう間、誰からも話しかけられないように一番後ろを歩いていた。
家族の仇の鬼だった。自分のこの手で斬った。もっと清々とした気分になるのかと思ったのに腰の日輪刀がやけに重い。
泣きすぎて痛くなった目元を押さえながら前を行く片身替わりの羽織の背を見つめる。
鬼の頚を斬った後、周りの悲鳴や怒号が慌ただしい喧騒に変わったのに気づいて目を開けた。
最初に金色の釦が目に入った。冨岡さんがすぐ目の前にいて、大泣きしている姿を周りから見えないように隠してくれていた。それなのに目が合った瞬間何も言えず、一礼すらせず他の隊士と合流してしまった。月も隠れ、街灯も消え、隠の持つ明かりだけだったおかげで誰にも何も言われなかった。
冨岡さんにだけきっと恥ずかしいところを見られたんだと思う。だけど今は何も考えたくなかった。
たどり着いたのはとても大きなお屋敷だった。先に連絡が入っていたんだろう、夜中だというのに中から人が迎えに現れて手際よく案内してくれる。三間続きの客間の真ん中を、女性だからとわたしに貸してくれて遠慮できなかった。一人になれるのがありがたかった。
「宵谷」
着替えや食事も部屋に用意してもらっていたのに、庭に面した広縁の柱にぼんやりともたれかかっていると声をかけられた。顔を上げると、奥側の部屋から冨岡さんが出てきたところだった。風呂上がりなのか浴衣姿で裸足で、洗った髪から落ちるものがぽたりぽたりと肩を濡らしていた。
「ちゃんと拭かないとお風邪を召しますよ」
「お前こそ早く風呂に入れ」
言われてみれば雨で濡れた隊服のままで、座っている場所も湿ってしまっていた。
「わたしは皆さんが終わった後でいいです。今日はなんだか疲れてしまって」
「もう全員済んだ」
そんなに長い間こうしていたのか。反対側の部屋を向けば、話し声と時々笑い声も聞こえてきていた。
結局街の人は数人亡くなった。守ったつもりだったのに戦闘が長引いたせいだ。戊の先輩も亡くなった。怪我をした隊士は蝶屋敷や隊が提携している病院へ運ばれていった。助かっていればいいけどわからない。あんなに派手に暴れる鬼に遭遇したのは初めてで、隠の人達は沈静化するのが大変だろうなと申し訳なくなる。それでもみんな終わってほっとしたんだろう。全然気が付かなかった。
「今風呂を入れ直してくれている」
「……はい。じゃあいただいてきます」
こんな夜更けにお屋敷の人にそこまでしてもらってはいただかないわけにもいかない。重たい体をひきずるようにして向かうけれど熱い湯に浸かっても心の奥が冷えて重たいままだった。
部屋へ戻ると広縁にまだ気配がした。すぐそこにいられたのでは気になって横になることもできない。障子を開けるとさっきの場所で冨岡さんが傍らに徳利を置き、片膝を立てて肘をついたその手でお猪口を傾けていた。少し行儀の悪いその姿勢と開けた窓の向こうの庭を眺めているどこか眠たげな表情が艶っぽい。
「お酒、飲むんですね」
話しかけると振り向いてお猪口をひとつ手渡してくる。気のせいか普段より強引な気がして落ち着かないけど、待っていてくれたのなら受け取らないわけにいかない。
「他の皆さんは」
隣に腰を下ろしながらそちらに意識を向ければ、あっという間にいびきが聞こえていた。
「早く終わったから今日は沢山休めますね」
「お前の手柄だ」
「……手柄、なんでしょうか……」
わからない。今日も人が亡くなっているのに。春に、冨岡さんの手伝いで見た帳面を思い出す。
あそこにまた名前が追加されてしまった。今日だけじゃなく昨日も明日もなのかもしれない。それでも下を向いていても何も変わらないからそうやって無理矢理言い聞かせて前を向いて来たんだろう。
「冨岡さんがいなければ勝てませんでした」
徳利から注がれたお酒にほんの少し口をつけると、飲みなれない苦味だけを舌の上に残して喉をもたもたと滑り落ちていく。
