鉢尾

 鉢屋の家にふりかけパックがあった。あいつふりかけとか使うんだ。聞けば、「塩で握っただけのおにぎりに飽きた」という理由らしい。
「勘右衛門が手作り弁当を作ってくれてもいいんだが」
「うーん。作れるけど、食中毒が」
「やめとこうか」
 それでも俺は、台所の隅で弁当箱を発見する。よく洗って干してみる。夕飯の残りを弁当に詰めるのがセオリーだと思っているので、必然的に今夜の夕飯も俺が作ることになる。
「なんか、こう、野菜を肉で巻くか」
「お、器用なことをするね」
 器用なところ、たまには見せないとね。俺と鉢屋はさっそくスーパーに出かける。キャベツがどんどん高くなる。オクラを籠に入れた。鉢屋が「流れ星を食べたらオクラの味がするんだろうか」と言った。そんな流れ星は嫌だ。
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