雑高
雑渡さんが真剣な声で私に電話をかけてきたので、慌てて飛んできたのだが、聞いてみればなんてことない、
「ねえ私って、人よりもビタミンD生成されてないんじゃないかなあ? 日光に当たらないよう皮膚を隠してるから……サプリって何がおすすめ?」
というものだった。私は汗を拭いながら「ディアナチュラでいいんじゃないでしょうか」と答える。
「筋トレはするけれども、美容垢みたいにサプリにこだわってないからさあ。なにか飲んだ方が良いのかと思って」
「雑渡さんは美容垢を運用していないんですから気にしないでいいんですよ」
せいぜいタンパク質の摂り方にこだわればいいんじゃないだろうか。どのプロテインがおすすめとか。
「陣左って色白いよねえ。まつ毛も長いし」
「……雑渡さんは何を目指そうとしているのですか?」
「んー、妖(あやかし)」
妖ときたか。暑さでやられたか。使い慣れたキッチンで勝手にアイスコーヒーを作りながら、氷を普段より多めにいれる。
「とびきりの美人になって、八尺様を目指そうかと思うんだ」
「怪異ですよそれは」
カランと氷を揺らしながら乾杯をして、雑渡さんの戯言を聞く。暑さに頭がやられたのですかなんて聞けない。
「今度みんなでお化け屋敷やろうよ。陣左はお菊さんね。一枚たりな~い、の」
「むごい死に方をしたものですね」
「あ、ごめん、今世は二人でしあわせに死のうねって約束したのに」
「その言い方はちょっと」
アイスコーヒーの苦みが口の中に広がる。雑渡さんは知らないだろうけれど、私は前世の終わりも、不満ではなかったですよ。あなたのために死ねたのですから。
「しあわせになるサプリ、探そうね」
「ですからその言い方はちょっと」
ひとまず、雑渡さんが美容垢の運用をしないよう見張っていよう。サプリはディアナチュラを片っ端から試すとして。
「ねえ私って、人よりもビタミンD生成されてないんじゃないかなあ? 日光に当たらないよう皮膚を隠してるから……サプリって何がおすすめ?」
というものだった。私は汗を拭いながら「ディアナチュラでいいんじゃないでしょうか」と答える。
「筋トレはするけれども、美容垢みたいにサプリにこだわってないからさあ。なにか飲んだ方が良いのかと思って」
「雑渡さんは美容垢を運用していないんですから気にしないでいいんですよ」
せいぜいタンパク質の摂り方にこだわればいいんじゃないだろうか。どのプロテインがおすすめとか。
「陣左って色白いよねえ。まつ毛も長いし」
「……雑渡さんは何を目指そうとしているのですか?」
「んー、妖(あやかし)」
妖ときたか。暑さでやられたか。使い慣れたキッチンで勝手にアイスコーヒーを作りながら、氷を普段より多めにいれる。
「とびきりの美人になって、八尺様を目指そうかと思うんだ」
「怪異ですよそれは」
カランと氷を揺らしながら乾杯をして、雑渡さんの戯言を聞く。暑さに頭がやられたのですかなんて聞けない。
「今度みんなでお化け屋敷やろうよ。陣左はお菊さんね。一枚たりな~い、の」
「むごい死に方をしたものですね」
「あ、ごめん、今世は二人でしあわせに死のうねって約束したのに」
「その言い方はちょっと」
アイスコーヒーの苦みが口の中に広がる。雑渡さんは知らないだろうけれど、私は前世の終わりも、不満ではなかったですよ。あなたのために死ねたのですから。
「しあわせになるサプリ、探そうね」
「ですからその言い方はちょっと」
ひとまず、雑渡さんが美容垢の運用をしないよう見張っていよう。サプリはディアナチュラを片っ端から試すとして。