広縁に面した庭はよく手入れされていた。すぐ目の前で咲いている青い紫陽花がこちらからの灯りにほんのり浮かび上がっていて綺麗だ。日付が変わって強くなり始めた雨が大きな葉にあたり筋を作って流れ落ちる。ひんやりと湿った風が湯上がりの肌から熱を奪っていく。
……いやだなぁ。
こんなに静かだと心の声が大きくて外に出せと騒いでいる。
「家族を殺した鬼だったんです」
空っぽのお猪口を両手でもてあそびながら打ち明けるとこちらを振り返る気配がした。さすがに少し驚いた顔をしている。
「冷静でいられなくて、勝手に突っ込んでしまってすみませんでした」
頭を下げるけれど沈黙しか返ってこない。話をしたがっていると見抜かれている気がした。
「頚を斬った時、なんだか悲しくなったんです。あんまりあっけなくて、自分が少しは強くなってるのがわかって」
あの時、刀は届いているのが見えているのに豆腐を切ったように手応えがなかった。以前の速記の鬼のときのしくじりを思い出して頭部を蹴飛ばしてからようやく事実を受け入れられたくらいだ。
「そうしたら、自分に力があれば家族は死んでなかったんだなって思ってしまって。今ここにいる自分てなんなんだろうって」
弱かったから奪われて、奪われたから強くなって。
だけど、強くなっても戻ってこない。しんと冷えて暗い場所でわたしはひとりだ。
「冨岡さん教えてください。強くないとだめなんですか。弱い人が弱いまま生きてちゃだめなんですか」
「弱者は奪われるだけだ」
どんな感情で言われたのかはわからない。でも、そう言うだろうと思った。みんなそうだから。何も知らずに幸せだった日々はもう失った、だからここにいるから。
なんて言えばいいのかわからなくて紫陽花に目を向けた時、隣で僅かに息を吸い込む音がした。
「宵谷、鬼殺隊をやめろ」
突然言われた言葉に、ガツンと頭を殴られたような気がした。
「な……ん、ですか……それ……。泣いたからですか、弱気になったから?」
茫然として声が震えてしまう。そんなわたしに向き直って話す声は諭すようだ。
「水の呼吸は水面のような心を保って扱うもの。俺の育手の言葉だ。お前はすぐに感情的になって平常心を失うだけでなく咄嗟の判断が無謀すぎる。それでは自分だけでなく仲間や救うべき人間の命まで危うくする」
「そ、れは……、反省してます……。本当に未熟だなと……」
「ああ。未熟だ。俺が前に言ったことすら覚えてない」
「っ!」
その言葉に愕然とする。部屋で乾かしているリボンの露草色が脳裏をかすめる。
冨岡さんの背中に深く負わせてしまった傷を忘れてたわけじゃない。……ううん、忘れていたんだ。強くなろうと必死で、実際に実力がついてきっと驕っていたんだ。
口元を押さえて声を失うわたしに、第一、と続けられる。
「女の身でこんな場所にいる必要はない。亡くなった家族もお前にそんな事を望んでないだろう」
それは未熟だという言葉は事実だけど一番の理由じゃないのだと思わせるには充分だった。そうだ、この人は。前にもそうやって線を引いたんだ。女の身でそれだけできれば上出来だ、と。今度は、だからやめろ、と。
でも知ってる。『女だから』と軽んじる人じゃない。ちゃんと尊重してくれる人だ。だからこれは『わたしだから』だ。わたしの何が気に入らなくてそこまで言わせているのかは、わからないけど。
「見合いをして良い家に嫁げ。お館様に頼んでやる。子を産んで新しい家族を作れ」
ふざけるな。
咄嗟に出かかった言葉を飲み込み歯を食いしばる。そんな未来は思い描けない。そんなことが出来るなら鬼殺隊に入ってない。それにわたしの気持ちを知ってるくせに言うに事欠いてそれはさすがにひどい。
「じゃあ冨岡さんが子種をください」
役者のように綺麗な顔を睨むけどまったく変わらない表情で受け止められる。怯まずにそうしているとおもむろに立ち上がって背を向け部屋へと戻っていく背中に目を疑った。そんな淡々と勝手なことを言いっぱなしにするなんて、卑怯だ。
「冨岡さん……っ」
