その他
おおげさだと思うけれど、聞いてほしい。
僕はわりと映画で泣く。どんな映画でも。
さすがにB級映画のチープなアクションでは泣かないけれど、少しでも差し込まれるラブロマンスには涙腺を刺激される。ぼたぼたと頬から雫を垂らしていることがしょっちゅうなので、よく仲間たちに笑われてしまう。
「だってニセモノだろう、くらいには笑い飛ばす方だと思っていたけれどな」
仙蔵はそう言って笑いながら、ティーカップを口に運ぶ。彼はダージリン、僕はアッサム。
「役者さんなりアニメなり、全力をだしているわけだろう。そこに見入ってしまうんだ」
「根が純情なんだ。あの頃からずっと」
「それって褒めてるの?」
アフタヌーンティーとやらに行ってみたい、着いて来てくれ、と無理やり誘われたカフェで、男二人なのは僕たちだけだ。女性たちの囀るような声で店内は賑わっている。文次郎は恥ずかしがって、誘いに乗ってくれなかったようだ。
「でもね、おかしいことに、留三郎の方が泣くんだよ。号泣レベルで」
「アイツらしい」
スコーンを割った屑がてのひらにくっついて、ざらざらする。慣れていないから食べるのが下手だ。プレーンとチョコのスコーンに、今月のジャムとやらを乗せて口に運ぶと、甘さが広がり思わず頬が緩む。
「仙蔵は純情じゃないの?」
「純情に見えるか?」
「見える時と見えない時があるよ」
「正直者が。誰しもそうだろう」
それはそうだ。納得しながらスコーンの欠片を頬張る。
辛辣だとかガサツだとか言われることも、優しすぎると言われることもあるけれど、それって人間が多色であることの表れだから、なんだか嬉しく思う。すべてが誉め言葉でなかったとしても。
スコーンを食べ終えて、二杯目の紅茶――時間内ならおかわり自由といった仕組みだ――を頼んだ。メニュー表にずらずらと並んだ紅茶の種類は何もわからない、長次ならわかったりするだろうか。
「ちなみになんの映画を見たんだ」
「貞子vs伽椰子」
「バカタレ」
僕はわりと映画で泣く。どんな映画でも。
さすがにB級映画のチープなアクションでは泣かないけれど、少しでも差し込まれるラブロマンスには涙腺を刺激される。ぼたぼたと頬から雫を垂らしていることがしょっちゅうなので、よく仲間たちに笑われてしまう。
「だってニセモノだろう、くらいには笑い飛ばす方だと思っていたけれどな」
仙蔵はそう言って笑いながら、ティーカップを口に運ぶ。彼はダージリン、僕はアッサム。
「役者さんなりアニメなり、全力をだしているわけだろう。そこに見入ってしまうんだ」
「根が純情なんだ。あの頃からずっと」
「それって褒めてるの?」
アフタヌーンティーとやらに行ってみたい、着いて来てくれ、と無理やり誘われたカフェで、男二人なのは僕たちだけだ。女性たちの囀るような声で店内は賑わっている。文次郎は恥ずかしがって、誘いに乗ってくれなかったようだ。
「でもね、おかしいことに、留三郎の方が泣くんだよ。号泣レベルで」
「アイツらしい」
スコーンを割った屑がてのひらにくっついて、ざらざらする。慣れていないから食べるのが下手だ。プレーンとチョコのスコーンに、今月のジャムとやらを乗せて口に運ぶと、甘さが広がり思わず頬が緩む。
「仙蔵は純情じゃないの?」
「純情に見えるか?」
「見える時と見えない時があるよ」
「正直者が。誰しもそうだろう」
それはそうだ。納得しながらスコーンの欠片を頬張る。
辛辣だとかガサツだとか言われることも、優しすぎると言われることもあるけれど、それって人間が多色であることの表れだから、なんだか嬉しく思う。すべてが誉め言葉でなかったとしても。
スコーンを食べ終えて、二杯目の紅茶――時間内ならおかわり自由といった仕組みだ――を頼んだ。メニュー表にずらずらと並んだ紅茶の種類は何もわからない、長次ならわかったりするだろうか。
「ちなみになんの映画を見たんだ」
「貞子vs伽椰子」
「バカタレ」