夢短編
かなめ
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小平太と長次は、交互に機嫌が悪くなる。
どちらかと過ごした次の日に、相手の匂いを嗅ぎつけるのだ。忍びは体臭を消すものだけど、この二人はお互いがお互いを好きすぎて、相手の匂いを察知することが出来る。
「なあ、かなめ。昨日は長次と過ごしたんだな」
「え、うん……借りた本についてお話を聞きたかったから……」
「私の誘いを断って」
「小平太とは、一昨日過ごしたでしょう」
このありさまだ。お互い嫉妬深い。嫉妬深いのに、お互いのことを好きだから、憎めずに私にあたるのだ。
小平太は構ってほしいのを隠そうともしないし、長次は寡黙に私を抱きしめる力が強くなる。そうしてお互いの体臭でマーキングする。お風呂にきちんと入っているのに、どうやらそれは消えないらしい。
ある昼、一人で過ごしていると、部屋の戸がガラリと開いた。声もかけずに突然戸を開く人物なんて、二人しかいない。
「かなめ! 遊ぼう!」
「……もそ」
ここはくのたま長屋だぞ、なぜ男子がこうも簡単に入ってくる。しかも今日は二人同時に。
「遊ぶって言ったって、何するの」
「かなめと過ごせたら何だっていいぞ」
そう言いながら小平太は私の膝に寝ころんだ。長次は私の背中にもたれかかる。ここが二人の定位置だ。私は動けなくなってしまったので、小平太の髪の毛を遊ぶ。もふもふでやわらかい。それを見た長次が私の手を奪い握りこんでくるので、いよいよ身動きがとれなくなってしまった。
「二人は私をどうしたいの?」
「自分のものにしたいなあ」
「ああ。私のものにしたい」
「でも長次から奪うのは面白くないなあ、長次が一人になってしまう」
「私も小平太を苦しませたいわけではない」
私を挟んで、二人の絆が深まっていく。何を見させられているのやら。まあ二人が仲いいところを見るのは好きだからいいのだけど。
「かなめ」
起き上がった小平太と、後ろから顔を覗き込んだ長次が、同時に私の頬に唇を落とす。私は顔を火照らせながら、二人の隙間でもじもじと身体をよじった。
「や、やめて」
「恥ずかしがるな!」
「……かわいい」
二人がどうして私に執着しているのかは全く分からない。以前、二人に聞いたことがある。どうしてそんなに私に構うのかと。どうやら出会いが鮮烈だったようだけれど、私は覚えていない。それを二人に伝えても、「私たちが覚えていれば、それでいい」と微笑まれてしまった。なんだか悔しかったので、いつか聞きだしてやろうと思う。
二人の頭を撫でると嬉しそうにされたので、つい釣られて私も笑ってしまった。のどかな昼下がり、こんな過ごし方も悪くない。二人の匂いに染まっていきながら、いつかどちらかを選ばないといけない日が来るのかしらと思いを馳せる。未来のことはわからない。それまではこのふたつの手をとることを許されたい。
どこかで猫の鳴き声がした気がした。二人が猫のようだから幻聴でも聴こえたろうか。二人の喉を撫でると、ゴロゴロとは鳴らなかったけれど、「くすぐったい」という笑い声が漏れたのがかわいかったので、よしとする。
どちらかと過ごした次の日に、相手の匂いを嗅ぎつけるのだ。忍びは体臭を消すものだけど、この二人はお互いがお互いを好きすぎて、相手の匂いを察知することが出来る。
「なあ、かなめ。昨日は長次と過ごしたんだな」
「え、うん……借りた本についてお話を聞きたかったから……」
「私の誘いを断って」
「小平太とは、一昨日過ごしたでしょう」
このありさまだ。お互い嫉妬深い。嫉妬深いのに、お互いのことを好きだから、憎めずに私にあたるのだ。
小平太は構ってほしいのを隠そうともしないし、長次は寡黙に私を抱きしめる力が強くなる。そうしてお互いの体臭でマーキングする。お風呂にきちんと入っているのに、どうやらそれは消えないらしい。
ある昼、一人で過ごしていると、部屋の戸がガラリと開いた。声もかけずに突然戸を開く人物なんて、二人しかいない。
「かなめ! 遊ぼう!」
「……もそ」
ここはくのたま長屋だぞ、なぜ男子がこうも簡単に入ってくる。しかも今日は二人同時に。
「遊ぶって言ったって、何するの」
「かなめと過ごせたら何だっていいぞ」
そう言いながら小平太は私の膝に寝ころんだ。長次は私の背中にもたれかかる。ここが二人の定位置だ。私は動けなくなってしまったので、小平太の髪の毛を遊ぶ。もふもふでやわらかい。それを見た長次が私の手を奪い握りこんでくるので、いよいよ身動きがとれなくなってしまった。
「二人は私をどうしたいの?」
「自分のものにしたいなあ」
「ああ。私のものにしたい」
「でも長次から奪うのは面白くないなあ、長次が一人になってしまう」
「私も小平太を苦しませたいわけではない」
私を挟んで、二人の絆が深まっていく。何を見させられているのやら。まあ二人が仲いいところを見るのは好きだからいいのだけど。
「かなめ」
起き上がった小平太と、後ろから顔を覗き込んだ長次が、同時に私の頬に唇を落とす。私は顔を火照らせながら、二人の隙間でもじもじと身体をよじった。
「や、やめて」
「恥ずかしがるな!」
「……かわいい」
二人がどうして私に執着しているのかは全く分からない。以前、二人に聞いたことがある。どうしてそんなに私に構うのかと。どうやら出会いが鮮烈だったようだけれど、私は覚えていない。それを二人に伝えても、「私たちが覚えていれば、それでいい」と微笑まれてしまった。なんだか悔しかったので、いつか聞きだしてやろうと思う。
二人の頭を撫でると嬉しそうにされたので、つい釣られて私も笑ってしまった。のどかな昼下がり、こんな過ごし方も悪くない。二人の匂いに染まっていきながら、いつかどちらかを選ばないといけない日が来るのかしらと思いを馳せる。未来のことはわからない。それまではこのふたつの手をとることを許されたい。
どこかで猫の鳴き声がした気がした。二人が猫のようだから幻聴でも聴こえたろうか。二人の喉を撫でると、ゴロゴロとは鳴らなかったけれど、「くすぐったい」という笑い声が漏れたのがかわいかったので、よしとする。