みんな休んでいるのに大きな声は出せなくて呻くように呼び止める。どうせまた無視するんだろうと思っていた冨岡さんは、だけど部屋の障子に手をかけて振り返った。
「来ないのか」
言葉の意味に、カッと血が上る。ああ、まただ。感情的になるなと言われたばかりなのに。だって、どうしてそんなに淡々と誘えるの。
「行きません」
怒りたいのか泣きたいのかわからない。だけど絶対に目を逸らしたくない。
「冨岡さんは怒るかもしれないけど、わたしは弱い人を弱いままにしてくれない現実が許せないんです。奪われるだけなんて、そんな理不尽なことない」
わたしの家族にどんな罪があったというんだろう。ただ普通に生きてきただけだ。もしあの日悪いことをした人間がいたとしたら癇癪を起こしてぶつけたわたしだ。死ぬならわたしのはずだった。
「おっしゃる通り技も心も未熟です。でも隊服をいただいた時からわたしはずっと鬼殺隊の一員です。これからもそうです」
家族を殺されて抜け殻になっていたわたしにとってそれでも家族と繋がっていられるのが鬼殺隊だった。あれは鬼だと教えてもらいそれとずっと戦っている人達がいると知った時、どれだけ救われたかわからない。
「家族が望んでなくてもわたしが決めた道です。指摘してくださって感謝してます。精進します。だからそんなことを言わないでください」
それなのに、その場所で、柱であるあなたにすべて否定されてしまったらわたしはどうすればいいの?
しばらくそうしてお互いの姿を捉えたまま動かなかった。先に口を開いたのは冨岡さんだった。障子に手をかけた体勢のまま目を閉じ深く息を吐いてふたたび開きかけた唇を見て、何を言われても噛みついてやると構える。
「時間を作って俺のところへ来い」
「だから絶対行きませんて言ってるじゃ……!」
「稽古をつけてやる」
言葉を被せてしまったせいじゃなく、今しがた言われた「やめろ」とは正反対の内容に思わず目を瞬く。
「は……、……え、……稽、古?」
どうして突然。たった今までの怒りを宙ぶらりにされて言葉がうまく出ない。
「返事」
「え、あっ、はい。……じゃなくて、冨岡さんっ」
反射的にそう答えてしまうわたしが困惑したままなのはわかっているはずなのにそのまま障子を開けて部屋へと戻っていこうとするので慌てて呼び止める。だけど、何を言えばいいのかわからなかった。口を半開きのまま固まっていると数秒してそのまま障子が閉まった。結局は何も言えず見送る。
「どういうこと……?」
柱は継子以外に稽古はつけないと聞いていた。でも継子にしてやるとは言われなかった。もちろん自分にそんな実力があるとは思ってない。だからこそ冨岡さんの本心がどこにあるのかわからなくて、空っぽのお猪口をくるりとまわす。
きっともう今日は何も答えてはくれない。
でも、どうしてもひとつだけ聞きたくて。
「冨岡さん」
立ち上がり障子の前まで進んで声をかける。
「さっき、わたしのこと試したんですか。……『来ないのか』、って」
なんて答えて欲しかったんだろう。自分でもわからないまま息をつめて待つけれど返事はなく部屋にいるはずなのに物音さえしない。しばらく待つけれど諦めるしかなかった。対等に話をしてもらうには強くなるしかないんだろう。戦う術だけではなく心を。
置きっぱなしの徳利とお猪口を片付けようとして雨音が大きくなっているのに気づいた。朝にかけてまだ雨足が強くなるのかもしれない。吹き込まないようにと開いた窓の側へ寄り、できた大きな水溜りに次々と重なっていく波紋を見つめる。
「水面のような平常心、……か」
以前蝶屋敷の庭でも言われたことがある。本当にわたしはすぐ忘れてしまうみたいだ。でも。
「……今かき乱したのは自分のくせに」
どうしたらいつもあんな風に淡々としていられるんだろう。なにがあの人の心を揺らすんだろう。
雨はやっぱり強くなってきた。紫陽花の葉に当たっている音が大きい。その青を思い浮かべればわたしに向けられた目や言葉が頭から離れなくて、その夜は布団に入ってもなかなか寝付けなかった。
(続)